ゲイリー・バートンの今...
2月も20日、周りを見渡せば、少しずつ春の息吹を感じる今日この頃。通勤の行き帰りで、見ながら通る近くの公園の梅が、知らない間に三分咲き。
こぢんまり咲いた紅梅が愛くるしくて、なんとなく今朝は得した気分。帰りも夜風がなんとなく柔らかで、日中は暖かだった名残り。今日の東京は3月中旬の陽気だったとか。
昨日は久しぶりに遅くまでの残業で(ホントだよ、仕事だよ〜)、家へ帰りつくのが遅かったので、ブログはお休みさせて頂きました m(_ _)m。一昨日の夜から、風邪のひきかけなのか、喉がちょっと痛いので、無理はしない。仕事の方が今、重要な時期を迎えつつあるんでね〜。
さて、『Gary Burton & Keith Jarrett』から始まった、ゲイリー・バートンの特集の最終回。1970年代初頭まで、ジャズ・ロック+アメリカン・ルーツ・ミュージックで突っ走っていたバートン。その後はどうなったか。
1970年代は、ジャズの歴史に残るデュオ、チック・コリア(p)&ゲイリー・バートン(vib)で大ブレイク。チックとバートンの相性は抜群。特に、チックは「デュオの神様」。チックのデュオにおける、相手を引き立て、自分も引き立てるアレンジとテクニックの豊かさと素晴らしさは「歴代随一」。チックとバートンのデュオ・アルバムは、どのアルバムも傾聴に値する。
そして、時は流れて、ゲイリー・バートンも65歳。まだまだ、4本マレット奏法を駆使して活躍している。歳を取ったせいなのか、尖ったところも丸くなって、今では純ジャズ路線で小粋な演奏を聴かせている。が、彼のアルバムは、純ジャズ路線とはいえ、メンバーの人選が実にマニアックで、決して単純にオーソドックスなジャズを聴かせないところがバートンの優れたところ。
お勧めは『Departure』(写真左)。1997年リリースとちょっと古いが、純ジャズ路線の小粋なアルバム。メンバーが凄い。Fred Hersch (p)はさておき、John Patitucci (b)、John Scofield (g)、Peter Erskine (ds)、Gary Burton (vib)。
ギターの人選が凄い。ユニークなギタリスト、というか、ちょっと普通じゃないギタリストのJohn Scofield(ジョン・スコフィールド、略してジョン・スコ)を純ジャズに起用する発想が素晴らしい。普通のジャズ・ギターじゃない。ちょっとねじれた感じの、浮遊感がありながら、芯がしっかりとしている、現代ジャズ・ギターの最先端の音。官能的な響き。
バートンのヴァイブは、透明感のある、ファンキーさを全く抜いた、クラシック的なリリカルさが特徴の響きだが、この特徴あるバートンのヴァイブにぴったりのPeter Erskine(ピーター・アースキン)のドラミング。ベースのJohn Patitucci(ジョン・パティトゥッチ)は、チック・コリアのバンドで活躍の現代ジャズを代表するベーシスト。
蒼々たるメンバーが一体となって、透明感のある、ファンキーさを全く抜いた、クラシック的なリリカルな純ジャズを繰り広げる。ジャジーなノリが気持ち良い。これが良いんですよ。良い雰囲気なんです。ファンキーさが無いとジャズじゃないって? 聴けば判る。ファンキーさが無くても、ジャジーなビートは供給できる。
スタンダード曲を中心に余裕の演奏。音色もアレンジも涼しげなノリで、透明感溢れる、リリカルな純ジャズが実に良い。どの曲も良い雰囲気、良い出来。今でも時々引っ張り出しきて、聴いています。愛聴盤のひとつですね。
ジャズのヴァイブと言えば、ミルト・ジャクソン。ファンキーさ溢れるジャジーなヴァイブでした。その対極にあるゲイリー・バートンのヴァイブ。ジャズって面白い。同じ、ヴァイブでも演奏家の個性によってこれだけ変わるんですよね〜。
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よいです♪>Departure
一昨年の夏はずっとこれを聴いてました。
投稿: yuriko | 2008年2月20日 (水曜日) 22時33分
yurikoさん、いらっしゃい。松和のマスターです。
おお〜っ、yurikoさんも『Departure』知ってますか〜。
いや〜、さすがですね〜。このアルバム、知る人ぞ知る名盤で、
ジャケットもお洒落で良いですよね。これぞ「隠れ名盤」と
呼べるアルバムですよね。
投稿: 松和のマスター | 2008年2月21日 (木曜日) 21時02分