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2007年11月 2日 (金曜日)

ジャズの裾野は無限である

ジャズ鑑賞のアルバムであるが、何も、ジャズ・ジャイアント、もしくは、スイング・ジャーナルのアルバム・レビュー欄に載ったりするミュージシャンだけが全てでは無い。このミュージシャンの名前って聴いたこと無いぞ、というミュージシャンのリーダー・アルバムにも優れたモノが多い。

昔は、輸入盤専門店に行って、ジャケ買いをしたり、店員さんに教えて貰ったりして、このミュージシャンの名前って聴いたこと無いぞ、というミュージシャンのリーダー・アルバムを手に入れたものだが、最近は、輸入盤はネットで注文できるし、輸入盤の情報もネットで取れるし、老舗雑誌のスイング・ジャーナルだって、毎月のアルバム・レビュー欄の最後に、輸入盤の新着紹介があったりするので、昔に比べて、情報もアルバム自体も入手し易くなった。

最近、内容が充実してきたダウンロード・サイトだって、輸入盤が結構アップされていて、30秒間試聴も出来るし、ジャケットの雰囲気と30秒間試聴で、内容の優劣、好みに合うかどうかを、ある程度判断できて、クリック一発、ダウンロードすれば、即座に聴くことが出来るようになった。便利になったものだ。

その便利なダウンロード・サイトのお気に入り、iTunes Storeで、なかなかのトランペット・アルバムを見つけた。Brian lynch(ブライアン・リンチ)の『BRIAN LYNCH meets Bill Charlap』(写真左・2003年5月録音)である。Bill Charlap(ビル・チャーラップ)のピアノは定評がある。僕も彼のピアノは好きだ。しかし、Dwayne Burno(b)、Joe Farnsworth(ds)については、全く、そのキャリアを僕は知らない。

Brian_lynch

リーダーのBrian Lynch(tp)もそうである。僕はiTunes Storeで出会うまで、彼の存在を知らなかった。ネットで調べてみると、1956年9月、イリノイ州生まれ。1981年、ニューヨークに進出。手始めにジョージ・ラッセル、穐吉敏子というコンテンポラリーなビッグバンドに参加。1989年の新旧ジャズ・メッセンジャーズ(以下、JM)のオールスター・アルバム『The Art Of Jazz』でメッセンジャーズの仲間入り。続く1990年、ジャズ・メッセンジャーズ最後のトランペッターとして『Chippin' In: The Birth of New Funky』に登場。さらに、JM最後期の90年4月録音『One For All』に参加している。

へ〜っ、Brian Lynchって、ジャズ・メッセンジャーズ最後のトランペッターだったんだ。道理で、雰囲気のあるトランペッターだと思った。至極納得である。冒頭1曲目の「On Green Dolphin Street」のミュート・トランペットの音色が叙情的で実に良い雰囲気だ。マイルスのミュートほど切れ味鋭くは無いが、鋭く無い分、ほのかな暖かみが感じられるリンチのミュートが個性的である。

そして、2曲目の「Autumn Nocturne」は、オープン・ホーンのゆったりとしたバラード。オープン・ホーン独特の朗々としたブラスの響きが実に良い。リンチのオープン・ホーンは、歴代のトランペッターと比べると、やや切れ味鈍く、テクニック的にも劣るのだが、それをよく知ってか、無理せず、テクニックに走らず、己のテクニックの範囲内で、雰囲気で聴かせるところが潔い。よって、実に良い雰囲気のバラードになった。他の曲も、時にBill Charlapのピアノが優雅に舞い、Dwayne Burno(b)、Joe Farnsworth(ds)の両名も、実に手堅い、効果的なサポートで、聴きどころ満載である。

このアルバムの良さは、メンバーそれぞれが、己の特性とテクニックをよく知り、無理せず、スタンド・プレイに走らず、テクニック勝負では無い、曲想にあった「雰囲気で聴かせる」演奏にあると、僕は思う。良いアルバムだと思います。

ジャズ・ジャイアント、もしくは、スイング・ジャーナルのアルバム・レビュー欄に載ったりするミュージシャンだけが全てでは無い。まだまだ、名を知らない優れたミュージシャンが沢山いる。ジャズの裾野は思ったより広い。ジャズの裾野は無限である。
 
 
 
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