ポール、結構良いよね〜
どうも体調がすぐれない。どうも風邪をひいたようだ。このところ、千葉県北西部地方は、5月の陽気。半袖だとちょっと肌寒い朝が続いている。ここのところ、2日連続で、早朝、寒くて目が覚めている。どうも、これがいけないみたいで、喉がガラガラするし、なんか熱っぽい。
風邪気味の時は、ジャズは避けて、ロック・ポップス系の、ちょっとハードで、メロディアスで、聴いていて気持ちの良い、ポップスの王道を行くアルバムが良い。70年代のロックやポップスには、そんなアルバムがごちゃまんとあるが、今日は、ポール・マッカートニーの最新作「Memory Almost Full(邦題:追憶の彼方に)」。
ネットでは、結構、厳しい評価をもっらったりしているポールの新作なんだが、まあ、ポールって、昔っから、正当に評価される反面、一方で、なぜかは判らないが、厳しい評価をされることがしばしばあって、もうこの歳に至っては気にならない。しかし、「Memory Almost Full」の邦訳が、なぜ「追憶の彼方に」になるのかは良く判らない。
ダウンロードで手に入れて、まだ3回しか繰り返し聴いていないが、これ、結構、良いんじゃないか。デジタルとの相性がからきし悪いポール。1980年代から、デジタルの音作りに苦しんできたが(例:マッカートニーII)、今回のアルバムは、やっと、デジタルの音作りについて、折り合いをつけたような、そんな感じがする。デジタル系の音をバックに、ポールの個性的な曲とボーカルが上手くのっていて、違和感がほとんど無い。しかも、ちょっとオルタナ風のところもあって、古さを感じさせない音作りはさすが。
冒頭「Dance Tonight」の前奏には、なんとなくアイリッシュな響きを感じてワクワクする。ポールがアイリッシュな響きを活かした曲作りをすると無敵である。英国を感じさせる音。続く「ver Present Past」「See Your Sunshine」も完璧ポールらしい曲作りで、思わず頬が緩む。8曲目「Vintage Clothes」から、9曲目「That Was Me」と続くくだりは、実に良い。当代きってのメロディー・メーカーの面目躍如。
ええんとちゃうかな、今回のポールのアルバム。1970年代、ウイングス時代のきらびやかなヒット曲の数々と比べると、ポールの曲作りは渋くなったけど、ポールも、もう64歳。ええんとちゃうかな、渋くても。ポールの人生の年輪を感じさせて、僕はこのアルバムの曲作りの渋さもまた良しだ。
ジョンもジョージも、もういない。リンダもいない。リンダ亡き後、悪妻に悩まされ、残ったのは、ヨーコとリンゴ。もう、ポールにダメ出しできる同胞はいないし、ポールの創作意欲を刺激する人もいない。そんな中で、克己心をしっかり持って制作された今回のアルバム。ポールの人間的な面が愛おしい、そんなアルバムである。
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