« 更なるジャズの楽しみ方... | トップページ | ハードバップの進化した姿 »

2007年12月 4日 (火曜日)

「ハードバップ」ど真ん中

昨日は、ハード・バップ黎明期のお話をした。今日も続いて、ハード・バップのお話。今日は「ハード・バップ」ど真ん中、隠れた小粋なアルバムをご紹介したい。

そのアルバムとは、サド・ジョーンズ『デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション』(写真左)、ブルーノートの1513番。パーソネルは、Thad Jones (tp)、Billy Mitchell (ts)、Tommy Flanagan (p)、 Kenny Burrell (g)、Oscar Pettiford (b)、Shadow Wilson (ds)、デトロイト出身者を中心としたセッション。

1956年3月13日の録音。1956年と言えば「ハード・バップ」ど真ん中である。ビ・バップのような、エキセントリックな派手さは無い。超絶技巧な「芸」を見せつける訳では無い。「鑑賞されること」を意識した、ジャズらしい落ち着きとスウィング感が溢れている。

Detroit_ny_junktion

特に冒頭「ブルー・ルーム」、3曲目「リトル・ガール・ブルー」の様なスローな演奏が美しい。アレンジの勝利。ハード・バップは「鑑賞されること」を意識したアレンジが、その鍵を握る。良く練られたテーマ部での「ユニゾン、ハーモニー、チェイス」。そして、それに続くインプロビゼーション。「鑑賞されること」を意識し、「芸術性」を追求した「プロ」の仕事。

面白いのは、ラストの「ゼック」の速いテンポの演奏。ここでは、未だ「ビ・バップ」の名残を感じることが出来る。ベースとドラムは、リズムをキープすることに徹し、フロントのインプロビゼーションはテクニックのみを優先する。1956年、「ハードバップ」ど真ん中の時代、まだ「ハードバップ」として改善の余地があることを感じる。

サド・ジョーンズはカウント・ベイシー楽団で人気No.1のトランペッターとして1953年から活躍、1965年、メル・ルイスとの有名なサド・メル楽団を立ち上げ、作編曲者・バンドリーダーとしての力量が評価されることになります。その兆しが、このアルバムのアレンジに感じることができて、至極納得してしまいます。

この『デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション』、ジャズ入門書にあまりでてこないアルバムですが、「ハードバップ」をしっかりと感じることができる、なかなかの佳作だと思います。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

« 更なるジャズの楽しみ方... | トップページ | ハードバップの進化した姿 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ハードバップ」ど真ん中:

« 更なるジャズの楽しみ方... | トップページ | ハードバップの進化した姿 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー