Take It To The Limit ・・・
先週の日曜から、「ザナドゥ」がマイ・ブームの松和のマスターです(笑)。やっと、1週間が終わった。なんだか、体調がすぐれず、それでいて、仕事の都合上、休むことも出来ない1週間で、ちょいと辛かった。別に、忙しい訳じゃなくて、どちらかと言えば暇なんだけど、出なけりゃならん打ち合わせが散在しててねえ。
さて、このところ、フュージョン、グラムロックと続いて、ちょっと耳が「もたれた」。シンプルなロックが聴きたくなった。シンプルなロックは無いか、と探していたら、やっぱ、シンプルなロックと言えば、ウエストコーストでしょう、と勝手に思って、ウエストコーストの棚を物色し出した。そして、これだ!と手に取ったのが、「Randy Meisner(ランディ・マイズナー)」(写真左)。
1978年、ランディ・マイズナーのファースト・ソロ・アルバム。ランディ・マイズナーと言えば、ウエストコースト・ロックの雄、イーグルスのオリジナル・メンバーの一人。1977年、イーグルスの中で居心地が悪くなったマイズナーは、若干の休養期間の後にソロ活動を開始する。そして、そのソロ・デビュー作が「ランディ・マイズナー」。日本では『テイク・イット・トゥー・ザ・リミット』という邦題で発売されたのを覚えている。
このアルバム、やっつけ作業だったらしく、制作の準備は不十分で、マイズナーによる新曲は一曲も無い。他人の作による曲と、以前マイズナーが発表した曲のセルフ・カバー、そして、純粋なカバー曲と、選曲についても、かなり中途半端。
バック・メンバーにしても、J.D.サウザー、バイロン・バーライン、デヴィッド・キャシディー、ヴィクター・フェルドマン、マーティー・ペイチといった名前の売れたミュージシャンが一部参加しているものの、中心となっているのは無名で可もなく不可もない人々。
それでも、僕は、このアルバムのシンプルさが大好き。全体を通じて、演奏のレベルは中庸、インパクトに欠ける面が見え隠れするけど、それぞれの曲自
体の出来は、なかなかです。そして、何よりも、爽やかさと切なさが同居したようなランディーのリード・ヴォーカルを全編にわたって楽しむことが出来るところが良い。
カバーは、意外にもR&Bが多い。マイズナーの好みなんだろうな。ドリフターズのヒットで有名な「Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私に)」には、ニヤリ。エリック・クラプトンが取り上げたことでも知られる「Please Be With Me」はとてもいいカバーやねえ〜。ジミー・ソウルのヒット曲だった「If You Wanna Be Happy」も良い出来です。カバーだけでも結構楽しめる。
そして、このアルバムの極めつけは、イーグルス在籍時代、彼の代表曲として誉れも高い「Take It To The Limit」の再演。イーグルスでの、仰々しまでの、ストリングス分厚い、荘厳なアレンジとは打って変わって、このヴァージョンは、ピアノとアコースティック・ギターだけをバックにしたシンプルなもの。これが「たまらん」。すごく良い。マイズナーのボーカルも丁寧で、感情がこもっていて感動ものですよ〜。
So put me on a highway and show me a sign
and take it to the limit one more time.
「もう一度とことんまでやってやってみるんだ」というこの曲のメッセージ、僕は、昔むかし、浪人時代に、落ち込んだ時、辛くなった時、悲しくなった時、良くしんみりと聴きこんだものだ(イーグルスのバージョンだったけど)。
そんな「Take It To The Limit」、若い時は、その時の思い出(あまり良い思い出ではなかったりする)が蘇って来て、避けていたこともあるけれど、歳をとった今や、この曲は、正に愛聴曲である。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« かぐわしき「グラム」の調べ | トップページ | ウイントン・マルサリスの最新作 »
コメント