こんな音源が残っていたなんて...
関東地方では春一番が吹いたとか。確かに、午前中は南風が吹き込んで暖か。しかし、午後2時頃から、にわかにかき曇り、気圧がグググッと下がり、台風のような風が吹き荒れ、外の風景は砂埃で霞む。一瞬、竜巻が起こったのかと思った。
その後、一時の静寂が訪れ、30分ほどして、今度は強烈な北風が吹き荒れる。勘弁してくれよ、今日はカットに行かないと、髪の毛ボーボーなんだけど。一昨日からの風邪も良くなる気配もなく、咳が激しいのに。どうも、カットに行く日って、いつも天気が劇的。でも、風邪っぴきで体調は最悪ながら、カットをしてもらって、気分はスッキリ。
今日は風邪で体調が最悪なので、一日、適度に寝て過ごす。昨年の暮れ、寝室にも、まずまずのオーディオを設置したので、音楽が寝ながら聴ける。これが結構具合が良くて、今日も、最近手に入れたCD中心に5〜6枚のアルバムを聴きながら、ウトウト。
最近手に入れたアルバムの中で、「こんな音源が残っていたなんて...」って感心したのが、トランペット奏者、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)の『AT THE COTTON CLUB 1956』 (3枚組CD・写真左)である。パーソネルは、Clifford Brown(tp), Sonny Rollins(ts), Richie Powell(p), Gerge Morrow(b), Max Roach(ds)のClifford Brown & Max Roach Quintetによる録音。
1956年5月28日と1956年6月1日の2日分のライブ演奏を収録。プライベート録音の為、曲によっては、途中でフェードアウトしたり、ノイズが入ったりして、音質は決して良好ではありません。しかしながら、最新の復元技術を駆使して改善しただけあって、歴史的価値および鑑賞には十分に堪えうるレベルです。ボーナストラックは、同じく1956年2月26日のニューヨーク、タウンカジノのラジオ放送の録音3曲、こちらも、未発表の音源のようです。
寝ながら聴いていたんですが、いや〜っ、クリフォードって上手い。恐らく、ジャズ・トランペットの最高峰の演奏家ですよね。こんなに速い速度でアドリブを軽々しくこなす姿なんぞ、それはもう「スーパーマン」や「ウルトラマン」を見るようです。いやはや、人間業では無い(笑)。
負けずに、バックのマックス・ローチのドラミングも凄い。このクリフォードのトランペットに対応できる、当時数少ない名ドラマー。リッチー・パウエルのピアノも小粋で、スピード感満点。
そんな中で、ソニー・ロリンズだけ、曲によって、ちょっと乗り切れない雰囲気で苦闘する姿が印象的。まあ、今では、巨匠のロリンズだが、1956年といえば、まだまだ駆け出しの若者。それでも、クリフォードの胸を借りて、ガンガン突っ込んで吹く姿は、並のテナーマンじゃないです。
クリフォード・ブラウンは、このライブの約1ヶ月後、1956年6月26日に交通事故死してしまいます(1930年10月30日生まれなので、25歳の若さで亡くなったことになる)。若くして急逝しているので、活動期間が短く、クリフォードの演奏音源は少ないので、クリフォードの、特にライブ音源はどれもが貴重です。この音源は特別良いですね。音質は最高では無いですが、それをフォローして余りある、クリフォードのトランペットが素晴らしい。
「こんな音源が残っていたなんて...」。最近は、ジャズの未発表音源の発掘も進み、「え〜っ」と声を上げて驚くような音源の発掘が少なくなりました。しかし、今回のこの『AT THE COTTON CLUB 1956』は、その発売記事を初めて見た時、久しぶりに、声を上げて「え〜っ」と驚いた音源発掘でしたね〜。
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