追悼、オスカー・ピーターソン
超絶技巧かつスイング感抜群のジャズ・ピアニストとして「鍵盤の帝王」の異名をとったジャズピアニストの巨匠、オスカー・ピーターソン氏が23日夜、腎臓疾患の為、逝去。82歳だった。オスカー・ピーターソンは、僕のお気に入りのジャズ・ピアニストの一人だ。そのピーターソンがあの世に旅立った。実に残念である。
93年に脳卒中で左手が動かせなくなったが、リハビリを受け、片手での演奏を続けた。感動した。しかし、今年になって、雑誌などで「不調」の報が相次いで、まずいなあ、と思っていた矢先の訃報である。落胆の極みである。
オスカー・ピーターソンと言えば、僕としては、ベースのレイ・ブラウンとドラムのエド・シグペンでの「ザ・トリオ」が印象深い。僕が初めて、オスカー・ピーターソンに出会ったアルバムは『ザ・トリオ/オスカー・ピーターソン・トリオの真髄』(写真左)。
ジャズ初心者の頃、あれは学生時代だった。こんな端正なジャズ・ピアノがあるんだ、とビックリした。とにかく上手い。とにかくスイングしまくる。歌心溢れる演奏。確実なタッチ。凄いジャズ・ピアノだと思った。感動した。特に、3曲目「シカゴ」は絶品。それから、彼のピアノは、今までずっと「お気に入り」。
あまりに端正で、あまりにスイングするので「テクニック優先のスイングの権化」などと、心ない評論家やジャズ・ファンに揶揄されたりしたが、フラットにジャズを聴く耳と感性を持っていれば、そんな「揶揄」も全く気にならない。
あまりに判りやすいジャズ・ピアノなので「初心者向け、入門者向けジャズ・ピアノ」のレッテルを貼られ、天の邪鬼なジャズ・ファンからは「オスカー・ピーターソンなんて初心者向けのピアニストさ」なんて、ひねくれた評価をされた。しかし、その判りやすさこそが「バーチュオーゾ」の証明だということを、大半のジャズ・ファンは知っている。
オスカー・ピーターソンのピアノは、ジャズ初心者から上級者まで、様々なレベルで、様々な切り口で楽しめる、感動させてくれる、希有なジャズ・ピアニストだった。冥福を祈りたい。
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