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2007年7月14日 (土曜日)

ウイントン・マルサリスの最新作

台風が近づいている。ここ千葉県北西部地方は、朝から雨。時々強く降る最悪の天気である。しかも、こんな日に、歯医者の予約が入っているときた。まあ、今日から三連休なので、この大雨の中、燃えるゴミも出してきた。歯医者にも行った。帰りにパンも買ってきた。台風が近づいているというのに忙しいことだ。

閑話休題。こういう雨の日は、家でできる趣味が良い。読書然り、音楽鑑賞然り、ホームページの更新然り、ブログの更新然り。音楽鑑賞については、日頃、じっくり腰を落ち着けて聴きたいアルバムを聴くのが一番だ。ということで、ウイントン・マルサリスの最新作、かつ問題作といわれる「From the Plantation to the Penitentiary(邦題:自由への誓い)」(写真左)をピックアップ。

マルサリスは、現在、最も著名かつ中心的存在のジャズ・ミュージシャン、トランペッターの一人。ジャズ・アット・リンカーン・センター(Jazz at Lincoln Center)の芸術監督を務めている。デビュー時は「神童」と騒がれ、クリフォード・ブラウンの再来と言われた。しかし、彼は、それにとどまらず、彼の音楽の個性と独自性にいっそうの磨きをかけ、「ウイントン・マルサリス」という唯一無二の存在にまで登り詰める。

また、クラシック音楽の名演奏家としても有名。2006年現在で、16のクラシックと、30以上のジャズのレコードをリリース、6つのグラミー賞を獲得。また、マルサリスはジャズ・ミュージシャンとしては初めて、ピューリッツァー賞音楽部門を受賞した。

Wynton_plantation

と、彼の経歴を並べると、ミュージシャンとして完璧な経歴であることが判る。十代の頃から「天才」の名をほしいままにし、何もかも最高の結果でこなしてきたウィントン。彼は、いろいろと彼の人柄を紹介している文章を読むと、とても真摯で、頭の良い、好感の持てる人物のようですね。その真摯な部分とこれまでの経歴と今の自分のポジションから、ジャズ界における自分の役割と責任というものを冷静かつ真面目に考えているようです。

それ故、「ジャズ界のトップにいることは、かくも政治的でなければならないのか」とか、「理屈っぽくて、ジャズマンとして面白くない」とか、「ジャズの歴史を身にまとった権力の権化」とか、「トランペットが上手すぎてつまらない」とか、いろいろ揶揄されたり、批判されたり、誤解されることもしばしばです。

そんな中、最新作「From the Plantation to the Penitentiary(邦題:自由への誓い)」がリリースされたので、早速、ダウンロードして、最近、ちょくちょく聴いています。原題の「農園から刑務所へ」というタイトルは、自らのルーツである黒人が差別され続けている状況が、農園から刑務所に場所が変っただけで全く変わらない、という痛烈なメッセージが込められている印象です。自ら歌詞を書き、新人の女性歌手をフューチャーした壮大なジャズ組曲です。

こんなアルバム、突然出すから誤解されるんだよな〜。でも、ウイントンは真摯に、ジャズのフォーマットに則って、メッセージを発信していきます。アメリカン・ルーツ・ミュージックの様々な音楽の要素を融合し、スピリチュアルな雰囲気の中、密度の濃い、テクニックのある演奏は聴き応え十分。緊密なアンサンブルと、広くスペースを与えられたソロとの相乗効果で、6人編成のコンボなのにオーケストラのような多彩な響きを生み出していて、素晴らしい出来だ。

ウイントン・マルサリスの諸作については、評論家やジャズのベテラン愛好家の意見をあまり意識せずに、実際に自分の耳で聴いて、自分の感性で判断した方が良いと思います。これだけ、いろいろと誤解されたり、一方的に批判される、超一流ミュージシャンも珍しいですね。でも、これだけレベルの高い、ジャズ界最高峰の演奏を、風評に惑わされて、体験せずに終わるなんて、実にもったいない話だと僕は思うのだ。
 
 
 
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