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2007年11月 3日 (土曜日)

果てない空、翳りの無い雲〜、っと

昨晩から冷え込み始めて、今朝はちょっと寒いな〜、っという感じになった。そう言えば、もう11月やもんね。窓の外は、どんより曇り空。冬が近いことを強く感じる、少し冷え冷えとした灰色の曇り空。でも、昼過ぎからは天気回復、日が差し始めた千葉県北西部地方。日差しも晩秋の柔らかな黄金色の日差しになって、なんとなく、もの寂しさを感じる。

さて、土日は、外出するときのiPodは、70年代Jポップ専用、ブラックのiPod nano。今日は、このブラックiPodを携えて、久々に整体へ。今日の70年代Jポップは、井上陽水の『二色の独楽』(写真左)である。このアルバムは、1974年の秋、10月1日リリース。僕が高校に入って、本格的に音楽を聴き始めて、リアルタイムで体験した陽水のアルバムが、この『二色の独楽』である。

このアルバムは、全体を通して、もはやフォークのアルバムではない。バック・ミュージシャンが尋常では無い。ギターがレイ・パーカーJr.とデビット・T・ウオーカー、ベースがウイルトン・フェルダー、キーボードにジョー・サンプルなど、ほとんど、後のフュージョンの人気ミュージシャンばかり。確かに、2曲目の「夕立」のバック演奏を聴いていると、これは、もはやフォークの伴奏では無い。しかし、ロックでも無い。当時のネーミングはクロスオーバー、後のフュージョン・ミュージックのファンキーでテクニカルな雰囲気漂う、実にポップでノリの良い演奏である。

Nisyoku_no_koma

曲的には、ところどころ、収録動機不明なものが幾つかあって、アルバム全体の統一感がぶれるのは、相変わらず。5曲目「ゼンマイ仕掛けのかぶと虫」、8曲目「二色の独楽」、10曲目の「野いちご」の存在が、今、聴いても理解できない。この3曲は、このアルバム『二色の独楽』が永遠の名盤になることを常に拒み続けている存在。

陽水ファンからすると「それが良いんじゃないか」と言うかも知れないが、客観的に見ると、このアルバムの根底を流れる「ファンキーで、テクニカルで、ポップでノリの良い演奏に乗った陽水のシュールな世界」という流れが、この「存在理由が判らない」曲によって寸断される。試しに、CDプレーヤーで、この3曲を飛ばした曲設定をして、アルバム全体を通して聴くと、疾走感溢れる、新しい雰囲気と可能性を持った、ノリの良いJポップのプロトタイプが見える。これは、今の耳にも十分通用する先進的なモノだ。

個人的には、収録曲に多少の問題を感じるも、内容的には、まずまず充実したアルバムだと思います。疾走感抜群の2曲目「夕立」。シャッフルの名曲の誉れ高い6曲目の「御免」、かまやつひろしにカヴァーされた11曲目「ロンドン急行」、13曲目の叙情的なで印象的なスローナンバー「眠りにさそわれ」。そして、僕にとっての極めつけは、ラストの「太陽の町」。


「太陽の町」    井上陽水 作詞・作曲 

果てない空 翳り無い雲 季節の風 鳥は向かい風
走り抜ける 太陽の町を 転げ回る 光の間を
輝き溢れる 緑と光の町を ・・・

走り抜ける 眩しさの中を 振り返らず 立ち止まりもせず
また会う時には 緑と光の町で ・・・ 


なんの変哲も無い、実にシンプルな歌詞なんだが、陽水の多重録音で幽玄なハーモニー、緩やかな、ゆったりと歩く速さのリラックスしたテンポ。リラックスした中、しっかりとタイトな伴奏。そして、効果的なストリングス・アレンジ。この曲の全体から醸し出される雰囲気が、高校時代から大好きです。空を見上げて、ため息をつきたくなるような開放感、そして、何となく切なさを感じる寂寞感。陽水の特徴を良く出している名曲だと僕は思います。

そういえば、高校2年生の秋は、10月の終わり。この曲をさんざんに聴き続けたことがあったっけ。あの時は、この歌の「走り抜ける、眩しさの中を。振り返らず、立ち止まりもせず。また会う時には、緑と光の町で ・・・」の部分が寂しい心に染みたなあ。今、聴き返すとあの頃を思い出す。そして、なんだか、清々しい気持ちになるのだ。
 
 
 
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コメント

私も大好きな曲です。
陽水の声が、最大限にいかされた曲です。

なんか聞いてると、切なくなるほどの清々した空と、それを見ている小さな小さな豆粒みたいな自分がイメージできます。

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