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2008年2月28日 (木曜日)

チック・コリアの隠れ名盤・1

先週の土曜日、1年ぶりに高熱を発して床に伏せった訳だが、高熱を発して床に伏せった時の「癒しのジャズ」が、1年ぶりに威力を発揮したことになる。

病床で聴く「癒しのジャズ」は、トランペットやサックスがブイブイいうのは、更に熱が上がりそうだし、ファンキー色一杯の熱いジャズもちょっと敬遠。僕の病床の「癒しのジャズ」は、ピアノ・トリオになりますね。

バリー・ハリス、ジュニア・マンス、ケニー・バロンの、正統派で端正でジャジーでブルージーだけど、そこはかとなく、明るさとポジティブさを漂わしている、そんなピアノ・トリオが、体調不良の時の「癒しのジャズ」。

そして、回復期には、この「癒しのジャズ」系では、刺激が薄くて物足りなくなるのですが、回復期には、まだ、体調が万全ではないので、ちょっと「はまらない」ジャズと当たると困るので、安全性を重視して、お気に入りのミュージシャンのジャズを集中して聴くことになります。

お気に入りのミュージシャンの一番は「チック・コリア」(写真右)。今日はChick Corea『Tap Step(タップステップ)』(写真左)。

この『タップ・ステップ』って、チックの隠れ名盤の一枚として、大学時代から今に至るまで、愛聴してやまないアルバムです。ジャケットを見れば「ちょっと引く」感じで、それでもチックだからと購入。

そして、1曲目の「Samba L.A.」を聴いて、「あちゃ〜、やっても〜た。なんやこれ〜。チック〜」と思って、頭を抱えたのが大学時代。「Samba L.A.」って、チック・マニアの中では、賛否両論の問題作。これが、冒頭に来る。

Chick_corea_tap_step

そして、「あ〜っ、えらいアルバム買っても〜た」と後悔しながら、2曲目「Embrace」の出だしを聴いて「おっ、これは」。ここからが、チック・ワールドの始まり。「Tap Step」〜「 Magic Carpet」〜「Slide」〜「Grandpa Blues」〜ラストの「Flamenco」まで、チックの素晴らしき、内容の濃いエレクトリック・ジャズが展開される。

とにかく、キーボードの使い方、鳴らし方が上手い、というか、天才の領域である。楽曲も印象的なフレーズを持つ魅力的な曲ばかりで、アレンジも素晴らしく、バックの演奏も申し分無い。この数々の演奏を単に「フュージョン・ジャズ」の一言で括ってしまうのは、ちょっと問題ですよね。

これって、凡百のフュージョン・ジャズとは一線を画するもので、僕は、純粋にこれは、メインストリーム・ジャズの範疇の「エレクトリック・ジャズ」だと思います。今の耳で聴いても、これだけの内容を持った「エレクトリック・ジャズ」のアルバムが作れるミュージシャンはどれだけいるのか。

まあ、1曲目の「Samba L.A.」の存在が、後に続く素晴らしき6曲の評価を狂わせるのかもしれないが、それでは、このアルバムの素晴らしさを体験できない。「Samba L.A.」にしたって、サンバを唄う女性ボーカルの背後で鳴り響くシンセのセンスに耳を奪われる。チックって、本当にシンセの使い方が秀逸である。

この『Tap Step』を聴けば、当時のウエザー・リポート(ジョー・ザビヌル)、ハービー・ハンコックが、ちょっと色あせて見える。それほど、チックのエレクトリック・キーボートの演奏力はずば抜けている。恐らく、チックのそれに対抗できるのは、(弾かないけど)キース・ジャレットだけではないか、と僕は睨んでいる(マイルスは別格です)。

2曲目の「Embrace」から、グッと気合いが入って、ボコーダーが唸りを上げる、ファンキーで小粋な「Grandpa Blues」まで来ると、もう元気一杯。そして、ラストの「Flamenco」で、明快なチック節にニンマリして大団円(笑)。

でも、今まで一度も、1曲目の「Samba L.A.」を飛ばして聴いたことは無いなあ。これはこれで、チック・マニアには、MoogやOberheimのヴィンテージ・シンセの音色が乗っかって、「もろサンバ」と言いながら、ちょいと一味違った、チックならではのアレンジがたまらんのですわ(笑)。
 
 
 
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