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2008年3月の記事

2008年3月29日 (土曜日)

ロックとフュージョンの距離

今日は晴れるには晴れているが、気温の上がり方が鈍い。花見にはちょっと冷たい風が吹いている。明日は天気は良くないみたいで、どうも花見日和に恵まれない、今年の「桜の季節」である。

これだけ、気温の上がり下がりが激しいと、どうも体調が思わしくない。今週は仕事もハードだったので、ちょっと疲れた。もう少し、気温が上がってくれると楽なんだけどなあ。

さて、ジャズと、他のジャンルの音楽、ロックやワールドミュージックの音楽との融合で出来た、ジャズのジャンルの一つである「フュージョン」。英国では、この「フュージョンのジャンル」は、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展した。

その代表例が「ビル・ブラッフォード」。彼は、イギリス出身のドラマーで、1970年代、一世を風靡したプログレッシブ・ロックの人気バンド、イエス、キング・クリムゾンに在籍した。つまりは、プログレッシブ・ロック界を代表するドラマーの一人である。

ブラッフォードは、1974年、いきなりロバート・フィリップがキング・クリムゾン解散してしまった後、カンタベリー・ジャズロックの諸バンドや、プログレ・バンドのジェネシスのツアーメンバー等のセッション活動を経て、1978年にU.K.の結成に参加したが、アルバム1枚でU.K.を脱退、翌1979年に自身のバンドであるブラッフォードを結成した。
 

Bruford

 
この「ブラフォード」というバンドでのファースト・アルバムが『Feels Good to Me』(写真左)。メンバーは、Bill Bruford (ds,per)、Dave Stewart (key)、Alan Holdsworth (g)、Annette Peacock (vo)、Jeff Berlin (b)、Kennt Wheeler(flh)。メンバーを見渡すと、ジャズロック畑、ジャズ畑からメンバーが集まっている。プログレ+ジャズ=英国フュージョンという図式が垣間見えるところが面白い。

この『Feels Good to Me』は全体的な印象は、硬質でクールなテクニカル・フュージョンという感じです。Annette Peacockのボーカルがところどころ良いタイミングで出てきて、良いアクセントとなっています。ちょっと不気味な感じのボーカルですが、それがまた英国っぽくて良い感じです。

硬質でクールな雰囲気が全面に出ている分、キャッチャーなメロディーやリフが不足しているかな〜、と思いますが、フュージョンのアルバムとしては、良い出来だと思います。

セカンド・アルバムは『One of a Kind』(写真右)。メンバーは、女性ボーカルのAnnette Peacockが外れたが他は同じ。前作がちょっと硬質でクールな雰囲気が前へ出すぎた感があった部分を実に上手く修正している。

出だしの1曲目「Hell's Bells」での、前奏のDave Stewartのシンセサイザーのリフと音を聴くと前作との音の作りの相違点が判ります。キャッチャーでメロディアスなリフやフレーズが随所に散りばめられていて、ちょっとプログレ寄りの音作りが心地よい。

これって、プログレ+ジャズ=英国フュージョンの成功例のひとつだろう。この音は米国では創れない。英国ならではの「くすんだ感じ」と「少し陰鬱な薄暗い感じ」と「湿度を感じるウェットな感じ」を十分に感じ取ることができ、英国プログレ・ファンにもお勧めです。

英国における「ロックとフュージョンの距離」は近い。意外と、インスト・ロックとフュージョンとの差は無い。つまりは、英国では、この「フュージョンのジャンル」は、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展したと言えるのではないでしょうか。
 
 
 
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2008年3月28日 (金曜日)

時には英国ハードロックなど...

我が千葉県北西部地方は、桜がほぼ満開である。朝の通勤の電車の中から見ていても、どの桜もほぼ満開状態。こりゃー明日が勝負やな。今日は一日ぐずついた天気模様だったけど、明日は晴れるとか。明後日は天気はいまいちみたいなので、やっぱり、花見は明日が勝負やな。

さて、ジャズとフュージョンが専門で、合間に70年代ロックを愛でるという「音楽鑑賞スタイル」が身についてから、早20年。ジャズやフュージョンを中心に聴いていると、無性にロックが聴きたくなる時がある。まあ、洋食ばかりを食べていると和食が無性に食べたくなると言うか、和食ばかりを食べていると洋食が無性に食べたくなるというか、そんな感じである(笑)。

春めいてきたからか、ロック、それもハード・ロックが聴きたくなった。ハード・ロックと言えば、ブリティッシュ・ハード・ロックである。英国ハード・ロックが聴きたい。ツェッペリンとクイーンは日頃から良く聴くし・・・、と思っていたら、ディープ・パープル系の音がフッと脳裏をよぎった。

といって、ディープ・パープルは、アルバムによって出来不出来の差があるので、一発必中で、スカッとできるかどうかは保証の限りではない。と思いながら、iPodのホイールをグリグリしていたら、レインボーの行き当たった。おおっ、レインボーか。リッチー・ブラックモアズ・レインボーや。

Rainbow

早速、『銀嶺の覇者』(写真左)と『虹を翔る覇者』(写真右)を続けて聴く。『銀嶺の覇者』の出だしの一曲目「Man on the Silver Mountain」の前奏を聴くだけで、「おお〜、パープルの音じゃ〜」と思うくらい、「マシン・ヘッド」の頃のパープルの音にそっくり。う〜ん、やっぱり、リッチー・ブラックモアは、あの時代の音が好きだったんやなあ。

続く『虹を翔る覇者』を聴く。出だしの「Tarot Woman」の前奏での長々とした、こけおどし的なシンセサイザーの音からも判るように、ファースト・アルバムに比べて、ちょっとコマーシャルになったけど、演奏を聴くと、やっぱり「おお〜、パープルの音じゃ〜」と思ってしまう。う〜ん、ブラックモア、飽きないか? 

真面目な話をすると、「マシン・ヘッド」の頃のパープルの音って、リッチー・ブラックモアの音楽性がモロに反映されていたんだと思う。米国へ行くにはファンキーな音にならなければならない、といった英国ロック・バンドの大いなる誤解故に、アメリカナイズされた音を追求したあげく、終わってしまった英国ロック・バンドの多いこと多いこと。でも、ブラックモアは、その「ファンキーな音」が大嫌いだったんだろうな。

『銀嶺の覇者』と『虹を翔る覇者』を聴くと、ブラックモアって、ホントに、判りやすくて印象的なリフ、判りやすくて印象的なフレーズを創り出すのが上手い。アルバムに収録された曲全てに、印象的なリフ、印象的なフレーズが散りばめられていて、聴いていて実に楽しい。バックのリズム・セクションは、ファンキーなノリは一切排除。1970年代前半のパープル黄金時代のリズムとビートを供給する。

「判りやすくて印象的」なので、繰り返し聴くと飽きも早いが、時たま、ジャズ・フュージョンの合間の「耳休め」には、この「判りやすくて印象的」な所が、何にも考えずに聴くことができて、単純に「乗る」ことができる理由なんでしょうね。

時には、単純で判りやすいロックを聴くのも良いもんだ。何にも考えずに、足を軽く踏みならしながら、「ノリノリ」で聴くことのできるハード・ロックのアルバムも時には良いもんだ。
 
 
 
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2008年3月27日 (木曜日)

Hymn to Freedom「自由への賛歌」

案の定、昨晩はグループの宴会で、調子に乗って二次会までいって、自宅に帰りついたのが「午前様」。寝付いたのは夜中の一時過ぎ。当然、今日は朝から強烈な「寝不足」(注・二日酔いではない)。

どうも、仕事の調子が良くない。調子が良くないのは僕ではない。とある仕事を依頼したいのだが、どこもかしこも「消極的で、依頼心が強く、責任感が無く、理解力に乏しい」企業ばかり。技術者のレベルはどんどん下がっていく。相手の立場に立った「パートナー」としてのスタンスは無い。サービス業とは名ばかり。いやはや、落ちるところまで落ちてきたなあ。

当然、今日は一日機嫌が悪いし、なんとなく厭世感が漂い、やる気が失せていく。なんとなく面白くないし、ノリが悪い。でも、そんな時、家に帰り着いて、晩ご飯が僕の好物だと、ちょっと元気になる。いや〜、うちのカミさんに感謝、感謝。

晩ご飯が好物で、ちょっと元気になると、聴く音楽も、心から好きなミュージシャンのアルバムを聴きたくなる。そして、心から好きな曲が聴きたくなる。今日は、オスカー・ピーターソンの『Summer Night in Munich』(写真左)。1998年にミュンヘンで行ったライブである。
 

Op_munich

 
ピーターソンは、1993年に脳梗塞で倒れ、歩く事が出来なくなったが、リハビリを重ね、その後、まだ左手が不自由ではあったが再びピアノを弾けるようになった。そんな時代、1998年のライブである。これが「凄い」。このピアノ、本当に、左手が不自由な人のピアノなのか。凄いドライブ感とエモーションである。これだけのドライブ感溢れるジャズ・ピアノを弾けるピアニストが他にどれだけいるのだろうか? ピーターソンは偉大である。

このアルバムでの、ピーターソン・トリオの演奏は申し分ないです。特別にどこがお気に入りかと言えば、僕の大好きな曲、ピーターソン・オリジナルの「Hymn to Freedom(自由への賛歌)」が収録されているところですね。僕は、この「Hymn to Freedom」という曲が大好きです。「Hymn to Freedom」の最初の収録は、ピーターソンの『Night Train』というアルバムのラストでした。

ゆったりとしたテンポで、雄大なスケールの、パワフルで、ドライブ感溢れる、ゴスペル調の「元気の出る曲、勇気の出る曲」。シンプルな出だし、ファンキーさが芳しいアドリブ、そして、クライマックスでの「圧巻」とも言うべきトリル(2本の指で2つの鍵盤を交互に弾いて行う奏法)。「う〜ん、ピアノで、ここまで表現出来るんか〜」と、素直な感動を覚えることのできる名演です。

このミュンヘンでのライブは、テクニックの面では、若かりし頃のピーターソンの演奏と比べるのは酷なのですが、歳をとった演奏の方が深みがあるというか、年輪の重みが滲み出ていて、実に感動的な演奏です。ジャズはテクニックばかりでは無い、ということを、ピーターソンは身をもって教えてくれます。

晩ご飯が僕の好物で、聴く音楽は僕の大のお気に入り。かなり気持ちを滅入らせる、嫌な出来事、嫌な出会いがあった一日だったが、食べ物と音楽の「好物」のおかげで、ちょっと気持ちが明るくなった。僕にとって「食べ物と音楽」は、とても重要な「元気回復の素」です。
 
 
 
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2008年3月25日 (火曜日)

Crusadersの「Standing Tall」

今朝は、朝刊を取りに外に出てビックリ。霧。濃霧である。100メートル先が見えない。昨日は冬の寒さだったからなあ。暖かい空気が流れ込んで、久しぶりの「霧」。う〜ん、春である。でも、この濃霧の影響で電車が遅れるんだよな〜。でも、自然の力を感じて、なんだか、朝から機嫌が良い(笑)。

さて、昨日、Crusaders(クルセイダーズ)の『Standing Tall(スタンディング・トール)』(写真左)を手に入れた。ヴォーカルを加えポップな作風へ移ってからの1981年の作品。ロック畑のボーカリスト、ジョー・コッカーの起用でも話題となった1枚。

「Standing Tall」は「誇り高く、堂々と生きる」という意味があるそうです。う〜ん、判るなあ。この『Standing Tall』は、実にポジティブな、実に前向きな音作りが特徴の「フュージョン名盤」なんです。とにかく明るい。とにかく前向き。メランコリックな雰囲気やブルージーな雰囲気は皆無。これが実に良い。学生時代の「ながら音楽」のヘビー・ローテーションでした。

卒論の参考文献を読む時、卒論を書く時、疲れて一息つく時、文献読むのが嫌になって小説に逃避する時、この『Standing Tall』がバックで流れていました。とにかく、このアルバムのポジティブ感が良いんですよ。落ち込むことが無い(笑)。

冒頭「Standing Tall」のシンセサイザーの前奏「ピロピロピロピロ」の音を聴くと、今でもワクワク。スマートなシンセサイザーの使い方に惚れ惚れ。3曲目「Sunshine in Your Eyes」、5曲目「Luckenbach, Texas (Back to the Basics of Love)」などは、このアルバムのポジティブ感を支える名曲名演。6曲目「Longest Night」の充実感ある演奏も捨てがたい。
 

Standing_tall

 
そして、極めつけは、ジョー・コッカーの名唱の誉れ高い2曲目の「 I'm So Glad I'm Standing Here Today」。もうこのボーカルは、ジャズでもフュージョンでも無い。ましてやロックでも無い。こりゃ〜、英語で歌った「演歌」。このボーカルはジャンルなど関係無い。僕にとって、感動のボーカルである。

とにかく歌詞が良い。ちょっと落ち込んでいても、この曲を、このボーカルを聴けば、たちどころに元気になる。学生時代、そうだった。今回、久しぶりに聴いても、やっぱり元気になる。襟元を正して、胸を張って、顔を上げて、「よしっ」と気合いが入る。特に2番の歌詞が、学生時代から気に入っていて、何度聴いても感じ入って、しみじみとしてしまう。

If you're lost
In your troubles
And the world just seems to just forget you
If you remember sunshine
Even on your darkest day
Just follow what your heart says
And you'll find your way

Some said I was hopeless
A mind tangled in the night
Oh, but strong hearts just keep goin'
That is why I'm still standing here today

Come together
Raise up your voices
This time my song of love and life won't go away
I'll sing forever
Here in the sunshine
I've lived to see the sun break through the dawn
And I'm so glad to be standing here today

I've lived to see the sun break through the storm
And I'm so glad to be standing here today

(The Crusaders featuring Joe Cocker
「I'm so Glad I'm Standing here Today」より)

演奏もピカイチの内容。ジョー・サンプルのキーボードのセンスは抜群、スティックス・フーパーのドラムはシンプルでありながら「うねるようなノリとビート」を叩き出し、ウィルトン・フェルダーのサックスは「歌うようにファンキー」。優れたアレンジと共に、実に内容のある、スマートでノリの良いフュージョンを聴かせてくれます。

さあ、「I'm so Glad I'm Standing here Today」を聴いて「元気回復」。気力を充電し、さあ、また明日から「知能的格闘の日々」。そうそう、明日は、グループの懇親会(飲み会)ですので、ブログはお休みします(恐らく夜中に家に帰り着くことになりそうだからね〜・笑)。
 
 
 
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2008年3月24日 (月曜日)

「まだまだロックキッズ」更新!

今日は振替休日。しかし、我が千葉県北西部地方は、朝から冷たい雨。肌寒い。これだから、関東地方の3月は信用ならん。昨日は最高気温18度を記録して、暖かいを通り越して、少し暑いくらいだったけど、今日は、うって変わって最高気温12度。これって「冬」やん。

テレビをつけると、春の選抜高校野球の3日目。甲子園は、午前中は曇り空ではあるが、雨はあがっていて、午後からは日差しも戻って、高校生が溌剌とプレーしている。と、こちらの窓に目を転じると、外が寒いせいで窓は白く曇り、外では雨が音をたてて降っている。この天気の差はなんなんだ。日本列島って、南北東西に長いんやなあ、と感じる。

午前中は結構強い雨が降りつけて、外出する気も全く起こらず、今日は一日、家の中で過ごすことにして、前から懸案になっていた、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」のリニューアルをすることにした。

Albert_hammond_rockkids

リニューアルと言っても、ちょっとしたマイナー・チェンジ規模なんですが、「新しいコーナー」をオープンしました。「新しい」といっても「我が懐かしの70年代ロック」の部屋に埋もれていた「まだまだロックキッズ」のコーナーを昇格させて、独立した特集コーナーとしました。

このコーナーは、70年代ロックの中で、ちょっとマイナー、ちょっとマニアなミュージシャンの話題や、なんやかんやで聴きそびれたままの70年代ロックの名盤や、最近、新たに発売された70年代ロック・ミュージシャンのアルバムを中心に、月一回のペースでご紹介していこうと思っています。

今回の特集アーティストは「アルバート・ハモンド」。シンガーソングライターとしての彼のアルバムの中から、僕のお気に入りの2枚について語っています。その2枚とは『It never rains in Southern California(カリフォルニアの青い空)』(写真左)と『Your world and my world(風のララバイ)』(写真右)。

前者は、1973年のアルバート・ハモンドのヒット曲「カリフォルニアの青い空」を中心にしたハモンドのファースト・アルバム。70年代前半のシンガーソングライター・ブームの真っ只中、かなり売れたアルバム。後者は、1981年リリースで、アルバート・ハモンドが、TOTOのメンバーなどの西海岸のミュージシャンをバックに完成させたアルバム。こちらは、70年代終わりから80年代前半、AORブームの真っ只中、当時のAORの流行にのって、AORポップなフィーリングが全篇にわたって、実に雰囲気の良いアルバムです。

いや〜、どちらも懐かしいアルバムです。それぞれのアルバムを聴いていると、鼻の中がツンとするというか、胸がキュンとするというか、若き日の甘酸っぱくて、青い時代の記憶が強烈に蘇ってきて、どっぷりとノスタルジアに浸れます。

どうぞ、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」にお越し頂き、一度、新コーナーである『まだまだロックキッズ』を覗いてみて下さいね〜。
 
 
 
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2008年3月23日 (日曜日)

アルバムにまつわる「縁の問題」

今日は早起きをして(朝5時起き)、ドライブがてら、カミさんの実家まで「お彼岸の墓参り」。今日は朝から快晴で、午前中から日差しは強く、グングン気温は上がる。東京では最高気温は18度を記録した。ここまで気温が上がって、日差しが強いと、暖かいというよりは「ちょっと暑い」。

さて、学生時代から30余年、ず〜っと細く長く、ジャズのアルバム蒐集を続けているが、最近、それぞれのアルバムにまつわる「縁の問題」を感じる。

ジャズの入門本やアルバム紹介本やジャズ雑誌のアルバム・レビューを読んで、アルバムを購入する訳だが、内容のある、そのミュージシャンを理解するには外せないアルバムであるに関わらず、どういう訳か、なかなか購入に至らないアルバムが幾枚かある。

今回、やっと購入に至った、Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)の初期の名盤『At the Stratford Shakespearean Festival』(写真左・邦題「シェークスピア・フェスティヴァルのオスカー・ピーターソン」)は「かなり縁遠かった」アルバム。
 

Op_shakespearean_festival

 
オスカー・ピーターソンは、ジャズを聴き始めた頃からのお気に入りで、この『At the Stratford Shakespearean Festival』の存在は、アルバム紹介本を通じて知っていました。が、これがなぜか、なかなか購入に至らなかったんですよね〜。

このアルバムは、1956年の録音、カナダでのライブ盤。ギターのハーヴ・エリス、ベースのレイ・ブラウンと組んだ、ドラムレス・トリオの傑作です。

今では、モダン・ジャズピアノの祖、バド・パウエルが採用した「ドラム+ベース+ピアノ」のトリオ編成がポピュラーですが、1950年代前半までは、ジャズのピアノ・トリオといえば、この「ギター+ベース+ピアノ」のドラムレス・トリオの方がポピュラーだったんですよね。そういうジャズの演奏編成の歴史的な価値を体験できることからも、このアルバムは「必聴」なんですが、なぜか今まで触手が伸びませんでした。

今回、やっとこさ購入した『At the Stratford Shakespearean Festival』ですが、3人が気持ちよくスウィングするインタープレイが素晴らしく、演奏もノリノリ。特に、ピーターソンの若さが爆発。「テクニックばりばり+強烈なスイング感」でグイグイ押しまくります。それでいて、押しつけがましくならないのは、その優れたテクニックに裏打ちされた「端正さ」ゆえだと思います。

アルバムにまつわる「縁の問題」って、人との「縁の問題」に通じるものがあります。奇しき縁で偶然手に入ったり、なんとなく縁遠かったり、相性が良かったり、悪かったり。アルバム蒐集も長年続けていると、なかなか奥が深かったりします。
 
 
 
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2008年3月22日 (土曜日)

最近購入した「音楽本」から...

朝から眩しいばかりの日差しに恵まれ、暖かい朝かと思いきや、風は北風、ちょっとヒンヤリする。「春は名のみの風の寒さや」という歌(早春賦)があるが、まさにそんな感じの朝。そんな状態が昼まで続いたが、午後から風も止み始め、徐々に暖かい昼下がりになっていく。

今日から春の選抜高校野球が始まった。80回記念大会とかで、例年よりは4校多い36校が参加。このところ、歳をとる毎に、高校野球が面白くなってきている。

観戦する視点が変わってきたというか、監督の立場で観戦するというか、この歳になると選手の気持ちも、なんとなく良く判って、「どちらも頑張れ」って感じになって、試合が終わると、どちらが勝っても、なんとなく目頭がジーンとする。今日から決勝戦まで忙しくなるなあ(笑)。

さて、今日の話題は、最近購入した「音楽本」から、お勧めの音楽本を2冊ご紹介。1冊目は『フュージョン決定盤101』(写真左)、2冊目は『ジャクソン・ブラウン ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック』(写真右)。

まずは『フュージョン決定盤101』。これまでありそうで、あまりなかったフュージョン・ジャズにフォーカスしたガイドブック。この本の宣伝キャッチ・コピーは「これまでありそうでなかったフュージョン・ジャズにフォーカスしたガイドブック」とあるが、これは言い過ぎ。過去2冊ほど出てるけど、現在、どちらも絶版なので、今、本屋で手軽に手に入れることが出来るのは、この『フュージョン決定盤101』だけ。

ジャズ史の中では比較的歴史の浅い分野であるフュージョン・ジャズですが、イージーリスニング・ジャズとか、クロスオーバーとか呼ばれた時代から考えると、約40年の歴史を数えることになるんですね〜。現在では、一つの独立したジャズのジャンルとして定着しています。

フュージョンの始まりから、その歴史の簡単な解説、フュージョン関連のレーベルの紹介も目新しく、メインは、フュージョンの名盤アルバム101枚を、年次毎に、歴史形式でご紹介しています。チョイスされたアルバムも、どれもがフュージョン・ジャズの正統派で、変な偏りや思い入れが無く、好感が持てます。

Books_fusion_browne

硬派のジャズ・ファンの方々からは「ゲテモノ」扱いされているフュージョンですが、最近、再評価の機運が盛り上がりつつあります。バーチャル音楽喫茶『松和』のジャズ・フュージョン館で「フュージョンの風に吹かれて」のコーナーを運営している私としても、この紹介本はお勧めです。フュージョンの歴史、フュージョンの特徴、そして代表的な名盤紹介と、なかなか読み応えがあります。フュージョン・ジャズの入門書として最適でしょう。

2冊目は『ジャクソン・ブラウン ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック』。米国西海岸のシンガーソングライター、ジャクソン・ブラウンの新しいバイオ本です。彼のバイオ本が翻訳されるのは、1983年に出版されたリッチ・ワイズマン著『ジャクソン・ブラウン・ストーリー』に次いで2冊目。

僕は、ジャクソン・ブラウンの大ファンです。高校3年生の秋だったか、当時、ジャクソン・ブラウンなんて全く知らなかったのですが、そのタイトルの邦題に強い親近感を覚えて、彼の5thアルバム『孤独なランナー(Running On Empty)』を手にして以来、彼の楽曲の大ファンです。彼のオリジナル・アルバムは、ほとんど持っています。

1983年に出版されたリッチ・ワイズマン著『ジャクソン・ブラウン・ストーリー』は手に入れることが出来なかったので、今回の『ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック』は即買いでした。ロックもジャズと同様、そのミュージシャンや楽曲の背景やエピソードを知ると、より理解が進み、より興味が深くなるものです。そのようなことから、この様な「バイオ本」は必要ですね〜。ちょっと値段が高いけど。

本を読み進めていくと「そうか、この曲の背景には、こんなできごとがあったんだな。」と、気づかせてくれる記述もあって、とても楽しい「バイオ本」です。それぞれのアルバムのリリースされた時期の時代背景や、ジャクソン・ブラウン個人を取り巻く背景も理解できて、ファンとしては「必携の書」だと思います。

この『ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック』を読んで、ジャクソン・ブラウンがより身近になった。学生時代から、彼の楽曲には、特に詩の内容がについて、親近感を強く覚えるのだけれど、この「バイオ本」を読んで、その理由が判ったような気がする。

今日、気象庁は東京、静岡、熊本でサクラ(ソメイヨシノ)の開花を宣言したそうな。春の選抜高校野球も始まって、時は「春」。読書の「春」とは言いませんが(笑)、今回の2冊は、ファンにとっては「お勧めの音楽本」です。
 
 
 
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2008年3月21日 (金曜日)

懐かしの「イエロージャケッツ」

昨日は結局一日雨。風は強く、台風が来たみたいな、大荒れの一日だった。今朝もまだ、どんより曇り空。しかも、北風が強く寒い。なんとなく冬に逆戻り。パラパラ雨も降っていて、夕方までどんより曇り空。これだから、関東の、東京の3月は油断ならん。

でも、夕方から晴れ間が出てきて、最寄りの駅からの帰り道では、薄雲を通して、満月がボンヤリと出ていて、なんとなく美しい。風も弱くなった。もう寒さは長続きしない。

さて、先日、iTunes Storeを徘徊していたら、思わず「おお、懐かしい」と感嘆の声を上げてしまった。1981年に結成されたアメリカのジャズ・フュージョン・グループ「Yellowjackets(イエロージャケッツ)」のファーストアルバムである(写真左)。

Yellowjackets(イエロージャケッツ)とは、スズメバチの意味を持つらしい。ジャケットは、なんともはや、デザインセンスのかけらも無い。確かに、スズメバチの絵はあしらわれているし、ジャケットを覆う模様は蜂の巣のイメージ。でも、このデザインセンスは酷い。このアルバム・ジャケットであれば、ジャケ買いする人は、ほとんどいないだろう。
 

Yellowjackets

 
でも、このアルバムは、この酷いジャケット・デザインとは正反対の、成熟したフュージョン・パフォーマンスが堪能できる、実に優れたアルバムである。このグループは、フュージョン初期〜中期にかけての、ジャズからのスピンアウト組が中心のメンバー構成では無く、初めから、フュージョンバンドを狙って、フュージョンバンドとして一旗揚げようと結成されたバンドである。

R.フェランテ(key)、J.ヘイスリップ(b)、R.フォード(g)といった腕に覚えのある面子が名を連ねる。とりわけ、客演しているR.フォードのギターが凄い。このR.フォードのギターは、ギター好きにはたまらないでしょうね。

どの曲も素晴らしい演奏です。特徴と言えば、そうですね、ジャズからのスピンアウト組が中心のメンバー構成の場合は、ファンキー色、粘りのあるビート、そして、ライブ感溢れるグルーブが特徴なんですが、このイエロージャケッツは違う。

演奏の根底に、静寂さというか冷静さというか、「静けさ」が演奏の根底に横たわっていて、冷静なファンキーさ、冷静なグルーブ感、冷静なビートをバックに、それぞれのメンバーがテクニック溢れる熱い演奏を繰り広げる。「カラッ」とした80年代フュージョンの先駆けといえるでしょう。

良いアルバムに再会した。Rhinoのリイシューだけあって、しっかりとリマスターされている。日本盤はどうなんだろう。素性が確かな分、僕は、US盤、つまり純正Rhino盤をお勧めします。
 
 
 
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2008年3月20日 (木曜日)

温故知新「プログレ」に想う

いやはや、昨日の昼過ぎから降り始めた雨は止むどころか、勢いを増して、今朝も、結構強い雨が続く。途中、昼前に一旦上がったが、その後、また降り始め、強い北風と共に横殴りの雨になる。そして、今も結構まとまって降っている。今日は一日雨の千葉県北西部地方です。

せっかくの祭日なのに、一歩たりとも外出できず(外出する気がおきないほどの本降りでございました)、なんともつまらない。しかも、今日は低気圧が太平洋側を通る為、ちょっとヒンヤリする。今日の最高気温は11度とか。この最高気温って「冬」やん。

これだから、3月の関東地方は油断ならん。しかも、ネットの雨レーダーをみていたら、今日、一日中、雨が降っているのって、関東地方だけやん。春に限らず、関東地方、特に千葉県は、南に低い分、天気が悪い。太平洋岸を通る低気圧の影響をもろに受ける。台風もよく通る。ブツブツブツ...。

この一日中の雨、外出する気がおきないほどの本降りということで、機嫌が悪い。まあ、天気に怒っても仕方がないので、気を取り直して、今日は、音楽・読書・昼寝三昧(笑)の一日を楽しむ。そうそう、料理もね。昼ご飯は「ベーコン卵レタス・チャーハン」、晩ご飯は「ブロッコリーとソーセージのスパゲッティー」。どちらも創作オリジナル。美味いぞ。

Elp_tarkus_picture

閑話休題。音楽の話をしよう。今日は一日中雨なので(まだ言ってる)、音楽を聴く時間はタップリある。ジャズのアルバムも4枚ほど。しかし、今日は一日雨なので、気分を変えたくて、70年代ロックに走る。しかも、コテコテのマニアックなジャンル「プログレ」に一目散。

改めて聴き直して感心したのが、エマーソン・レイク&パーマー(以下ELPと略す)の『タルカス』(写真左)と『展覧会の絵』(写真右)。どちらも、プログレッシブ・ロックの古典的名盤である。ELPの最高傑作は5thアルバムである『恐怖の頭脳改革』だと思うが、「衝撃度の大きさ」という点では、この2枚。

LP時代、A面全部で繰り広げられる「組曲タルカス」は、印象的な旋律と耳慣れない和声、変拍子の多用とムーグシンセサイザーの効果的活用(これが今聴いても天才的)で、オーケストラルでダイナミックな曲の展開を実現。当時の「ロックキッズ」を感動させるサムシングを持った名曲・名演。

「組曲・展覧会の絵」については、もう僕がとやかく語る必要の無い名演でしょう。原曲を損ねず、しかし大胆なアレンジ、暴力的とも言える男性的なキーボードの活用、ギターのように響くベース、まさに「体育会系プログレ」の面目躍如たる、パワー一本槍のドラム。初めて聴いたときの、その衝撃度ときたら、高校一年生の僕は、しばらく口がきけませんでした。

あれから30余年、今の耳にも、これら「プログレッシブ・ロックの名盤」は十分鑑賞に耐え、聴く度に新しい発見があって実に楽しい。特に、昨年末、ステレオのアンプを買い換えて、大幅な音のグレードアップをしてから、新しい発見の連続。思っていたより、70年代プログレッシブ・ロックは奥が深くて、まだまだ楽しめるジャンルだということを再認識。

最近思うのですが、ロックバンドって(特に70年代)、ドラムの音で、そのバンドの個性が決まるというか、雰囲気が決まるというか、ドラマーの個性が、バンド全体の音作りのベースを握っているんだなあ、って感じます。

ELPで言えば、カール・パーマー。彼の「体力勝負的に叩きまくる、手数が多いがダイナミズムのある」魅力的なドコドコ・パカパカなドラミングが、ELPというバンドの個性を支えていると感じます。「プログレ界の体育会系バンド」と呼ばれる所以は、絶対にカールのドラミングに依るところが大ですよね〜。ELPのドラムって、カールのドラミングの音以外なんて、あり得ない(笑)。

さあ、晩ご飯の時間になりました。「ブロッコリーとソーセージのスパゲッティー」を作るとしますか。これって、意外と簡単に出来るので、あっさりと料理をまとめてしまいたい時に重宝します。明日も雨模様とか。これだから、3月の関東地方は油断ならん(笑)。
 
 
 
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2008年3月19日 (水曜日)

このギター・フュージョンは...

いやはや、月曜日は、仕事の方で、新しく出来た部の歓送迎会で「午前様」。昨日は、ココログのメンテナンスで更新不可。2日間ブログの更新が途絶えました。今日、再開です。

今朝から、コートを着るのを止めた。東京の春は、大阪と比べて、春分の日を過ぎても、雪が降ったりするので、注意が必要なんだけど、今年は大丈夫みたい。今朝、ちょっとヒンヤリする北風が気になったが、外を歩くのは家から駅までの道のりなので、体が冷え切ることは無い。コートって意外とめんどくさいので、今朝で終わり。

今週は、なんとなく「フュージョン週間」。フュージョンのアルバムを中心に聴きあさっている。昨日の朝と今朝、聴いてお気に入りなのが、増尾好秋の『Masuo ライブ』(写真左)。1980年リリースのフュージョンの名ライブ盤です。
 

Masuo_live

 
増尾好秋とは、NYで活躍するギタリスト~プロデューサー。1946年生まれ。渡辺貞夫(sax)に認められ68年12月に同グループに参加して注目を集める。69年には初リーダー作を録音。71年に活動の拠点をニューヨークに移す。73年にはソニー・ロリンズ(sax)に認められ75年まで同バンドで活躍。現在も現役で活躍中。日本のジャズ・ギタリストの草分けです。

この『masuo ライブ』は、1980年のリリースなので、フュージョンブーム後期のアルバムになります。が、その内容は、ギター・フュージョンというよりは「これってロックやん」って感じです。というか、完全に、これはギター・インスト・ロックです。フュージョンの域を超えている。

1曲目の「ディーリング・ウィズ・ライフ」から完全にぶっ飛びです。ドライヴ感溢れるハードな増尾好秋のギターもさることながら、T.M.スティーヴンスのチョッパー・ベースが凄い。もう「ごめんなさい、許して下さい」と懺悔してしまいそうな、攻撃的なドファンク・チョッパー。

そして、それに尖ったハードな増尾のギターが絡む。増尾好秋のギター。よく歌ってる、ノリがいい、そして尖ってる。もちろん、テクニックもずば抜けている。とにかく上手い。そして、ロビー・ゴンザレスのドラムがドドドドドッと切れ込む。うへ〜、これって、もうフュージョンの域を逸脱しており、これって完全に「ギター・インスト・ロック」。

全6曲と収録曲は少ないですが、内容は素晴らしく、充実しています。こんなライブアルバムが、1980年にリリースされていたんですよ。当然、僕の学生時代には、フュージョンのお気に入りライブアルバムの一枚でした。フュージョンの世界にも、こんな優秀なライブ・アルバムがあります。「ギター・インスト・ロック」の好きな方々には、絶対、お勧めです。

あ〜っ、この『masuo ライブ』を聴いてスカッとした。明日は休日。でも、明日の千葉県北西部地方の天気は朝から雨らしいので、ゴロゴロのんびり過ごすとするか〜。
 
 
 
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2008年3月16日 (日曜日)

ジャズの小径3月号を更新しました

本日、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」を更新しました。今回は「ジャズの小径」のコーナーの更新。3月の「ジャズの小径」の特集は、最近聴いて印象的だった、フュージョン・アルバムのご紹介です。

amazonやHMV、Tower@jpなどを、まめに巡回してチェックをしていると、時々、ドキッとするようなアルバムの再発に出くわすことがあります。それから、また「あ~っ懐かしいなあ、これええねんな~」と、フュージョン全盛時代に聴きまくった名盤に出くわすこともしばしばです。

今回は、最近出くわした「ドキッとするようなアルバム再発」から一枚、内容のある懐かしのフュージョン名盤を一枚、をご紹介しています。どうぞ、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」までお越し下さい m(_ _)m。

さて、今朝は暖かい朝。天気の方は、天気予報とは違い、ぼんやり薄曇りなのだが、とにかく暖かい。先週は、まだちょっと肌寒いかなあ、と思っていたが、この一週間での春への歩みは速い。これだけ、暖かいと一日の時間を有効に使わないと勿体ない。早起きして、朝の9時前から、いつもの「干潟ウォーキング」。

Higata_20080316

今朝の干潟(写真上)は、干潮に向かって、どんどん潮が引いていっている状態。数は少ないのですが、渡り鳥たちも、干潟になっている場所を中心に、餌を漁ったり、休息を取ったりで、なかなか楽しめます。暖かくなったので、マナーの悪い自転車(干潟の周回路は一部を除いて自転車通行禁止なんですが、その日本語を読めない年配、若者が多い)が横行するのには閉口します。どうして、この干潟周りの住人ってマナーが悪いのでしょうか。

Kobushi_20080316

公園や庭のある家で、コブシが咲き始めていました(写真中)。大阪に住んでいる時には、あまり馴染みの無い花木だったんですが、こちらに来てからは、この季節によく見かける花木で、この白い長細い楕円形の花が、僕は好きです。来週には咲きそろっているでしょう。楽しみです。
 
Daradara_dog_20080316

今朝は暖かいので、あちらこちらで、野良猫が思い思いのポーズで寛いでいるのに出くわします。日光浴が目的でしょうか。そんな暖かい、春をバッチリと感じる朝、ウォーキングの帰り道で、完全に「だらけきった犬」(写真下)に出会いました。とにかく、日が降り注ぐ中、非常に気持ちが良いらしく、近づいて携帯のカメラを向けても、そのままの態勢で、目をちょろっと動かすだけ。なんて怠惰な犬なんだ(笑)。

この犬の態勢を見ても、今朝の千葉県北西部地方は、如何に暖かで、穏やかな朝だったか、お判り頂けるかと思います(笑)。午後からは、望遠鏡の架台のカバーの取り替えなど、冬には出来なかったことが幾つか出来て、まずまず有意義な一日でした。
 
 
 
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2008年3月15日 (土曜日)

続・Prestigeのコルトレーン

ここ千葉県北西部地方は、昨晩の激しい雨もすっかり上がり、朝起きたら、ちょっと曇り空。でも、急速に天気は回復していく。雨上がり、お決まりの北風であるが、寒くない。ちょっと冷たいけど、暖かい湿気を含んだ、ちょっと優しい冷たさの北風。今日は暖かくなる予感。

朝の8時頃から、豊かな日差し。ぐんぐん気温は上がる。週に一度の買い出しに出た朝の10時には、もう春の暖かい日差しと風が心地良い。う〜ん春です。千葉県北西部地方は春になりました(笑)。

さて、昨日、Prestige時代のコルトレーンの話をした。昔からジャズ入門本で紹介されて来た『コルトレーン』と『ソウルトレーン』の2枚だけでは、Prestige時代のコルトレーンを体感するには、ちょっと役不足だとした。それでは、Prestige自体の他のアルバムで、Prestige時代のコルトレーンを体感できるものはあるのか。

まずは『Black Pearls』(写真左)と『The Last Trane』(写真右)がお勧め。

『Black Pearls』は、Donald Byrd (tp) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (d)がパーソネル。昨日ご紹介した『Soultrane』に、Donald Byrdのトランペットを加えたクインテット編成。1958年5月の録音。そう、あの『Soultrane』から、3ヶ月後の録音。

『The Last Trane』は、幾つかの録音が混在しているが、1曲目「Lover」と4曲目「Come Rain or Come Shine」は『Black Pearls』とほぼ同じだが、ドラムがLouis Hayesに変わるクインテット、1958年1月の録音。2曲目「Slowtrane」は、John Coltrane (ts) Earl May (b) Art Taylor (d)のピアノレス・トリオで、1957年8月の録音。そして、3曲目「By The Numbers」は『Soultrane』と同じ面子で、コルトレーンのワン・ホーン作、1958年3月の録音。
 
 
Prestige_coltrane_2_2
 
 
特に『Black Pearls』を聴いてみると面白い。どの曲も皆で演奏するテーマの部分は、上質なハード・バップの響きが心地良い。ハード・バップの成熟した演奏がここにあるのだが、コルトレーンにソロが渡ると雰囲気は一変する。「シーツ・オブ・サウンド」を駆使して、疾風怒濤のソロが繰り広げられる。

でも、バックはハード・バップのまま。もう、この頃は、バックはコルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」に慣れているみたいで、無理してコルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」を理解し、追従しようとはしていない。この時期のコルトレーンの孤独を感じる。

そして、ソロが、ドナルド・バードに渡ると、これまた雰囲気は一変して、ご機嫌なハード・バップに早変わり。これ、本当に雰囲気が一変する、というか、激変する。この「激変」の度合いが、当時、如何にコルトレーンが、ハード・バップの世界の中で「異端児」だったのかが良く判る。

『The Last Trane』では、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の音色と、彼の「シーツ・オブ・サウンド」という独自の奏法が、荒削りな演奏である分、生々しく体感できる。57年から58年にかけて録音されたテイクで構成されたアルバム。

1957年〜58年の2年間がコルトレーンにとって、いかに重要な時期だったことかが良く判る。この時期のアルバム群は、振り返ってみると、特別に突出した名演がある訳では無い。グループ演奏としてはアベレージ的演奏。しかしながら、コルトレーンの演奏自体はどれも出色の出来。この2年間で、コルトレーンの個性が確立されており、確立された時点で、当時、ジャズの本流本筋であるハード・バップから大きく逸脱した個性だったことが確認できる。

今の時代にも「コルトレーンのフォロワー」という言葉があるが、Prestige時代のコルトレーンを聴き通すと、コルトレーンの個性は「ワン・アンド・オンリー」であることが確認出来る。とても、真似することの出来ない、唯一無二の個性なのだ。「コルトレーンのフォロワー」という言葉は虚言に過ぎない。「コルトレーンのフォロワー」はあり得ない。

他のPrestige時代のコルトレーンのアルバムも演奏自体は、コルトレーンの個性を確認するには、良い演奏ばかりです。時々「あれ〜っ」という内容のアルバムもありますが、コルトレーンの演奏自体は「聴く価値あり」のものばかりです。
 
 
 
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2008年3月14日 (金曜日)

Prestigeのコルトレーン

いやはや、凄い雨である。会社からの帰り、錦糸町辺りで、バケツをひっくり返したような「土砂降り」。そして、夜空に稲妻が走って「ドカ〜ン」。春雷である。いや〜、いよいよ春ですな〜。でも、滝の様な土砂降りは続き、停車中の電車の中まで吹き込む激しさ。ちょっと降り過ぎとちゃうか〜。

最寄りの駅に降り立った時は、ちょっと小降りに。いそいそと家路を急ぐ途中から、雨足が強くなってくる。「くそっ、追いついていきたか」。ちょっと足を速めるが、間に合わず。玄関まであと3分のところで土砂降り。最後の最後でコートが濡れた。

でも、晩ご飯食べてテレビを見ていたら、ゴ〜ッという音と共に、集中豪雨。いや〜良かった。早く帰ってきて良かった。この激しい雨では、駅から出られずに、小やみになるまで、しばらくの間、待つことになっただろう。

さて、ジャズのお話を。最近、プレスティッジ時代のジョン・コルトレーンを聴き返している。プレスティッジ時代のコルトレーンは、ハード・バップ真っ只中、彼ならではの音色と奏法を確立した時代であり、その成長と推移が手に取るように判るので、アルバムを順に聴き進めると面白い。

でも、日本のジャズ入門書で、プレスティッジ時代のコルトレーンの代表盤として紹介されるのが、「コルトレーン」(写真右)と「ソウルトレーン」(写真左)。どのジャズ入門書を見ても、判で押したように、この2枚ばかりが紹介され、絶賛される。本当にそうか?

僕の答は「ノー」。「コルトレーン」は彼の初のリーダー盤。従来のビブラートを駆使した、ウェット感と感情溢れる、官能的なテナーの音とは正反対の「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法が確認できるところが素晴らしいが、まだまだ修練の途中という感じがする。

初々しさは感じるが、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法の最高地点というには、まだまだという感じ。発展途上の魅力はあるが、コルトレーンの入門盤としては、ちょっと役不足かと思う。ベテランの方々には、コルトレーンの初々しさがたまらない名盤の一枚と言えます。

John_coltrane_prestige

「ソウルトレーン」は、ラストの「ロシアの子守唄」での「シーツ・オブ・サウンド」が、もてはやされるが、確かに、ここでの、コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」奏法は完璧。でも、バックのレッド・ガーランド(p)などは、「シーツ・オブ・サウンド」を早弾きの類と勘違いして、高速ハード・バップ・フレーズを弾きまくる。これって、ガーランドの勘違い。勘違いが名演とは言えないだろう。演奏全体の「ちぐはぐ感」がどうも僕には気になる。

ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを体験するには、ちょっと役不足かと思う。「ロシアの子守唄」以外の収録曲でのコルトレーンは「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法で吹き通すが、「シーツ・オブ・サウンド」は封印されている。

つまり、「ソウルトレーン」は、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法をハード・バップという枠の中で堪能することはできるが、コルトレーンの先進的な面は一部(「ロシアの子守唄」)でしか体感出来ない、なんだかお徳用盤というか、ちょっと中途半端なアルバムという印象が以前からある。この「ソウルトレーン」を代表盤として、どのジャズ入門書でも紹介されているって、なんか、ハード・バップ至上主義を感じて、ちょっと首を傾げてしまうなあ。

プレスティッジ時代のコルトレーンの諸作の価値は、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法を確認することが出来る点と、ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを実体験できるところにある、と僕は思う。それを「聴いて理解する」には、いかにも『コルトレーン』と『ソウルトレーン』はちょっと役不足なのだ。

『コルトレーン』と『ソウルトレーン』以外の、プレスティッジ時代のコルトレーンのアルバムは、ジャケットデザインがいい加減だったり、収録時間がちょっと短かったりして、ちょっと手が積極的に延びない「負の雰囲気」があるんだが、気にしてはいけない。

『コルトレーン』と『ソウルトレーン』以外のアルバムの方が、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法と、ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを実体験する事が出来たりするから面白い。

まあ、ジャズ入門書は参考にしても良いが、鵜呑みにしてはいけない、ってことでしょう。やはり、ちゃんとジャズ理論の基礎は勉強し、その上で、ちゃんと自分の耳で聴いて感じることですね。書籍上で「名盤」とされているアルバム以外に、意外とジャズの面白さが隠されていたりする。これって、ジャズを聴く面白さの一つでもあります。

「自分の耳」で聴き、「自分の心」で感じる。そして「自分の感じ方」に自信を持ち、それを大切にする。ジャズを聴き続ける上で、意外と大事なことだと思います。
 
 
 
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2008年3月13日 (木曜日)

これは絶対、外せない!

「怒る」という作業は、かなりのエネルギーを必要とする。疲れる。「怒る」ことが好きな人はいないだろう。でも、時に「怒る」ことが必要な場面がある。その時は、誠意を持って、精一杯怒る。その人たちが、二度と人の道を外さないように「なにが人として悪かったのか」を心から納得してもらう為に。

しかし、精神的に疲れる。後味も悪い。こんな気持ち悪い状態が明日に尾をひかないように、気分転換、リセットが必要になる。そんな時は、当然、好きな音楽を聴くに限る(なんて単純なんだ・笑)。

Stuff_montreux

2月20日に発売された、伝説のフュージョン・バンド、スタッフの『ライヴ・アット・モントルー1976』(写真左)。これが実に良い。僕はこの、スタッフというバンドが大好き。デビュー盤の「スタッフ!」(写真右)なんぞ、手に入れてから今まで、何百回聴いたか知れない。そのスタッフのライブ音源が突如として発売された(注・先にDVDも発売されている)。

「これは絶対外せない!」と言いながら、実は2月20日発売を失念していた(面目ない)。しかし、amazonを徘徊していて偶然見つけて、即「ポチッ」。なんとラッキーなんだ。つい3日前に手に入れた。しかし、聴いてみて思った。「なんでこんな素晴らしい音源が眠っていたのか」。

このライブ盤は、スタッフがデビュー盤を出す前のライブ。これが実に良い。収録された曲も大半が、他のスタッフのアルバムで聴かれない、ワン・アンド・オンリーの曲。これが実に良い。もう、それは「ノリノリ」のファンキー・フュージョン。スタッフだけが出せるグルーブ感。とても、文字だけでは表現できない。そう「聴けば判る」。

この『ライヴ・アット・モントルー1976』を聴いて、気分は完全にリセット。清々しい気分。今日のあの忌々しい気分も一掃された。なんて単純なんだろう。でも、この単純さが、もしかしたら、僕の「武器」なのかも知れない。最近、なんとなくそう思い始めた。
 
 
 
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2008年3月12日 (水曜日)

「テオ・マジック」との出会い

ちょっと風の寒い朝。でも、芯から冷え込む寒さではない。朝の太陽は日差しが豊かで、風は少し冷たくても、気持ちは「春」。朝、会社へ向かう、歩くテンポもちょっと「ウキウキ」。

う〜ん、僕って、結構単純になったなあ。天気や気候が良いと、仕事なんかで多少面白くない事があっても「パッ」と忘れてしまう。今朝も「パッ」と忘れてしまった(笑)。だから、結構、他の人から見ると、結構タフな環境に僕はいるらしいのですが、あんまりストレスに感じないのかもしれない。

閑話休題。さて、昨日、テオ・マセロの訃報について書いた。では、僕が始めて、テオ・マセロの成果、いわゆる「テオ・マジック」の出会ったアルバムってなんだろう、と考えた。う〜ん、そうそう、時は大学時代に遡る。

高校1年生の冬、マイルス・デイビスの1975年2月1日大阪はフェスティバルホールでのライブ実況録音(後に『アガルタの凱歌』としてリリースされる)をFMのエア・チェックで手に入れた。そして「聴いた」。その内容に「たまげた」。

本当にビックリした。エレクトリック・マイルスの初体験。しかし、その頃は、ロック小僧真っ只中。ジャズのアルバムを購入するだけの資金がある訳ではなく、このライブ実況録音のテープだけを、時々、引っ張り出してきては聴いていた。

Jack_johnson_miles_davis

そして、大学に入って、アルバイトをして、ちょっとまとまって、LPの購入資金が手に入る様になり、ジャズのアルバムを主に購入するようになる。そして、エレクトリック・マイルスの、最初に購入したアルバムが『Agharta(アガルタの凱歌)』。そして、2枚目が『A Tribute to Jack Johnson(ジャック・ジョンソンのテーマ)』(写真)である。この『A Tribute to Jack Johnson』は、「一目惚れ」ならぬ「一聴惚れ」だった。

LPのA面を占めた「Right Off」で、もう「ぞっこん」である。エレキギターのカッティングが格好良い、ドラムの叩き出すビートがクール、そして、マイルスのトランペットが素晴らしい。これはファンク・ロックだ。しかも、どのロックバンドよりもテクニックに優れ、どのロックバンドにも出せないファンキーなビートをフレーズを叩き出す。そして、マイルスがトランペットで、歌う、シャウトする、叫ぶ。マイルスのトランペットは「ロックのボーカル」そのもの。

そして、LPのB面を占めた「Yesternow」の幽玄で、幻想的な音世界。決して、ロック畑のプログレバンドには出せない、複雑なフレーズと音の広がり。これはプログレッシブ・ロックだ。サイケデリックで浮遊感のあるフレーズを繰り返す。

この『A Tribute to Jack Johnson』の素晴らしさは、ビートやフレーズを繰り返しながらも、1曲20分以上、テンションを維持し、緩急をコントロールし、聴き手に適度な緊張感と集中力を持続させる展開である。これこそが、プロデューサーのテオ・マセロの「テープ編集」のなせる技である。

集中して注意深く聴くと、テープ編集している部分が良く判る。それでも、このアルバムは最高のパフォーマンスを提供してくれる。最高のミュージシャン達が提供した最高の音の素材を、テオはテープ編集によって、最高のパフォーマンスに仕立て上げる。

僕はこの『A Tribute to Jack Johnson』と『Agharta』の二枚のアルバムで、エレクトリック・マイルスに、どっぷりとはまりました。特に、『A Tribute to Jack Johnson』は何度聴いたか知れない。気合いを入れる時は、A面の「Right Off」、ゆったりと寛ぎたい時は、B面の「Yesternow」。

これぞ「テオ・マジック」。編集の妙で、これほどまでのテンション溢れる、最高のパフォーマンスを提供する。テオのプロデュース能力が如何に優れていたかを物語る。当然、マイルス・バンドの演奏が、当時、最高峰のエレクトリック・ジャズ演奏を、素材として提供したという前提は必須要件だけれどね。

『A Tribute to Jack Johnson』って、スタジオ録音を素材としての、テオの最高傑作と僕は思う。適度な加工で最大限の成果。こういうものって、さわり過ぎても駄目だし、さわりなさ過ぎても駄目なのものだが、テオは、このアルバムではこの「塩梅」が最高なのだ。
 
 
 
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2008年3月11日 (火曜日)

テオ・マセロ...ご冥福を祈ります

暖かくなった。今日は朝、うっすらと白い霧の朝。今朝は、もう霜ではなく、じっとりとした露が降りて、軒先から、忙しく雫が滴り落ちている。風は少しヒンヤリするが、身震いする寒さは感じない。なんとなく心地の良い、湿気を含んだ、少しヒンヤリした風。う〜ん、春の到来を感じる。

仕事では、新しい組織となって、いろいろギクシャクしているみたいだが、まあ、子供の派閥争いを見ているようで、この歳になると口出ししようとは思わない。優秀な奴らだから、自発的に、きっと仲良くなる。僕に残された時間は少ない。自分の仕事に集中する。

昨日、小川隆夫さんの「JAZZ blog Keep Swingin'」の、3月9日のブログを拝見してビックリ。あの、マイルス・デイビスのプロデューサーで有名なテオ・マセロが、2月19日に亡くなったそうです。享年82歳。

テオのマイルスのプロデュースの成果は数え切れないほどあります。彼がプロデュースを担当したのは1959年の『スケッチ・オブ・スペイン』から、1983年の『スター・ピープル』まで。特に、エレクトリック・マイルスでの、彼のテープ編集の成果は素晴らしいものばかりです。

Teo

「マイルスは録音するだけだ。やりたいことをやったら、さっさと帰ってしまう。そのままの形では作品にならない。そこで、わたしが彼のイメージを考えながらテープを編集していくんだ」

小川隆夫さんの『愛しのジャズメン 2』で書かれている、テオの印象的な言葉です。マイルスは、その才能と感覚で演奏を録音し、テオのプロデュースと編曲の才能を信頼して、最終的な作品に仕立て上げる作業であるテープ編集を任せたのでしょう。テオはその信頼に最大限に応え、マイルスはその成果を最大限に評価してアルバムとして発表した。ミュージシャンとプロデューサーの最高の信頼関係がここにあります。

僕が、マイルスの作品で、テオのテープ編集の成果が最大限に発揮されているアルバムは『In a Silent Way(イン・ア・サイレント・ウエイ)』だと思います。このアルバムは、テープ編集の妙が最大限に発揮されていて、テオのテープ編集が無かったら、これだけ、劇的で印象的な音世界にはならなかったのではないかと思います。

『In a Silent Way(イン・ア・サイレント・ウエイ)』のキーマンの一人だった、キーボード担当のジョー・ザビヌルは生前、「あのアルバムの音のモチーフは私のものだ。あのアルバムの功績は私の負うところが大きい」なんて言っていたが、とんでもない。

あのアルバムの最大の功績はテオのものだ。テオのプロデュースこそが、大いに評価されるべきもので、『In a Silent Way(イン・ア・サイレント・ウエイ)』でのミュージシャンは、テオにその素材を提供したに過ぎない、とさえ言える位だ。

マイルスは既に鬼籍に入り、今回、テオも鬼籍に入った。でも、マイルスとテオの成果は、アルバムとして、しっかりと残っている。残された僕たちにとってそれは「幸せなこと」であり、マイルスとテオにとっても「幸せなこと」である。
 
 
 
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2008年3月10日 (月曜日)

「シーツ・オブ・サウンド」って...

我が千葉県北西部地方は、朝から雨。でも、なんとなく暖かい感じ。昼過ぎ、雨が止んだが、もう寒くならないし、冷たい北風も吹かない。夕方、通勤の帰りなど、なんとなく暖かくて、コートを着ていると汗ばむ位。もう、コートの裏はいらないな〜。

昨日、昼寝ついでに聴いた、ジョン・コルトレーンの『Traneing In』(写真左)。プレスティッジ・レーベルのコルトレーン、リリース番号からすると、2枚目のリーダーアルバム。これって、ジョン・コルトレーンの独特の奏法「シーツ・オブ・サウンド」を感じるには、格好の一枚だということを再認識した。

「シーツ・オブ・サウンド」とは「敷きつめた音」という意味で、コードの構成音を全て使いきるような音の羅列というか連続というか、16分音符を基調として、高速でフレーズを構成して吹きまくる奏法のことをいう。コルトレーンの専売特許である。これって、聴いて体験してみないと、なんのことか全く判らない。

この『Traneing In』を聴くと、これが良く判る。この『Traneing In』は、まだ、コルトレーンが、フリー〜アバンギャルドに傾いていない頃の演奏で、ハード・バップを基調にした、実に素直な「シーツ・オブ・サウンド」のフレーズを体験することができる。「シーツ・オブ・サウンド」が実に判り易いアルバムと言える。

Traneing_in

冒頭の「Traneing In」、3曲目の「Bass Blues」、ラストの「Soft Lights and Sweet Music」では、高速の「シーツ・オブ・サウンド」が堪能できる。単に速いだけではない、コードを分解して、いかに高速に、いかに鋭く吹き切るか、を追求する、修道僧のような、求道的なコルトレーンを体験できるのだ。

そして、2曲目の「Slow Dance」と4曲目の「You Leave Me Breathless」では、バラードでの「シーツ・オブ・サウンド」が体験できる。コードを分解して、いかに単純に、いかに簡素化して、最短距離でバラードを吹き切るか、を追求する、甘いエモーショナルを排除した、禁欲的なコルトレーンを体験できるのだ。

加えて、Red Garland(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)のバックのトリオが絶好調。特に、レッド・ガーランド(Red Garland)のピアノが良い。左手のブロックコードが特徴のガーランドのピアノが絶好調。それはもう「弾きまくり」の世界。それに触発されて、ポール・チェンバース(Paul Chambers)が、ベースの職人芸を繰り広げる。アート・テイラー(Art Taylor)のドラムは、地味ながら堅実。バックの演奏も実に良い。

特に「シーツ・オブ・サウンド」への段階的なアプローチが体感できるのが、このアルバムの良さ。最初は手探りで入りながら、確信を掴むと一気に吹き切る、ジャズのインプロビゼーションの「最良のサンプル」のひとつがここにある。全5曲で、トータル38分ちょっと。今のCD前提のアルバムと比べると、ちょっと短い収録時間だが、これくらいの方が、集中して全ての曲を聴き通すことが出来る。

コルトレーンのアルバムの中では、地味な存在で、ジャズ入門本では、滅多に取り上げられることの無いアルバムですが、どうして、内容があって、マニアだけが知っている「オタク盤」で留めるには勿体ない。もっと、広く聴かれるべきアルバムだと僕は思います。
 
 
 
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2008年3月 9日 (日曜日)

今年初めて「春」を感じた一日

今日は朝から、日差しが豊かで風もなく、空もスカッと快晴。窓から顔を出してみても「寒くない」。我が千葉県北西部地方に「春が来た」って感じの朝。

昨日は、暖かい感じはするんだけど、ちょっと風があって、朝夕は「ちょっと寒い」感じが残っていたので、心から「春が来た」って感じじゃ無かった。でも、今朝は違う。完全に「春が来た」って感じなのだ。

とにかく暖かいので、朝9時から、近くの干潟までウォーキング。冬のウォーキングでお世話になったフリースジャケットは着ずに、厚手のウィンドブレーカーでOK。それでも、10分も歩くと、体がポカポカしてくる。トレーナーだけでも良かった位の暖かさ。「春」を体感するひととき。

道すがら、梅の花があちらこちらで満開である。干潟の近くでは、ミモザの花が満開で見事でした(写真下)。先週はちょっとだけ、花の先が黄色くなっていたくらいだったのに、この一週間で一気に開花!、って感じです。

Mimoza_20080309

今日の干潟は、干潮に向かいつつあって、どんどんと潮が引いている最中でした。まだ朝9時過ぎなので、一般の観光気分の人たちはほとんどおらず、ウォーキングやランニングをする人たちと、熱心なバードウオッチャーの人たちが殆どだったので、良い雰囲気です。

マナーの悪い「おじさん、おばさん」もいない、通行禁止区域にルール破りの自転車が突っ込んでくることも無く、モラル的にも高い時間帯でした。これからは早起きして、この時間帯にウォーキングだな。

今朝は、結構、渡り鳥がいました。名前が判らないのが問題といえば問題なのですが、毎年、この季節に干潟でみかける「白い奴」と「合鴨みたいな奴」。

「合鴨みたいな奴」は結構まとまった数で「停泊」していました。休んでいるみたいで、写真を撮ろうと近づくと、見張り番が「クークー」と警告を発していました。何もしないって。ちょっと見ていると、いろんな仕草で楽しませてくれます。可愛い奴らです(写真下)。

Higata_20080309

暖かくなると朝早くから動けるので、時間の使い方が効率的になる。干潟ウォーキングから帰り着いても、まだ午前中。ゆっくり新聞を読んで、ゆっくり昼ご飯を食べて、お昼過ぎからは、名古屋女子マラソンを観戦。高橋尚子が9キロ地点早々で脱落したのにはビックリ。

でも、初マラソンの中村友梨香が優勝、ニューヒロインの誕生に安堵。オリンピックは、北京だけではなく、次のロンドンもあるから、若い選手が台頭することは、選手層が厚くなるということで良いことだろう。

それから、ちょっと昼寝(笑)。プレスティッジ時代のコルトレーン、『Traneing in』をBGMに1時間半くらい、ぐっすりと寝た。『Traneing in』って、ブルースとバラードを題材としたワン・ホール・アルバムで、音符を敷き詰めたように吹きまくる、いわゆる「シーツ・オブ・サウンド」が堪能できる。そんなアルバムをBGMに昼寝できるのか、と思われるかもしれないが、これが結構ぐっすり寝られるのですね(笑)。

さあ、土日の休みも終わり。明日から仕事。この2日間は、暖かくなったこともあり、結構、良い充電になったなあ。暖かいってことは良いことですね。この歳になると、身に染みてそう思います(笑)。
 
 
 
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2008年3月 8日 (土曜日)

山中千尋『アフター・アワーズ』

今日の我が千葉県北西部地方は、朝から快晴。朝はちょっと風が寒かったが、昼過ぎて暖かな一日。日差しもタップリあって、やっと春を感じることの出来る一日。このところ、寒の戻りだったからなあ。もう、寒い日はいいや。

3日前、iTunesから山中千尋の新作をダウンロード。タイトルは『アフター・アワーズ~オスカー・ピーターソンへのオマージュ』。2007年12月25日に惜しまれながらこの世を去った、オスカー・ピーターソンへのオマージュ的作品。

パーソネルは、山中千尋(p)、アヴィ・ロスワード(g)、脇 義典(b)のドラムレス、ピアノ+ベース+ギターのトリオ編成。まず、このドラムレスの「ピアノ+ベース+ギターのトリオ編成」がユニーク。近頃、復権の兆しのある、50年代のオスカー・ピーターソンを彷彿とさせるオールド・スタイルな編成です。

冒頭の「オール・オブ・ミー」でニンマリ。オスカー・ピーターソンへのオマージュということで、オスカー・ピータ-ソンそっくりのタッチとフレージング。プロなので朝飯前なんだろうが、コロコロと転がすようなタッチもそっくりで、思わず「上手いな〜」。このアルバムへの期待感が高まります。

どの曲も良い選曲、良いアレンジなのですが、特に3曲目の「コンファメーション(Confirmation)」は、アルト・サックス奏者チャーリー・パーカーの作曲。典型的なビ・バップのメロディとコード進行で、ジャズ・スタンダードの代表曲のひとつですが、ピアノ・トリオでの演奏は記憶にありません。これをドラムレスのピアノ=ギタートリオで演奏することで、ビ・バップ特有の喧噪感が中和され、なかなか小粋でスピード感のある演奏に仕上がっています。
 

Cy_after_hours

 
そして、7曲目の「虹の彼方に(Over The Rainbow)」は、速いテンポの演奏。これが「我が意を得たり」的な演奏で、僕も昔からこの「虹の彼方に」をピアノ・トリオで、速いテンポでアレンジしてはどうか、と思っていましたので、この演奏は実に感慨深いです。ここでも、ドラムレスのピアノ=ギタートリオの柔らかさが功を奏していて、喧しい感じが全く無い。良いアレンジです。

5曲目の「スー・シティ・スー・ニュー(Sioux City Sue New)」は、キース・ジャレットの曲で、この曲だけ、他のスタンダードとちょっと毛色が違います。キースらしい、ロマンチシズム溢れる名曲で、途中、可愛らしい、微笑ましいギミックが登場しますが、ここでは、ネタバレになるので「内緒」。

オスカー・ピーターソンへのオマージュということで、オスカー・ピータ-ソンそっくりのタッチとフレージングで占められるのかと思いきや、それは、冒頭1曲目の「ご挨拶」のみで、他の演奏では、しっかりと山中千尋のピアノとしての、個性的な響きを確認できる。

今までは、自作曲中心のアルバム収録だったが、このアルバムは、山中千尋初のスタンダード集といえる。さすが、スタンダードを弾かせても「上手い」。加えて、彼女の得意技であるアレンジが実に良くて、どの曲も楽しく聴くことができます。

アルバム全体の長さも、トータル35分程度と短いのですが、これがまた良い。もともと人間が集中して曲を聴き続ける時間って、せいぜい30〜45分だと感じているので、最近のCDフォーマットはちょっと長いな(60〜70分程度)と思っています。35分全8曲は、集中して聴き通すのには、ちょうど良い時間で、結構、ヘビー・ローテーションになっています。

今までリリースされてきたアルバムで、あそこまでの演奏ができるのだから当然、と思っていましたが、今回の山中千尋のスタンダード集は溜飲の下がる思いです。自作曲も良いものが多いので、それはそれで、これからもどんどん極めていって欲しいのですが、たまに、こんなスタンダード集も良いですよね。

とにかく、スタンダードを演奏しても彼女のピアノの個性は変わらない、ということを確認できたことが、このアルバムの僕にとっての収穫です。もちろん、内容については充実しています。山中千尋のファンの方だけでなく、最近のピアノ・トリオの佳作として「お勧め」です。
 
 
 
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2008年3月 7日 (金曜日)

時には、安らぎのコルトレーン

昨日の「鹿男あをによし」で、ちょっとばかし「名誉回復」。実は、中学と大学時代(高校時代はお休み)、考古学と密接な関係にあった。中学の時は、岡山の操山古墳群を、大学時代は、奈良〜明日香の古墳群を測量したり、掘りまくったり(ちゃんと許可をとってだよ)。今でも、古墳や貝塚を見に行くのは大好きで、見ていると、とても「掘りたくなって」ウズウズする(笑)。

昨日の「鹿男あをによし」では、箸墓古墳は出てくるわ、黒塚古墳は再登場、橿原考古学研究所は出てくるわ、奈良文化財研究所はでてくるわ、三角縁神獣鏡はでてくるわ、今まで、興に乗ったら、うちのカミさんに幾度となく話した「邪馬台国と卑弥呼と三角縁神獣鏡の関連」を「藤原くん」がとうとうと述べている。

な〜っ、僕の話していたことってホンマやろ。とにかく、学生時代は、考古学をサブの研究テーマとして、かなりのレベルまで勉強したんやから。ふふふっ、昨日の「鹿男あをによし」では、ちょっと溜飲を下げた。
 

Settin_the_pace

 
さて、このところ、仕事でかなり集中して、様々な分析をしている。数字との格闘、仮説と証明、計算式とシミュレーション、文系と理系の両刀遣いで良かったと思う反面、これは大変な作業で、できなければやらなくていいのに、とも思ったりする。頭の中に「綿」が詰まったような感じで、ヘトヘトに疲れて、いくら寝ても寝ても、眠くて仕方がない。これだけ、頭を使うのは久しぶり。

頭がヘトヘトに疲れたら、安らぎの音楽が欲しくなる。そんな時、ふっと思い出したように選ぶのが、コルトレーンのプレスティッジ時代のアルバム。1950年代のコルトレーンは、ハード・バップ時代のコルトレーンが好きだ。以降のコルトレーンは、モードとフリーに傾いていって、エモーショナルなテナーやソプラノは、頭がヘトヘトな時には、聴いていてドッと疲れる。

安らぎが欲しい時、コルトレーンは、絶対に「プレスティッジ時代」だ。今回は『Settin' the Pace』(写真右)を選ぶ。名作『Soultrane』の1ヵ月後に同メンバーで吹き込まれたアルバム。パーソネルは、John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (d)。

1曲目「I See Your Face Before Me」と、2曲目「If There Is Someone Lovelier Than You」が実に安らぐ名演。特に、1曲目「I See Your Face Before Me」の、イントロの後に出てくるコルトレーンのテナーの音色は安らぎに満ちて、美しく、思わずため息をついてしまうほど、ロマンチック。

これほどまでに、優しく安らぐコルトレーンのテナーはそうそう無い。名盤『バラード』のあっさり気味で素朴なテナーとは違う、しっかりと感情を込めた、力強い、それでいて安らぎ溢れるテナーは、このアルバムの全てである。

名作の次にコレクションしたい1枚というか、コルトレーンの名作と呼ばれるアルバムを5枚聴いたら、必ず聴いて欲しい、プレスティッジの諸作。その中でも『Settin' the Pace』はお勧めの一枚です。
 
 
 
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2008年3月 6日 (木曜日)

ウエストコーストの歌姫たち・2

今、うたばんで松田聖子が出ているが、今日が誕生日だとか。松田聖子といえば、僕の20歳代。良い曲を歌ってたよな〜。とにかく、曲を提供するミュージシャンが、そうそうたるメンバーで、当時の松田聖子のアルバムは、結構、聴きごたえがあった。なんてことを考えながら、つらつらとブログを打っている。

さて、今日は「ウエストコーストの歌姫たち」の第2回目。今日は、ニコレット・ラーソン(Nicolette Larson)」。米国西海岸ロックの歌姫の筆頭、リンダ・ロンシュタットの妹分として、1978年に、アルバム『Nicolette(愛しのニコレット)』(下写真左)でデビュー。このアルバムの冒頭を飾る、ニール・ヤング作の「Lotta Love(溢れる愛)」が大ヒットしました。

この「Lotta Love」って、ヒット狙いのややAORっぽい西海岸ポップ調ですが、2曲目「Rhumba Girl」以降が、本来のニコレットの本領発揮。リトル・フィートやドゥービー・ブラザーズ、リンダ・ロンシュタット等、米国西海岸ロックの豪華顔ぶれが参加していて、実に楽しいアルバムになっています。ちょっと、ソウル/R&B色が濃いアレンジが小粋なアルバムです。
 

Nicolette_1

 
それから、僕は、この『Nicolette(愛しのニコレット)』のアルバム・ジャケットの写真が好きで、ニコレットの、ちょっと「おしゃま」なカントリー・ガールって感じが実に可愛い。LPサイズのジャケットは実に良かった。

次のセカンド・アルバム『In the Nick of Time』(上写真右)は、徹頭徹尾、米国西海岸ロックの雰囲気満載。大学時代からの僕の永遠の愛聴盤でもあります。

明るく、純真さを感じさせるボーカルと、ロック、R&B、カントリーといった要素をミックスした米国西海岸ロック独特の雰囲気とが、実にうまくマッチしていて、全体的に、実に明るく楽しいアルバムです。そんな中、じっくり聴かせるバラードもあったりして、このアルバムの実に良い感じに仕上がっています。これぞ西海岸ロックって感じが実に良い。

カーラ・ボノフ作曲の「Isn't It Always Love」はいつ聴いても良いですね〜。ニコレットのボーカルは、パンチがあるんだが、それいて優しいところが良い。そう言えばこの曲、当時、竹内まりやも初期のアルバムの中で、カバーしてましたね(ちょっとイマイチだったけど・笑)。
 

Nicolette_2

 
そうそう、最近、彼女のライブアルバムを見つけました。偶然ネットを徘徊して見つけたんですが、ちょうど、『Nicolette(愛しのニコレット)』リリース後のライブ盤です。この、2006年7月リリースの『Live at the Roxy』(上写真左)は、音も良く、ニコレットのMCもしっかり入っていて、ライブのその場に参加しているような臨場感タップリのライブ盤です。

収録曲は、タイミングが『Nicolette(愛しのニコレット)』リリース後なので、このデビュー・アルバムと曲が重複しますが、ライブだけあって、ニコレットは活き活きと歌っています。しかも上手い。さすが、米国のボーカリストの実力は素晴らしいですね。

ニコレットは、惜しくも、1997年に他界しましたが、彼女の独特のヴォーカルと天使のようなハーモニーは、米国西海岸の音楽仲間からも愛されていました。ロック、ポップ、カントリー等、数々のバックで歌った彼女は、そのつながりから、知り合いのミュージシャンも多く、他界した彼女を偲んで、彼女の友人ミュージシャン達が、カリフォルニア州サンタモニカで2夜のコンサートを開催、その模様を収録したライブアルバムが『A Tribute to Nicolette Larson』(上写真右)。

ニコレットのために、これほど豪華なミュージシャンが集まり、これほど充実したコンサートが実現していたとはちょっとビックリ。良い雰囲気です。詳しくは、このブログの「今年の2月8日のブログ」を参照していただきたいのですが、ニコレットの持ち歌が少なすぎることにはちょっと苦笑いしてしまいます。でも、内容的には実に良い、米国西海岸ロックの雰囲気満点なトリビュートアルバムです。

70年代のニコレットが、やっぱり愛らしくて好きだな。ちょっと「おしゃま」なカントリー・ガールって感じが実に可愛い。こういう感じに弱いんだよな。学生時代の「お気に入り」でした (^_^)v。



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2008年3月 5日 (水曜日)

ウエストコーストの歌姫たち・1

東京は寒の戻り(?)。会社の帰り、最寄り駅に降り立った時「う〜っ寒い」。奈良で「お水取り」が終わったら、関西はもう春。真冬の寒さに戻ることは滅多に無い。でも、関東は違う。3月中は雪が降って、積もることがあるからねえ。

寒い寒いと思っていても暖かくはならないので、気分だけでも、陽光うららかな中、爽やかな風に吹かれていたい。そういう時は、ウエストコーストだろう。米国西海岸ロックである。なにを隠そう、僕は、米国西海岸ロックのマニアである。

入り口は、実にポピュラーで「イーグルス」。イーグルスの『呪われた夜』が入り口。それから、イーグルスの『グレイテスト・ヒット』にはまって、米国西海岸ロックの入り口に立つ。そして、ジャクソン・ブラウン。これに「やられた」。完璧に「やられた」。そして、ドゥービー・ブラザース・バンドにも「やられた」。

「爽快感+透明感」が溢れるコーラス、カントリー&ウエスタンの要素をベースにした、実に軽妙で明るい「カントリー・ロック」。情緒豊かなエレピの音が印象的なバラード。健康的でポジティブなロック。それでいて、そこはかとなく、心の裏側を感じさせる内省的で繊細な表現力。僕は米国西海岸ロックが大好きである。

最近、米国西海岸ロックの女性シンガーソング・ライター系のアルバムを好んで聴いている。米国西海岸ロックの歌姫と言われて、まず、頭に浮かぶのは「カーラ・ボノフ」。アメリカの清純派系シンガー・ソングライター。西海岸ロック歌姫の筆頭、リンダ・ロンシュタットにたくさんの曲を提供しています。

Karla_bonoff_1

このリンダとボノフって、実に対象的で、リンダが薔薇の花とすれば、カーラは百合の花。リンダが明るい人気者なら、カーラは内気で目立たないタイプ。同じ曲を歌っても、リンダはパンチがあって天真爛漫、カーラのほうは、ひっそりと清楚な佇まい。僕は、この「清楚な佇まい」ってところが好きなんですよ。

カーラ・ボノフとの出会いは、彼女の2枚目のソロアルバム『Restless Nights(ささやく夜)』(写真左)。1979年発表の傑作。米国西海岸のミュージシャン総出演って感じの、実に豪華なサポート陣によって、いかにも「米国西海岸ロック」といったサウンドが「たまらない」。

当時、僕は大学生で、LPレコードを部屋に飾りつつ、良く聴きましたね〜。冒頭アップテンポの米国西海岸ロック丸出しの「Trouble Again(涙に染めて)」も大好きですが、やはりラストの「Water Is Wide(悲しみの水辺)」。

海の向こうにいる恋人への思いを歌ったトラディショナルナンバーで、これほど切ない歌は無い。涙無くしては聴けない名演である。カーラの歌はしみじみとして、ゲストのガース・ハドソンのアコーディオンや、ジェイムズ・テイラーのギター&バックボーカルも雰囲気が良い。いや〜、思い出しますな〜、あの頃を。

1988年以来、オリジナルアルバムをリリースしていないカーラでしたが、最近(2007年10月)、久々の新譜として、2枚組ライブアルバムをリリースしました(写真右)。Amazonをふらふら徘徊していて見つけた時は即買いでした。収録曲を見れば、オール・タイム・ベストと言ってよい曲を集めた初ライヴ盤じゃないですか(「Restless Nights」が未収録なのは残念だけど)。

このライブは、米国西海岸ロック&ポップスのファンであれば、マストアイテムでしょう。情報によると、このライブ盤、レコード会社を通じての発売では無いとのこと(カーラ個人の販売)。よって、日本盤がレコード会社から発売される可能性は無いとはいえませんが、米国西海岸のファンであれば、輸入盤で一刻も早く入手することをお薦めします。

しかし、このライブ盤には「感動した」。カーラの歌と演奏をガッチリと引き立てるバックに支えられ、今でも全く衰えを知らない彼女のライブ・ボーカルを、こんな良好な音質で聴けるなんて、長生きはしてみるものですなあ(笑)。
 
 
 
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2008年3月 4日 (火曜日)

チック・コリアの隠れ名盤・3

なかなかスカッと暖かくならんなあ。昨日今日とちょっと寒さが戻って、天気もパッとせず、なんとなく、不完全燃焼な一日。

昨日は宴会。常駐先の部門がこの3月1日付けで解体と相成った。真っ二つ分かれて、しかも、どさくさに紛れて、思いもよらない部署への異動の憂き目になったのも二人いて、昨晩は、その解体された部門の「解散会」に付き合って、家に帰り着いたのが真夜中。よって、ブログはお休みさせていただきました m(_ _)m。

そうか、飲み歩いていたのか、じゃあマスター、風邪は完治したんやな、と言われると辛い。子供の頃から、風邪をひくと、喉から気管支系に後遺症が残って、結構、苦労することが多い。今回も咳が残って、なんとなく、まだ「しんどい」。けど、昨晩はしゃーないかな、と。付き合いってものがあるしねえ。僕は、散々、仕事で異動の憂き目にあっているので、全く気にならないんだが、若い衆は馴れていないみたいでねえ。

閑話休題。今日は、チック・コリアの隠れ名盤紹介の第3弾。チック・コリアは、純ジャズからエレクトリック・ジャズからフュージョンまで、多彩なタレントを誇るミュージシャン&コンポーザーで、それぞれのジャンルで第一人者レベルの成果を残している。
 

Chick_corea_alive_euro

 
それがどうも、気に入らないベテランのジャズ・ファンが多くて、カメレオンだの、軟弱だの、商業主義だの、器用貧乏だの、とよく言われる。そして、その方々の挙げる代表作は判で押したように、『Now He Sings Now He Sobs』と『Return to Forever』の2枚のみ。それでは、自らが感性に乏しいことを証明しているようなものではないか。

まずは『Trio Music: Live in Europe』(写真左)。1984年9月のライブ録音。これは名盤ですぞ。1曲目『The Loop』はチックのオリジナル。続けてスタンダード・ナンバー。もうここで「素晴らしい」の一言。キース・ジャレットの「スタンダーズ」を上回る出来だと僕は思う。後半へ聴き進めるに従い、このトリオの持つ無限の可能性に感嘆する。

これほど美しい演奏が詰まったジャズのアルバムもなかなかお目にかかれないのでは、と思えるピアノ・トリオ・ライブの傑作。成果の記録がこれ一枚のみというのが、これまた潔い。

キースの「スタンダーズ」の向こうを張って、キースとしのぎを削ることも出来ただろうに、チックはそれをしなかった。ピアノ・トリオだけを「深く極めていく」という作業が、チックの主義に合わなかったということだろう。これまた、チックらしいではないか。

そして、もう一枚の隠れ名盤が、Chick Corea's Akoustic Band『Alive』(写真右)。ジョン・パティトゥッチ(b)とデイブ・ウェックル(ds)、Chick Corea's Elektric Bandの二人と組んだアコースティック・ピアノ・トリオである。完全な企画物なんだが、これが「イケる」。

演奏楽曲はおなじみのスタンダードばかりで聴きやすい。バックの若手二人がフージョン世代で、独特の感覚と演奏テクニックで、今まで無い、新しい感覚のピアノ・トリオを聴かせてくれる。バックの音、特に、デイブ・ウェックルのドラムの音がダイナミックで大きくて、音の良い再生装置でないと、ちょっと耳障りかもしれませんが、これが新しい感覚で、とてもユニークで、成果大だと思います。

この2枚はチックの隠れ名盤としてはマストのアルバムです。あと21世紀に入ってからの、チックのピアノ・トリオにも優れたアルバムが多くあり、最近のチックは充実しています。

多彩なタレントを発揮することは悪いことではない。それぞれのジャンルでしっかりと成果を出しているんならなおさらのこと。「道を極める」という一点重点主義だけが全てでは無いですよね。
 
 
 
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2008年3月 2日 (日曜日)

嬉しい、可愛い「贈り物」

昨晩の天気予報の一言「明日は、暖かい一日で、お出かけ日和ですよ〜」を真に受けて、期待して朝起きた。けど、ちょっと違うんやないか。

確かに、一時の寒さは無い。でも、北風は相変わらず冷たいし、天気もスカッと晴れている訳ではないので、なんとなく「不完全燃焼」。先週、相当のダメージを受けた風邪も、あと一歩のところで完治せず、変に咳だけが残って、どうもパッとしない。

なんかどうもパッとせんよな〜、なんてぼやきながら、朝ご飯を食べて、テレビを見ながらゴロゴロしていたら宅急便が来た。我が家で宅急便と言えば、ネットで注文した僕のCDがほとんどなので、うちのカミさんに「またCDなの〜?」などと皮肉の一言を浴びせられながらも、「そういや〜、今日一枚来るけど、夕方便で来ると思ったがなあ〜」と心当たりがあるので、反論の一言もない。

Hinagashi_2008

カミさんが受け取ってきたら「CDと違ったわ」と一言。見たら、大阪からの「贈り物」。早速、荷物を開けてみたら、ひな祭りにちなんだ「可愛い贈り物」(写真上)でした。チョコに干菓子、嬉しいですね。もともと「季節モノ」にこだわるタイプで、今日は、「ひなあられ」か何かを買ってこなくてはいかんなあ、と思っていた矢先の「サプライズ」でしたので、大変嬉しいです。ありがとう。

さて、先に書いたように「今日は暖かい一日で、お出かけ日和」と天気予報が言うので、午前中は、干潟にウォーキング。天気予報が言うほど、暖かい日和ではなく、残った北風が少し冷たい。しかも、天気も雲が多く、スカッと晴れずに日差しがちょっと足らない。でも、20分も歩くと、体がポカポカしてくる。

Higata_20080302

今日の干潟(写真上)は、満潮を過ぎて潮が引き始めたところ。あちらこちらに渡り鳥は「いるにはいる」が、数的にはちょっと寂しい今日の干潟。暦ももう3月だし、渡り鳥の世界では移動が始まっているみたいですね。道理でバードウォッチャーの人も数もまばら。今は閑散期なんですかね〜。

午後からは、ちょいと昼寝をして、夕方は、このところ、体調回復期のジャズとして、チック・コリアのピアノ・トリオ盤を集中的に聴きながら、今、ブログを書いています。今日はチックのピアノ・トリオの決定盤から2枚をチョイスして聴いていますが、この話は、また明日。

風邪がすっかり抜けない分、どうもパッとしない週末。その分、無理をせず、時間を上手く使って、週末を過ごせたのではないかと自己満足(笑)。思いがけない「可愛い贈り物」もあって、ちょっと気分も上向きかなあ。後は風邪を完治させるだけ。
 
 
 
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2008年3月 1日 (土曜日)

「鴨川ホルモー」は面白い

3月1日である。子供の時から、3月の声を聞くと、なんだかワクワクしたものだ。2月は日本の季節の中で、一番寒い月。3月は梅が咲き、ひな祭りがあって、後半には春分の日が控えている。2月の寒い季節から、一気に春の季節へジャンプアップするようなイメージがあって、3月の声を聞くとワクワクする。

今朝は暖かな朝、昼過ぎ、北風に変わって天候が急変しかかったが、先週の様な激変は無く、暫くすると、北風は吹くが、そんなに寒くない、歩いていると汗ばむ位の陽気。今年の厳しい冬はもう去った、という感じ。いよいよ、春の到来である。

今日は、いつもの音楽の話題を離れて、最近読んだ本の話題を少々しよう。

子供の頃から本を読むのが大好きである。小学校の頃は伝記物とノンフィクションが大好きで、相当数の本を読んだ。中学時代は、天文学とノンフィクションとエッセイの日々。高校時代〜大学時代は純文学とエッセイと史学書を相当数、読みあさった。高校2年の頃から大学時代、文庫本などは、調子が良い時は、一日一冊のペースで読んでいたから、実にコストパフォーマンスが悪い読み方である(笑)。

でも、高校〜大学時代に純文学の大凡(おおよそ)を読破したことは、今の自分にとって、実に有意義なことだったと思っている。この5年位前から思い立って、再度、純文学系を読み直しているが、これはこれで面白い。若い頃の感じ方と、様々な人生経験を経た「今」の感じ方と、ちょっと違うところがあって、純文学の読み直しも結構良い感じである。

Kamogawa_horumo

ということで、このところ、本を良く読む。最近、話題の本もハードバックスで読むこともあるのだが、昔から本を沢山読んでいると、「面白そうな本の匂いを嗅ぎ分ける」というか「面白い本を選ぶ勘」が身についているらしく、本屋でいろいろと見ながら、直感で選んだ本で外れたことは無い。

最近、面白くて一日で一気に読んだ本がある。万城目学の『鴨川ホルモー』(写真左)である。「ホルモー」というのは「ホルモン」では無い。「ホルモー」とは、ある団体競技のこと。どんな団体競技なのかは「ネタバレ」になるので言えない。奇想天外な団体競技なのは確か。その「ホルモー」にまつわる青春群像、って感じかなあ。

時代設定は、ちょうど僕らの年頃と一緒。1970年代後半に大学時代を過ごした世代である。とにかく、若かりし頃の学生時代の生活や心の動き、男女間の心の動き、エピソードなどを、爽やかにあっさりと、それでいて、共感、追体験できる位に「リアル」に描写しているところが実に良い。加えて、文章の調子が僕好み。テンポが良い。読み易い。雰囲気はと言えば、う〜ん、そうそう夏目漱石の『坊ちゃん』に通じるものがあるかな。

話の展開が、予定調和的で良い。物語の途中で、きっとこの二人はこうなるとか、きっとこういう展開になる、と感じたことが、おおよそ実現される。これって、小説で大切な事で、予定調和が無い、外しっぱなしの小説に名作は無い。

『ホルモー六景』(写真右)は、『鴨川ホルモー』の続編。「ホルモー」にまつわる人物のエピソードを6話収録している。これも、小粋な短編小説なんだよね〜。『鴨川ホルモー』の続編なので、『鴨川ホルモー』を読んでないと、さっぱり理解できない話ばかりなので、『ホルモー六景』は必ず『鴨川ホルモー』を読んでからにして下さいね。

この『ホルモー』シリーズを読むと、高校時代〜大学時代を思い出す。小説に出てくる場面場面に共感を覚えたり、親近感を覚えたり、読み進めると懐かしい想いに浸りきる。読み終えると清々しい気持ちになれる。良い小説です。一読をお勧めします。そして、この『ホルモー』シリーズが良いと感じたら、『鹿男あをによし』もどうぞ(2月10日のブログでご紹介しています)。
 
 
 
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