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2008年2月14日 (木曜日)

Gary Burton & Keith Jarrett

今日の夜は、やっと強い西風が治まって、強い冷え込みも無く、昨日一昨日と比べると、なんだか暖かく感じる。それでも、北の夜空を見上げると、春の星座、おおぐま座の北斗七星が立ち昇って来ている。夜空では着々と春へと進みつつあるのを実感する。

さて、今日は『Gary Burton & Keith Jarrett』(写真左)を聴く。フュージョンが話題になり始めた70年代初頭の作品にして、当時のヒットアルバム。時は1971年、両者とも若かりし頃の、今から思えば、異色の組合せである。

ゲイリー・バートン(Gary Burton)はヴァイブ奏者。ミルト・ジャクソン亡き後、今や、ジャズ界でのヴァイブ奏者の第一人者といえば、ゲイリー・バートンだろう。そして、キース・ジャレット(Keith Jarrett)はピアノ奏者(有名ですよね)。「スタンダーズ」というピアノ・トリオを率いて、今や、ジャズ・ピアノの第一人者。そのピアノ・トリオの総合力はハイレベルなもの。現在のピアノ・トリオの最高峰でしょう。

さて、この『Gary Burton & Keith Jarrett』では、バートンの趣味を優先して、ジャズ・ロックなアプローチで全5曲が演奏されている。この初期のジャズ・ロックっぽさが堪らない。

このアルバムを聴くと、「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」という諺を思い出す。キースとバートンの、それぞれのジャズ演奏のルーツとなる音楽性が、このアルバムにしっかりと記録されている。両者とも、アメリカン・ルーツ・ミュージックであるフォーク、カントリー、ブルース、そしてゴスペル、それらがジャズ演奏のルーツのひとつであるところが共通点。

ゴスペルチックな、アーシーなリズムとノリはキースのもの。フォーキーで、アーシーで、ゴスペルチックなノリのキース、しかも、ロック・ビートに乗って弾きまくる。アコースティック・ジャズの最高峰トリオ「スタンダーズ」を率いる、ジャズ・ピアノの大御所キース・ジャレットからは、全く想像できない(笑)。
 

Keith_gary

 
しかし「スタンダーズ」の演奏でも、ソロの演奏でも、絵に描いたような正統な純ジャズのインプロビゼーションの中で、そこはかとなく、フォーキーで、アーシーで、ゴスペルチックなタッチがフッとする時がある。僕にとって、そこがキースの魅力のひとつ。この1971年の『Gary Burton & Keith Jarrett』を聴くと、そのキースのルーツが忍ばれます。

冒頭の1曲目「Grow Your Own」(S.スワロウ作)を除いて全て、キース・ジャレットの作。3曲目の軽音楽タッチなルンバ調の「Como en Vietnam」は、あまりに俗っぽくて「いけません」が、ブルースっぽい2曲目の「Moonchild/In Your Quiet Place」、そして、ポジティブで、ゴスペルチックな「Fortune Smiles」は、明るくて、リズミックで、美意識溢れる、楽しいフレーズ満載の「これぞキース」的な名演です。途中、ブレイクして、フリー・ジャズに走るキースも、また、キースのルーツのひとつを感じさせてくれて、思わずニンマリしてしまいます。

ゲイリー・バートンのヴァイブも良いですよ。バートンのヴァイブには、黒人奏者の様な「黒さ」や「過剰なファンキーさ」はありませんが、ある種の「透明感」と「クリスタルな雰囲気」と「冷静な熱さ」が特徴で、その個性が、もう既にこのアルバムで出まくっています。

ところで、現在発売されているCDは、『Gary Burton & Keith Jarrett』と『Throb』(1969年のバートン単独のアルバム・写真右)の2枚のアルバムを一枚にまとめた「2in1」です。1曲目〜5曲目までが『Gary Burton & Keith Jarrett』で。6曲目以降が『Throb』です。鑑賞する時は気をつけて下さい。6曲目からの演奏の雰囲気がガラッと変わるので、気がつくとは思いますが・・・。

アメリカン・ルーツ・ミュージックを根底にした、フォーキーで、ゴスペルチックで、アーシーなリズムとノリで通した、キースのアルバムを今一度聴いてみたいですね。まあ、今の感じでは、キースは絶対やらんでしょうが・・・。でも、キースのルーツのひとつに、アメリカン・ルーツ・ミュージックがあり、そのエッセンスが、今の演奏にも、時にヒョッコリ顔を出す。そこが、またキースの魅力。

最後に、ジャケット写真の「アフロ・ヘアーのキース」は一見の価値アリです。思わず笑いがこみ上げてきます。そして、アルバムの演奏のところどころで、キースはしっかりと「唸って」います。これも「栴檀は双葉より芳し」ですね〜(笑)。
 
 
 
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