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2007年10月11日 (木曜日)

素晴らしきは「ニューヨークの秋」

久々に天気の良い秋の日。青空も見えて、日の光も穏やか、本当に秋の日らしい一日になった。我が千葉県北西部地方、紅葉はまだまだ先ではあるが、本格的な秋、まっただ中である。

秋といえば思い出す。8年前の10月の下旬、東京〜サンフランシスコ〜サンノゼ〜ボストン〜ニューヨーク〜東京、という、今から思えば、かなり過酷な海外出張をしたことがある。

その時、立ち寄ったニューヨークは「秋たけなわ」。早朝のセントラル・パークを散歩した折、セントラル・バークは見事なまでの紅葉で、金糸銀糸、紅錦の美しさ。空気はひんやりと心地良く、ニューヨークのど真ん中に位置しながら「静かなこと」この上なし。

そんな感動的な「ニューヨークの秋」を経験した時、ふと、思い出したのが、ジャズ・スタンダードの「ニューヨークの秋」。1934年、Vernon Duke の作詞作曲の曲。

ニューヨークの秋は、どうして人の気を惹くのだろう
秋になると芝居の初日に心ときめかせ
鋼鉄のビルの谷間には、人がちらちらうごき上では雲がゆらめき
ああ家に帰ってきたな、と僕はいつも思うのさ

       (出典:村尾陸男 『ジャズ詩大全 10』より)

この「ニューヨークの秋」、僕の好きな演奏はと言えば、まずは、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)の「ジャンゴ」(写真左)に収録されている「ニューヨークの秋」。アレンジはシンプル。曲そのままに、いらぬお化粧無しにシンプルに、「ニューヨークの秋」を歌い上げる。
 

Autumn_in_ny

 
なんといっても素晴らしいのは、その旋律を歌い上げる、ミルト・ジャクソンのヴィブラフォン。そして、洒落た絶妙のバッキングでミルトを効果的に引き立てる、ジョン・ルイスのピアノ。

ミルトのヴィブラフォンは絶品中の絶品。紅葉した木の葉の上で転がる朝露のような清々しさ。胸にグッとくる、情感豊かなヴィブラフォンの響き。セントラル・バークの紅葉が、朝靄が、ヒンヤリと心地よい朝の空気が、そんな情景が浮かび上がってくる、とても素敵な演奏です。

そして、もうひとつ、僕の好きな「ニューヨークの秋」は、アル・ヘイグの「ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ」(写真右)に収録されている「ニューヨークの秋」。これも、アレンジはシンプル。曲そのままに、淡々と印象的な旋律を紡いでいく。枯れた味わいのヘイグのピアノ。その枯れた味わいのピアノが「ニューヨークの秋」の旋律を際だたせる。

この枯れた味わいの「ニューヨークの秋」は、昔の思い出を懐かしく思い出しているような、しみじみと今までの自分の人生を振り返っているような、それも時間帯としては、夕暮れ時のニューヨークの秋、という風情の演奏。センチメンタルな夕焼け、都会のど真ん中にありながら、静けさをたたえるセントラル・バーク。そんな情景が浮かんでくる、しみじみとした、淡々とした演奏。脱帽である。

この「ニューヨークの秋」という曲は、歌詞の内容を読み解くと、「故郷賛歌」。故郷っていいよな、ニューヨークっていいよな、って感じなんですが、最近では、9.11の同時多発テロ以降は犠牲となった人々への鎮魂歌として取り上げられるようになりました。なんだか、ちょっと複雑な気分です。

あ〜あ、また、ニューヨークに行きたいなあ。それも、晩秋、11月のニューヨークに行ってみたい。
 
 
 
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