最近の新譜から「Day Trip」
先週の火曜日あたりから、風邪で具合が悪かったのだが、無理して、木曜日、金曜日と会社に出て行った結果、昨晩、高熱を発して、今日は一日寝込んだ。
子供の頃から、風邪とか病気で寝込んでも、静かな部屋で寝ているのは苦手で、なんらかの音楽を流しながら(適当な音の大きさでだよ)寝ている。最近は寝室にそこそこのオーディオセットを入れてあるので、ジャズのCDが聴ける。
熱でウンウンうなされながら、聴いていたアルバムが、パット・メセニー(Pat Metheny)の新譜『Dat Trip』(写真左)。2005年10月19日ニューヨーク、ライトトラック・レコーディング・スタジオにて録音。トリオ名義のアルバムは『トリオ99→00』以来8年ぶりとなる最新作である。
パーソネルは、Pat Metheny(g)、Christian McBride(クリスチャン・マクブライド・b)、Antonio Sanchez(アントニオ・サンチェス・ds)のトリオ構成。
とにかく、縦横無尽なパット・メセニーのギターが素晴らしい。マグブライドのベース、サンチェスのドラムも驚異的なテクニックで、メセニーのギターをしっかり支える。最近のギタートリオの傑作の一枚だろう。
が、なんだか釈然としない。寝床で2度聴き返して思ったんだが、ギターのフレーズは流麗、演奏内容はとても素晴らしいけど、印象に残るメロディーが少ないんだ、と思い当たった。そう、聴いた後で印象に残るフレーズ、何度か聴くと、口ずさんだりするキャッチャーなメロディーを持った楽曲が少ないのだ。
これは、最近のジャズに共通して言えることじゃないだろうか。キャッチャーで印象的なメロディーは、どれもが「スタンダードもの」。そう言えば、最近のジャズ・メン自作の曲は、少し小難しい、演奏家にとって楽しい楽曲で、聴くものの立場に立った作曲は少ない感じがする。
これでは、新しいジャズ・ファンは増えないし、ジャズの新譜は売れなくなる。もう少し、ジャズ・メン自作曲については、聴くものの立場に立った、十分な配慮をお願いしたい。寝床で、熱にうなされながら、パットの新譜を聴いていて、そう思った。
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