学生時代からのNo.1コンボ
最近は、仕事の内容も変わって、残業がかなり減った。もともと若い時から、残業の嫌いな僕にとっては、喜ばしい限りである。夜は19時〜20時の間に、最寄りの駅から家までの間を、ぶらぶら音楽を聴きながらの帰り道。
見上げると、南天高く、オリオン座が輝いている。そして、南東の空には、シリウスがギラギラと青白い光を放っている。この時期が、冬でも一番寒い時期。東京にほど近い、我が千葉県北背部地方だが、贅沢を言わなければ、星がまずまず見えて、四季折々、季節の星座を愛でることができる。
昨日、ウェザー・リポートの話題になったが、もう少し、続けよう。ウェザー・リポート (Weather Report・以下WRと略す) は、アメリカのエレクトリック・ジャズ・バンド。マイルス・デイヴィスの元で活躍していたジョー・ザヴィヌル(key)、ウェイン・ショーター(ts,ss)の二人を中心に、1971年に結成。1976年にジャコ・パストリアス(elb)が参加、バンドは頂点を迎えた。
その頂点の時代1976年から1981年の間が、WRの黄金時代である。その黄金時代のど真ん中、1978年に、僕はWRに出会った。もちろん、最初に聴いたアルバムは、昨日、話題になった『ヘビー・ウェザー』。
このアルバムで、完全にWRの虜となった。そして、その1978年に当時最新作『ミスター・ゴーン』がリリースされた。即購入である。つまり、大学時代、リアルタイムで、WRの黄金時代にぶち当たったことになる。これが、またまた、ぶっ飛びの内容で、1979年以降、社会人になるまで、一日に一度はWRの毎日。
続く1979年、WRのライブ盤『8:30(エイト・サーティー)』がリリースされる(写真左)。1978年のツアーにて収録されたライブ音源が使用され、収録曲を見渡せば、なんとも魅力的な、WRのベストアルバム的な2枚組ライブである。ライブはA面〜C面で、D面には、スタジオ録音源の新曲が収録されているのが異色。
これがですね、凄い内容なんですよ。エレクトリック・ジャズが好きな方はマストですね。というか、エレクトリック・ジャズが好きで、このアルバムを聴いたことがない方は「もぐり」だと思います。
スタジオ録音よりも、演奏速度は速く「疾走感が抜群」、テクニックは「呆れるくらいに驚異的」。インプロビゼーションも、スタジオ録音と比べものにならないほど(スタジオ録音も素晴らしい内容なんですが)、柔軟で色彩豊かで、バリエーションとイマージネーションに富んでいて「素晴らしい」の一言。当時、いや今でも、ジャズ界最高峰の演奏内容である。
有名曲「ブラック・マーケット」「バードランド」などは、ファンキー色が強くなって、凄まじいノリ。メンバーは、Wayne Shorter (ts, ss)、Joe Zawinul (elp,p, ARP Synthesizer , Oberheim Polyphonic Synthesizer, Korg Vocoder)、Jaco Pastorius (elb)、Peter Erskine (ds,per)。WR、黄金時代のメンバーである。しかし、このたった4人で、これだけ分厚いサウンドが出せるなんて、超一流のジャズ・ミュージシャンって、実に恐ろしい人種である。
この『8:30』は聴きまくりましたね〜。少なくとも、発売以降、1年くらいは毎日聴いていた記憶がある。「ティーン・タウン」、ベース・ソロの「スラング」でのジャコの斬新さ、「お前のしるし」、サックス・ソロの「サンクス・フォー・ザ・メモリー」でのショーターのスケールの大きな、情感溢れるテナーなど、聴きどころ満載。ザビヌルのキーボードは、どこまでも最高。アースキンのドラミングは、実はWRの要。
しかしながら、WRは、純ジャズ系のエレクトリック・ジャズなので、ちょっとハードです。決して、優しい、常時耳当たりの良い演奏内容ではありません。でも、この演奏を聴くと、ロックのインスト系が、実にかったるしく感じます(これには当時困った)。初心者の方は、しっかり構えてお聴き下さい(笑)。そうそう、WRは決してフュージョンでは無いです。
WRは、学生時代からのNo.1コンボ。今でも時々聴いてます。このグループに出会えたことを幸せに思います。ジャズの最先端を常に感じさせてくれるコンボでしたね〜。
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