秋たけなわで、オフコース
近頃、天気が悪くて、なんとなく憂鬱。今日も朝は、どん曇り。それでも天気予報は昼から晴れるという。ほんまかいな、と思っていたら、午後からちょっとだけ天気が回復して、ちょっとだけ日が差して、ちょっとだけ明るくなった。晴れたわけではない。結局、天気予報は当たらない。
さて、天気が悪くても「秋たけなわ」である。朝晩はかなり涼しくなった。そして、金木犀の香りが充満して「秋たけなわ」である。高校〜大学時代、秋は「いわくつきの季節」で、あまり良い思い出がない。悲しい思い出ばかりの学生時代の秋である。秋って、人恋しくなるんですよね。春から夏にかけて、人知れず暖めてきた恋が・・・秋に散る(笑)。
秋に散ると、その慰めと復活のきっかけを音楽に求めることになる。どっぷり暗くなって、自分の部屋に閉じこもって、心にしみる曲を、心を励ます曲を聴くのだ。ああ、なんて暗い青春なんだ (^_^;)。心にしみる曲、心を励ます曲っていうと、やはり日本のポップスということになる。とにかく歌詞が日本語なので、ストレートに心に響く。
そう、あれは高校3年生の秋。やっぱり秋に、好きな女の子に振られて、どっぷり暗くなった。しかし、高校3年と言えば受験である。でも、もうそれどころではない「秋の夕暮れ」(笑)。
FMをつけたら、実に心に染みる曲が流れてきた。オフコースの「めぐる季節」である。それまでオフコースをまともに聴いたことが無かった。この「めぐる季節」の曲想とアレンジには「たまげた」。フラリと立ち寄ったレコード屋で、この「めぐる季節」が収録された「SONG IS LOVE」(写真左)を見つけた。なぜか、ザ・バンドのベスト盤と一緒に購入した。
それがオフコースとの出会いである。この「SONG IS LOVE」は、オフコースとしては過渡期のアルバムで、収録された楽曲の出来不出来の差が激しい。この頃のオフコースは、カーペンターズなど、50年代オールディズの焼き直しポップスの影響を強く受けているのだが、バックの演奏が稚拙ゆえ、とてもとてもカーペンターズの域には及ばない。その中で、「めぐる季節」「ランナウェイ」「こころは気紛れ」など、日本語シティ・ポップス系の楽曲の出来が抜きん出ている。
そして、その次のアルバム「ジャンクション」(写真右)は、その日本語シティ・ポップス系を推し進め、50年代オールディズの焼き直しポップスの影響を脱して、初めて、オフコースの個性を確立した名盤である。
改めて思うんだが、この「ジャンクション」は、日本語シティ・ポップスとして、かなりの完成度だと思う。それでもあまり、当時は話題にならなかった。時代が、聴き手が、彼らの成果に追いついていなかった。
冒頭の「INVITATION」〜「思い出を盗んで」〜「愛のきざし」〜「潮の香り」〜「秋の気配」のA面は、息をもつかせぬ名曲の数々である。B面も良い。実に良い。聴けば判る。当時の日本語シティ・ポップスの中で抜きん出た内容である。小田、鈴木の個性がガッチリ噛み合って、オフコースの完成形がここにある、と僕は思う。惜しむらくは、バックの演奏がまだまだ弱いこと。これはオフコース解散まで、ついて回ることになる。
「めぐる季節」「こころは気紛れ」「秋の気配」など、聴けば、今でも学生時代の思い出が蘇る。秋は「いわくつきの季節」で、あまり良い思い出がない。悲しい思い出ばかりの学生時代の秋である。ああ、なんて暗い青春なんだ(笑)。でも、今となっては良い思い出なんだけどね〜。
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JUNKITIONが名盤というのは凄く同意。個人的には、ヤスっさんのオフコース時代の一番の名曲は実は「変わっていく女」だと思ってます。こんなふうに思ってる人は誰も居ないと思うけど。かっこよすぎ。あの曲。ヤス小田のハーモニー、完璧すぎ。厚いハーモニーじゃないんだけど、逆に薄い時の方が、お互いの声がクリアに聞こえて。オフコースには珍しい低いコーラスも抜群にかっこいい。
「潮の香り」のコード進行とかも凄すぎ。ま、評価されないけど。日本の評論家は音楽を音楽で評価出来る奴居ないから。
自分にとってはこの時期までかな。オフコースは。ここから先はちょっときつい。フェアウェイまでOKって人は結構居るけど、自分にはここまで。小田さんの声が細い時代が好きなんですよね。心を駆り立てるあの細い声の時代が。
投稿: | 2007年10月14日 (日曜日) 23時36分
コメントありがとうございます。松和のマスターです。
いただいたコメントの内容、至極同感です。「潮の香り」は、バンドで
コピーしようとしたんですが、さすがに挫折しました(笑)。
ガンガン変わるコードの進行、快感です。
私も、オフコースといえば、この時期までですね。「フェアウェイ」が
微妙な位置にいます。ちょっとコマーシャルなところが、どうも・・・。
やっぱり、オフコースは二人の時代が良いです。「ジャンクション」までの
それぞれのアルバムは、今聴いても、十分に聴きごたえがありますし、
実にハイレベルな内容だと思います。
投稿: 松和のマスター | 2007年10月14日 (日曜日) 23時58分
JUNKTIONの発売が1977年。これってちょうど、STEELY DANの「AJA」とか流行った時代ですよね。
「あなたがいれば」のやたら長い間奏とかって,結構「意識してたんだろうな」なんて感じません?
投稿: | 2007年10月16日 (火曜日) 00時44分
うんうん、同感です。オフコースって、その時その時のポップスや
ロックの流行のアレンジを、そこはかとなく取り入れていますよね。
初期の頃はカーペンターズ、「Song is Love」や「Junktion」の頃は
AOR系(ソフト&メロウ)。効果的なスパイスの様に、さらりと
お洒落に取り入れているところに、彼らのセンスを感じます。
投稿: 松和のマスター | 2007年10月16日 (火曜日) 12時47分
大事な人にオフコースのアルバムをプレゼントするときは、「Junktion」です。
「思い出を盗んで」〜「愛のきざし」〜「潮の香り」〜「秋の気配」の流れは、いちばんです。
先日、初めて、鈴木さんのライブに行きました。お客さん20人ほどの小さな会場で、すぐ目の前で歌ってくれて、ライブ後は、一人一人とお話ししてくれました。その前日は、偶然小田さんのライブも見ました。
「愛の歌」にショックを受けて、毎日オフコース帆聞くようになって、来年でちょうど40年になります。
投稿: 季節の小箱 こうじ | 2015年1月19日 (月曜日) 20時27分
はじめまして、 季節の小箱 こうじさん。松和のマスターです。
鈴木さんのライブですか。良いなあ。僕は二人のオフコース時代、
小田さんの楽曲よりも鈴木さんの楽曲がクールに感じて、彼の
作曲センスに憧れたものです。
投稿: 松和のマスター | 2015年1月25日 (日曜日) 19時46分
マスター!
実にお久しぶりです。覚えていらっしゃいますか?
先日、大阪シンフォニーホールで、ジャズとクラシックの融合的なコンサートを聴きに行き、それに触発されて、久しぶりに以前ご紹介いただいた、オイゲン・キケロのロココジャズを聴いていました。
それで「松和」は今どうなっているんだろうと、HPを訪問し、この記事を発見しました^^;
私がオフコースのコアなファンであったことはお話したことがありましたっけ?
「FMをつけたら、実に心に染みる曲が流れてきた。オフコースの「めぐる季節」である。それまでオフコースをまともに聴いたことが無かった。この「めぐる季節」の曲想とアレンジには「たまげた」。フラリと立ち寄ったレコード屋で、この「めぐる季節」が収録された「SONG IS LOVE」(写真左)を見つけた。」
これ、そのまま私の体験です。まったく同じ!
そして、ベストがジャンクションで、ぎりぎりフェアウェイまでってのが私です。
あまりにも嬉しかったのでコメントしてしまいました^^;
これからも時々立ち寄らせていただきますね。
今はバイクと山登りを趣味にしております^^;
投稿: すずきひろこ | 2015年2月22日 (日曜日) 21時11分
お懐かし〜、すずきひろこさん。松和のマスターです。
しっかりと覚えてますよ。なんせ、バーチャル音楽喫茶『松和』の
初期の頃の大切なお客様ですからね。時々、どうしておられるのかな〜、
なんて思ってました。
以前もいろいろと共通点があって、楽しくメールのやりとりをさせて
いただきましたね。このブログは、2006年4月以来、ほぼ毎日更新で
頑張っています。この再会を機会に、今後ともよろしくお願いします。
いや〜こんな再会ってあるんですね。ちょっと感動です(^_^)v。
投稿: 松和のマスター | 2015年2月23日 (月曜日) 20時51分