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2008年3月 8日 (土曜日)

山中千尋『アフター・アワーズ』

今日の我が千葉県北西部地方は、朝から快晴。朝はちょっと風が寒かったが、昼過ぎて暖かな一日。日差しもタップリあって、やっと春を感じることの出来る一日。このところ、寒の戻りだったからなあ。もう、寒い日はいいや。

3日前、iTunesから山中千尋の新作をダウンロード。タイトルは『アフター・アワーズ~オスカー・ピーターソンへのオマージュ』。2007年12月25日に惜しまれながらこの世を去った、オスカー・ピーターソンへのオマージュ的作品。

パーソネルは、山中千尋(p)、アヴィ・ロスワード(g)、脇 義典(b)のドラムレス、ピアノ+ベース+ギターのトリオ編成。まず、このドラムレスの「ピアノ+ベース+ギターのトリオ編成」がユニーク。近頃、復権の兆しのある、50年代のオスカー・ピーターソンを彷彿とさせるオールド・スタイルな編成です。

冒頭の「オール・オブ・ミー」でニンマリ。オスカー・ピーターソンへのオマージュということで、オスカー・ピータ-ソンそっくりのタッチとフレージング。プロなので朝飯前なんだろうが、コロコロと転がすようなタッチもそっくりで、思わず「上手いな〜」。このアルバムへの期待感が高まります。

どの曲も良い選曲、良いアレンジなのですが、特に3曲目の「コンファメーション(Confirmation)」は、アルト・サックス奏者チャーリー・パーカーの作曲。典型的なビ・バップのメロディとコード進行で、ジャズ・スタンダードの代表曲のひとつですが、ピアノ・トリオでの演奏は記憶にありません。これをドラムレスのピアノ=ギタートリオで演奏することで、ビ・バップ特有の喧噪感が中和され、なかなか小粋でスピード感のある演奏に仕上がっています。
 

Cy_after_hours

 
そして、7曲目の「虹の彼方に(Over The Rainbow)」は、速いテンポの演奏。これが「我が意を得たり」的な演奏で、僕も昔からこの「虹の彼方に」をピアノ・トリオで、速いテンポでアレンジしてはどうか、と思っていましたので、この演奏は実に感慨深いです。ここでも、ドラムレスのピアノ=ギタートリオの柔らかさが功を奏していて、喧しい感じが全く無い。良いアレンジです。

5曲目の「スー・シティ・スー・ニュー(Sioux City Sue New)」は、キース・ジャレットの曲で、この曲だけ、他のスタンダードとちょっと毛色が違います。キースらしい、ロマンチシズム溢れる名曲で、途中、可愛らしい、微笑ましいギミックが登場しますが、ここでは、ネタバレになるので「内緒」。

オスカー・ピーターソンへのオマージュということで、オスカー・ピータ-ソンそっくりのタッチとフレージングで占められるのかと思いきや、それは、冒頭1曲目の「ご挨拶」のみで、他の演奏では、しっかりと山中千尋のピアノとしての、個性的な響きを確認できる。

今までは、自作曲中心のアルバム収録だったが、このアルバムは、山中千尋初のスタンダード集といえる。さすが、スタンダードを弾かせても「上手い」。加えて、彼女の得意技であるアレンジが実に良くて、どの曲も楽しく聴くことができます。

アルバム全体の長さも、トータル35分程度と短いのですが、これがまた良い。もともと人間が集中して曲を聴き続ける時間って、せいぜい30〜45分だと感じているので、最近のCDフォーマットはちょっと長いな(60〜70分程度)と思っています。35分全8曲は、集中して聴き通すのには、ちょうど良い時間で、結構、ヘビー・ローテーションになっています。

今までリリースされてきたアルバムで、あそこまでの演奏ができるのだから当然、と思っていましたが、今回の山中千尋のスタンダード集は溜飲の下がる思いです。自作曲も良いものが多いので、それはそれで、これからもどんどん極めていって欲しいのですが、たまに、こんなスタンダード集も良いですよね。

とにかく、スタンダードを演奏しても彼女のピアノの個性は変わらない、ということを確認できたことが、このアルバムの僕にとっての収穫です。もちろん、内容については充実しています。山中千尋のファンの方だけでなく、最近のピアノ・トリオの佳作として「お勧め」です。
 
 
 
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はじめまして!「松和のマスター」様
私、昨年9月末で長年勤めた会社を退職し、現在第二の人生にむけ、充電中の還暦前の団塊オヤジです。
サラリーマン生活から開放され、学生時代に熱中したJAZZを再び満喫している今日この頃です。ボケ防止にとブログをはじめ、約1ヶ月程になります。
内容も幼稚でお恥ずかしい限りで、他の方のブログを参考にしなければと色々検索していて「マスター」のブログにめぐり合いました。まだまだ全部を読んではいませんが、JAZZからロックまで幅広く聴いておられており、日常生活も併せて綴られているブログ内容に感心するばかりです。
更新を楽しみにしております。
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minato-uchidaさん、初めまして。松和のマスターです。

ブログにコメント、ありがとうございます。minato-uchidaさんの
ブログ、拝見させていただきました。ブログの運営については、
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日々の生活の中からネタを選ぶこと、そして、無理しない、
背伸びしない、ことが大切だと思っています。私はまだ会社勤め
真っ只中なので、通勤の往き帰りのiPodは、手放せません(笑)。

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