ジャム・セッションの醍醐味・2
相変わらず、激しく暑い。今日は朝、早起きをして、書庫の片付けものをしていたのだが、ちょっと動いただけで、汗が噴き出てくる。どこかで、人それぞれの生まれ月の季節は、基本的に、その人の一番得意な、一番好きな季節だと聞いたことがある。確かに8月、夏の暑さは得意な方なんだが、それでも、この1週間の蒸し暑さは、体にこたえる (>_<)。
昨日は「ジャム・セッションの醍醐味」と題して、「JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON VOL.1」をご紹介したが、実は、このアルバムには続編がある。題して「JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON VOL.2」(写真左)。Vol1に続く、VOL2も同じ日の演奏の別の曲を収めたもので、メンバーは、バイオリンのレイ・ナンスに替わって、サド・メル・オーケストラの一員だった、トロンボーンのガーネット・ブラウンが入る。
繊細でクラシックな雰囲気のレイ・ナンスのバイオリンが、ガーネット・ブラウンのトロンボーンに交代すると、この「ビレッジバンガードのスペシャル・マチネーのライブ」の雰囲気が、より熱い「ジャム・セッション」風の大ブロウ大会に変わる。
相変わらず、バリトン・サックスのペッパー・アダムス(写真右)は、快調なブロウを継続し、ブリブリ吹きまくる。そして、交代で入ったトロンボーンのガーネット・ブラウンも、これがまた、トンボーンで、ブルン、ブルルンと吹きまくる。これだけ、ブリブリ、ブルン、ブルルンと吹きまくられ煽られると、トランペットのディジー・ガレスピーも黙っちゃいない。もともとがお祭り好きの、大の目立ちたがり屋のガレスピーである。熱くブロウするバリトン・サックスとトロンボーンを向こうに回して、バリバリ吹き返す。
この大ブロウ大会を、クールにコントロールするのが、バックのリズム・セクション。チック・コリアのピアノは、Vol.1に増してヒート・アップし、ビ・バップ顔負けの高速ピアノ・ソロを展開。しかし、とことん熱くならず、底の部分は冷めた、冷静なバッキングで、この大ブロウ大会が、単なる、テクニカルなソロの吹き合いで終わることを戒める。リチャード・デイビスのベースは、堅実かつ分厚いベース音でリズムをがっちりキープ。そして、やはりポイントは、メル・ルイスのドラム。さすが、サド・メル・オーケストラのリーダー。彼のドラムが、この「ビレッジバンガードのスペシャル・マチネーのライブ」の全体トーンを強力にコントロールする。
従来の吹きまくる「ジャム・セッション」という観点では、この「第2集」の方が、演奏全体の雰囲気はちょっとラフにはなりますが、「第1集」より、やや軍配が上がるかな〜。「第1集」の気品、「第2集」の熱気。「ビレッジバンガードのスペシャル・マチネー・ライブ」の雰囲気全体を味わうなら、この「JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON」については、是非とも「第1集」「第2集」の両方を揃えておきたいですね。
日曜日の午後、秋のニューヨーク。グリニッジ・ビレッジ界隈を散歩しつつ、途中で、ビレッジバンガードに立ち寄り、スペシャル・マチネー・ライブを聴く。ああ、なんて素晴らしい環境なんだろう。羨ましいこと限り無し、である。
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