« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »

2008年1月の記事

2008年1月31日 (木曜日)

「女子とジャズ」を振り返る

会社で若手の男の子に「好きな音楽ジャンルは?」と訊かれると、当然「ジャズ」と答える。そうすると、「ジャズですか〜、渋いですね〜、女の子に持てるでしょう〜、いいな〜」とくる。おいおい、なんか勘違いしてないか?

確かに、この5〜6年、密かなジャズブームである。洒落た飲み屋やバーに行くと、BGMにジャズが流れていることが多い。テレビでも、妙齢のモデルや女優が、にこやかに「ジャズって良いですよね、私、好きですよ〜」なんて言っている場面によく遭遇する。ほんまかいな。本当にジャズが好きで、本当にジャズを好んで聴いているかは疑わしいよな〜。

それもそのはずで、僕は高校〜大学時代から今まで、ジャズが好きで、ジャズを聴いていることで、女の子に関して良い思いをしたことが無い。良い思いなんてとんでもなくて、今まで、ジャズを聴いた時の女の子の反応に対して「意外な思い」をすることばかりで、良い事なんて全く無かったなあ。

大学時代だったか、「ジャズってどんなの?」って訊かれて、ちょうどジャズが判り始めた頃で、得意満面に「じゃあ、これ聴いてみ、ええで〜」とカセットでかけたアルバムが、当時、ジャズの最先端を走っていた、人気ナンバーワンのコンボ、ウェザー・リポートの『ヘビー・ウェザー』(写真左)。僕からすると、大のお気に入りの「名盤中の名盤」である。

冒頭一曲目、歴史的名曲名演の誉れ高い「バードランド」。天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスの前奏の部分だけで感激状態。ジョー・ザビヌルのシンセサイザーがからんで、ウェイン・ショーターのテナーが入ったユニゾンなんぞ感動モノ。そのバックでドラムとパーカッションが、ワールド・ミュージックよろしく、アフリカン・ビートをシャカシャカシャカシャカと刻んでいく。
 

Heavy_weather

 
で、この歴史的名曲名演の誉れ高い「バードランド」を聴いた女の子の第一声が「変わった音楽やね〜」。そして「なんか賑やかやね〜」、そして「なんかうるさいね〜」、そして最後に「よう判らんわ〜」。当然僕は「????」。うるさいと言われたからには、すごすごと、ボリュームを絞らざるを得ない (T_T)。

この時、初めて悟った。ジャズって一般万民にうける音楽ジャンルでは無い、ってことを。確かに、ポップスや歌謡曲など、印象的で判りやすく心地良い旋律の連続、主役が必ず全面に出ずっぱりな展開、飽きない程度の曲の長さ、という観点からみると、ジャズって判りにくい。

加えて、ジャズはビートが命なのだが、これが、普通のポップスと比べると前に出ていて「うるさい」。つまり、ジャズって、ジャズに興味の無い人には、不用意に聴かせてはいけない音楽ジャンルであることを深く悟った。

それ以来、決して不用意に、女子にはジャズを紹介しないようにしている。ジャズに興味があるという女子で、楽器を演奏した経験がある女子には、恐る恐る聴かせることはある。が、基本的には今まで、ジャズが好きだ、ということで、女の子に関して得をしたことは無い。

でも、ジャズ界では、日本人では、大御所、ビッグバンド・リーダー&ピアニストの秋吉敏子、最近の若手では、ピアニストの山中千尋、上原ひろみ、アルト・サックスの矢野沙織、中堅ボーカリストのケイコ・リーなど、優れた女性ジャズ・ミュージシャンが目白押し。本場米国でも、ビッグバンド・リーダーのマリア・シュナイダー、ピアニストのレイチェルZ、ボーカリスト&ピアニストのイリアーヌなど、これまた、優れたミュージシャンが、どんどん出てきている。

女子とジャズ、女子はジャズに疎いのでは無い。女子がジャズを理解できないのでは無い。日本人にとって、ジャズは聴き慣れない、ちょっと異質な音楽ジャンルなんだ、ということですね。ですから「私、ジャズが大好きなんです」という若い女性はちょっと信用できないんですよね。若かりし頃の衝撃的体験って、後を引きますよね〜 (>_<)。

「良い音楽だと思うんですが、どこがどう良いのか良く判らないんですよ」と言われる方がホッとするし、フォローのしがいがあるというものです。



★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

 

2008年1月30日 (水曜日)

僕のジャズ「マニア事始め」

厳しい寒さに馴れたからなのか、そんなに暖かくは無いんだろうが、朝から、ちょっと暖かさを感じる。先週の金曜日以来、5日ぶりの仕事。高校の学年同窓会があった関係で、すっかり仕事のことは忘れてしまったので、思い出すのに時間がかかった。そして、疲れた。

学年同窓会がきっかけになって、高校から大学時代の、今まで忘れていたことを、徐々に思い出してきた。僕はどうやって「ジャズ・マニア」になっていったのか、大学時代の様々な出来事を思い出した。

大学の友人からジャズを紹介されたのが、大学1年生の春。ロックの状況に絶望していた僕は、そのインプロビゼーションの素晴らしさに、完全にジャズにはまった。しかし、何から聴いていいのかが判らない。当時、数少なかったジャズ入門書を買って読んだが、今度は先立つ予算が確保できない(笑)。

与えられた予算の中で、どれだけ効果的に、ジャズを知る為の有効なアルバムを買うか。一生懸命考えるんだが、これがまた「当たらない」。というか、ジャズを聴き始めた頃は失敗ばかり。「もうジャズ、止めよかな〜」と思い始めた時、やっと出会ったのが、ビル・エバンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』と、チック・コリア(Chick Corea)の『フレンズ』(写真左)。
 

Chick_friends_2

 
ビル・エバンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』については、このブログで結構語っている(2006年9月29日2006年12月26日)ので、それを参照されたいが(日付をクリック)、チック・コリアの『フレンズ』については、当時の新しい形でのジャズのイメージが、その良さが理解できた最初のアルバムである。

アルバム・ジャケットが可愛くて「ジャケ買い」だったアルバムで、そのアルバムを聴いた印象を、後で、ジャズ雑誌で確かめることが出来た初めてのアルバムで、自分の聴いた印象が、初めて、ジャズ評論家と一致した「記念すべきアルバム」である(笑)。

何も、ジャズ評論家の意見と、自分の聴いた印象が一致することが良いということではないのだが、ジャズ初心者、駆け出しの僕としては、実に嬉しかったのを覚えている。簡単に言うと、自信がついた。単純ではあるが、自分の感覚を信じてジャズを聴いていっても良いんだ、と思った(笑)。大学2年生の夏のことである。

この『フレンズ』、冒頭の「ザ・ワン・ステップ」の4ビート演奏が今でも新鮮。チックのエレピとガッドのドラムが実に新鮮。それに絡む堅実なゴメスのベース、ファレルのテナー。1950〜60年代のハード・バップには無い、新しい感覚の4ビートが素晴らしい。

ジャズ初心者の時代って、どうやって自分の感覚に自信を持つかがカギなんですよね。評論家も人間、評論家なりの感覚で評論しているだけですから、何もそれが正解ではない。僕の大学時代の経験からすると、自分にとって「良い音楽」を、どうやって自分の力で見つけるか。その楽しみが判るようになると、それでもう立派な「ジャズ愛好家」だと思います。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月29日 (火曜日)

小田和正の「お薦め」って...

今日は朝から冷たい雨。昨晩の天気予報では「雪かも」なんて言ってたけれど、我が千葉県北西部地方は「雨」。ちょっとガッカリ。今朝は雪でも良かったのになあ〜。一面の銀世界を愛でるのもオツなものかと。

というのも、昨日から働いている方々には申し訳ないのですが、実は今日も「お休み」でして。土曜日から昨日までの「大阪遠征」のお疲れ休みです。言い訳すれば、会社が休め休めとうるさいので、この月末に集中して休みとした訳で...。

といっても仕事好きじゃないですよ。他の人よりは休みは取っているはずです。それでも、まだ休みは残っているので、ちょっと困っているのですが(笑)。えっ、明日? 明日からは会社ですよ (^_^)v。

さて、午前中は車を出して、食料品などの買い出しに行って、午後からはノンビリ。昨日、小田和正の『自己ベスト』についてお話ししたが、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の常連さんの一人「へきさん」から、小田和正のお薦めは? というご質問があった。はいよっ、他でも無い、小田和正マニアの松和のマスター、コメント返しでお茶を濁さず、ここで一気にまとめよう。

小田和正のアルバムのお薦めか〜、全部って言いたいところだが、お財布の都合もあるでしょうからねえ〜(笑)。まずは、昨日ご紹介した『自己ベスト』と最近リリースされた『自己ベスト2』は外せない。特に、『自己ベスト』の冒頭「キラキラ」と『自己ベスト2』の冒頭「こころ」は、永遠の名曲である。この2曲だけでも僕は幸せである(笑)。

K_oda_off_course

それから、以前発売された話題になった『LOOKING BACK(LB)』(写真左)と、その続編『LOOKING BACK2(LB2)』もマストアイテム。この2枚、小田さんのオフコース時代からの楽曲のベストです。一部、『自己ベスト』『自己ベスト2』にもダブって収録されている楽曲もありますが、曲の並びとしては、この『LB』『LB2』も秀逸ですし、この『LB』『LB2』にしか収録されていない曲が、これまた素晴らしい曲なので、結局、この『LB』『LB2』もマストです。

そして、小田和正に目覚めたのであれば、是非とも「オフコース」時代に遡って欲しいと思います。「オフコース」は、鈴木康博との「2人のオフコース時代」と、バックバンドもメンバーにしてしまった「5人のオフコース時代」とありますが、「5人のオフコース時代」は、僕にとっては「何かの間違い」なので、お薦めするアルバムは、もちろん「2人のオフコース時代」からとなります。

「2人のオフコース時代」と言えば、まず『SELECTION1973-78』(写真右)でしょう。「2人のオフコース時代」のベストアルバムです。小田さんの作曲と鈴木さんの作曲とが交互に並びますが、この「2人のオフコース」が、現在の小田さんの原点ですがら、決して外すことは出来ません(笑)。

そして、『Song Is Love』『Junktion』『Fairway』の「2人のオフコース傑作アルバム3部作」があれば、第一段階完了でしょう。この「3部作」については、このブログで過去、詳しく触れていますので、サーチで「オフコース」で検索してみてくださいね。

ちなみに、06年11月17日07年5月16日07年10月10日、にオフコースの記述があります。読みたい方は、日付をクリックして下さいね。

小田和正の楽曲には、高校時代から凄く影響を受けました。今でも受け続けています。昨日も書きましたが「キラキラ」と「こころ」は『座右の銘』ならぬ『座右の曲』です(笑)。


★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月28日 (月曜日)

「キラキラ」僕のテーマ・ソング

東京に戻ってきました。東阪の移動は、最近は飛行機なので、モノレールで浜松町の駅に近づくと向こうに東京タワーが見える。その東京タワーを見て「あ〜あ、東京に戻ってきてしまったなあ」としみじみ思う。

今から約26年前、入社して13日目で、全く予想だにしなかった東京転勤。その東京への移動時、新幹線の中から見えた「東京タワー」。「あ〜あ、東京に来てしまった」と暗漠たる不安の中で、自分はこれからどうなるのだろうと思い悩みながら見た「東京タワー」。

大阪は僕の「故郷」である。親父の実家は名古屋で、親父が定年を迎える頃、大阪の家を早々に売っぱらって、名古屋へ引きこもってしまった。ということで、大阪には僕の泊まる家は無い。でも、僕の故郷は大阪である。

一昨日、高校の学年同窓会で、大阪へ帰った。一年ぶりである。クラスメイトとは「31年ぶり」と「25年ぶり」、そして、ちょくちょく機会があれば顔を合わせている「徹夜組」の3パターンに分かれるが、皆で顔を合わせて、僕は本当にクラスメートに恵まれていると心から思った。

 Koda_jiko_best

良いクラス、良いクラスメート。学年同窓会では、最初の30分くらいはちょっと遠慮していたが、それから後は、あの頃の雰囲気、あの頃の役割分担、あの頃の性格がモロ出て、楽しいこと楽しいこと。そして、流れ流れて3次会まで(ホテルに帰りついたのは深夜2時前!)。実に楽しい学年同窓会。改めて、幹事の方々にはお礼を言いたい。

さて、今回の帰阪は、学年同窓会がメインだったので、移動の音楽は、70年代のJポップ。70年代Jポップ専用のiPod nanoを携行して、移動の時間を70年代のJポップで埋めていく。

特に良く聴いたのは、小田和正の『自己ベスト』(写真左)。小田和正が発表した、オフコース時代のナンバーとソロ作品でつづるベストアルバム。ほとんどの曲を再レコーディング、リマスタリングしている。

収録されたナンバーは素晴らしい曲ばかり。特に、冒頭「キラキラ」は大好きな曲。今の僕のテーマソングでもある。今の気持ち、今のトレンドは、この「キラキラ」の歌詞のとおり。特に、ラスト前のブレイク「今だから出来ること、それを決して 忘れないで。この時、この二人、ここへは戻れない」のくだりは実感することしきり。

小田さんは、高校時代からの僕のアイドルで、今でも憧れの一人です。小田さんのように年を重ねたい、と常々、彼の番組、DVDを観ていて強くそう思います。決して「ありきたりに年を取らない」。自分の信念とプライドは決して曲げず、素敵に、嫌味無く、年を重ねたい。

小田和正、吉田拓郎を目標に頑張りたい。今回、帰阪して改めて思いましたね〜(笑)。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2008年1月26日 (土曜日)

アルバム・コレクションのルーツ

寒い日が続きます。加えて、一昨日の夜は激しい風でブルブル震え、今朝はかなりの冷え込みでブルブル震え、なんとも、冬らしい冬ですね〜。

今日は、高校時代の「学年同窓会」。ずいぶん久しぶりに高校時代の同級生と顔を合わすことになる。卒業してから、ずいぶんたってるからなあ、僕のことなんて、あんまし、覚えていないだろうなあ。高校時代は、まとめ役、聞き役の温厚な男の子だったからなあ(笑)。

この「学年同窓会」がきっかけとなって、70年代ロックに走り、ジャズに走った、僕のアルバム・コレクションのルーツはどこにあるのだろうと、つらつらと考えてみた。

確か、高校一年の秋だった。クラブの先輩の影響で、夏のクラブの合宿でロックに目覚めた訳だが、それでも、まだ、中学時代から慣れ親しんだポップスに未練が残る。9月の中旬だったかなあ、とあるレコード屋で、アルバムを一枚買おうと悩み始めた(その時、アルバムを一枚買う金しか持っていない...笑)。

悩んだアルバムが、当時、一世を風靡していたカーペンターズの『ナウ・アンド・ゼン』(写真右)と、当時、最新アルバムだった、キング・クリムゾンの『暗黒の世界』(写真左)。全く正反対のアルバムを手にして、悩みに悩んだ。

Kc_cp

カーペンターズの『ナウ・アンド・ゼン』は、特にB面のオールディーズ・メドレーが秀逸。捨てがたいことこの上無い。『暗黒の世界』は、当時、気になりだしていたプログレの雄、キング・クリムゾンの最新アルバムで、どんな内容かはさっぱり判らないんだけど、怖いものみたさもあって、聴きたくて仕方が無い。

レコード屋で一時間くらい悩んだかなあ。究極の選択、選んだアルバムが、キング・クリムゾン『暗黒の世界』。早速、家に帰って聴いたら、これが何が良いんだかさっぱり判らない。聴き終えた時は、どっぷり落ち込んだのを覚えている(笑)。

でも、せっかくのなけなしの小遣いを叩いて買ったアルバムである。おいそれ、眠らせる訳にいかない。毎日毎日、来る日も来る日も「一日一針」、必ず一回は聴いた。そして、2週間、なんだか、この『暗黒の世界』って、凄いアルバムに思えてきた。それから、1ヶ月、僕は完璧な「プログレ小僧」と化していた(笑)。

この『暗黒の世界』、キング・クリムゾンが、ライヴ録音とスタジオ録音を巧みに融合させた、1974年に発表された作品だった。濃密、かつ緊張感の高い演奏は今でも凄いと思います。インスト・パートも幽玄かつ変幻自在、本当に見事な出来です。特に最後の2曲が凄い。表題曲での、ウェットンとブラッフォードの作り出すリズムは「強烈」の一言。

この『暗黒の世界』を選んだことによって、今日では、ジャズ、フュージョン、そして、70年代ロックの愛好家として、こうやってブログを書いている。若い頃の一枚のアルバムの選択によって、人生が変わってしまうんですね〜。いや〜、運命って恐ろしいものです(笑)。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

2008年1月25日 (金曜日)

日本ジャズ大賞『アビス』

寒い毎日が続く。でも晴れた朝は、空がすっきり晴れ渡っていて、雰囲気が凛としている。これって、良いなあ、と思うようになった。夏の暑い朝、うんざりとするような暑い朝よりは「ずっと良い」。なんだか、嫌いだった冬が、そんな冬が好きになるような、そんな予感がする今日の朝だった。

さて、今朝の通勤音楽は、山中千尋の『アビス』(写真左)。スイングジャーナル主催、今年度の日本ジャズ大賞を受賞した。う〜ん、日本ジャズ大賞がどれだけ権威のある賞かは判らないが、山中千尋の『アビス』が、評論家の方々に評価されるとは思わなかったので、ちょっとビックリ。

Abyss_chihiro

この『アビス』については、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の、「ジャズの小径・2007年9月号」に詳しいので、一読をお願いしたいが、実に面白い「おもちゃ箱をひっくり返したような」アルバムで、僕は結構気に入っている。

改めて聴き返してみると、やっぱり面白い。日本ジャズ大賞にふさわしいかどうかは判らないけど、次の展開、次のアルバムが楽しみなアルバムであることは間違いない。もしかしたら、ちょっと遠回りするかもしれない。それでも、待ってみようかな、と思わせる、将来の成長を、ノンビリ見守っていけるような、とても、面白いピアニストである、山中千尋は...。

でも、彼女のコンポーザー&アレンジャーの才能はただものではない、僕はそう確信している。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

2008年1月24日 (木曜日)

ジャズの世界のソロ・ピアノ

「ジャズって難しいですよね」とよく言われる。で、「そうやねえ、難しいよね」と正直に応えると、決まって「えっ」という顔をされる。

何と比べて難しいのか、比較の対象にもよるが、ポップスや歌謡曲など、印象的で判りやすく心地良い旋律の連続、主役が必ず全面に出ずっぱりな展開、飽きない程度の曲の長さ、という観点からみると、ジャズって難しいと思う。

僕も、ジャズ初心者の頃、印象的なテーマが出てきたと思ったら、いきなりインプロビゼーションに突入すると何がなんだか判らなくなったもんな。だけど、このインプロビゼーションの部分が、ジャズって面白くて、演奏家の個性が、モロ出るところなんだけどね。

ジャズって、ポップスの様に、曲の心地良さを愛でるのではなく、演奏家の個性を愛でるのが中心になっていて、これって、なかなか他の音楽ジャンルでは無いことなので、最初は戸惑うんだよな〜。

その最たる例が、ソロ・ピアノ。ドラムやベースのバックも無く、トランペットやサックスのフロント楽器も無い。ただただ、ピアノだけの演奏が続く。確かに、ピアノって、左手でベースとビート、右手で旋律、しかもどちらの手でも和音が出せるので、「ひとりオーケストラ」と呼ばれることもある楽器だが、ただただ、ピアノの演奏が続くのって、なんだか飽きてしまうような感じがする。
 

Oscar_peterson_tracks

 
でも、それは杞憂ってもの。ジャズ・ピアノの名手のピアノ・ソロって、多彩でノリが良くて、インプロビゼーションの展開が素晴らしい。そして、それぞれの個性がモロ出て、とにかく聴いていて楽しい。

今日、聴いたソロ・ピアノのアルバムは、Oscar Peterson『Tracks』(写真左)。このアルバムを聴くと、ピアノ・トリオでは、スインギーで端正、超絶技巧なピアノなピーターソンが、ソロでは、スインギーに加えて、ファンキーで粘りがあって疾走感溢れる、それはそれは実に黒いピアノを聴かせてくれる。

右手は言わずもがな、左手が凄い。ゴーンとタッチ一発から始まって、ファンキーでスインギーに、和音から何から、いったい何本の指があるんだ、と思うくらいの凄いテクニックで、ベースラインを彩っていく。ビートも効きまくって、いや〜、スカっとしますね。そして、感動する。

ジャズって、ピアノとか、トランペットとか、何か楽器を演奏した経験があると、ジャズ・ミュージシャンのテクニックの凄さが、体験的に判るんですけどね。そこが、ジャズが難しいと思ってしまうところかも知れない。

このオスカー・ピーターソンの『トラックス』、LP時代からの愛聴盤で、LPサイズで見るジャケットは、白が綺麗で、ピーターソンの横顔イラストも雰囲気があって良かったですね〜。CDサイズになって、ちょっと小振りになったのが残念です。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月23日 (水曜日)

東京は、やっと雪でした...

今朝は東京は雪。我が千葉県北西部地方は、みぞれまじりの雨。でも、寒い。手袋は欠かせない。でも、なんだか「非常事態」の緊張感。まんざらでもない(笑)。

東京は、昼からは、雨に変わって、せっかく積もった雪も夕方までには、見事なまでに溶けてしまった。う〜ん、なんだか残念。しかも、帰り道、蕭々と降る霧雨に変わって、鬱陶しいことこのうえなし。帰り道くらい、雨が上がってくれててもいいのに。

さて、「雪」と「ジャズ」とかけて、なにか代表的なアルバムや曲が思い浮かぶと思いきや、これがなんとも、いいものが浮かばない。「雪」と「ジャズ」って、あんまし因果関係が無いみたい。うむむむ、改めて、再認識した事実である(笑)。

H_bob_james

それでも、ボブ・ジェームス(写真右)の「スノウバード・ファンタジー」に思い至り、この曲を聴きながら、やっと降った東京の雪を愛でることにした。ボブ・ジェームス8枚目のソロアルバム『H』(写真左)の冒頭一曲目である。「H」はアルファベットの8番目。ホットドッグの頭文字は「H」。つまり、8枚目のアルバムである(笑)。

何ともメロディアスでノリの良い「スノウバード・ファンタジー」。久しぶりですね、この曲聴くの、というか、『H』を取り上げるのが久しぶり。こうやって、久しぶりに『H』に「スノウバード・ファンタジー」に耳を傾けると、いや〜改めて思います、ボブ・ジェームスって、素晴らしいコンポーザー&アレンジャーですよね。フュージョンって、結構、イケルよな、と改めて思います。

雪のおかげで、久しぶりに、ボブ・ジェームスの『H』を取り上げ、「スノウバード・ファンタジー」に耳を傾ける。こんな、ジャズ・フュージョン鑑賞法があってもいいでしょう。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

2008年1月22日 (火曜日)

安らぎのジャズ、癒しのジャズ

ジャズを聴いていて、ジャズを知っていてよかったなあ、ジャズと出会ってよかったなあ、と心から思うことがある。

今日なんかそうで、病み上がりで会社に出て行って、難しい質問をされたり、難しい課題にぶちあたったりすると、頭が急速に回転して、オーバーヒート気味になる。そんな時、会社からの帰り道でも、あれこれ、仕事の事を考えたりする。これって、実は能率が悪い。

良いところで頭を切り換えて、集中して考えていることから、一旦離れる事が大切なんだが、この切り替えを促してくれるのが、僕の場合は「ジャズ」である。

今日は、スタン・ゲッツの「Anniversary!」(写真右)「Serenity」(写真左)を聴きながら、帰りの電車の中で、最寄りの駅からの帰り道で「クールダウン」。スタン・ゲッツの心地よいテナーが、頭の中をクールダウンしてくれる。
 

Getz_serenity_anniversary

 
「Anniversary!」「Serenity」どちらも、パーソネルは、Stan Getz (ts) Kenny Barron (p) Rufus Reid (b) Victor Lewis (d)のカルテット。デンマークのコペンハーゲンの有名なジャズ・スポット「Cafe Mountmartre」でのライブ。1987年7月6日の録音。

スタン・ゲッツが、スタンダード中心に、力強く、心地良いテナーを披露する。1980年代の録音なので、ちょっとエコー過多って感じがしますが、そこはご愛敬。そのエコーも、なんだか心地良く、気持ちの良いスタンダード演奏を聴かせてくれる。

バックを支えるリズムセクションは、ケニー・バロンのピアノを中心に、しっかりとゲッツのテナーを引き立てる。そして、自らのソロが巡ってくると、自らの存在をしっかりアピールして、なかなかの好演である。

オーバーヒート気味の頭が、ス〜ッとクールダウンして、心地の良い気分転換。なかなか答がでないストレスも、スカッと解消して、気分も晴れ晴れ。

こんな時、ジャズを聴いていて、ジャズを知っていてよかったなあ、ジャズと出会ってよかったなあ、と心から思います。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月21日 (月曜日)

こんな日もあっていいかな〜

昨日の朝から、ちょっと眩暈がする。ひどくならないうちに、今日は仕事を休んで一日グッスリ。寒さとストレスでバランスを崩したみたい。一日寝たら、なんとか治まった。

一日寝ていたんだが、何もせずに寝ていてもつまらないので、BGMをかけながら、ウトウトグッスリ。最近、ご無沙汰しているアルバムを中心にチョイス。そんな中、『Jutta Hipp At The Hickory House, Vol.1,Vol.2』、邦題『ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ Vol.1、Vol.2』、ブルーノートの1515番、1516番が印象的(写真左Vol.1,右Vol.2)。実に久しぶりの「聴き込み」で、改めてユニークなアルバムだな〜、と感心。

パーソネルは、ユタ・ヒップ(p)、ピーター・インド(b)、エド・シグペン(ds)。1955年録音。ユタ・ヒップはドイツ人女性ピアニスト。レナード・フェザーが入れ込んで、ドイツから連れてきた。Vol.1の冒頭では、最初にレナード・フェザー自らがユタ・ヒップを簡単に紹介しているアナウンスが録音されており、レナード・フェザーの入れ込み具合が良く判る。
 
 
Jutta_hipp_trio
 
 
その演奏はというと、録音された年が1955年。ビ・バップからハード・バップへの、ジャズのスタイルの激変期で、ユタ・ヒップの演奏スタイルと演奏内容は、当時としては時代遅れになりつつあった「ビ・バップ」に近い。しかし、ピアノ演奏の響き、インプロビゼーションの雰囲気は、整然としていてクール。

彼女のタッチは、黒人ミュージシャンのような、粘りのタッチ、オフビートでの過剰なノリ、特徴的な手癖などは全く無く、整然とした、クラシック的な雰囲気をそこはかとなく感じさせる、スクエアなノリ。これがクールなんですよね。

Vol.1は収録曲、演奏ともに整然としていて、ジャズアルバムとしては模範的な内容ですが、僕は、庶民的でメロディアスなナンバーと、整然としながらも、ちょっとノリがよくて、くだけた感じのVol.2の方が良いですね。

ユタ・ヒップ、マイナーな女性ジャズ・ピアニストですが、こんなアーティストの録音をしっかり残しているのが、ブルーノートの面目躍如。やっぱり、ブルーノートは素晴らしいレーベルですね。

さあ、体調も回復して来たし、明日からまた頑張ろうっと (^_^)v。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月20日 (日曜日)

コルトレーンの「最初の一枚目」

さすがにこれだけ寒い日が続くと、体調も落ちてくる。ちょっと風邪気味である。東京は、今晩から明朝にかけて雪になるとか。明日の朝は寒いんだろうなあ。嫌やなあ〜。

さて、今日も昼寝をしながら、ジャズ鑑賞。「なんと物ぐさな」とお思いの方もおられるかと思うが、これが結構心地よくて止められない。布団にくるまって、読書をしながらの、ジャズ鑑賞である。そして、眠くなったら、そのまま寝る。風邪をひく心配もなく、本も読めるし、ジャズも聴ける(笑)。

今日は久しぶりに、ジョン・コルトレーンの『A Love Supreme(邦題:至上の愛・写真左)』。この『至上の愛』って、コルトレーンの代表作として、ジャズ初心者向けの「コルトレーン入門盤」として、しばしば紹介されている。

しかしながら、タイトルからも、コルトレーン作のライナーノーツからの判るように、かなり宗教性に満ちたアルバムである。ライナーノーツには「God=神」の文字が溢れる。重厚で緊密な音楽ではあるが、「a love supreme」と19回も唱和されるのは異色。コルトレーンを知らない、ジャズ初心者の方が聴いたら、恐らく大多数の方が「ひく」だろうな〜。

John_coltrane_als_st

確かに、演奏の内容は、ジャズの最高峰の演奏である。伝統的なジャズ演奏の最高峰の演奏内容だ。しかし、いきなり、このアルバムからの「コルトレーン体験」はきついだろうなあ、と思いながら、聴き返していました。

この『至上の愛』は、初期のコルトレーンの他のアルバムを聴いて、彼の音楽の良さと彼の音楽の特徴を理解してから、初心者の方々の「ジャズ初心者を卒業する時の卒業試験的なアルバム」の一枚だと思います。決して、焦って、このアルバムに手を出さないように。ジャズ初心者の方々が、このアルバムを手を出す時は慎重にね。

で、じゃあ、ジャズ初心者の方々にとっての、コルトレーンの「最初の一枚目」に相応しいアルバムは何かって。まあ、色々ご意見はあるでしょうが(笑)、僕は『ソウルトレーン』(写真右)をお勧めします。コルトレーンの歌心からテクニックに至るまで、バラード演奏からシーツ・オブ・サウンドまで、コルトレーンのショーケースの様なアルバムです。ちょっとハードな面はありますが、それがジャズっていうことで...。

窓の外は、すっかり日が落ちて、しんしんと冷えてきました。やっぱり、今晩から雪になりそうです。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2008年1月19日 (土曜日)

ミスター・クラリネット

相変わらず寒い日が続く千葉県北西部地方。とにかく気温が上がらない。明日の夜からは雪になるらしい。明後日の午前中まで降り続くとかで、月曜日の朝の通勤が心配だなあ。

さて、今日は、一日ノンビリ過ごしている。今週は何かと疲れたからなあ。といっても、朝は7時頃一旦起きて、朝ご飯食べて、午前中に車で買い出しして、昼ご飯を食べる。ここまでは、いつもの土曜日。

その後、午後2時くらいから昼寝。寒いので、エアコンで暖房をしながら、湯たんぽを抱いての贅沢な昼寝。寝室には、ちょっとした小規模のステレオが置いてあるので、ノンビリ、いい音で、ジャズを聴きながらの優雅な昼寝。

今日の昼寝のBGMは、Buddy DeFranco(バディ・デフランコ・写真右)の『ミスター・クラリネット』(写真左)。ジャズ・クラリネット奏者の第一人者、バディ・デフランコの代表作のひとつ。パーソネルは、バディ・デフランコ(cl)、ケニー・ドリュー(p)、ミルト・ヒントン(b)、アート・ブレイキー(ds)、1953年4月15,20日の録音である。

Buddy_defranco

ベニー・グッドマンの活躍に代表されるように、スイング期は花形楽器だったクラリネット、ビ・バップ以降になると、その音色を聴くと、ついついスイング・ジャズをイメージしてしまうことが敬遠されたのか、あっという間に廃れてしまった。しかし、そんな時代の中、ビ・バップ〜ハード・バップ時代を通じて、クラリネットで、モダンなアプローチを追求し続けたのがバディ・デフランコ。

その代表作の一枚が『ミスター・クラリネット』。クラリネットの音色は、サックスと違って、ちょっとユーモラスで柔らかで優しい感じがする。これが良いんですね。これが心地良いのですね。なにを隠そう僕はクラリネット・ジャズが大好きです(ベニー・グッドマンなんて最高さ!)。特に、ジャズ・クラリネット奏者の第一人者バディ・デフランコは、大のお気に入り。

でも、ジャズを聴き始めた学生時代から、つい最近まで、デフランコのリーダー・アルバムは、なかなか入手できなかった。が、何が動機かは知らないが、この1〜2年で、バディ・デフランコのリーダー・アルバムがこぞって、リイシューされた。喜ばしい限りである。

『ミスター・クラリネット』は、当時バリバリの若手ハード・バッパーだった、ケニー・ドリュー(p)、ミルト・ヒントン(b)、アート・ブレイキー(ds)を従えた、ハード・バップ真っ只中のアルバムで、特に、当時売出し中だったケニー・ドリューのピアノが、ゴンゴンガンガン弾きまくっているのが印象的。

その尖ったドリューのピアノをバックに従えて、デフランコの、ちょっとユーモラスで優しい音色のクラリネットが、意欲的にインプロビゼーションを展開していく。その対比と爽快感が癖になる。ブレイキーのドラミングが、これまた小粋で、リーダーのデフランコにピッタリと寄り添うような、歩調を合わせる様なドラミングを披露する。いたずらにフロントを煽りまくるのではない、実に味のあるドラミングである。

選曲もスタンダード中心で、内容も良く、演奏のテンポも良く、リラックスして聴けるアルバムです。この名盤を聴きながら、ウトウト昼寝。至福の一時である(笑)。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月18日 (金曜日)

オールド・タイム・レディ

昨日は急な飲み会が入り、午前様でしたので、ブログはお休みさせていただきました m(_ _)m。結構、飲んだんだけど、楽しかったので、上機嫌での帰宅。でも、さすが、今日はお疲れ気味。昼から、書類に目を通していると眠たくて眠たくて...(苦笑)。

さて、昨晩、しこたま飲んだ翌る日。疲れた頭に、ジャズはいけない。どうしても、聴き込んじゃうからね。良い意味で聴き流せる音楽が良い。そんな時は、アメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにした、アメリカン・ポップスなんかが良い。カントリー&ウエスタンが入っていて、ゴスペルが入っていて、デキシーランド・ジャズが入っていて、フォーキーな香りがする。心がリラックスする。

今日の通勤音楽は「Maria Muldaur(邦題:オールド・タイム・レディ)」(写真左)。1973年のリリース。アメリカン・ルーツ・ミュージックを、腕利きのミュージシャンたちをバックに、粋に歌うマリア・マルダーの傑作。

Maria_muldaur

ライ・クーダー、ジム・ケルトナー、ドクター・ジョン、エイモス・ギャレット等、バック・ミュージシャンも小粋な職人達。実に渋い演奏で、マリア・マルダーのボーカルを引き立たせる。楽器も多彩。ありきたりなロック編成では無い。マンドリンやフレットレスベース、ペダルスティールやヴァイオリンなどアメリカのルーツミュージック御用達の楽器が実に効果的に活用されている。

どの曲も良いですよ。特にゴスペルタッチの楽曲は郷愁を誘う。僕は、アメリカン・ルーツ・ミュージックが大好きだ。実にリラックス出来るし、実にシンプルで明るくて楽しい。加えて、マリア・マルダーのボーカルは魅力的。とにかく声が良い。歌唱力はあるし、官能的でもある。実に良い。聴いていて、なんだか、心が和む。ホッとする。

ここに収録された「Midnight at the Oasis (邦題:真夜中のオアシス)」は、ビルボードのポップ・チャートの6位という大ヒットを記録した。聴き直してみると、やはりとても良い。エイモス・ギャレットのギターも素晴らしい。

しかし、今週はいろいろとあって、精神的に疲れたなあ。明日明後日の連休は、好きな音楽を聴きながら、ノンビリと過ごしたい。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月16日 (水曜日)

Wah Wah Watsonは「ええなあ〜」

寒いねえ。実に寒い。冬らしい寒さ。朝、起きるのが、ちょっと辛い寒さ。昨年は、暖冬だったので、ちょっと懐かしい寒さ。これがずっと続くと辛いけど、昨日から今日の寒さは、真冬の寒さで懐かしい。

さて、このところ、純ジャズのリスニングが続いたので、ちょっと満腹感。今日の通勤音楽は、フュージョンに走る。例の如く、iPodのホイールをグリグリして「これだ!!」。Wah Wah Watsonの『Elementary』(写真左)である。いや〜、懐かしい。学生時代に聴きまくった一枚である。

しかし、このWah Wahの『Elementary』がCD化されてリイシューされるとは思ってもみなかった。France Sonyは味なコトをやってくれる。しかも、手に入れたルートは、Amazon.jpから、UK盤の入手。何度も言うが、このアルバムが、CDリイシューで手にはいるとは思ってもみなかった。

Wah_wah_watson

Wah Wah Watson(ワー・ワー・ワトソン)はギタリスト。ハービー・ハンコックの『Man-Child』や『Secrets』『V.S.O.P. ~ ニューポートの追想』などで活躍した、ファンクネス&ソウルたっぷりの、いぶし銀のようなギタリスト。

そのワー・ワーの唯一のリーダーアルバムが、この『Elementary』。これ、実に良い。ファンキーでソウルフル&メロウ。リリースされた1976年あたりのフュージョンど真ん中。単なるギタリストではなく、作曲・アレンジ・プロデュース、そしてボーカルに至るまで、彼のアーティストとしての力量を如何なく発揮している。

このアルバム、決してジャズじゃ無いし、インスト中心のテクニカルなフュージョンでも無い。当時流行のソウル・ミュージックとファンクとAORとジャズがごった煮になった、本当の意味での「フュージョン」である。

いや〜、ホントに良い感じのフュージョンアルバムだ。文字でその良さが全く伝わらないのが、もどかしい。聴けば判る。このアルバムは、70年代フュージョン好きの方に、是非聴いていただきたい逸品の一枚である。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月15日 (火曜日)

矢野沙織『Groovin' High』

昨日、今年、注目の若手ミュージシャンとして、矢野沙織をご紹介した。『Little Tiny』はお勧めの秀作。で、この矢野沙織を見直し、これはいけるんじゃないか、と思い始めたアルバムは何か。ちょっと振り返ってみた。

デビュー作を聴いて「う〜ん」と思って以来、リーダーアルバムが出る毎に「う〜ん」と思うんだが、だんだん上手くなってくるのが判る。「もしかしたら、彼女はいけるかもしれない」と思い始めた頃、出会ったアルバムが『Groovin' High』(写真左)。

パーソネルが豪華でカラフル。James Moody(ts,fl),Jimmy Heath(ts),Randy Brecker(tp), Slide Hampton(tb),Gary Smulyan(bs),Masaaki Imaizumi(p),Ray Drummond(b),Adam Nussbaum(ds)。そうそうたるメンバーで、音の厚み、カラフルさ、テクニック、申し分無いバックに支えられて、矢野沙織が楽しそうに、アルトを吹き上げている。

特に、バラードの表現力が上手くなった。ゆっくりとしたテンポで、小さい音を長く出して、旋律をエモーショナルに綴っていくってことが、サックスでは結構難しい。それが、バラード演奏で良く判る。矢野沙織は上手くなった。3曲目の「My Ideal」と5曲目「Over The Rainbow」は、なかなかのもの。ベタな選曲だな〜、と思ったが、どうしてどうして、良い演奏だ。見直した。研鑽したね〜。やっぱり「努力」は裏切らないなあ。彼女の「努力」の成果がここにある。

Groovin_high

収録されている、どの曲も実にリラックスして、実に楽しそうに演奏している。バックがバックなんだけど(改めて見ると、やっぱり素晴らしいメンバーだ)、このバックに怯まずに、楽しげに演奏する姿は、一人前のジャズ・ミュージシャン。

『Groovin' High』、結構、繰り返し聴いています。選曲も良いし、アレンジも良い。音も良いし、このアルバムを聴いて、矢野沙織は「いけるんとちゃうか」と思いました。そして、彼女のデビューからの活動の総決算として、ベスト・アルバムをリリースして、次なるステップの第一歩として『Little tiny』をリリース。このアルバム評は昨日のブログをご覧下さい。

最後にこの『Groovin' High』、LPバージョン(写真右)もリリースされていて、このLPバージョンのA面B面の収録曲と見ると、このアルバムの良さが再認識されます。一度、CDを基に、LPバージョンの曲順で、A面B面と順番に聴いてみて下さい。この『Groovin' High』の内容の濃さを改めて確認することができます。

CDになって、収録時間が長くなって収録曲数が多くなったので、お買い得感はあるかもしれませんが、アルバムとしての内容の濃さ・密度を考えると、収録時間が長くなって、収録曲が多くなったことが、決して良いことばかりでは無いことが判ります。

できれば、この『Groovin' High』、LPバージョンを入手したくなりますね〜。



★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。


2008年1月14日 (月曜日)

今年注目のミュージシャン・2

今日は成人式。全国的に寒い一日ですが、新成人の皆さん、風邪などひかないようにね。日本海側は雪が降り続いているみたいで、足下が心配です。気をつけて下さいね。

さて、9日に「今年注目のミュージシャン・1」として、ベテラン・ミュージシャンのチック・コリアをご紹介した。今日は「今年注目のミュージシャン・2」として、若手ミュージシャンの注目株をご紹介したい。1986年10月生まれなので、現在、弱冠21歳、16歳でセンセーショナルなデビューを飾った、若手注目株の最右翼、矢野沙織(写真右)である。

16歳でのデビューアルバム『YANO SAORI』は、16歳の女の子としては凄く上手いが、どう贔屓目に見ても、一流ミュージシャンと肩を並べるほどのアルバムの内容ではなかった。評論家の方々が「凄い」「天才だ」「内容が素晴らしい」とか言いながら、絶賛する気持ちが判らなかった。「16歳の女の子がジャズサックスを吹く」という物珍しさが話題性大とはいえ、そこまで持ち上げるか、とも思った。

この程度のレベルなら、歳をとって、話題性が無くなるにつれ、徐々に消えていくんかな〜、と思っていたんだが、矢野沙織は違った。リーダー・アルバムを重ねるにつれ、モリモリと上手くなっていった。デビュー作から『02』『SAKURA STAMP』の3枚、いわゆる「ビ・バップ三部作」を作り終え、リラックスした『Groovin' High』を経て、テクニック的には、一流ミュージシャンと肩を並べるほど上手くなった。

Little_tiny

そして、今回の新作『Little Tiny』(写真左)である。正直に言うと、テクニック的には、一流ミュージシャンと肩を並べるほど上手くなったが、演奏家としての個性が定まっていないところが気になっていて、なかなか積極的に触手が伸びなかった。実のところ、あまり期待せずにダウンロードした。

が、である。嬉しい誤算とはこのことである。テクニック的に、更に上手くなったし、歌心が豊かになった。ノリも良くなった。切れ味もよくなってきている。しかも、このアルバムは、矢野のワン・ホーン作で、矢野のアルトの個性を十分に確認でき堪能できる。加えて、ロニー・スミス(org)、ピーター・バーンスタイン(g)、ルイス・ナッシュ(ds)の、オルガン・トリオのバックが、矢野のアルトに実にマッチしている。

1曲目「My Baby Shot Me Down」、7曲目「Pardon Lucy」、2曲の自作曲も良い内容。カーペンターズで有名な「クロース・トゥ・ユー(遙かなる影)」、荒井由実の初期の名曲「ベルベット・イースター」、70年代の日米のポップスを題材にした曲も実に良い内容で、実に上手くジャズに仕立てている。これらの自作曲や、彼女ならではの選曲の妙の70年代のポップス曲を通じて、彼女のアルトの個性が伝わってくるようになった。

『Little Tiny』、これからの彼女の活躍が楽しみになる、良い内容のアルバムです。最近のテレビに出演する際に聞く、彼女のプロの音楽家としての考え方もしっかりしていて好感が持てます。女性であるということは、もう関係無いし、「売り」でもないでしょう。その実力一本で勝負出来る、今年、注目の若手ミュージシャンの最右翼です。

ちなみに『Little Tiny』の意味って、師匠のジェームズ・ムーディー(ts)の奥さんの口癖が「Little Tiny」で「そんなちょっとしたこと…」くらいの意味だそうです。その奥さんの口癖から取られたタイトル。う〜ん、小粋なタイトルやねえ。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月13日 (日曜日)

ジャズの小径、08年1月号更新!

いや〜寒い。昨日からの雨は上がったが、北風寒く、底冷えのする一日。エアコンの暖房だけで過ごしている部屋の気温もなかなか上がらず、膝掛けを調達して、寒さをしのぐ一日。

それでも、昼ご飯にラーメンを作って食って、体が芯まで温まった午後は、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」の更新作業に没頭。今日は「ジャズの小径」のコーナーにて、月例の更新です。

この「ジャズへの招待状」のサブ・コーナー「ジャズへの小径」のコーナーは、毎月、その季節にあったジャズのアルバムや、話題のアルバム、あるテーマをもったアルバムなどを、ご紹介するコーナーです。ご紹介しているアルバムは、ジャズ初心者の方にも、ベテランのジャズ者の方にも、楽しんでいただけるアルバムをご紹介していると自負しています。

さて、今年最初の「ジャズの小径」の特集は、70年代ロックの名曲を題材にしたジャズです。

Matsuwa_komichi_0801

ジャズのスタンダードって、1920年代~40年代のミュージカルやポップス、シャンソンなどの挿入曲やヒット曲を題材にしたものと、1940~50年代のジャズ・ミュージシャンが作曲したオリジナル曲を題材としたものがほとんどで、70年代以降の楽曲が題材になった、ジャズ・オリジナルはほとんどありません。

この10年ほど、ジャズ界でも「ニュー・スタンダード」を生みだそうとする動きはありましたが、レコード会社主導型のコマーシャルかつ話題優先的な、ワンショットの対応で終わってきました。

しかし、21世紀に入って、ジャズ・ミュージシャンが自発的に、70年代のロックやポップスの名曲に焦点を当てて、ジャズとしてアレンジして演奏するケースが増えてきました。アレンジされた演奏も、やっと、後の時代に残るような「ニュー・スタンダード」としての、優れたアレンジや曲の展開が出てきました。これからが楽しみです。

今回は、イタリアのアルド・ロマーノの仕切りによる『Flower Power』と、ピエトロ・トノーロがリーダーの『Your Songs : The Music of Elton John』の2枚をご紹介しています。どちらも、なかなか良いムードのアルバムなので、バレンタインのプレゼントにも良いのでは、と思います (^_^)v。

ちなみに、アルド・ロマーノの『Flower Power』はどのネットショップも在庫が乏しいみたいです。ピエトロ・トノーロの『Your Songs : The Music of Elton John』の方は在庫はまだまだ大丈夫みたいです。どちらかと言えば、ピエトロ・トノーロの『Your Songs : The Music of Elton John』の方が、ムード満点なので、バレンタインのプレゼントは、こちらの方が良いでしょうね。

ブログ読者の皆さん、一度、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」にお越し下さい。お待ちしております m(_ _)m。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2008年1月12日 (土曜日)

寒い雨の日、部屋で聴くジャズ

今日は一日、朝から冷たい雨。午後からは、時々、みぞれが混じる冷たさ。そんな中、夕方、髪のカットに行った。どうも、このところ、カットに行く時って天候に恵まれない。確か、前々回は、台風真っ只中だったような気が...(^_^;)。

僕にとって、一ヶ月に一回のカットは貴重な時間。一ヶ月の仕事と生活をリセットする重要な役割を持つ時間。店長と日頃の仕事の環境とは全く違う会話を交わし、全く違う刺激を受ける。これが、良い気分転換。そして、シャンプーをして貰う時など、それはそれは「至福の時」である(笑)。いやいや、いつも、お世話になっておりまする m(_ _)m。

さて、こんなに寒くて冷たい雨の土曜日。なかなか暖まらない部屋の中では、いつもと違って、静かなジャズを聴きたくなる。しんしんと冷える外の冬景色を見ながら、静かなジャズを聴く。静かなジャズと言えば、ピアノ・ソロかな。
 

Sun_bear_concert

 
ピアノ・ソロと言っても、ファンキーなソロだとノリノリになるので、相応しくない。やはり、遠い昔、クラシックの礎となった、古典音楽としての即興演奏的な「ピアノ・ソロ」が相応しい。となると、その最右翼のジャズ・ピアニストは、キース・ジャレット(写真右)に落ち着く。

キース・ジャレットのソロ・ピアノで、最近、ちょくちょく出してきては、聴き進めているボックスセットがある。それが『サンベア・コンサート』(写真左)。

1976年に行われた、日本各地におけるソロ・ピアノ・コンサートの実況録音盤。当時、LPで発売された時は10枚組で、計7時間近い分量に仰天したことを覚えている(しかも重かった・笑)。とても、貧乏学生の身分で手に入るものでは無かった。CDになって、6枚組のボックスセット。やっと手に入れることが出来た。

全8公演のうち、本作に収録されたのは京都(京都会館ホール)、大阪(サンケイホール)、名古屋(愛知文化講堂)、東京(中野サンプラザ)、札幌(厚生年金ホール)の5公演。各会場の演奏がそれぞれ1枚のCDに収められていて、6枚目には札幌・東京・名古屋におけるアンコール演奏が一括して収録してある。これを、聴く都度、一枚一枚、くじ引きのように、適当に選択して聴き進めていく。

静的な美しさがしみじみする京都、リラックスした雰囲気で弾きまくる札幌、ダークでリズミカルなエンディングの東京、上品でクラシカル大阪、儚い美しさ漂う名古屋。どの地域の演奏も、それぞれ個性があって甲乙付けがたい。ソロ・ピアノの名手、キース・ジャレットの面目躍如のボックス盤である。

冷たい雨、厳冬の冬景色。そんな景色が実に似合う、キースの『サンベア・コンサート』である。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月11日 (金曜日)

It's a Beautiful Day

『It's a Beautiful day』(写真左)、1969年リリースのアルバム。今日は、ちょっとロックの話題。それも、ちょっとマイナーで、マニアックな話題。

米国の西海岸には、ちょっと風変わりな、ちょっと変わったバンドが多々ある。この「It's a Beautiful day」もそのひとつ。「It's a Beautiful day」これって、バンド名です。

アルバムに収録されている曲を聴き進めると、時代ど真ん中の、サイケデリックな演奏が中心なんですが、ところどころ、プログレッシブ・ロックのようでもあり、それでいて、米国西海岸特有の爽やかさが感じされたり。クラシックな雰囲気が漂ったと思ったら、ジャジーな雰囲気が渋かったり。

さすが、米国西海岸。ジャズの様に、様々な地域、種類の音楽の要素を柔軟に受け入れる土壌のある地域なんだが、この『It's a Beautiful day』を聴くと、その事実を再認識する。

Its_a_beautiful_day

いや〜、実にユニークで面白い。1969年のパフォーマンスでありながら、かなり整っていることには素直に驚きますね。内容も充実しています。

ジャケットもなんか良い雰囲気ですよね。これ、LPサイズだったら、結構、迫力のある、実に粋なジャケットだったでしょうね。実は、LP時代の『It's a Beautiful day』を僕は所有していません。一度、LPサイズのジャケットをこの目で見てみたいなあ。きっと素敵でしょうね。

最後に面白いエピソードを。5曲目の「Bombay Calling」、前奏を聴いただけで「あれ〜っ」と思う方は、70年代ロックのマニアです。

そう、ディープ・パープルの「チャイルド・イン・タイム」とそっくり。この『It's a Beautiful day』は、1969年のリリース。「チャイルド・イン・タイム」が収録されているディープ・パープルの『イン・ロック』は、1970年のリリース。う〜ん、恐らく、パープルがパクったんでしょうね〜(笑)。

70年代ロックからは、1年外れますが、このアルバム、米国西海岸、ウエストコースト・ロックを理解する上で、重要な一枚だと思います。マニアには「マスト・アイテム」です。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月10日 (木曜日)

おっとととっ、間違った...

昨日、今年注目のベテラン・ミュージシャンとして、チック・コリア(Chick Corea)を挙げた。そして、2004年あたりは、マンネリ、ネタ切れ気味、モチベーションが低下気味でヤバかったが、2006年発売の『ライヴ・イン・モルデ』辺りから復活し出した、と書いたが、これは、ちょっと間違いでした m(_ _)m。

2006年発売の『ライヴ・イン・モルデ』は、2000年7月のノルウェーでのモルデ・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音でした。チックが復調し出したのは、2005年〜2006年辺り。録音年月から言うと、『Super Trio』が、2005年4月の録音、Bela Fleckとの異色のデュオ・アルバムである『The Enchantment』が、2006年12月の録音ですから、この辺りから復調し出した、と言った方が正しいでしょう。改めまして、ここに謹んで訂正させていただきます m(_ _)m。

で、この『リターン・トゥ・フォーエヴァー 〜 ライブ・イン・モルデ』(写真左)である。改めて、2000年7月のノルウェーでのモルデ・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音ですが、今まで、お蔵入りになっていたのが不思議なくらい、なかなかの内容のアルバムです。
 

Live_in_morde

 
トロンハイム・ジャズ・オーケストラとの共演で、チックのオリジナル曲の数々が、なかなか見事に、ビッグバンド・ジャズとして、アレンジされています。チックのオリジナル曲は、ちょっと難しいところがあって、決して、平易な曲じゃないんですが、本当に良くアレンジされています。

チック本人は「ノルウェーに行くまで、どんなバンドなのか、誰がアレンジャーなのか、知らなかった」そうですが、このアレンジにはビックリしたんじゃないでしょうか。この状況がかえって、プラス方向の「意外性と刺激」となって良かったのでは、と想像できる位、チックのピアノは、なかなかの切れ味があって、覇気が漲っています。

1曲目の「Crustal Silence」から、6曲目「Return To Forever」までは、全くもって素晴らしい演奏です。7曲目「Bud Powell」と ラストの「Spain」は、切れ味の鋭さ、スピード感が勝負の曲なので、オーケストラのアンサンブルが、ちょっと「もたつく」のが気になりますが、オーケストラとしてのアレンジが難しそうな曲を、良くここまで演奏していると感心します。

定番の「Windows」と「Matrix」は当然として、特に「Armando's Rhumba」と「Bud Powell」を取り上げているところに、ノルウェーにおける、チックへの理解は「かなり深い」と見ましたね。う〜ん、いつの時代も、北欧はジャズへの理解が深く、ジャズ・ミュージシャンに優しいエリアですよね。

この『ライブ・イン・モルデ』、良い雰囲気です。魅力的なアレンジのビッグバンドをバックに、チック・コリアのピアノ。チック・コリアの異色盤として、ちょっとした愛聴盤となっています。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

保存

2008年1月 9日 (水曜日)

今年注目のミュージシャン・1

昨日、今日と、ちょっと暖かい千葉県北西部地方です。年末年始は厳しい寒さだったが、ちょっと一息。往き帰りの電車の中など、暖房が効きすぎて、皆、汗ばんでいて、閉口することしきり。

地球温暖化対策、ウォームビズなんて言ってるけど、JR東日本からして、対応が徹底されていない。これでは、改善されることはないよな。個人レベルの対策も大事だが、重要なのは、国と自治体と企業の組織的な対応だろう。

ぼやきはさておき、今日はジャズの話題。バーチャル音楽喫茶『松和』として、バーチャル音楽喫茶の看板を掲げているからには、そのマスターとして、今年の注目ミュージシャンを幾人か挙げておこう。

このところ、チック・コリアが元気である。チックといえば、僕の大好きなジャズ・ピアノの一人。 しかし、Chick Corea Elektric Bandの『To the Stars』の頃、2004年あたりは、マンネリ、ネタ切れ気味、モチベーションが低下気味で、ちょっとヤバかったんだが、この1年前あたりから、急速に復活してきた。喜ばしいことである。

僕が思うに、2006年発売の『ライヴ・イン・モルデ』から復活しだした、と思われる。昨年の、バンジョー奏者のBela Fleckとの異色のデュオ・アルバムである『The Enchantment』は「デュオの魔術師・チック」の面目躍如的な内容だった。そして、昨年の暮れ発売された『ファイヴ・トリオBOX』は、かなり充実した内容。そして、この1月の末には、上原ひろみとのデュエットアルバムが控えている。今年注目のベテラン・ミュージシャンの一人である。
 

Chick_now_he_sings

 
ということで、チック・コリアのリーダーアルバム第2弾、1968年リリースの『Now He Sings Now He Sobs』(写真左)を聴いている。チックの最高傑作と評判の高いアルバム。確かに、良い内容である。21世紀になった今でも、これだけ先進的な切れ味のあるピアノトリオは、そうそう無い。切れ味鋭く、清々しい。お勧めの名盤である。

そうそう、CDで、この『Now He Sings Now He Sobs』を鑑賞する場合は、1曲目の「Steps - What Was」から5曲目の「The Law Of Falling And Catching Up」を1セットとして鑑賞して下さいね。LPでリリースされた時は、この5曲でした。このアルバムは、この5曲で、ひとつの成果として完結する内容になっています。6曲目以降は、CDでリリースされた際に追加されたボーナストラックです。

この『Now He Sings Now He Sobs』の評価に関して、心無いジャズ評論家の方々に言いたいことがある。「チックはこの『Now He Sings Now He Sobs』を超えるアルバムを作ることは出来なかった」と言い切るのは、現役で未だ最前線で活躍するプロのミュージシャンに対して、失礼ではないか。評論家の方々が、プロのミュージシャンと同等の演奏家であればともかく、楽器も満足に演奏できない方々が、そういう無責任な評論を公にすべきではないだろう。

当然「チックはこの『Now He Sings Now He Sobs』を超えるアルバムを作ることは出来なかった」なんてことはありませんよ(笑)。チックに限らず、あらゆるミュージシャンの成果を、見方聴き方の角度を変えて、色々な切り口から、自らが聴き、自らが体験すると、そのミュージシャンの良さが、様々な形で見えてくるはずです。

個人的に偏った、ある一面だけから、ミュージシャンの成果を評価することほど、音楽を楽しむ者の感性として貧しいことは無い。人としての礼儀として、一流のプロのミュージシャンに対しては、リスペクトの念を持って接するマナーは持ち合わせたいものだ。チックに関する心ない評価を目にする度に、心からそう思う。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 8日 (火曜日)

学生時代に聴きまくったロック

昨日、アルバート・ハモンドの『風のララバイ』について語った。AORって「軟弱じゃない」という声もあったが、それはAORについて不勉強も甚だしい。芯の通ったAORって、実に良くできた、硬派なロックなのをお忘れか(笑)。

さて、学生時代はAORばっかりだったのか、と思われても困るので、他に良く聴いたロックってあったかしら、と思って振り返ってみたら、あったあった。ボブ・シガーの『奔馬の如く』(写真左)。原題『Against The Wind』。

当時、マストアイテムだった隔週雑誌「FMレコパル」のアルバム・レビューで、その存在を知ったのだが、ボブ・シガー自体を知らない。今でもそうなんだが、なぜか、ボブ・シガーって、日本ではマイナーな存在。しかも、アルバム・ジャケットが、なんとも大ざっぱな「疾走する馬」。実にアメリカ的なジャケット。これじゃあ、ひくよな。でも、その後直ぐに、FMで表題曲「Against The Wind」が流れて、その雰囲気にほだされて「即購入」。

Bob_seger_against_the_wind

いや〜「Against The Wind」の歌詞が心にしみた。「風に向かって、俺たちは風に向かって走っていた。まだ若くて、強くて、風に向かって走っていた。風に向かって、俺はまだ風に向かって走っている。今は年を取ったけど、まだ風に向かって」。いやいや、学生当時、心にしみた歌詞。今、更に心にしみる(笑)。

他の曲も実に無骨なロックンロール。米国を感じさせてくれる無骨なロックンロール。そして、リリースされたのが、1980年(70年代ロックからすると、ちょっと外れる)。AOR全盛時代。無骨なロックンロールながら、アレンジはAOR的な雰囲気をうまく取り入れて、実に渋いロックンロール・ミュージックになっていて、とにかく粋である。

良いよ〜、これ。このアルバムも、学生時代、聴きまくった。下宿で、行きつけの喫茶店で、そして、カーステレオで流れたアルバム『Against The Wind』。とにかく小粋なアルバムである。

日本では、なぜか人気がイマイチだが、米国ではそうでは無いらしく、2003年にリマスターされて、リイシューされている。このリマスター盤が良い。音も良いし、ボブ・シガーの渋いボーカルのニュアンスがビンビンに伝わってきて、実にお買い得なアルバムである。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 7日 (月曜日)

懐かしの「風のララバイ」

今日は「今年初出社」。いや〜、久しぶりに働くと疲れるね〜。能率が良くないので、定時早々に退社(笑)。9連休の後なので、あまり頭が働かない。今週は、仕事に「馴れる」週間だなあ。

今日は、会社の往き帰り、アルバート・ハモンド(Albert Hammond)の特集。昨年12月に発売されたリイシュー紙ジャケ『It never rains in Southern California・邦題「カリフォルニアの青い空」』と『Your World and My World・邦題「風のララバイ」』(写真左)を交互に聴く。

70年代ロックの範疇からは、ちょっと外れるのだが、『風のララバイ』は、実に懐かしいアルバム。1981年のリリース。学生時代に、とにかく聴きまくった「懐かしのアルバム」。West Coastのシンガー・ソングライターとして、「カリフォルニアの青い空」で一世を風靡したアルバート・ハモンドが、その曲の雰囲気そのままに、AORの流行にのって作った、実に雰囲気の良いアルバムである。
 

Your_world_and_my_world

 
当時は、史学を学んでいたこともあって、古墳巡り、古墳堀り、古寺巡り、博物館巡り、そして純粋な「旅」、と親友の車に乗って、幾度となく「遠征」した。車で移動する時、カーステから流れてくる音楽は、当時流行のAORが中心。

AORと並行してパンクが流行っていた時代だが、パンクは好きになれなかった。確かに、ロックの原点は「反抗・主張・女」なんだが、もうそんな歳でもなかったし、既にロックを見限って、ジャズに走っていた頃だったので、ロックと言えば「AOR」。特に、カーステで聴くのは、絶対と言って良いほど「AOR」だった。

このアルバート・ハモンドの『風のララバイ』は、まず、ジャケットが良い雰囲気。そして、内容は、と言えば、あの「カリフォルニアの青い空」そのままのハモンドが、West Coast AORの演奏にのって、実にオシャレに、ナイーブに歌い紡いでいく。どの曲がどうという訳じゃないのだが、アルバム通しての雰囲気が、僕の好みに実にフィットする。

春夏秋冬、あっちこっち、皆で行ったなあ。その度に、カーステから流れてきた『風のララバイ』。懐かしい。学生時代の風を思い出す。う〜ん、良いリイシュー・アルバムを手に入れたなあ。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 6日 (日曜日)

マラソン・セッション「四部作」

朝は冷え込んだが、昼過ぎて暖かな一日。夕方のニュースを聞くと、3月中旬の陽気だったとか。あれ、今日って寒の入りじゃなかったけ。寒さが最も厳しくなる前の時期。

『暦便覧』では、「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」と説明されていることを思うと、今日は実に暖かな「寒の入り」。

さて、今日も、マイルスの「プレスティッジのマラソン・セッション四部作」を中心にジャズを聴いている。今日は、この「四部作」の中で一番のお気に入りが、『Cookin'』(写真左)。

この『Cookin'』、まずはジャケットが良い。トランペットを吹く方から見たイラスト。そのイラストは、なぜか「かなり芸術的」。昨日ご紹介した『Workin'』の「工事現場にマイルス」みたいに、手を抜きまくったアルバム・ジャケットもあれば、『Cookin'』のように、実にアーティスティックなアルバム・ジャケットもある。プレスティッジ・レーベルの不思議なところである。

Miles_cookin_2

『Cookin'』が一番のお気に入りの理由は、冒頭一曲目に「My Funny Valentine」が収まっているのが、第一の理由。レッド・ガーランドのシングルトーンの愛らしいピアノソロの前奏に続いて、マイルスのミュート・トランペットでの、ロマンチックなテーマが続く。この「My Funny Valentine」は、1960年代にかけて、マイルス・バンドの十八番となった一曲であるが、この『Cookin'』の「My Funny Valentine」が、一番、アレンジがシンプルで、一番、原曲に忠実で、聴き易い。

ロマンチックな「My Funny Valentine」に続く、「Blues by Five」が、前曲とは対照的に、コテコテのブルース、コテコテのハード・バップで、実に躍動的。続く「Airegin」は、テナーのソニー・ロリンズのオリジナルで、同じテナーのジョン・コルトレーンがアグレッシブに大音量で吹きまくる。

そして、極めつけは「Tune-Up〜When Lights Are Low」(この曲は邦題の方が気分がでるかなあ「チューン・アップ〜灯ほのかに」)。アグレッシブな「チューン・アップ」の演奏が終わるや否や、続いて、マイルスのペットが「灯ほのかに」のテーマを吹き始めると、ほんの一瞬のためらいの後、バンドが続いて伴奏を始める部分は、いつ聴いても「即興が命のジャズ」を感じて「ゾクッ」とする瞬間。

この『Cookin'』、ジャケット良し、内容良し、「マラソン・セッション」の逸話あり、揃いも揃った三拍子。名盤の三要素が備わった、楽しく、聴き応えのあるアルバムです。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 5日 (土曜日)

今年最初のマイ・ブーム

今日は朝から曇天、寒い朝。午後から日が射したが、寒いのは変わらず。正月に栃木県南部の田舎で、そうとうな寒さを経験したので、耐えられるけど、今日って、結構寒いんではないか...。

さて、ジャズのお話。バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」、松和のマスターの最近の「マイ・ブーム」は、マイルスのプレスティッジ・マラソン・セッション「四部作」。

マイルスのプレスティッジの「四部作」と言えば、『Workin'』『Relaxin' 』『Steamin'』『Cookin'』。ほとんど、本番ワンテイクでOKとなった、伝説のマイルス・デイヴィス・クインテットの「マラソン・セッション」の記録。

これが今年第一番目の「マイ・ブーム」。年の暮れ、ちょっと『Relaxin' 』を聴いて「はまった」。マイルスの繊細で柔軟なトランペット、相対する雰囲気、雄々しさ溢れるコルトレーンのテナー、シンプルさが美しいガーランドのピアノ、底のビートを支えるチェンバースのベース、野生児的なフィリージョーのドラミング。

Miles_workin

その4部作の中で、一番、ジャケットデザインがいい加減なのが『Workin'』(写真左)。工事現場に笑って佇むマイルス。しかも、カラーではない、青緑一色の、明らかに手を抜いたジャケット(笑)。アルバム・タイトルが「Workin'=働く」なので、いきなり工事現場の写真は無いやろう。マイルスのアルバムだからといって、このジャケット・デザインでは、購入意欲が湧かないよな〜。でも、このアルバムの内容、結構いけるんですよ。

『Workin'』の冒頭「It Never Entered My Mind」が絶品。とにかく、綺麗で「可愛い」。こんな愛らしい演奏が、ジャズに、ハード・バップにあったのか、と驚くくらい、凄く「可愛い」「愛らしい」演奏である。

その次に来る「Four」は、打って変わってワイルドなハード・バップ。この「Four」は、以降、マイルスがアコースティック・ジャズを演奏していた時代、十八番となった定番曲。初々しい雰囲気が実に良い。前半の終わり(LPで言えばA面の終わり)にTheme [Take 1]が入り、後半の終わり(LPで言えばB面の終わり)にTheme [Take 2]が入る、擬似ライブの雰囲気も楽しい。

今年最初のマイ・ブーム、マイルスのプレスティッジの「マラソンセッション四部作」。改めて、聴き直してみて、やっぱり良いね。じっくり聴き直すと奥が深い。「マラソンセッション四部作」、4枚とも、ハード・バップの奥深さを感じることの出来る名盤です。奇跡に近い名盤でしょう。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 4日 (金曜日)

新年に聴くアルバム・その3

今日は一日ノンビリ。朝、早々に買い物に出て、昼前には家に帰り着いた。午後からは、70年代ロックのデータベースをメンテナンス。そうそう、今日から、のだめカンタービレのパリ編が放送される。フフフッ、楽しみやなあ。

さて、新年に聴くアルバム・その3である。一昨日は「70年代ロック」、昨日は「純ジャズ」。で、今日は「フュージョン」である。フュージョンで、新年に良く聴くアルバムは、遠く学生時代から決まっている。79年リリースされた時、即買いだったアルバム。渡辺香津美の『KYLYN』(写真左)である。

メンバーが凄い。渡辺香津美(ギター・写真右) 坂本龍一(キーボード、シンセサイザー) 矢野顕子(ピアノ) 村上ポンタ秀一(ドラムス) 高橋ユキヒロ(ドラムス) 向井滋春(トロンボーン) 本多俊之(アルト・サックス 清水靖晃(テナー・サックス) 小原礼(ベース) 益田幹夫(キーボード) ベッカー(パーカッション)等々。坂本龍一プロデュースの「真のフュージョンアルバム」である。
 

Kylyn

 
特に、LPでいうとB面、「E・DAYプロジェクト」からの、坂本龍一、高橋ユキヒロのセッションが素晴らしい。「アカサカ・ムーン」の坂本龍一と香津美の緊張感あふれる美しいデュオ。そして短いながら、僕の一番のお気に入り曲「KYLIN」。これらのB面曲を聴いていると、このアルバムがリリースされてから、約30年、日本のジャズ・フュージョン界は後退したのではないか、とふと不安になる位の、密度と内容のある演奏がギッシリ。

対して、冒頭「199X」から「マイルストーン」までの、A面曲も凄い。ここでは、村上ポンタ秀一のドラミングと渡辺香津美のギターが凄い。特に「マイルストーン」の演奏は凄い。これって、1979年の録音だろ。この「マイルストーン」の演奏内容を超える、日本のジャズ演奏が少ない事がちょっと残念。

いわゆる「異種格闘技セッション」で、そうそうたるメンバーが、しのぎを削り合った結果である、「音楽の化学反応」の強烈なエネルギーがこのアルバムに詰まっている。新しい音楽を生み出そう、新しい感覚を生み出そう、そんな気概と覇気が充満していて、実にポジティブな内容の名盤です。

そのポジティブさが、新しい年を迎えた、新年早々のこの時期にピッタリです。とにかく、坂本龍一のキーボードと渡辺香津美のギター、そして、村上ポンタ秀一と高橋ユキヒロのドラミングが、とにかく格好良い、そして、今でも、あの時の新しい風を感じることの出来る、素晴らしいアルバムです。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 3日 (木曜日)

新年に聴くアルバム・その2

今日は朝から自宅でノンビリ。箱根駅伝の復路を観戦しながら、年賀状のチェックなど。しかし、正月早々、トイレのウォシュレットが壊れて(昨年暮れから調子が悪かったんだけど)、買い換えに町へ。しかし、正月早々、家電フロアでウォシュレットを買う客って、他にいるのかなあ(笑)。

さて、昨日は、バーチャル音楽喫茶『松和』で、正月、新年に流れるアルバムは何でしょうか? ということで、まずは「懐かしの70年代館」で新年に良く流れるアルバムをご紹介した。今日は、本館「ジャズ・フュージョン館」である。

ジャズのアルバムで、新年に必ず聴くアルバムがある。Art Blakey & The Jazz Messengers『Moanin'(モーニン)』(写真左)。ブルーノートの4003番、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースの出直し〜復活アルバムである。

アート・ブレイキー(ds)は、1954年から1955年にかけてホレス・シルヴァー(p)と初代の「ジャズ・メッセンジャーズ」を結成。1956年にシルヴァーが脱退した後も、ブレイキーは晩年まで「ジャズ・メッセンジャーズ」のリーダーとして活躍した訳だが、このシルヴァーが脱退した後が大変で、ブレイキー御大の不摂生もあって、大スランプに陥った。

そんな時に「ジャズ・メッセンジャース」に加入したのが、ベニー・ゴルソン(ts)。このベニー・ゴルソンが音楽監督として、ブレイキー御大の不摂生を含めて「ジャズ・メッセンジャース」を立て直す。
 
その立て直し第一弾が、この『Moanin'(モーニン)』。心機一転、新しい船出、という感じの「フレッシュさ」と「覇気」が充満している。本アルバム のメンバーは、リー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)で、1958年10月30日の録 音。特に、当時、新進トランペッターであったリー・モーガンは、怖いもの知らずの二十歳の若者で、癖のあるスリリングなフレーズを連発して、実に格好良い。
 

Art_blakey_mornin

 
まずは出だしの表題曲「モーニン」で決まりだろう。1961年、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャース来日の折、「そば屋の出前」までもが口笛で真似たと言い伝えられる、印象的な前奏のフレーズ。そして、続くコール・アンド・レスポンス。これぞ、ファンキー・ジャズ。実にキャッチャーな曲である。

しかし、続く「アー・ユー・リアル」は、音楽監督の「ゴルソン・ハーモニー」が炸裂。素晴らしいユニゾン、ハーモニー、チェイス。出だしの前奏を聴いただけで「これはただものではない曲」という雰囲気が漂う。ファンキー・ジャズという流行モノとは一線を画するハード・バップ・ジャズの名曲。続く「アロング・ケイム・ベティ」の理知的な雰囲気。実にアーティスティックな演奏。

そして、続く「ドラム・サンダー組曲」と「ブルース・マーチ」は、アート・ブレイキーのドラミングを全面的にフィーチャーした曲。ブレイキーのドラミングが堪能できるのは当たり前、加えて、各メンバーの職人芸的な演奏が繰り広げられる。

特に「ブルース・マーチ」は名曲。アート・ブレイキーのドラミングでないとフィットしない曲で、ジャズ・スタンダードにはなり得ないが、ブレイキーが叩く分には、これほどエモーショナルでノリの良いドラム向けの曲は無いだろう。

ベタなマーチのドラミング(と思いきや、かなりモダンなドラミングなんだけど)にのって、メンバーが一丸となって、演奏を盛り上げていく。新年に、待ち受けているであろう今年の様々な出来事に対して、積極的に立ち向かって行くような、実にポジティブな演奏である。

この『『Moanin'(モーニン)』、そんなフレッシュさと覇気が充満した名盤です。新年にピッタリだと思います。ジャケットのブレイキーの顔写真がちょっと「いかつい」けど、その「いかつさ」さにビビらずに、この新年に手にしていただきたい名盤だと思います。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 2日 (水曜日)

新年に聴くアルバム・その1

ちょっくら、栃木南部の田舎で2泊してきた。寒かった。けど、自然の寒さなので、心地良さがある。里山も、すっかり木の葉も落ちて、すっきり綺麗な冬山の姿、空は青く、厚い氷は張るわ、風花は舞うわ、なにもかもが冬の風景で、とても美しい。日本の原風景を見る感じで、僕にとって、とても好きな風景。良い気分転換になりました。ありがとう。

さて、バーチャル音楽喫茶『松和』で、正月、新年に流れるアルバムは何でしょうか? ふと、思いついて振り返ってみると、懐かしの70年代館では、エマーソン・レイク&パーマー(ELP)のファースト・アルバム(写真左)が、新年早々、良くかかりますね。

Elp_first

これは高校時代からずっとですね〜。ファースト・アルバムだけに、若々しさと初々しさが溢れていることと、1970年にリリースされたということもあって、何か、新しいロックを創造していく気合いというか、その「第一歩」を記した、って感じで、ELPの「プライドと自負」が感じられるところが、とても気に入っています。何か「事の始め」という雰囲気がプンプン漂っていて、良い感じです。

そして、ラストのシンプルなアコギ曲の「ラッキー・マン」のグレッグ・レイクのボーカルに感じ入り、曲のエンディングのキース・エマーソンのムーグ・シンセサイザーが、新年を告げるファンファーレの様に「今年も頑張るぞ」って感じで、毎年唸り響くんですよね〜。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2008年1月 1日 (火曜日)

明けましておめでとうございます

旧年中は、我がバーチャル音楽喫茶『松和』のサイト、ブログにアクセスいただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

今年の年末年始は、寒波がやってきて、とても寒くなりました。ちょいと、千葉県北西部地方を離れて、栃木県南部にいます。さすが北関東だけあって、とっても寒いです。練炭の炬燵から抜け出すことができません(笑)。

年が明けましたので、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターとしての「今年の抱負を」。まずは、今年のアルバム・コレクションについては、ジャズに関しては、是非とも、ブルーノートの4000番台、4100番台を完全制覇したいと思っています。CDで手に入らない場合は、LPでも良いから、コンプリートさせたい。昨年12月、プリメインアンプを買い換えたときに、昔、使っていたレコードプレーヤーも復活させましたので、LPも「どんと来い」です。

70年代ロック、Jポップについては、コレクションのDBを完成させたいと思っています。そろそろ、アルバムを所有しているのか、していないのか、自分の記憶だけでは判別できなくなってきました(苦笑)。

バーチャル音楽喫茶『松和』のサイトについては、もう少し、更新頻度を上げたいと思っています。原稿を書くのが結構大変なのですが、計画的に時間を確保して、なんとかしたいですね。

それでは、改めまして、本年も、我がバーチャル音楽喫茶『松和』のサイト、ブログをよろしくお願いいたします m(_ _)m。
 
Happy_new_year08
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー