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2008年2月 9日 (土曜日)

50年眠っていた「掘り出し物」

朝から、外はどんより曇り空。しかも、しんしんと冷え込んでいる。今晩は雪の予報。先週に引き続きである。まだまだ、北側の屋根やマンションの屋上、北側の日陰などには、先週の雪がまだ残っているのになあ。今年の我が千葉県北西部地方は雪が多い。

ジャズ界では良くある話なんだが、演奏を録音しておいて、何らかの理由でその録音が発売されることなく、いわゆる「お蔵入り」となり、そのまま、紛失〜行き先不明状態となって、何十年後かに、なんらかの拍子に発見されて、日の目を見ることがある。

今回発売の、HORACE SILVER(ホレス・シルバー/p・写真右)の『LIVE AT NEWPORT '58』(写真左)も、その類である。1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ音源が、倉庫から奇跡的に極上音質で発掘されたのだ。

1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルと言えば、映画「真夏の夜のジャズ」の舞台となったジャズ・フェスティバルである。映画撮影の時に、同時に録音された音源なんだろうか。しかし、良く見つかったもんだ。しかし、ジャズの世界では、良くあるなあ、この歴史的発掘。まるで、考古学である(笑)。

1950年代後半は、ホレス・シルバー・クインテット黄金期。しかも、僅かな期間しか在籍しなかったLouis Smith(ルイ・スミス/tp)を含むライブ音源は貴重。全4曲ホレスのオリジナルで、ライブならではの白熱した演奏が堪能できる。パーソネルは、LOUIS SMITH(tp), JUNIOR COOK(ジュニア・クック/ts), HORACE SILVER(p), GENE TAYLOR(ジーン・テイラー/b), LOUIS HAYES(ルイ・ヘイズ/ds)のクインテット構成。
 

Horace_silver_newport58

 
最初の一曲目「TIPPIN'」の出だしは、ドラムス、ベース、テナー、ペット、ピアノ皆、バラバラ。「おいおい、ど〜なんの」って感じで、ギクシャクしながらヨタヨタ。でも、曲半ば位から、全体のアンサンブルが合い始め、ほっと一息。

こういう、50年ぶりに発掘された音源って、発売前の事前の触れ込みは凄いんだが、手に入れて聴いてみると「なんだりゃ」的なズッコケ盤もあるので注意が必要。最初の一曲目「TIPPIN'」の出だしのバラバラな演奏を聴いた瞬間は、カスを掴まされたのかと思った(笑)。録音のバランスも音質も良好で、なぜ、この音源が倉庫の中で、50年も眠っていたのかが判らん。

もちろん、お約束の「セニョール・ブルース」も入っている。ヘイズのドラムが意外と鋭く切れ込んでシャープ、ホレスのバッキングは鉄壁、フロントの二人を支える。ジーンのベースは、しっかりとビートを刻む。これだけのリズム隊をバックにして、燃えないフロント(ここではトランペットとテナー)は無い。スミスのペットは事前の僕の予想を遙かに超えて素晴らしく、クックのテナーは相変わらず快調。これぞハード・バップ、と叫びたくなる熱演である。

収録曲数は4曲と最近のCDフォーマットを最大に活かした曲数からすると、ちょっと少なめですが、トータルで45分と、鑑賞するにはちょうど良いと思います。ハード・バップの好きな方には、お勧めです。ライブならではの雰囲気が体感できる、なかなかの佳作だと思います。
 
 
 
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コメント

う。。。。
愛しのホレスの掘り出し音源。
素敵(T_T)。
ジャケットの横顔がちょっとぽっちゃり??

yorikoさん、いらっしゃい。松和のマスターです。

ホレスの50年前のライブ音源が発掘された、というニュースを
聞いた時、ビックリしました。しかも、ニューポートのライブ
ですからね〜。

音も良いし、録音のバランスも良いです。ライブ録音そのままの
未修正の音源なので、ライブならではの演奏上のミスも少しあり
ますが、それも含めて、このライブは、ライブの熱気十分のお宝
音源だと思います
 

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