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2008年2月18日 (月曜日)

ゲイリー・バートンのイチ押し!

先週、『Gary Burton & Keith Jarrett』を聴いて以来、ヴァイブのゲイリー・バートンが気になって、幾つか、初期の頃のゲイリー・バートンのアルバムを聴き直している。

初期のゲイリー・バートンは、『Gary Burton & Keith Jarrett』を聴いて判る様に「ロックビート+アメリカン・ルーツ・ミュージック」をベースに、フォーキーでゴスペルチックなフレーズを、透明感のあるクラシック的なヴァイブを4本マレットで弾きまくる、って感じの、個性豊かな演奏が特徴。

それでは、1960年代後半〜1970年代前半、ゲイリー・バートンの「ロックビート+アメリカン・ルーツ・ミュージック」をベースに、フォーキーでゴスペルチックなフレーズを、透明感のあるクラシック的なヴァイブを4本マレットで弾きまくる、って感じの代表作はどれだろう、と振り返ってみた。

僕のゲイリー・バートンのイチ押しは『The New Quartet(邦題:マレット・マン)』(写真左)。邦題の「マレット・マン」の響きがなんだか面白いが、この不思議な邦題は無視して下さい(笑)。

パーソネルは、ヴァイブのゲイリー・バートンをリーダーに、ミック・グッドリック(g)、アボラハム・ラボリエル(b)、ハリー・ブレイザー(ds)と無名の面子。しかし、このアルバムの演奏内容は、ゲイリー・バートンの初期の傑作の一枚。
 

Gary_burton_the_new_quartet

 
これぞ「ロックビート+アメリカン・ルーツ・ミュージック」をベースに、フォーキーでゴスペルチックなフレーズを、透明感のあるクラシック的なヴァイブを4本マレットで弾きまくるって感じで、初期のゲイリー・バートンの完成形の一つでしょう。

ゴスペルチックなフレーズでありながら、ファンキーな雰囲気を全く感じさせない、ヨーロッパ的な、クラシック的な透明感溢れるヴァイブの響き。ファンキー・ヴァイブの巨匠ミルト・ジャクソンの対極にあるゲイリー・バートンの独特の個性である。

特に1曲目『Open Your Eyes,You Can Fly』の明るいジャジーなノリは素晴らしいの一言。アボラハム・ラボリエルのクセのあるベースが効きまくっていて、実に パワフル。バートンのヴァイブはポジティブで透明感溢れる、芯のある響き。名演だ。他の曲も素晴らしい出来で、捨て曲無し。

以前のアルバムにあった、取って付けたようなロック・ビートは改善されていて、ミック・グッドリック(g)、アボラハム・ラボリエル(b)、ハリー・ブレイザー(ds)の3人は、ロックのビートをジャズのビートにすっかり取り入れて、全く違和感の無いユニークなビートを、バートンのヴァイブに供給する。

知的でポジティブで新しい感覚の「ニュー・ジャズ」って感じの演奏が実に良い。これぞ「ゲイリー・バートンのイチ押し!」って感じの、僕にとってのバートンの初期の最高傑作です。
 
 
 
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