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2007年11月の記事

2007年11月30日 (金曜日)

ケニー・ドリューの再評価...

いや〜、やっと一週間が終わった。頭が忙しい一週間だった。こんなに頭を使うことって、3年ぶり位かな〜。少しずつ良い仲間、メンバーに恵まれつつあり、徐々に臨戦態勢が整いつつある。しかし、疲れた。この土日はゆっくり頭を休めたい。

ゆっくり頭を休めたいなあ、と思いながらの会社の帰り、頭を休めるにはジャズだよなあ、と思って、iPodのダイヤルをグリグリしながら、何か良いアルバムは無いかなあ、と探していたら、あったあった、ケニー・ドリューの『ザ・ララバイ』(写真左)。

ケニー・ドリューについては、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の常連さんのブログで紹介されていたのを読ませていただいて、「おお〜、ドリューかぁ〜」と、久しぶりにドリューを思い出した次第。実は、しばらく、ドリューを忘れいていた。手始めに『バイ・リクエスト』から聴き直し。

そして、今日は『ザ・ララバイ』。題名の通り、子守唄中心の企画モノ。企画ものながら、ジャケットも良い雰囲気だし、収録された曲もなかなかに渋いチョイス。ドリューの企画モノの中でも、昔から良く聴くアルバムのひとつである。

聴き直して見て、やっぱり良い感じのアルバムですね〜。子守唄中心という先入観に騙されてはいけません。冒頭「バードランドの子守唄」は結構ハード・ボイルドな演奏です。5曲目の「ハッシャ・バイ」もしっかりハード・バップしていて心地良い。

 The_lullaby

ケニー・ドリューは、ハード・バップ・ピアニストの一人。1950年代、本国アメリカでは、なかなか高い評価を得られませんでした。1961年にパリに渡り、1964年からデンマークのコペンハーゲンに活動の拠点を移し、70年代初めのハード・バップ・リバイバルの波に乗り大活躍。欧州のみならず、日本でも高い人気を誇り、精力的に活動を行いました。

確かに、1950年代、ニューヨークでのドリューのリーダー・アルバムといえば、印象に残るものは少ない。しかし、1974年、Steeple Chaseレーベルからリリースされた『Dark Beauty』(写真右)は素晴らしいアルバムだった。

ドリューの黒いバップ・ピアノに欧州の雰囲気が混ざり合って、明確なラインと強力なタッチのバップ・ピアノでありながら、叙情性豊かで、歌心溢れる演奏が特徴。北欧に渡って、ドリューは正解だった。その「明確なラインと強力なタッチのバップ・ピアノでありながら、叙情性豊かで、歌心溢れる演奏」が炸裂しまくっているのが、今日聴いた『ザ・ララバイ』。

加えて、北欧時代のドリューを支え、企画モノの演奏の中で、しっかりとバード・ボイルドさをキープし、甘きに流されず、唄うようにスイングさせていたのは、ニールスーヘニング・ペデルセンのベース。ペデルセンのベースは、太くて伸びが良くて、比較的ピッチが合っていて、僕の好きなベーシストの一人です。

そうそう、忘れてはいけない。エド・シグペンのドラムも良い味を出してます。職人芸的なドラミングは、しっかりとドリューを盛り立てています。

『ザ・ララバイ』良い内容です。ドリューの企画モノは、硬派のジャズ・ファンには、あまり評判が良く無いみたいですが、内容はしっかりしています。ジャズ初心者の皆さんには、安心してお勧めできる内容だと思います。ジャズ入門盤に良いアルバムです。
 
 
 
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2007年11月29日 (木曜日)

永遠の詩(狂熱のライヴ)~最強盤

寒いなあ。今日の東京は,12月下旬の陽気とか。確かに寒い。11月の終わりとは思えぬ。それでも、通勤の道すがら、紅葉がたけなわである。色づいた木々、風が吹いて、サラサラと音を立てて散っていく、色とりどりの落葉、落葉。

さて、今週は「懐かしの70年代館」のウィークである。ジャズも毎日、しっかりと聴いてはいるんだが、通勤音楽は、どうしても、Led Zeppelinになってしまう(笑)。今日は「永遠の詩(狂熱のライヴ)~最強盤」(写真左)である。

Led Zeppelinのライヴ・ドキュメンタリー映画『狂熱のライヴ』のサウンドトラック・アルバム。1973年7月27日、28日、29日に、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで録音された2枚組。「ブラック・ドッグ」「丘のむこうに」「ミスティ・マウンテン・ホップ」「貴方を愛しつづけて」「オーシャン」「ハートブレイカー」の6曲が初出。

Led_zep_movie_live

このリイシューも、ファン、マニアの間では賛否両論で、まあ、困ったもんですね(笑)。「オーシャン」は、アンコールに演奏された曲であり「当時のセットリスト順」ではないことが判明らしいが、オリジナル発売時に収録できなかった6曲が追加収録され、ほぼ、当時のセットリスト順でリリースされたことは、まずまず喜ばしい限り。

通して何度か聴き直してますが、なかなか良いですよ。ブート含めて、数あるゼップのライブ・レコーディングの中で、絶好調とは言えないのでしょうが、普通の店頭で手に入るゼップのライブは、そんなに多くないので、今回のリイシューは喜ばしい限りです。

追加された6曲も「捨て曲」ではなく、ちょいとロバート・プラントのボーカルの調子がイマイチのものもありますが、ジミー・ペイジのギターについては、それはそれは「弾きまくり絶好調」って感じが良いです。ボーナムのドラムもノリノリですし、今回のリマスターで、ジョンジーのベース・ラインが聴きとれるようになっていて、ジョンジーもノリノリなのが判ります。

1973年のゼップは絶好調だったのでしょう。1976年発売当時、聴いてたまげた「永遠の詩(狂熱のライヴ)」のLP。そして、それから31年。今回、聴いた「永遠の詩(狂熱のライヴ)~最強盤」。今、聴いても結構たまげるゼップのライブ。迫力満点、テクニック抜群。今の時代、アナログで、こんな音を出すバンドは無いんではないでしょうか。これで絶好調では無いというのですからねえ。

ファンなら買いですね。というか、買わざるを得ないでしょう。私も買ってしまいました。DVDについては、今回はいいかな、と思ってますが、う〜ん、いつまで我慢できるのか(笑)。ファンとは悲しいものである。
 
 
 
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2007年11月28日 (水曜日)

続「Mothership」でござる

昨日は、仕事でちょっと遅くまで話し込んでいたので、ブログはお休みしました。本業の方は、ちょっと忙しい。激しい残業など、体力的な問題は無いのだが、限られた時間の「密度と内容」が問われる「企画もの」で、頭の方が大変忙しい。

さて、今日の話題は、続『Mothership』である。Led zeppelinの新しいベスト盤の話題の続きである。Led Zeppelinのベスト盤は、これまで何種類か出ている。ここに来て、なぜ、またベスト盤を出すのか。

今回の『Mothership』は、ネットでいろいろと見ていると賛否両論の様相である。選ばれた曲について、曲順について、そもそも、Led Zepplinにベスト盤は必要なのか、などなど、百家争鳴状態である。

確かに、今回の新しいベスト盤『Mothership』、『永遠の詩(狂熱のライヴ) 〜 最強盤』、映画『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション』と立て続けのリリース。う〜ん、なんだか、ジミー・ペイジに「やられている」感じがしないでもない。なんだか、キング・クリムゾンのロバート・フィリップのようではないか(笑)。まさかなあ〜、ロバート・フィリップの入れ知恵じゃないだろうな〜。

Mothership_zep

しかしながら、値段的に見て、US盤が2,000円程度、デラックス版の日本盤が3,480円と価格的にもリーズナブル。収録された曲や曲順については、いろいろ異論はあるとは思いますが、再リマスターされた音の素晴らしさも加味すると、現在10歳代~20歳前半の方々が、新たに、Led Zeppelin を体験するには、「The Young Person's Guide to Led Zeppelin」的な内容で、なかなか良い内容のベスト盤ではないでしょうか。

デラックス盤には、ライブDVDの抜粋版がついているので、これも若い方々が、初めて、Zeppelinを体験するには、お買い得なものだと思います。特に、新たにリマスターされた『Mothership』の音は素晴らしい。程よい音の固さと音量、そして粒立ちの良さ。今までのリマスターとは一線を画するものです。ベースラインがはっきり聴きとれるようになり、ジョンジーのベース・テクニックは、かなり優れたものだということを再認識することができました。

そうそう、先ほど述べたように、デラックス盤についているライブDVDは、2003年に発売されたライブDVD2枚組の抜粋版なので、Zeppelinファン、マニアの方には基本的には必要無いでしょう(Zepのコンプリート・コレクターの方々にはマストとは思いますが・・・笑)。

そう言えば、キング・クリムゾンに「The Young Person's Guide to King Crimson」という2枚組のベスト盤があったなあ。今回の『Mothership』に、同様のコンセプトを感じる。う〜ん、やっぱり、ロバート・フィリップは、ジミー・ペイジに、良からぬ「入れ知恵」をしている様な気がするなあ(笑)。
 
 
 
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2007年11月26日 (月曜日)

「マザーシップ」発進〜!

今日も朝は冷えるが、日中は暖かな一日。だが、昨日より体調は優れず、仕事を休みたい位なんだが、どうしても外せない打ち合わせがあって、仕方なく会社へ行かなければならぬ。う〜ん、歳はとりたくないなあ。体調維持も簡単にはいかなくなってきた。

さて、今日の話題は「70年代ロック」。最近、レッド・ツェッペリンが脚光を浴びている。レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)は、11月26日、ロンドンのO2アリーナで、1回限りの「再結成」コンサートを開催すると発表。グループが契約していた米アトランティック・レコードの創設者で、2006年に死去したアーメット・アーティガン氏を追悼するため。ただ、ジミー・ペイジが指を骨折したため、12月10日まで延期となった。

ともあれ、この再結成の話題に合わせてか、レッド・ツェッペリン関連のリリースが続いている。まずは『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション』、あの伝説の映画「狂熱のライブ」がデジタルリマスター&5.1チャンネルサラウンドで、DVDリイシュー。続いて『永遠の詩(狂熱のライヴ) 〜 最強盤』、映画のサウンドトラックが、初リマスター&エクスパンド盤でCDリイシュー。そして、ジミー・ペイジ自らによる最新リマスター・ベスト盤CD『マザーシップ』がリリース。それぞれ、デラックス・エディションの設定もあったりして、レッド・ツェッペリンのファンにとっては「てんこ盛り」の状況である。

Led_zeppelin_mothership

レッド・ツェッペリンは、僕の大のお気に入り。高校時代はレッド・ツェッペリンの大ファン。等身大のポスターを天井に貼って、「ツェッペリンII」「ツェッペリンIV」は毎週1回は聴いていた。高校時代、僕が「ツェッペリンが好きだ」というと、皆、怪訝な顔をした。どうもキャラクターに合わないらしいのだが、好きなものはしょうがない(笑)。

よって、ツェッペリン関連のリイシューは、どうしても手が出る。好きなモノは仕方が無い。初めて、リマスター&リイシューされた、ベスト盤ボックスから始まり、スタジオ・レコーティング・アルバム全てを収録した『コンプリート・スタジオ・レコーディングス』。そして、紙ジャケット・リイシュー。DVDでは『永遠の詩(狂熱のライヴ)』、そして『Led Zeppelin DVD』。全て、手に入れてしまった。

今回はどうしようかと迷ったが、『永遠の詩(狂熱のライヴ) 〜 最強盤』、映画のサウンドトラックは、初リマスター&エクスパンド盤でCDリイシューなので、やはり欲しい。エクスバンド盤で、旧来のサウンドトラックより、収録曲が多い。オリジナル発売時に収録できなかった6曲が追加収録され、当時のセットリスト順でリリース、と言われれば手に入れざるを得ない。

そして、ベスト盤CD『マザーシップ』(写真左)。これはいいだろう、と思ったんだが、改めて、ジミー・ペイジの手で再度リマスターされたベスト盤とかで、「再度リマスターされた」というところが、どうしても諦められず、やっぱり手に入れてしまった。

さすがに、伝説の映画「狂熱のライブ」デジタル・リマスター&5.1チャンネル・サラウンドのDVDリイシューについては、ライブの部分の映像は良いんだが、もともとの映画自体の作りが面白くないので、泣く泣く、手に入れるのを止めた(笑)。

今日の通勤音楽は、早速、最新リマスター・ベスト盤CD『マザーシップ』を聴いて、会社を往き帰り。やぱり、ええなあ、ツェッペリンは。これだけ、再発リイシューが続くと、ジミー・ペイジになんとなく、やられているような感じがするが、まあ、最新リマスター・ベスト盤CDの出来が良いので、許してしまう。ファンというものは悲しいものである(笑)。
 
 
 
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2007年11月25日 (日曜日)

初心者向けと笑うことなかれ

今日は暖かな一日。それでも、体調が昨日より優れず、なんとなく体が怠くて、やたらに眠くていけない。昼ご飯を食べてからの睡魔なぞ、気分が悪くなるくらいの眠気。それでも、午後2時から整体を予約していたので、行かねばならぬ。思い切って、往復1時間歩いたら、ちょっと体調が回復。

昨日、ステレオのセッティングをいじって、ちょいと音が向上したので、CDを聴きたくて仕方がない。ちょっと体調が回復したついでに、CD鑑賞の3時間と相成った(苦笑)。

1ヶ月くらい前、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」の、とある常連さんのブログを拝見していたところ、ケニー・ドリューの「ララバイ」について書かれていて、おお、そうそう、ケニー・ドリューの一連の「癒しのジャズ」シリーズに、久しぶりに手が伸びた。

今日、聴いたのは、ケニー・ドリューの「癒しのジャズ」シリーズの記念すべき第一弾「バイ・リクエスト」(写真左)である。1985年録音の大ヒットアルバムである。「バイ・リクエスト」と銘打っているだけあって、収録されている曲は、超スタンダードばかり。

Kenny_drew_by_request

ケニー・ドリュー、1928年生まれ〜1993年没。彼は、80年代から90年代前半にかけて、女性も含めて、新しいジャズファンをターゲットにした、いわゆる企画もののジャズアルバムをを数多くリリースし、ジャズアルバムとしては大ヒットを記録しました。

企画もの故、硬派のジャズ・ファンからは、かなりの反発がありましたが、今の耳で聴くと、どれも、なかなかの演奏内容です。そりゃあそうで、ケニー・ドリューといえば、生粋のハード・バッパー。

もともとのルーツは「バップ・ピアニスト」ですから、その演奏は、ポッと出のピアニストとは違いますよね。一聴すると耳当たりの良い感じですが、聴き進めるにつれ、その端正なタッチの奥に、黒く粘ったタッチ、重心の低い左手、転がるような早弾きが見事な右手。ジャズ・ピアノのスタイルの一つがここにあります。

どの曲も良い演奏です。1980年代の録音なので、ベースの音が、電気増幅されたようにブヨンブヨンと響きますが、ニールス・ペデルセンのベースについては、ピッチはしっかりしていますし、カッチリとしたタイトな音なので、あまり気になりません。逆に、ドラムの音は良い感じです。さすがは、職人エド・シグペン。良いドラミングです。

ジャケットも、当時の世相を反映して「女性をモデルに水彩画のような明るいジャケット」で、当時は若干違和感がありましたが、80年代から90年代前半にかけて「企画もの」としてシリーズ物となった今や、そのシリーズの個性として無くてはならないジャケット・デザインになりました。

休日の午後、本など読みながら、聴くには格好のアルバムです。内容もしっかりしていますし、再評価にたる「企画もの」シリーズだと思います。
 
 
 
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2007年11月24日 (土曜日)

ジャズ中級者向けの「E.S.P.」

朝晩は冷え込むが、日中は暖かい一日。しかし、今年は一気に冬がやってきた。残暑は長く、冬は一気にやってきて、今年は秋を愛でる日が少なかったように思う。

ちょっと風邪気味で、昨晩は早々に寝て、今朝はグッスリ寝た。朝は7時に目が覚めたのだが、今朝はしっかりと2度寝が出来た。午前中は車で買い物に出て、午後は暖かいうちに、干潟にウォーキング。夕方は、テレビの英会話番組の録画で少しばかり勉強。

合間合間にジャズを聴いたりして、ノンビリした一日。このところ、アコースティック・マイルスを聴き直していて、改めて、感心することしきり。今回、またまた改めて感心したのが、マイルス・デイビスの「E.S.P.」(写真左)。

ウェイン・ショーターがマイルスの傘下に入って、初めてのスタジオ録音のアルバムである。ウェインが参入する前に、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウイリアムス(ds)のリズム・セクションは、マイルスの下、完全に新しいジャズの世界に突入しており、テナーは、ジョージ・コールマンではあったが、旧来のスタンダード中心のライブ録音が中心に、それはそれは「新しいジャズ」を感じさせる演奏を繰り広げていた。

Miles_esp

しかし、ウェインが参入してからは、そのグレードが違う。全てメンバーのオリジナル曲、演奏内容は、モード奏法をベースとした、限りなくフリーに近い演奏が特徴的。完全な、アブストラクトなフリーインプロビゼーションでは無い、最低限の演奏上の秩序を守りつつ、後はドバーッと自由な演奏を繰り広げる。

現在のジャズ・シーンの中で、この「E.S.P.」と同等のレベルの演奏ができるミュージシャンがどれだけいるのか。というか、いないんじゃないか。常日頃は「ジャズは進化しているのか」と問われると、「進化している」と答えるのですが、この「E.S.P.」を聴くと、その自信が揺らぐ。それほど、高度で進化したジャズがこのアルバムの中に詰まっています。

このマイルスの「E.S.P.」というアルバムは、決して初心者向けのアルバムではありません。ジャズの歴史、ジャズの奏法、ジャズの理論などの座学系の勉強も少しづつしながら、ジャズを聴き込んできた、ジャズ中級者向けのアルバムです。

少なくとも、モード奏法って何、ということが、最低、体験的に判っていないと、何が優れているか判らないアルバムです。スタンダード中心のハード・バップを聴き慣れた耳には、なんだか、ユルユルでスカスカの、ちょっといいかげんな演奏に聴こえるのではないでしょうか。まあ、それがモードであり、それが「間を大切にする」当時のマイルス・ミュージックの特徴なんですが。

ちょっと難しいアルバムではありますが、ジャケットもなんだか爽やかで、ジャズの当時の新しい息吹を感じさせます。マイルスもバリバリに吹き倒していて、適度なテンションも心地良く、ジャズ最先端の演奏がここに記録されています。

しかし、この「E.S.P.」を聴くと、ジャズについても、少しは座学系の勉強も必要だなあ、って感じます。そして、モードって、まずは演奏技術が問われる奏法なんですよね〜。ジャズを聴く側も、出来たら、楽器の演奏経験があれば、もっと理解が深まるアルバムだと思います。
 
 
 
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2007年11月23日 (金曜日)

マイルスの「定盤中の定盤」

昨晩からグッと冷え込んで、今朝は風もあって寒い朝。とにかく風が止まない限りは外に出ても寒いだけなので、今日は一日家に「引きこもり」することにする。

しかし、金曜日の休みってええなあ。普通の週なら出勤のところを、何の気兼ねもせず、ゆっくりと朝寝を楽しむことができるって、う〜ん実に良い。朝は8時までグッスリ寝た。そうそう、新アンプの購入に備えて、今日はステレオのアンプ類の配置を換えて、スピーカーのセッティングを見直すんやった。

朝11時くらいから、ゴソゴソ始めて、昼食を挟んで、午後2時位まで、汗をかきながらのアンプ等の再配置。そして、スピーカーのセッティングの見直しを終えて、試しの音出し。うんうん、低音の締まりが少し良くなった。全体的に音がすっきりしたような感じもする。汗かいて頑張った甲斐があったというものだ。

さて、ステレオの音が少し良くなったこともあって、午後は、メールの整理とネットサーフィンしながらのジャズ鑑賞。何枚か聴いたんだが、「う〜ん、やっぱりこれは、マイルスの定盤中の定盤やねえ〜」と改めて感心したのが、マイルス・デイビスの「Round About Midnight」(写真左)。

Miles_round_midnight

ジャケット写真がなかなか渋い。特にLPサイズだと迫力満点。見るからに、いかにも「ジャズ」って感じである。思索にふけるマイルス。渋い。赤と黒の2色で表すその雰囲気は、その中身の内容を保証してくれる。

1曲目の「'Round Midnight」が名演中の名演。冒頭のマイルスの繊細でリリカルなミュート・ソロが格好良い。「卵の殻の上を歩くような」と形容された彼のミュート・トランペット。繊細でいて力強く表現力豊か。そして、一時訪れる「静寂」。その「静寂」を打ち破るファンファーレの様な合奏。そして、先頭を切ってコルトレーンのテナー・ソロがなだれ込んでくる。

この1曲目の「'Round Midnight」については、様々なジャズ解説書で、あらゆるマイルス本で、その素晴らしさについて語られており、いまさら僕が改めて語る必要も無い位の「名演中の名演」なのだが、今日、久しぶりに聴いて、改めて感心、感動した次第。

以降、「Ah-Leu-Cha」「All of You」と続き、次なるハイライトは「Bye Bye Blackbird」。マイルスのトランペットも良く鳴っていて、他のメンバーも元気溌剌、絶好調で、必殺のフレーズを出しまくる。ここに、ハード・バップの最高峰の演奏のひとつが記録されている。最新のリマスター・リイシューのCDは、ボーナス・トラックが4曲も追加されていて、この追加曲も良い出来だと思います。

「良いものは良い」。ジャズ定盤と呼ばれるアルバムはやはり良いですね。やっぱり、避けて通ることはできません。ジャズ鑑賞にとって、常識・定石の類ですね。
 
 
 
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2007年11月22日 (木曜日)

『Mr.335 Live In Japan』である

常日頃から、リイシューのアルバムを定期的にチェックしているのだが、時々、「へえっ〜、こんなアルバムがリイシューされるのか〜」と、思わず感嘆の声を上げてしまうようなリイシューに出くわすことがある。

今回「へえっ〜そう言えば、あったなあ〜このアルバム」と感心したリイシューは、ラリー・カールトン(Larry Carlton)の『Mr.335 Live In Japan』(写真左)。ラリー・カールトンの代表作、フュージョン名盤の一枚『夜の彷徨』が発表された「1978年」。その年、実にタイミング良く来日したラリー・カールトンの、11月1日、郵便貯金ホールにて収録されたライブ・アルバムである。

最近のリイシューに似合わず、ボーナス・トラックは無し。リマスターのみで、2,730円はちょっと高いかなあ、と思ったんだが、なんせ、1978年、フュージョン・ブームまっただ中、僕もフュージョンどっぷりの音楽ライフを送っていた頃の、ラリー・カールトンの来日公演のライブ音源である。ついつい買ってしまいました(笑)。
 

Mr335_live

 
冒頭の1曲目「I'm A Fool」、なんとなく「イケていない」ボーカルにズッコけ、次の曲以降の展開に不安を感じるが、どうしてどうして、ラリー・カールトン本人のギターは絶好調である。2曲目以降は、イケイケで、カールトンは弾きまくり、飛ばしまくり、である。

4曲目「I'm Home」のバラード・プレイ、5曲目「Rio Samba」のファンキーなノリノリ・プレイ、絶好調のカールトンの素晴らしいプレイと、ギブソンES-335の独特な音色が堪能できる。名盤『夜の彷徨』からの「Point It Up」や「(It Was) Only Yesterday」も実に良いプレイで、これぞフュージョン、古き良きフュージョン時代の名曲名演を実感することができる。

アルバムタイトルに「Mr.335」と銘打ってる割には、アルバム『夜の彷徨』収録されている代表曲である「Room 335」が入っていないのが「玉に瑕」ですがね(笑)。

1978年、ちょいとお洒落なギター小僧は、こぞって、リー・リトナーかラリー・カールトンをコピーしていた時代である。この『Mr.335 Live In Japan』を聴くと、その理由が良く判る。確かに、このライブ・アルバムでのラリー・カールトンは、なんともはや「格好良い」のである。
 
 
 
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2007年11月21日 (水曜日)

電光石火の弾きまくり〜!

今朝は、昨日、一昨日の朝に比べると、幾分、寒さは和らいだかなと思われる朝の空気。マンションのベランダからは、雪をかぶった富士山がクッキリと見える。冬の朝の楽しみと言えば、この南西に富士山、北に筑波山、空気が澄んでいる晴れた朝の北西に、遠く雪をいただいた男体山という風景。でも、寒いのは苦手。冬眠したいくらい。

さて、最近、本業のほうで、頭をとことん使う仕事が続いていて、精神的に疲弊している。体はまあまあ元気なんで、心配はいらないとは思うが、仕事が終わって帰宅の途に着く時、脳がヘトヘトになっているのが良く判る。

そんな時は、スカッとするジャズが良い。スカッとしたい時は、僕の場合、マイルス・デイヴィスかバド・パウエルである。今日は、バド・パウエルを選択。バド・パウエルの「The Genius of Bud Powell」(写真左)。

Bud_ginius

このアルバムでのバド・パウエルは「電光石火の弾きまくり」である。冒頭の「Tea for Two」三連発。バドの冒頭三連発で有名なのは、ブルーノート1503番「The Amazing Bud Powell, Vol. 1」の冒頭の「Un Poco Loco」三連発。その「Un Poco Loco」三連発に負けず劣らずの、「Tea for Two」三連発。感心するのは、3テイクとも、同じ電光石火の早弾きでありながら、表現、ニュアンス、イメージが異なること。これこそ、天才のなせる技。

その後、「Hallelujah」「Parisian Thoroughfare」と続く。秀作と称えられるオリジナル曲。胸がすくような、鬼気迫る電光石火の弾きまくり。ガンガンに弾き進めていく。バラード演奏も「硬派の弾きまくり」。耽美的やリリカルという表現など、全く無縁な、力強い、それでいて美しい演奏。見事なメロディー、印象的なラインを猛スピードで弾き継いでいく才能。うむむ、スカッとするぞ。

このアルバムでは、バックのドラムもベースも全く霞む。霞むどころか、ベースもドラムも必要ない、バドの疾走感、爽快感抜群のピアノ・ソロが繰り広げられていく。さすが、ジャズ・ピアノの最高峰のひとつ。天才の音である。

パウエルのキャリアの初期(1950-51年)に行なわれた2回のセッション。パウエルのピークは1940年代後半と言われている。統合失調症に悩まされ始めていた頃、そんな逆風の中、体調が優れない中、突如輝きを取り戻したような、明るく輝くような「電光石火な引きまくり」。アルバム・タイトルの「The Genius of Bud Powell」がピッタリ。実に内容にあったアルバム・タイトル。

今日の通勤帰り、バドの「The Genius of Bud Powell」を聴いて、スカッと爽快感。脳の疲れとストレスも吹き飛んで、清々しい気分になる。たまには「電光石火の弾きまくり」のジャズ・ピアノも良いものだ、と改めて思った。
 
 
 
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2007年11月20日 (火曜日)

注目!「モンタレーのガレスピー」

寒い、寒いぞ。昨日の朝など、ビュービュー吹き付ける北風で、新聞を取りに出た背中が、いきなり凍える。千葉県北西部地方で、この寒さでっせ。北海道、東北は当然、雪、雪、雪。

個人的に心配なのは青森。3年前から一昨年にかけて、仕事で青森を訪れることが多かった。最近、大雨でかなりの被害を受けた上に、今年は早い冬、早い雪。被害を受けた地方の皆様、お見舞い申し上げます。頑張って下さい。

さて、今日の通勤音楽は、ディジー・ガレスピー(Dizzy gillespie)の「Live at the 1965 Monterey Jazz Festival」(写真左)。メンバーは、リーダーのDizzy Gillespie(tp,vo)を筆頭に、James Moody(ts,fl)、Kenny Barron(p)、 Chrisopher White(b)、 Rudy Collins(ds)、 Big Black(conga)。米国西海岸の恒例フェスティバル「Monterey Jazz Festival」が、50周年を迎えたことを記念して、同フェスとコンコード社の提携による新レーベル『Monterey Jazz Festival Records』からのリリース物の第3弾。

ディジー・ガレスピーは、1917年生まれ、トランペット奏者。サックスのチャーリー・パーカーと共に、「ビ・バップ」の創始者の一人。ベルが斜め上に突き出たトランペットを、頬をいっぱいにふくらませ、ハイ・トーンで豪快、そして、ジャズ史上、指折りのハイ・テクニックな演奏スタイル(写真右)は大いに個性的。ジャズ・ジャイアントの一人である。

Dizzy_live_at_the_1965_monterey

ディジー・ガレスピーは、彼の偉大な音楽的業績・成果を振り返ると、日本での評価、人気は、少々、低いように思える。お祭り好きなキャラ、派手な演奏スタイル、あっけらかんとした、陰の無いキャラクターが、日本人好みではないのかも知れない。しかし、彼はそんな低い評価に甘んじるようなミュージシャンではない。

この「Live at the 1965 Monterey Jazz Festival」を聴いても、彼の凄さが良く判る。コンガを加えた6人編成。イントロダクションに続いてモーダルなピアノ。当時の新しいジャズの雰囲気が感じられる。そして、煽るようなドラムそしてコンガ。ジャズの熱気が迫ってくる。ラテンのリズムと4ビートの交換。その演奏内容は、決して古くない。今のジャズにも通用する、先進的なジャズの音である。うむむむ、改めて感心したぞ。

クロスオーバーの先駆け、ファンキー・ジャズの発展形。その中を各人が熱いソロを取っていく。ジャズ・ライブの醍醐味が十分楽しめる、なかなかのライブ盤である。音質は若干悪く、フロントの演奏が奥に引っ込んでいる感じだが、逆にリズム・セクションが良く聴こえる。ドラムとコンガが前に出ている分、ラテンのリズムと4ビートの交換が強調されて、逆に良い雰囲気ではある。

ディジー・ガレスピーが、MCで客を笑わせている様子が5分近く収録されていたり、アンコールでの11分近くあるコンガ・ソロが収録されていたりで、「冗長である、編集すべきである」という声もあるが、編集されていない分、ライブ全体の雰囲気が追体験できるようで、私は良い感じだと思います。

今回、このライブ盤を聴くにつけ、ディジー・ガレスピーは、日本で、もっと評価されるべきミュージシャンだと思います。
 
 
 
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2007年11月19日 (月曜日)

「ジャズの小径」11月号更新です

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」の名物コーナー「ジャズの小径」、このコーナーの11月号をアップしました。1999年4月以降、毎月一回の更新ですが、今月で104回目。今月の特集は「ニューヨークの秋」。
 
秋になれば思い出す。8年前の10月下旬、東京〜サンフランシスコ〜サンノゼ〜ボストン〜ニューヨーク〜東京、という、今から思えば、過酷な海外出張をしたことがある。その時、立ち寄ったニューヨークは「秋たけなわ」。早朝のセントラル・パークを散歩したのであるが、セントラル・バークは見事なまでの紅葉で、金糸銀糸、紅錦の美しさ。空気はひんやりと心地良く、ニューヨークのど真ん中に位置しながら「静かなこと」この上なし。

Nyc_autumn

そんな感動的な「ニューヨークの秋」を経験した時、ふと、思い出したのが、ジャズ・スタンダードの「ニューヨークの秋」。今月の『ジャズの小径』は、このニューヨークを題材にした、ジャズ・スタンダード「ニューヨークの秋」の、私のお気に入りの演奏を幾つかを紹介しています。

ご紹介しているのは、モダン・ジャズ・カルテットの「ジャンゴ」から、次は、アル・ヘイグの「アル・ヘイグ・トリオ」から、そして、ジョージ・ラッセルの「ニューヨーク・NY」から、それぞれの「ニューヨークの秋」をご紹介しています。内容的には、当ブログ、10月11日分の、『素晴らしきは「ニューヨークの秋」』からの転載に、加筆修正をかけたものです。ジョージ・ラッセルは初出ですので、お楽しみに。

それでは、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」でお会いしましょう。お待ちしております m(_ _)m。



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2007年11月18日 (日曜日)

「小春日和」とは今日のこと...

良い日でしたね〜。今日の千葉県北西部地方は、朝から快晴。風も僅か。午前9時位から気温も上がり始めて、東京の今日の最高気温は、19.4度。昨日と比べて5度も高い。

今日は、嫁はんは、会社時代の友だちと会って昼ご飯を食べる、とかで朝からお出かけ。僕の方はとりたてて用事もないので、午前中は近くの干潟までの往復、約2時間のウォーキング。

  Yatsu_20071118_2

近くの干潟は、そろそろ渡り鳥が渡ってきていて、バードウォッチャーが大勢出ていた。今日は満潮にさしかかる時間帯だったみたいで、どんどん海水が入ってきていて、広い湖状態になっていた(写真参照)。

ウォーキングに出て、干潟一周する頃には、ポカポカ暖かくなって、ちょっと汗ばむ陽気に。う〜ん、「小春日和」とは今日のような日和のことですね。風も心地良くて、昨日の寒さが嘘のよう。

午前中は「干潟ウォーキング」。午後からは、ホームページ更新の準備作業をしながら、東京女子マラソンを観戦したり、続いて、Jリーグの「浦和対清水」の試合を観戦したりして、音楽を聴くことも無く、ボカボカの西日を浴びて、ノ〜ンビリ過ごす。今日みたいな日があっても良いなあ〜、と思いました。
 
 
 
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2007年11月17日 (土曜日)

「LENNON」ベスト盤ボックス

今朝、テレビの天気予報では「今日の東京は、良い天気で、行楽日和になるでしょう」と言っていたが、全くの「ハズレ」。日中は、寒々と曇り、東京の今日の最高気温は12.6度。当然、ここ千葉県北西部地方も「寒い一日」。

これだけ天気予報が外れる様になると、日頃の生活にも支障をきたす様になる。今日など「良い天気で行楽日和」の言葉を信じて、薄着で出かけたら、風邪をひいてしまう。確かに、正確で高度な気象情報は「有料」の世の中になった。でも、これだけ天気予報が外れると、自己防衛も考えざるを得ないよな〜。

さて、このところ、ロック系では、ジョン・レノンがマイ・ブームである。ジョンの命日を常に意識している訳ではないんだが、潜在意識として、何となく感じ取るみたいなのだ。毎年、命日が近づく、この11月の頃になると、無性にジョン・レノンが聴きたくなる。

ジョンを聴き始めると、アルバム・コレクターの血がうずいて、基本コレクションを完結したくなる。ジョンの場合、初期の頃のヨーコとの数枚のアルバムはコレクションするつもりは全くないので、僕のジョンのアルバム・コレクションは、「ライブ・イン・トロント」からになる。そして「ダブル・ファンタジー」までが、僕にとっての基本コレクションの対象。

未発表音源集については、今回、廃盤になりかけている兆しの「ジョン・レノン・アンソロジー」と「メンローヴ・アヴェニュー」を手に入れた。基本コレクションの中、未発表音源集で微妙な位置づけにあるのが「ミルク・アンド・ハニー」。これって、未発表音源なんだけど、ヨーコの未発表音源まで入っている。
 

Lennon_box

 
僕は正直に申し上げると、ヨーコの音楽が好きではない。高校時代から、全く生理的に受け付けないのだ。だから「ダブル・ファンタジー」(写真右)の時には困った。ジョンとヨーコの曲が、ほぼ交互に入っているのだ。LP時代だったから、聴くのに困った。カセットテープに、ジョンの曲だけを編集して、そのカセットテープだけを聴いていた。

しかし、最近、ジョン関係の書籍を読み直していて、とある事実に気がついた。1990年にジョンの生誕50周年(没後10周年)を記念して、「LENNON」というベスト盤4枚組ボックス(写真左)が出た。当然、このボックスは所有しているが、このベスト盤ボックス、実は、僕にとって大変優れた編集がなされているのだ。つまり、ジョン・レノンのベスト盤なので、ジョンの曲しか入っていない。つまり、ヨーコの曲は入っていない。

しかも、である。ベスト盤としての選曲がかなりイージーなベスト盤で、「ダブル・ファンタジー」のジョンの曲が全て入っている(LP時代のジョンの曲全て。後にCDリイシュー時のボートラは除く)。つまり、「ダブル・ファンタジー」に正式収録さてたジョンの曲が、全てを通して聴けるのだ。「ミルク・アンド・ハニー」についてもそうである。ジョンの曲は、この「LENNON」というベスト盤4枚組ボックスに収録されている(「ダブル・ファンタジー」と同じく、LP時代のジョンの曲全て。CDリイシュー時のボートラは除く)。

つまりは、ジョンの曲とヨーコの曲が混在していて、ジョンの曲だけを聴くのに困った「ダブル・ファンタジー」と「ミルク・アンド・ハニー」の難点が、この「LENNON」というベスト盤4枚組ボックスで克服されているのだ。その事実に気づいて、心から「へぇ〜知らんかった」(いやはや面目無い...Aisumasen)。

そして、この「LENNON」のもうひとつの所有価値は、1974年11月28日、マディソン・スクウェア・ガーデンで実現したエルトン・ジョンとの共演ライブ3曲、「Whatever Gets You Thru The Night」「Lucy In The Sky With Diamonds」「I Saw Her Standing There」の存在である。これも、レノンの歴史を彩る伝説のライブなので、この音源は貴重である。

う〜ん、我ながら、よくぞ、この「LENNON」というベスト盤4枚組ボックスを手に入れていたもんだ。このベスト盤ボックス、現在廃盤で、恐らく、再発される可能性が極めて少ない。購入当時は「イージーな選曲やのう」と思っただけで気にもとめなかったが、この「イージーな選曲」が、僕にとって「吉」。

いやはや、こんな事があるから、アルバムのコレクションは止められない。今回は「瓢箪から駒」でした。
 
 
 
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2007年11月16日 (金曜日)

やさしい「モンタレーのモンク」

あ〜っ、疲れた。今週は疲れだぞ。仕事で頭を使うことが多く、頭が疲れた。頭の中に綿が詰まったような感じ。さあ、明日明後日は休み。ゆっくりジャズやロックを聴いて、頭の疲れをほぐそうではないか。

さて、今日の通勤音楽は、Thelonious Monk(セロニアス・モンク)の「Monterey Jazz Festival Live 1964」。米国西海岸の恒例フェスティバル「Monterey Jazz Festival」が、50周年を迎えたことを記念して、同フェスとコンコード社の提携による新レーベル『Monterey Jazz Festival Records』からのリリース物の第2弾である。

セロニアス・モンクと言えば、1917年生まれ。その孤高の音楽性がゆえ、また、モンク(Monk)をもじって「ジャズの高僧」と呼ばれる。伝説のジャズ・ジャイアントの一人。
 
従来の音楽的常識では考えられないリズムや音階を駆使した、その個性的なピアノ、言い換えれば、モンクのピアノは、西洋音楽の影響を全く感じさせない、西洋音楽とは対極にあるハーモニー感覚とタイム感覚が特徴。

とにかく不思議というか、最初聴いたら拒絶反応を起こしてしまうというか、西洋音楽のハーモニー感覚とタイム感覚に慣れ親しんだ耳には、かなり驚愕のピアノである(笑)。といって、フリーな演奏とは違う。しっかりとジャズのフォーマットに則ったものである。
 

Monk_monterey

 
僕も、最初耳にした時は「難解だな〜、良く判らね〜」と思ったんだが、長年、ジャズを聴き続けて来て、ある日を境にモンクのピアノが苦にならなくなった。というか、クセになって、たまに聴かないと駄目な耳になってしまった(笑)。どうも、モンクのピアノには、ジャズの本質的な何かが備わっていると思われる。ジャズに親しむにつれ、モンクのピアノが楽しくなるみたいなのだ。

さて、そのモンクの「Monterey Jazz Festival Live 1964」に話を戻そう。メンバーは、Thelonious Monk(p),Charlie Rose(as),Steve Swallow(b),Ben Riley(ds)のカルテットが中心。収録曲は「Blue Monk」「Evidence」「Bright Mississippi」「Rhythm-A-Nihg」「Think Of One」「Straight, No Chaser」と、これまたヒットパレード的な有名曲がズラリと並ぶ。音質もまずまずで十分鑑賞に耐える音質。

1960年代に入って、モンクのピアノは聴き易くなった。1940年代後半から1950年代のモンクのピアノは尖りまくっていたのだが、1960年代に入って、なぜだか判らないが、優しくなって、聴き易くなった。この「Monterey Jazz Festival Live 1964」も、聴きやすいモンクが実に良い。聴きやすいと言って、モンクらしさが薄れている訳では無い。ライブ録音なので、適度にテンションも高く、十分モンクらしさも出しながらも、親しみやすい演奏になっている。

モンクのアルバム(特に1950年代)は、構えて聴かなければならない、テンションの高い、尖った演奏が多いが、このアルバムは聴き易いが故、「ながら聴き」ができるモンクとして重宝している。また、その聴き易さ故、ジャズ初心者の方が、モンクのライブを経験するには、まあ言うなれば、モンクの入門盤の一枚としてお勧めできる、良いアルバムだと思います。

しかし、モンクのピアノはクセになる。従来の音楽的常識では考えられないリズムや音階、これが、臭みのあるチーズの様にクセになる。一気に沢山聴くと、ちょっと耳にもたれるんですけどね〜。どうも、時々、聴かないと駄目な耳になってしまったようである(笑)。
 
 
 
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2007年11月15日 (木曜日)

良いぞ「モンタレーのマイルス」

ジャズの世界には、「まだ、こんなものがあったんですか〜」っていう音源が残っていることがよくある。どうして今まで、正式にリリースされなかったんだろう、と思うものが沢山ある。

今回、米国西海岸の恒例フェスティバル「Monterey Jazz Festival」が、50周年を迎えたことを記念して、同フェスとコンコード社の提携による新レーベル『Monterey Jazz Festival Records』を発足。貴重な未発表ライブ音源がCD化されることとなった。これは期待できるシリーズである。

今日は、そのシリーズの中で、今年の8月の発売された、マイルス・デイヴィスの「Live At The 1963 Monterey Jazz Festival」(写真左)を聴きながらの通勤の往き帰り。

メンバーは、Miles Davis(tp), George Coleman(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)。「マイ・ファニー・バレンタイン」「フォアー・アンド・モア」という傑作ライブ・アルバムを生み出した「マイルス・クインテット」による未発表ライブ音源である。確か、このメンバーによるクインテットの西海岸お披露目となったライブだと記憶している。

この「Live At The 1963 Monterey Jazz Festival」であるが、これこそ「なんでこんな音源が、正式にリリースされずに残っていたのか」と不思議に思うほど、素晴らしい内容である。しかも、音質が良い。冒頭の「ウェイティング・フォー・マイルス」の存在が粋である。マイルスがステージに現れるまでのステージの雰囲気が実に良い。何気にトニーがドラムのチューニングをバラバラッとやって、アナウンスが入る。う〜ん、良い雰囲気だ。

Miles_monterey

そして、マイルス登場。パラパラパラパラッ、とミュートのかかったトランペットを吹き上げて、「枯葉」のテーマにいきなり入っていく。ヒェ〜っ、格好ええぞ。格好ええぞ、マイルス。この「枯葉」の演奏、シンプルなアレンジといい、マイルスの奔放なブロウといい、バックの先進的な演奏といい、歴代の「枯葉」の演奏の中でも屈指の名演だ、と僕は思う。

バックの演奏も素晴らしい。まず、一番に感心したのが、トニー・ウイリアムスのドラム。後にも先にも、こんなジャズ・ドラミングを聴いたことが無い。自由奔放、切れ味抜群、臨機応変なドラム。素晴らしい。

そして、ハービー・ハンコックのピアノ。ビル・エバンスの様に弾いているのだが、ビル・エバンスのコピーではない。ビル・エバンスにファンキーな味わいを加えて、モードとコードを縦横無尽に行き来する弾力と爽快感のあるピアノ。

ジョージ・コールマンのテナーは健闘している。コルトレーンの様に吹いては意味がないのだが、どうしてもコルトレーンの様に吹いてしまうのはご愛敬。もともとが、マイルスの要求するレベルが高すぎるのだ。よくよく聴いてみると、コールマンは健闘している。当時のテナーとしては先進的な響きがする。

ロン・カーターのベースも納得の演奏。このアルバムのロンのベースを聴いてみると、マイルスが、トニーが、ハービーが、ロンのベースを重用したかが良く判る。モードとコードを柔軟に弾き分け、決して、旧来のウォーキング・ベースには戻らない。実にクールなベースである。ピッチが狂っているのはいつものこと。それを割り引いても余りある、この頃のロンのベースである。しかしながら、ボウイングはいただけない。切れないノコギリの様に、ギコギコやっている様は大減点。

「枯葉」に続き、「ソー・ホワット」「星影のステラ」「ウォーキン」とヒットパレードの様に、有名曲が並ぶ。どの曲もマイルスは絶好調。自由闊達かつ繊細、硬軟自在、縦横無尽な、驚異的なブロウを聴かせる。このマイルスのブロウを聴けば、マイルスのトランペットは、歴代随一の演奏能力の持ち主であることが判る。ウイントン・マルサリスも真っ青である。

良いライブです。「どうして今まで、正式にリリースされなかったんだろう」と不思議で不思議でたまりません(笑)。
 
 
 
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2007年11月14日 (水曜日)

ああ、懐かしき「ロック・ショウ」

このところ、ビートルズづいている。そもそもが、「ジョン・レノン・アンソロジー」の日本仕様ボックス盤が廃盤状態になりつつあり、「これはいかん」と急遽購入したことに始まったのだが、この「ジョン・レノン・アンソロジー」を手に入れて、ほっとした途端、今度は、amazonからDVDが送られてきた。

DVDが送られてくること自体、思い当たることが無く、「何だろう」と思って、箱を開けてみたら、なんと、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の「ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005」(写真左)だった。おお、そう言えば、かなり前に予約したんだった。

この「ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005」は、ビートルズ解散後のポール・マッカートニーを網羅したDVD3枚組。数々のヒット曲を収録したクリップ集に加え、76年のウイングスを率いての全米公演や、2004年のグラストンベリー公演など、貴重なライブ映像が収録されている、お宝的DVDである。
 

Paul_the_years

 
特に、DVD3枚目のライブ集には、感動しまくり。特に、懐かしさで一杯になったのが、76年のウイングス全米公演の模様を映画にした「ロック・ショウ」。いや〜、良いですねえ。出だしの「ヴィーナス・アンド・マース」から「ロック・ショウ」そして「ジェット」につながるメドレーは鳥肌モノ。

この頃のウイングスが一番格好良かったなあ。今回のDVDは音が良い。画像はデジタル修復されていないのだが、音が良い。「ロック・ショウ」からの7曲は興奮しまくりですぞ。「あの娘におせっかい」が流れた時には、もう至福のひとときである。

プロモーション・フィルム(フィルムですぞ...笑)、ビデオ・クリップも懐かしく、ポールのキャリアを網羅した本格的なコレクションとして、大満足なDVDです。後は、「ロック・ショウ完全版」のDVDの発売を待つだけだな。「完全版」リリースの折には、画像もデジタル修復して、綺麗な画像、綺麗な音でリリースして欲しい。「ロック・ショウ完全版」を見たら、感動して、懐かしくて、きっと泣けてくるだろうな。

「ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005」、懐かしい映像が次々と登場し、ファンには至福の375分です。
 
 
 
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2007年11月13日 (火曜日)

酔いどれロックンロール・バンド

頭の中に綿が詰まった様だ。頭が忙しい。とにかく、ややこしい仕事を抱えていて、頭がフル回転。夕方も6時を過ぎると頭がヘトヘトである。

頭がヘトヘトな時は、シンプルな音楽が良い。ヘトヘトになった頭を解きほぐしてくれる音楽は、ロックが良い。それも、感動もの、劇的なものは疲れる。シンプルな、ノリの良いものが良い。と、考えながら、iPodのダイヤルをグリグリしていたら、「おお、これじゃ〜」。フェイセズである。

フェイセズと言えば、1970年代前半、スティーヴ・マリオットがハンブル・パイを結成するためスモール・フェイセズから脱退し、残されたロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズの三人にジェフ・ベック・グループからロッド・スチュアート、ロン・ウッドが加わり結成されたバンドである。

その特徴は、ロックンロール・バンドであるということ。当時、ブリティッシュ・ロックの中で、ギター中心のバンドといえば、そのトレンドは「ブルース・ロック」、若しくは「スワンプ・ロック」。

Faces_2

しかし、このフェイセズは、そんな流行など全く気にせず、ロックンロールあるのみ。ラフなロックンロールあり、スピード感溢れるロックンロールあり、ファンキーなロックンロールあり、飲んだくれのようなダルなロックンロールあり。バラエティー豊かなロックンロールのオンパレード。

今日より聴き始めたのは、そんなフェイセズの4枚組ボックス盤「Five Guys Walk into a Bar... 」。「5人の男がバーに入って行く...」とは、「飲んだくれバンド」と異名を取ったフェイセズとしては、言い得て妙ではないか。67曲中31曲が未発表で音質もまずまず良好。

ブリティッシュ・ロックの中で異彩を放ったフェイセズのロックンロールが堪能できます。キャッチャーな曲に恵まれなかったので、メジャーになれなかったのですが、どうしてどうして、どの曲も個性溢れる、小粋で渋いロックンロールが楽しめます。

素敵なラフさ、小粋なダルさ、ハッピーなノリが、実に格好良い。疲れた頭が解きほぐれて、ストレスから解放されて、心はリラックス。う〜ん、疲れた頭にはこれやね〜。特効薬のようなフェイセズのボックス盤である(笑)。
 
 
 
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2007年11月12日 (月曜日)

ラプソディー・イン・ブルー

昨晩は意外にも雨が激しくなり、夜半過ぎまで、音をたてて降り続いていたが、今朝は、うって変わって快晴。清々しい朝である。今日は久しぶりに「平日休み」。暖かな朝日の中、惰眠をむさぼる。

立冬過ぎて、ちょっと寒くなってきましたので、ブログのデザインを昼間の喫茶の部の雰囲気に模様替えしました。来年、春になって暖かくなるまでは、暫く、バーチャル音楽喫茶『松和』のブログは、昼間の喫茶の部の雰囲気でいきたいと思います。なんとなく暖かい感じでしょ?

さて、昨日は、中高校生のクラシック演奏会にお呼ばれして、久しぶりに生のオーケストラを聴かせて貰った。僕も、中学時代はブラスバンドでアルトサックスを吹き、高校時代は、いろいろパーカッションのお手伝いをしたりしていたので、昨日の演奏会を聴いて、自分自身の中高校生時代を思い出して、楽しかった。
 

Deodato_2

 
今日は「平日休み」だったので、昨日のクラシック演奏会に触発されて、なぜか、『のだめカンタービレ』のビデオを見直し。改めて『のだめカンタービレ』を見て思うのは、このドラマ、使用されているクラシック曲の選曲が良い。メインテーマは「ベト7」(ベートーベン交響曲第7番)、エンディングは「ラプソディー・イン・ブルー」。これだけだって、クラシックの楽曲として、実にセンスの良い選曲だよな〜。

ジャズ・フュージョンの世界で、「ラプソディー・イン・ブルー」といえば、デオダートだろう。『Deodato 2』(写真左)の5曲目(ラスト)に収録されている。非常に良く、フュージョンの演奏にアレンジされた、聴いてきてとても楽しい演奏で、ファンキーかつロックな「ラプソディー・イン・ブルー」は一聴に値すると思います。ノリが良い演奏も魅力的で、デオダートのアレンジが光る名演です。2曲目の「なき王女のためのパヴァーヌ」も、クラシックを題材にしたアレンジが秀逸な隠れた名演でしょう。

デオダートのクラシックを題材にしたフュージョン演奏のもうひとつの代表作は『Prelude』(写真右)に収録された「ツァラトゥストラはかく語りき」。これも、ファンキーな演奏が実に面白い、聴いていて楽しいフュージョンです。このアルバムには「牧神の午後への前奏曲」も収録されていて、デオダートのアレンジ能力の高さとセンスの良さが光ります。

クラシックを題材にアレンジされたジャズ・フュージョンって意外と多くあって、特にバッハは、結構、ジャズにアレンジされて演奏されていたりします。そうそう、ボブ・ジェームスの「はげ山の一夜」や「アルルの女(ファランドール)」も有名ですね。

アレンジが良いと、クラシックを題材したジャズ・フュージョンも、結構楽しいものです。
 
 
 
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2007年11月11日 (日曜日)

ジョン・レノン「アンソロジー」

昨日からの雨は上がったけれど、今日は寒々とした曇り空。時折、時雨が来て、冬直前、不安定な天気である。

今日は、会社の後輩のお嬢さんの文化祭に「およばれ」。オーケストラ部の公演を聴きに行ってきた。中学生、高校生のオーケストラなので、過度な期待は禁物なんだが、これが、聴いてみると、まあまあの演奏で、立派立派。金管、木管が途中からへばって、ヘロヘロになってしまったが、中学生、高校生の演奏レベルを考えると、ドンマイ、ドンマイ。熱演でした。

夕方、家に帰り着いたら、宅配便の不在連絡票が入っていて、「おお〜、遂に待ち人来たるか〜」。ジョン・レノンの「アンソロジー」(写真左)がやっと手に入った。やっとです。いや〜、確か1998年11月発売なので、丸9年ほったらかしにしていた訳です。この「アンソロジー」は、ジョンの未発表音源(未発表曲も)による4枚組ボックス・セット。未完のホーム・レコーディング・テイクなど、興味津々な内容。アート・ワークもブックレットも充実。

John_lennon_anthology

でも、なんだか、ジョンの未発表音源を入手することが出来るようになった、ということは、「ジョンが他界してこの世に存在しない」という事実に他ならず、なんだか、このボックス・セットを手に入れて、ジョンの未発表音源に耳を傾けることは、ジョンの死を改めて確認することになる。それは、ちょっと辛いな、という感じで、購入することなく、手に取ることは、ずっと見過ごしてきた。

しかし、ちょっと気になることを耳にして、ネットの代表的なCDショップをおおよそチェックしたら、このジョン・レノンの「アンソロジー」の日本盤が、ほぼ廃盤状態になっているみたいなのだ。現在、在庫があって手に入るショップがたった1件。あとは在庫切れ、入手困難。これはいかん。躊躇っている場合では無い。未発表音源集なので、二度と再発されることが無くなったら困る。ということで、入手可能となっているネットショップで、即ゲット。

先ほど、宅配便に再度持ってきて貰って、やっと手元に届きました。ジョンの場合、過去の実績から、デモ・バージョンがアルバムに正式に収録された演奏よりも出来が良かったりするので、なんとも楽しみな4枚組ボックスである。

明日は、久しぶりに「平日休み」。ジョン・レノンにどっぷり浸かった一日になりそうである。
 
 
 
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2007年11月10日 (土曜日)

冷たい雨、レア盤で心和む

今日の千葉県北西部地方は、朝から冷たい雨。良く降るなあと感心していたら、本当に一日中雨だった。この11月にこれだけまとまった雨が降るというのも珍しい。しかも寒い。今日の東京の最低気温が12.7度、最高気温が14.8度。最低気温からほとんど気温が上がっていない。いよいよ、冬近し、である。

こんな日は、一日外に出ず、ノンビリ、ネットサーフィンや読書をするに限る。当然、BGMはジャズである。外は雨、静かに家の中で一日を過ごす部屋には、ジャズが一番。しかも、ハードなジャズではなく、ゆったりとした優しい感じのジャズが良い。しかも、僕にとって、雨の雰囲気に合う楽器は「サックス」。

さて、今日のイチオシのアルバムは、スタン・ゲッツの「Voyage」(写真左)。今は無きBLACK HAWKレーベルに残した、スタン・ゲッツ晩年の名盤にしてレア盤。1986年の録音で、メンバーは、Stan Getz(ts), Kenny Barron(g), George Mraz(b), Victor Lewis(ds), Babatunde(congas,brushes)。スタン・ゲッツをフロントに据えたカルテット+パーカッションの構成。
 
この「Voyage」というアルバム、スタン・ゲッツのディスコグラフィーを見ると、どの解説も名盤の誉れ高いアルバムなんだが、ショップのどこを探して も見つからない。いつか再発されたら聴いてみたいものだ、と諦めて、その存在すら忘れていた。が、先月だったか、diskunionのメールに「今回偶然 見つかった独プレス盤をしっかりと調達、まさに最後のチャンスです!!!お早めに!!!」とある。おおこれは、と即座にゲット。今日の時点では、まだ、 diskunionに在庫があるみたい。他のショップは軒並み全滅状態。
 

Stan_getz_voyage

  
レア盤だ、知られざる名盤だ、というと、なんだか胡散臭いんだが、このアルバムは違った。80年代ゲッツの代表的名盤の触れ込みに恥じない、素晴らしい内容です。1曲目の「I Wanted To Say」から、スタン・ゲッツは、柔らかだが、しっかりと芯の入った、力強く優しい、彼独特のテナーが全開。2曲目の「 I Thought About You」、3曲目「Yesterdays」で、じんわり、しみじみとゲッツのテナーを慈しみ、4曲目の「Dreams」を迎える。

この「Dreams」は絶品。ゲッツのテナーのバックで、ケニー・バロンのピアノが素晴らしい。ケニー・バロンのピアノは、今まで、その特徴についてつかみ所の無い感じが気になっていたが、この演奏を聴いて、やっと判った気がした。バロンのピアノは、とにかく端正、タッチが深く、しかし粘らず、キラキラ輝く感じ、ブリリアントな響きが特徴。このブリリアントな響きとゲッツのテナーの響きが実にマッチする。

ベースのジョージ・ムラーツは正統派。ピッチが合っていて(ジャズ・ベースはこれが重要)、アコースティック・ベースのブンブン弾けるような低音の響きが素晴らしい。ビクター・ルイスのドラムは、ツボを心得た、緩急自在、強弱メリハリ豊かなドラミングで、ゲッツをサポートする。

レア盤、幻の名盤の類である、このスタン・ゲッツの「Voyage」。このアルバムは、その触れ込みに恥じない、素晴らしい内容のアルバムでした。BLACK HAWKレーベルという、かなりマイナーなレーベルからのリリース故、将来、正式リリースが無いかもしれない。このゲッツの「Voyage」は、ちょっと無理をしてでも、手に入れておいて損はないアルバムと思います。

「冷たい雨、レア盤で心和む」。良い感じの一日でした。
 
  
  
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2007年11月 9日 (金曜日)

ドラムの音がズドドドドンッ・・・

昨日、イタリアの巨匠ドラマーのアルド・ロマーノの仕切りによる、人気者バティスト・トロティニョン(p)のフィーチュアされた連名トリオの「FLOWER POWER」をご紹介した。このアルバムのドラムが切れ良く、タイトでドスンと気持ち良く、「やっぱり、良いドラムは耳障りじゃないなあ」と再認識した。

今朝も、そのモードが続いていて、ジャズ・ドラムが良い感じの、いわゆる「切れよく、タイトでドスンと気持ちよく、ズドドドドンッ」って感じのピアノ・トリオって無いかいな〜、と考えていたら、ふと思い浮かんだのが、グレート・ジャズ・トリオ。

グレート・ジャズ・トリオといえば、1975年、トニー・ウイリアムスの発案で、ハンク・ジョーンズ(p)、ロン・カーター(b)と組んだ伝説のピアノ・トリオである。折しもその時代は、クロスオーバー・フュージョン全盛期。電気楽器中心のジャズが花盛り。アコースティックなんて時代の遺物、って感じの時代だった。そんな時代に、トニーは、アコースティックな伝統的なジャズがしたくなった。例に漏れず、トニーも「ライフタイム」というバンドを結成して、電気楽器ジャズをギュンギュンやっていた。それが、突如、アコースティック・ジャズがやりたい、である。

しかし、よくまあ、ハンク・ジョーンズも同意したもんだ。年齢的にも親子ほど離れている間柄である。しかも、ハンクは、根っからのバップ・ピアニスト。トニーが狙いとする、最先端のアコースティック・ジャズがハンクで大丈夫か。でも、これがですね、大丈夫などころか、今の時代でも通用する、それはそれは最先端のジャズになっているのだ。コテコテのバップ・ピアニストのハンクが、ここまで弾けるとは。当時、僕はビックリした。今聴いても、ただただ感心するばかり。

Great_jazz_trio_2

ハンク・ジョーンズ、トニー・ウイリアムス、ロン・カーターのグレート・ジャズ・トリオの代表的名盤が、ビレッジ・バンガードでの一連のライブ・アルバムで、「アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」(写真左)、「アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード VOL.2」(写真中)、「ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン」(写真右)の3枚に分かれてリリースされている。

トニー・ウイリアムスの、切れよく、タイトでドスンと気持ちよく、バスドラ、ドスドス、ズドドドドンッって感じが素晴らしい。そして、そのドラムにのまれるどころか、トニーのドラムをしっかりとバックに従えて、ハンク・ジョーンズのアドリブは年齢を感じさせない流麗な指使い。とにかく、ヴィレッジ・ヴァンガードのライブでは、ハンクが素晴らしい。伝統的なジャズ・ピアノを踏襲しながら、トニー、ロンの最新感覚のリズム・セクションをしっかりと受け止め、伝統的なタッチで、最新感覚のピアノの響きを表出する。素晴らしい。ため息が出る。

このアルバムで気になることと言えば、ロン・カーターのベースの音。当時、ロンは、アコースティック・ベースに電気増幅のアタッチメントを付けて、「ボワンボワン」と趣味の悪い、電気増幅されたベース音を出していた。ここでも、そうである。トニーの驚異的なドラミング、ハンクの流麗なタッチのバックで、実に趣味の悪いベース音を出している。弾き出すフレーズは良い趣味しているのになあ。惜しいことだ。

1970年代半ば、電気楽器全盛時代のまっただ中、仕方のないことであるが、これだけは何とかして欲しかった。まあ、1枚目「アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」より、「アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード VOL.2」のほうが、ロンのぶよぶよのベース音は耳障りで無く、「ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン」については、リマスタリングの効果もあるのだろうが、ロンのぶよぶよベースはかなり改善されている。

グレート・ジャズ・トリオのビレッジ・バンガード・ライブ。ロンの電気増幅のベース音を差し引いても、このライブは素晴らしい。クロスオーバー・フュージョン全盛期、このような素晴らしいアコースティック・ジャズがあったとは、なんともはや、ジャズは懐深く、奥深いものだなあ、と改めて感心してしまうのだ。
 
 
 
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2007年11月 8日 (木曜日)

70年代ロック・ポップスを題材に

今日は、この秋一番の冷え込み。朝、起きて毎日、新聞を取りに行くのだが、息が白い。テレビでは「今日は立冬です」と言っている。そうか、もう立冬か。「冬立てり」、これから冬の気配が色濃くなっていくんやなあ。

このところ、輸入盤で、良いジャズのアルバムにあたっていて、気分が良い。このところ、良く聴く輸入盤の一枚が、イタリアの巨匠アルド・ロマーノ(1941年生まれ・写真右)の仕切りによる、人気者バティスト・トロティニョン(p)のフィーチュアされた連名トリオの「FLOWER POWER」(写真左)。

収録された曲を見れば、ちょっとビックリする。主だったものを挙げると、1曲目は、M.Polnareffの「Love me, please love me」、5曲目は、なんと、Led Zeppelinの「Black Dog」。続く6曲目は、J.Taylorの「Don’t let me be lonely」、7曲目は、B.Dylanの「Mr.Tambourine man」、8曲目はS&Gの「Bridge over trouble water」、そして、10曲目は、E.Johnの「Your Song」などなど。70年代ロック、ポップスのオンパレードである。しかも、選曲のセンスが良い。

演奏はと言えば、これがこれが、キレ良く、ダイナミックで、疾走感、爽快感が気持ち良い、コンテンポラリーなピアノ・トリオ・アルバムなのだ。ちょっとビックリした。ピアノは深くしっかりしたタッチで、それでいて、疾走感溢れるフレーズを弾きこなし、ベース(Remi Vignora)はしっかり正統派、ブンブン切れの良い重低音で底を支え、ドラムは切れ良く、タイトでドスンと気持ち良いリズムで、全体を支える。

Aldo_romano_1

70年代ロック、ポップスをジャズ・フォーマットで演奏するのであるが、選曲によって、その出来は様々である。1曲目の、M.Polnareffの「Love me, please love me」、6曲目の、J.Taylorの「Don’t let me be lonely」、7曲目の、B.Dylanの「Mr.Tambourine man」、10曲目の、E.Johnの「Your Song」は、しっかりとジャズになっていて、感心感心。

これらの曲は、テーマ部とアドリブ部が違和感無く流れて、様々なメンバーが様々なアレンジでチャレンジして行けば、新しいジャズ・スタンダードになり得るポテンシャルを十分に秘めている、と僕は思う。特に、E.Johnの「Your Song」は、新しいスタンダード・バラードとしての可能性を十分に感じる曲だ。

逆に、様々なメンバーで様々なアレンジで聴くんだが、聴く度に、どうしても、ジャズ・フォーマットに合わないなあ、と思うのが、S&Gの「Bridge over trouble water」(邦題:明日に架ける橋)。これって、合わないよ、ジャズに。今までに結構、ジャズの素材に取り上げられるケースが多い曲なんだけど、聴く度に違和感を感じる。素直なコード進行で、歌い上げていく感じの曲なので、アドリブ部の展開が取って付けたようになるんだな。この曲は、この曲で完成されているんでしょうね。

しかし、Led Zeppelinの「Black Dog」を取り上げているのにはビックリした。聴いてみると、ロバート・プラントのボーカルをピアノでほぼ忠実にトレースして終わり。この曲のテーマを、どんな形でアドリブ部に展開していくのか、ワクワクして聴いていたら、アドリブ部がほとんど無いまま、演奏が終わっちゃったのには苦笑い。

でも、全体を通して、良い感じのピアノ・トリオ・アルバムです。ジャケットも、ちょっぴり、サイケデリックで良い雰囲気です。お勧めです。
 
 
 
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2007年11月 7日 (水曜日)

ウエストコースト・ロックは奥が深い

今日は一日眠たかった。というのも、昨日、遅くから、仕事仲間と飲みに行って、家に帰り着いたのが「午前様」。そして、寝ついたのが、夜中の2時前。完全な睡眠不足である。でも、意外に楽しい飲み会だったので、妙な疲れは残っていないのが救いやなあ〜。

さて、一昨日から、ちょっくら、リトル・フィートをおさらいしている。ファースト・アルバム「Little Feat」から、ラスト・アルバム「Down On The Farm」まで、全7枚のスタジオ録音のアルバムを一気聴きである。

リトル・フィートは、70年代から80年代にかけて、もっとも人気のあるカリフォルニア南部のルーツ・ロック・バンドのひとつ。いわゆるウエストコースト・ロックの範疇である。ウエストコースト・ロックといえば、イーグルス、ジャクソン・ブラウン、J.D.サウザーが浮かぶ。青い空、青い海、爽やかな風、ナイーブな感性と疾走感。迫力ある美しいコーラス。

しかし、ウエストコースト・ロックの範疇は、それほど単純では無い。例えば、米国南部に一度も行ったことの無いメンバーにも関わらず、サザン・ロックのテイストが色濃い演奏が特徴だった、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)。ナイーブな感性と疾走感と迫力ある美しいコーラスを持ちながら、躍動感あるファンキーな演奏を併せ持つドゥービー・ブラザース。そして、アメリカン・ルーツ・ミュージックを取り入れ、ファンキーな演奏を全面に押し出した、リトル・フィート。「青い空、青い海、爽やかな風、ナイーブな感性と疾走感」の一言では括れない個性が存在する。

リトル・フィートには、ナイーブな感性と疾走感と迫力ある美しいコーラスは無い。それでも、ウエストコースト・ロックの範疇である。もともと、ウエストコースト・ロックは、1960年代後半、フラワー・ムーヴメント、サイケデリック・ロックが発祥である。様々な音楽の要素が混ざり合い、その流れの中で、CSN&Yの出現により、70年代ウエストコースト・ロックの本流となる演奏スタイルが定着した、と僕は解釈している。よって、ウエストコースト・ロックは、もともと、CCRやリトル・フィートのような、ウエストコースト・ロックの本流から離れた、本流とは全く違う、個性的なバンドが出現しても不思議では無い範疇ではあるのだ。
 

Little_feat_1

 
アメリカン・ルーツ・ミュージックを取り入れ、ファンキーな演奏を全面に押し出したリトル・フィートの特徴が良く現れたアルバムが「Feats Don't Fail Me Now(邦題・アメイジング!)」(写真左)。そして、ローウェル・ジョージの急逝により、グループの活動に終止符を打った事実上のラスト・アルバム「Down on the Farm」(写真右)。

「Feats Don't Fail Me Now」は、リトル・フィートの代表的名盤である。世間の評判は、「Dixie Chicken」ばかりを高く評価しているが、僕はそうは思わない。確かに、「Dixie Chicken」は、サザン・ロックに一番傾いたルーツ・ミュージック色の強いアルバムだが、少々切れ味が足らず、ファンキーな躍動感やバンド演奏の疾走感にも若干、乏しいと感じている。それに比べ、「Feats Don't Fail Me Now」は凄い。バンド演奏の切れ味、ファンキーな躍動感、疾走感に申し分なく、ルーツ・ミュージック的要素を上手く隠し味に使う工夫が見て取れて、実に小粋なファンキー・ロックである。

そして、「Down on the Farm」。1979年、ローウェル・ジョージが心臓発作で死亡。残されたメンバーで、ジョージが録りためていた未完成のレコーディングに追加のレコーディングを行い、リリースした、事実上のラスト・アルバムとして、ファンの間からは、あまり評判の良くないアルバムである。

しかし、時は1979年。時代はAOR真っ盛り。リトル・フィートの躍動感溢れるファンキー・ロックに、AOR的雰囲気を取り込み、隠し味として、アメリカン・ルーツ・ミュージックの要素を散りばめ、曲によっては、サザン・ロック的な泥臭さやファンクな黒さも感じられ、世間の評判ほど悪いアルバムでは無い。むしろ、適度に軽く、アクが抜けた感じの米国ファンキー・ロックって感じで、僕は結構気に入っている。

このリトル・フィートの一連のアルバムを一気聴きしていて思うのは、「ウエストコースト・ロックは奥が深い」ってこと。イーグルスやドゥービー・ブラザースだけが、ウエストコースト・ロックの代表格では無い。
 
 
 
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2007年11月 5日 (月曜日)

意外に、なかなかの内容である。

ファンであっても、なかなか手の伸びないアルバムがある。チック・コリア(Chick Corea)の『スーパー・トリオ』がそうである。スウィングジャーナル誌2006年ジャズディスク大賞の金賞受賞。日本限定企画のライブ作。2005年4月3日テキサス州オースティン、ワールドシアターにてライヴ録音である。

う〜ん、どうも胡散臭いんだよな〜。「日本限定企画」という触れ込みと「スーパー・トリオ」というネーミングがどうもなあ。「日本限定企画」と「スーパー」の組合せは、とにかく「胡散臭い」。スティーヴ・ガッド(ds) クリスチャン・マクブライド(b)、とメンバーは良いんだけどな〜、と思いながら、発売からず〜っと、手に入れずに見過ごしてきたが、やっとのことで、先月、手に入れた。

「胡散臭い、胡散臭い」と言いながら、アルバムを通して聴いてみて、これが、意外に、なかなかの内容である。思いのほか録音があまり良くないが、このトリオ、演奏内容がなかなか良い。切れ味一辺倒だったチックのピアノが硬軟自在に舞う。特に、ピアノの柔かさが印象的。ガッドのドラミングも、テクニックの粋を尽くした「人間デジタル・ドラム」は封印し、アナログチックなドラミングが、チックの柔軟なピアノをサポートする。マクブライドのベースも、出しゃばることなく、ガッドのドラミングとかぶることなく、硬軟自在にチックを支える。
 

Chick_corea_super_trio

 
曲目はどれも良い曲ばかり。「1. ハンプティ・ダンプティ、2. ザ・ワン・ステップ、3. ウィンドウズ、4. マトリックス、5. カルテット #2 パート1、6. シシリー、7. スペイン」と、どれもが、チック・ファンであれば、触手が伸びる曲ばかり。

特に1曲目「ハンプティ・ダンプティ」と2曲目「ザ・ワン・ステップ」は、個人的に大好きな曲で、どちらもサックスが入ったカルテット仕立てだったと記憶しているので、この大のお気に入りの2曲をピアノ・トリオで聴くのは初めて。

これが良いんですよ。4曲目の「マトリクス」は、前衛的な演奏部分が、ちょっと冗長で退屈でちょっと緩むが、5曲目の「カルテット #2 パート1」で持ち直し、次の「シシリー」で疾走。しかし、しかしだ、7曲目の「スペイン」が盛り上がったところで、なんとなんとなんと、フェード・アウトしてしまうのだ。これは無いやろ〜。これだけ、酷いフェード・アウトは久しぶりである。プロデューサーの見識と感性を大いに疑う仕業である。

まあ、ラストの「スペイン」は論外で、これを外して考えると、全体の演奏を通して、個性的な、唯一無二のピアノ・トリオ演奏の形が見える。このトリオ演奏には、違和感を覚える方もいるでしょうね。その意見も判る。いままでに、ありそうでいて、なかなか無い、ある面、不思議な雰囲気のあるピアノ・トリオです。録音が良ければ、また違った印象だっただろうにと惜しまれる。

このライブ演奏ですが、このライブ・アルバムに収録されなかった曲はなかったのかなあ。あったら、「スペイン」を完全収録し直して(何度も書くが、このフェード・アウトは酷い)、他に収録されなかった演奏を加えて、コンプリート・バージョンとして出していただきたい。そうでないと、この「スーパー・トリオ」の正しい評価が下せない。チック・ファンとして、なんとなく、不完全燃焼感が残るところが、ちょっと残念。

しかし、大のお気に入りのチックの名曲「スペイン」がフェード・アウトとはなあ。初聴きで、フェード・アウトされた時、ステレオが壊れたのかと思ったくらい、ビックリした。
 
 
 
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2007年11月 4日 (日曜日)

久々に「リンク集」を更新しました。

我がバーチャル音楽喫茶『松和』・ジャズ・フュージョン館の「リンク集」を久々に更新しました。相互リンクのご依頼の反映とサイト閉鎖したリンク先サイトの情報を削除しました。特に、相互リンクのご依頼については、反映までに時間がかかったご依頼分もあって、遅くなってすみませんでした。

このところ、ジャズCD、70年代ロック双方、CDの購入の当たりが良くて、ちょっぴり気分が良い。特に、ジャズ系の輸入盤は当たりが良くて、ウハウハである。また、このブログや、本家バーチャル音楽喫茶『松和』でご紹介したい。

さて、70年代ロックの方は、CD購入のトピックは、キャロル・キングのソニー系の紙ジャケ第2弾。これで、ソニー系のキャロル・キングのオリジナル・アルバムが、全て、手元に揃ったことになる。実に喜ばしい。後は、ビクター系であるが、こちらもズラリ9枚あって、ソニー系と比べて、一枚が2,520円とちょっとお高い値段設定になっている。

Carole_king_2

この9枚を全て手に入れても、まだアトランティック系の2枚が紙ジャケ化されていないので、キャロル・キングのオリジナル・アルバムを全て、紙ジャケにて揃えることにもならず、どうにも中途半端な感じがして、思案投げ首状態である。もともと、「懐かしの70年代館」のアップネタなので、キャロル・キングの紙ジャケは、70年代にリリースされたオリジナル・アルバムに留めるという手もあるしなあ。

さて、今回、入手したキャロル・キングのソニー系の第2弾。アルバムとしては、『喜びにつつまれて』『おしゃまなロージー』『サラブレッド』『グレイテスト・ヒッツ』(写真右)、そして、キャロル・キングがダニー・クーチ、チャールズ・ラーキーと結成したバンド、シティが1968年に発売した幻の名盤『夢語り』(写真左)。

特に、シティの『夢語り』については、そのグループの名前は、本で読んで知ってはいたが、一度もその演奏を聴いたことがないので楽しみ。そして、『グレイテスト・ヒッツ』については、キャロルの黄金時代、エピック・ソニー時代の『グレイテスト・ヒッツ』なので、その曲の並び、そして、全体を通した雰囲気など、どんな感じになるのかが楽しみ。

今年も残すところ、あと2ヶ月。今年の冬のボーナスシーズンに向けて、どんなサプライズ・リリースが待ち受けているのか、楽しみである。でも、たんまりと冬のボーナスに向けて、リリースを集中していただいても、個人ベースでは、先立つものに限りがあるので、全部が全部、手に入れる事って出来ないんですよね。

でも、発売されるって情報を見たら、早く手に入れて聴いてみたいなあ〜、って思うしなあ。もう少し、計画的に、一年通じて、まんべんなく、分散させて、リリースすることって出来ないものですかね〜。
 
 
 
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2007年11月 3日 (土曜日)

果てない空、翳りの無い雲〜、っと

昨晩から冷え込み始めて、今朝はちょっと寒いな〜、っという感じになった。そう言えば、もう11月やもんね。窓の外は、どんより曇り空。冬が近いことを強く感じる、少し冷え冷えとした灰色の曇り空。でも、昼過ぎからは天気回復、日が差し始めた千葉県北西部地方。日差しも晩秋の柔らかな黄金色の日差しになって、なんとなく、もの寂しさを感じる。

さて、土日は、外出するときのiPodは、70年代Jポップ専用、ブラックのiPod nano。今日は、このブラックiPodを携えて、久々に整体へ。今日の70年代Jポップは、井上陽水の『二色の独楽』(写真左)である。このアルバムは、1974年の秋、10月1日リリース。僕が高校に入って、本格的に音楽を聴き始めて、リアルタイムで体験した陽水のアルバムが、この『二色の独楽』である。

このアルバムは、全体を通して、もはやフォークのアルバムではない。バック・ミュージシャンが尋常では無い。ギターがレイ・パーカーJr.とデビット・T・ウオーカー、ベースがウイルトン・フェルダー、キーボードにジョー・サンプルなど、ほとんど、後のフュージョンの人気ミュージシャンばかり。確かに、2曲目の「夕立」のバック演奏を聴いていると、これは、もはやフォークの伴奏では無い。しかし、ロックでも無い。当時のネーミングはクロスオーバー、後のフュージョン・ミュージックのファンキーでテクニカルな雰囲気漂う、実にポップでノリの良い演奏である。

Nisyoku_no_koma

曲的には、ところどころ、収録動機不明なものが幾つかあって、アルバム全体の統一感がぶれるのは、相変わらず。5曲目「ゼンマイ仕掛けのかぶと虫」、8曲目「二色の独楽」、10曲目の「野いちご」の存在が、今、聴いても理解できない。この3曲は、このアルバム『二色の独楽』が永遠の名盤になることを常に拒み続けている存在。

陽水ファンからすると「それが良いんじゃないか」と言うかも知れないが、客観的に見ると、このアルバムの根底を流れる「ファンキーで、テクニカルで、ポップでノリの良い演奏に乗った陽水のシュールな世界」という流れが、この「存在理由が判らない」曲によって寸断される。試しに、CDプレーヤーで、この3曲を飛ばした曲設定をして、アルバム全体を通して聴くと、疾走感溢れる、新しい雰囲気と可能性を持った、ノリの良いJポップのプロトタイプが見える。これは、今の耳にも十分通用する先進的なモノだ。

個人的には、収録曲に多少の問題を感じるも、内容的には、まずまず充実したアルバムだと思います。疾走感抜群の2曲目「夕立」。シャッフルの名曲の誉れ高い6曲目の「御免」、かまやつひろしにカヴァーされた11曲目「ロンドン急行」、13曲目の叙情的なで印象的なスローナンバー「眠りにさそわれ」。そして、僕にとっての極めつけは、ラストの「太陽の町」。


「太陽の町」    井上陽水 作詞・作曲 

果てない空 翳り無い雲 季節の風 鳥は向かい風
走り抜ける 太陽の町を 転げ回る 光の間を
輝き溢れる 緑と光の町を ・・・

走り抜ける 眩しさの中を 振り返らず 立ち止まりもせず
また会う時には 緑と光の町で ・・・ 


なんの変哲も無い、実にシンプルな歌詞なんだが、陽水の多重録音で幽玄なハーモニー、緩やかな、ゆったりと歩く速さのリラックスしたテンポ。リラックスした中、しっかりとタイトな伴奏。そして、効果的なストリングス・アレンジ。この曲の全体から醸し出される雰囲気が、高校時代から大好きです。空を見上げて、ため息をつきたくなるような開放感、そして、何となく切なさを感じる寂寞感。陽水の特徴を良く出している名曲だと僕は思います。

そういえば、高校2年生の秋は、10月の終わり。この曲をさんざんに聴き続けたことがあったっけ。あの時は、この歌の「走り抜ける、眩しさの中を。振り返らず、立ち止まりもせず。また会う時には、緑と光の町で ・・・」の部分が寂しい心に染みたなあ。今、聴き返すとあの頃を思い出す。そして、なんだか、清々しい気持ちになるのだ。
 
 
 
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2007年11月 2日 (金曜日)

ジャズの裾野は無限である

ジャズ鑑賞のアルバムであるが、何も、ジャズ・ジャイアント、もしくは、スイング・ジャーナルのアルバム・レビュー欄に載ったりするミュージシャンだけが全てでは無い。このミュージシャンの名前って聴いたこと無いぞ、というミュージシャンのリーダー・アルバムにも優れたモノが多い。

昔は、輸入盤専門店に行って、ジャケ買いをしたり、店員さんに教えて貰ったりして、このミュージシャンの名前って聴いたこと無いぞ、というミュージシャンのリーダー・アルバムを手に入れたものだが、最近は、輸入盤はネットで注文できるし、輸入盤の情報もネットで取れるし、老舗雑誌のスイング・ジャーナルだって、毎月のアルバム・レビュー欄の最後に、輸入盤の新着紹介があったりするので、昔に比べて、情報もアルバム自体も入手し易くなった。

最近、内容が充実してきたダウンロード・サイトだって、輸入盤が結構アップされていて、30秒間試聴も出来るし、ジャケットの雰囲気と30秒間試聴で、内容の優劣、好みに合うかどうかを、ある程度判断できて、クリック一発、ダウンロードすれば、即座に聴くことが出来るようになった。便利になったものだ。

その便利なダウンロード・サイトのお気に入り、iTunes Storeで、なかなかのトランペット・アルバムを見つけた。Brian lynch(ブライアン・リンチ)の『BRIAN LYNCH meets Bill Charlap』(写真左・2003年5月録音)である。Bill Charlap(ビル・チャーラップ)のピアノは定評がある。僕も彼のピアノは好きだ。しかし、Dwayne Burno(b)、Joe Farnsworth(ds)については、全く、そのキャリアを僕は知らない。

Brian_lynch

リーダーのBrian Lynch(tp)もそうである。僕はiTunes Storeで出会うまで、彼の存在を知らなかった。ネットで調べてみると、1956年9月、イリノイ州生まれ。1981年、ニューヨークに進出。手始めにジョージ・ラッセル、穐吉敏子というコンテンポラリーなビッグバンドに参加。1989年の新旧ジャズ・メッセンジャーズ(以下、JM)のオールスター・アルバム『The Art Of Jazz』でメッセンジャーズの仲間入り。続く1990年、ジャズ・メッセンジャーズ最後のトランペッターとして『Chippin' In: The Birth of New Funky』に登場。さらに、JM最後期の90年4月録音『One For All』に参加している。

へ〜っ、Brian Lynchって、ジャズ・メッセンジャーズ最後のトランペッターだったんだ。道理で、雰囲気のあるトランペッターだと思った。至極納得である。冒頭1曲目の「On Green Dolphin Street」のミュート・トランペットの音色が叙情的で実に良い雰囲気だ。マイルスのミュートほど切れ味鋭くは無いが、鋭く無い分、ほのかな暖かみが感じられるリンチのミュートが個性的である。

そして、2曲目の「Autumn Nocturne」は、オープン・ホーンのゆったりとしたバラード。オープン・ホーン独特の朗々としたブラスの響きが実に良い。リンチのオープン・ホーンは、歴代のトランペッターと比べると、やや切れ味鈍く、テクニック的にも劣るのだが、それをよく知ってか、無理せず、テクニックに走らず、己のテクニックの範囲内で、雰囲気で聴かせるところが潔い。よって、実に良い雰囲気のバラードになった。他の曲も、時にBill Charlapのピアノが優雅に舞い、Dwayne Burno(b)、Joe Farnsworth(ds)の両名も、実に手堅い、効果的なサポートで、聴きどころ満載である。

このアルバムの良さは、メンバーそれぞれが、己の特性とテクニックをよく知り、無理せず、スタンド・プレイに走らず、テクニック勝負では無い、曲想にあった「雰囲気で聴かせる」演奏にあると、僕は思う。良いアルバムだと思います。

ジャズ・ジャイアント、もしくは、スイング・ジャーナルのアルバム・レビュー欄に載ったりするミュージシャンだけが全てでは無い。まだまだ、名を知らない優れたミュージシャンが沢山いる。ジャズの裾野は思ったより広い。ジャズの裾野は無限である。
 
 
 
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2007年11月 1日 (木曜日)

The Band の「最高のライブ盤」

今日から11月。月日の経つのは早いもの。2ヶ月前まで暑い暑いと言っていたのに、もう朝はちょっと肌寒い陽気となった。日本の季節の移り変わりというのは、改めて思えば早いもの。春夏秋冬と四季があるのは、日本の良さであるが、月日の過ぎ去る早さを感じ、季節の移り変わりの早さに、歳の取る早さを否が応でも感じ取り、侘びしく、切なく、寂しい気持ちになる。日本人の無常観はこの辺から来るのかもしれない。

さて、一昨日、昨日、クリフォード・ブラウンの「ウイズ・ストリングス」を聴いて、胸一杯、お腹一杯。クリフォード渾身の、それは崇高な演奏ゆえ、『With Strings』の全12曲を聴き終え、やはり、少し疲れを覚えた。昨日の夕方から、耳直しに、70年代ロック中心の音楽生活。耳直しには、お気に入りのロックが一番良い。

お気に入りのロックと言えば、ザ・バンドである。ザ・バンドが一番。一昨日、昨日と、ザ・バンドのライブ・アルバムをハシゴする。ハシゴをするが、僕にとってのザ・バンドの最高のライブ・アルバムは、ボブ・ディランとの「偉大なる復活(Before The Flood)」(写真左)である。

ザ・バンドのライブ・アルバムは、3つある。ひとつは、ザ・バンド単独名義の「ロック・オブ・エイジス」。LP当時は2枚組。最新のCDは2枚組で、LP未収録の演奏を含めて、ほぼコンプリートな内容。続いては、今日、ご紹介している、ボブ・ディラン名義でバックを務めた「偉大なる復活」。そして、ザ・バンドの解散コンサート、大勢のゲストを交えた「ラスト・ワルツ」。
 
 
Bob_dylan_before_the_flood
 
 
「ロック・オブ・エイジス」は、ザ・バンド単独名義で、ザ・バンドのライブ演奏を目一杯、堪能できる。が、僕にとっては、ちょっと演奏のテンポとリズムが緩やかで、演奏にもちょっと覇気が感じられないところが気になる。ガース・ハドソンのクネクネ・キーボードも控えめで、ロビー・ロバートソンのコキコキ・ギターも温和しい。ちょっと間延びした感じが、LP未収録の演奏を含めて、ほぼコンプリートな内容となったCDには、ちょっと辛い。

「ラスト・ワルツ」については、ザ・バンドの演奏については、申し分ないんだけれど、大勢のゲストの演奏については、ザ・バンドの影が薄く、個性と実績のあるゲストについては、完全にゲスト達の世界が繰り広げられ、アルバム全体を通して、ザ・バンド半分、その他半分という感じになり、ちょっと不完全燃焼的な雰囲気が漂う。もっと、ザ・バンドの演奏があればなあ、と思う。

でも、「偉大なる復活」は違う。もともと、ボブ・ディランのバック・バンドを務めていたザ・バンドである。ボブ・ディランのバックでも、ザ・バンドの存在感は抜群。ザ・バンドのバックで、ディランも更にグレードアップ。大迫力のディランが聴ける。

そして、ザ・バンドのコーナーは、凄いの一言。スピード感疾走感のあるザ・バンドのライブ演奏。ガース・ハドソンのクネクネ・キーボードが炸裂、バンドの音の厚みが増し、ロビー・ロバートソンのコキコキ・ギターがバンド演奏を煽り続ける。リック・ダンゴのベースも良く走り、レボン・ヘルムのドラムは、実にアメリカン・ルーツミュージック的。リチャード・マニュエルのボーカルは、その枯れた味わいが実に良い雰囲気を醸し出す。収録されている演奏は、どの曲も素晴らしい演奏で、僕は、ライブ演奏としては、「偉大なる復活」のザ・バンドのライブ演奏が一番好きだ。

今日、この「偉大なる復活」を通して聴いて、お耳直しは完了。季節は「ジャズの秋」。明日からまた、ジャズ三昧でいきますか。「偉大なる復活」を聴いて、「偉大なる復活」である(笑)。
 
 
 
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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2021年4月
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