僕のジャズ「マニア事始め」
厳しい寒さに馴れたからなのか、そんなに暖かくは無いんだろうが、朝から、ちょっと暖かさを感じる。先週の金曜日以来、5日ぶりの仕事。高校の学年同窓会があった関係で、すっかり仕事のことは忘れてしまったので、思い出すのに時間がかかった。そして、疲れた。
学年同窓会がきっかけになって、高校から大学時代の、今まで忘れていたことを、徐々に思い出してきた。僕はどうやって「ジャズ・マニア」になっていったのか、大学時代の様々な出来事を思い出した。
大学の友人からジャズを紹介されたのが、大学1年生の春。ロックの状況に絶望していた僕は、そのインプロビゼーションの素晴らしさに、完全にジャズにはまった。しかし、何から聴いていいのかが判らない。当時、数少なかったジャズ入門書を買って読んだが、今度は先立つ予算が確保できない(笑)。
与えられた予算の中で、どれだけ効果的に、ジャズを知る為の有効なアルバムを買うか。一生懸命考えるんだが、これがまた「当たらない」。というか、ジャズを聴き始めた頃は失敗ばかり。「もうジャズ、止めよかな〜」と思い始めた時、やっと出会ったのが、ビル・エバンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』と、チック・コリア(Chick Corea)の『フレンズ』(写真左)。
ビル・エバンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』については、このブログで結構語っている(2006年9月29日、2006年12月26日)ので、それを参照されたいが(日付をクリック)、チック・コリアの『フレンズ』については、当時の新しい形でのジャズのイメージが、その良さが理解できた最初のアルバムである。
アルバム・ジャケットが可愛くて「ジャケ買い」だったアルバムで、そのアルバムを聴いた印象を、後で、ジャズ雑誌で確かめることが出来た初めてのアルバムで、自分の聴いた印象が、初めて、ジャズ評論家と一致した「記念すべきアルバム」である(笑)。
何も、ジャズ評論家の意見と、自分の聴いた印象が一致することが良いということではないのだが、ジャズ初心者、駆け出しの僕としては、実に嬉しかったのを覚えている。簡単に言うと、自信がついた。単純ではあるが、自分の感覚を信じてジャズを聴いていっても良いんだ、と思った(笑)。大学2年生の夏のことである。
この『フレンズ』、冒頭の「ザ・ワン・ステップ」の4ビート演奏が今でも新鮮。チックのエレピとガッドのドラムが実に新鮮。それに絡む堅実なゴメスのベース、ファレルのテナー。1950〜60年代のハード・バップには無い、新しい感覚の4ビートが素晴らしい。
ジャズ初心者の時代って、どうやって自分の感覚に自信を持つかがカギなんですよね。評論家も人間、評論家なりの感覚で評論しているだけですから、何もそれが正解ではない。僕の大学時代の経験からすると、自分にとって「良い音楽」を、どうやって自分の力で見つけるか。その楽しみが判るようになると、それでもう立派な「ジャズ愛好家」だと思います。
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