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2008年1月14日 (月曜日)

今年注目のミュージシャン・2

今日は成人式。全国的に寒い一日ですが、新成人の皆さん、風邪などひかないようにね。日本海側は雪が降り続いているみたいで、足下が心配です。気をつけて下さいね。

さて、9日に「今年注目のミュージシャン・1」として、ベテラン・ミュージシャンのチック・コリアをご紹介した。今日は「今年注目のミュージシャン・2」として、若手ミュージシャンの注目株をご紹介したい。1986年10月生まれなので、現在、弱冠21歳、16歳でセンセーショナルなデビューを飾った、若手注目株の最右翼、矢野沙織(写真右)である。

16歳でのデビューアルバム『YANO SAORI』は、16歳の女の子としては凄く上手いが、どう贔屓目に見ても、一流ミュージシャンと肩を並べるほどのアルバムの内容ではなかった。評論家の方々が「凄い」「天才だ」「内容が素晴らしい」とか言いながら、絶賛する気持ちが判らなかった。「16歳の女の子がジャズサックスを吹く」という物珍しさが話題性大とはいえ、そこまで持ち上げるか、とも思った。

この程度のレベルなら、歳をとって、話題性が無くなるにつれ、徐々に消えていくんかな〜、と思っていたんだが、矢野沙織は違った。リーダー・アルバムを重ねるにつれ、モリモリと上手くなっていった。デビュー作から『02』『SAKURA STAMP』の3枚、いわゆる「ビ・バップ三部作」を作り終え、リラックスした『Groovin' High』を経て、テクニック的には、一流ミュージシャンと肩を並べるほど上手くなった。

Little_tiny

そして、今回の新作『Little Tiny』(写真左)である。正直に言うと、テクニック的には、一流ミュージシャンと肩を並べるほど上手くなったが、演奏家としての個性が定まっていないところが気になっていて、なかなか積極的に触手が伸びなかった。実のところ、あまり期待せずにダウンロードした。

が、である。嬉しい誤算とはこのことである。テクニック的に、更に上手くなったし、歌心が豊かになった。ノリも良くなった。切れ味もよくなってきている。しかも、このアルバムは、矢野のワン・ホーン作で、矢野のアルトの個性を十分に確認でき堪能できる。加えて、ロニー・スミス(org)、ピーター・バーンスタイン(g)、ルイス・ナッシュ(ds)の、オルガン・トリオのバックが、矢野のアルトに実にマッチしている。

1曲目「My Baby Shot Me Down」、7曲目「Pardon Lucy」、2曲の自作曲も良い内容。カーペンターズで有名な「クロース・トゥ・ユー(遙かなる影)」、荒井由実の初期の名曲「ベルベット・イースター」、70年代の日米のポップスを題材にした曲も実に良い内容で、実に上手くジャズに仕立てている。これらの自作曲や、彼女ならではの選曲の妙の70年代のポップス曲を通じて、彼女のアルトの個性が伝わってくるようになった。

『Little Tiny』、これからの彼女の活躍が楽しみになる、良い内容のアルバムです。最近のテレビに出演する際に聞く、彼女のプロの音楽家としての考え方もしっかりしていて好感が持てます。女性であるということは、もう関係無いし、「売り」でもないでしょう。その実力一本で勝負出来る、今年、注目の若手ミュージシャンの最右翼です。

ちなみに『Little Tiny』の意味って、師匠のジェームズ・ムーディー(ts)の奥さんの口癖が「Little Tiny」で「そんなちょっとしたこと…」くらいの意味だそうです。その奥さんの口癖から取られたタイトル。う〜ん、小粋なタイトルやねえ。
 
 
 
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