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2007年7月 7日 (土曜日)

ハード・バップの萌芽

どんよりとした梅雨空が戻ってきた。日差しが遮られて、昨日とはうって変わって、ちょっと涼しくて、湿気を含んだ北風が吹いて、すっかり梅雨の季節に逆戻り。昨日と比べると、気温差が激しくて、気圧も変化し、ちょっと体調も優れない。憂鬱な土曜日である。

午後、整体に行って、かなりあちこち、痛んでいることが判った。あっちこっち、かなり丁寧に整えて貰って、ちょっとだけ、体調が戻った感じがする。それでも、やたら眠かったり、お腹が急に痛んだり、不具合はいろいろ残っている。この季節は、子供の頃から、どうも苦手である。

さて、昨日は、「ハード・バップのプロトタイプ」の話をしたけど、では、「ハード・バップの萌芽(物事の起こるきざし)」って、いつ頃からなんだろう、どのアルバムからなんだろう、と思って、1948年〜1952年あたりの名盤・名演と誉れの高いアルバムを、昔、聴き比べたことがある。

昨日は、ハード・バップのプロタイプのひとつとして、マイルス・デイビスの「ウォーキン」をご紹介したが、そのマイルスのアルバムの中で、「ハード・バップの萌芽」が、かなり明確な形で現れているアルバムがある。そのアルバムとは「ディグ」(写真左)。録音メンバーは、Jackie Mclean(as)、Art Blakey(ds)、Walter Bishop Jr.(p)、Sonny Rollins(ts)、Tommy Potter(b)、Miles Davis(tp)のセクステットによる1951年10月の録音。

Miles_dig

当時、LPレコードという長時間録音(最長片面約25分)に耐えるフォーマットが出現し、長時間演奏の録音が出来るようになった。そのLPの長時間録音可能なフォーマットを活用すべく、録音されたアルバムのひとつが、このマイルスの「ディグ」である。

長時間録音が可能になったので、当然、「間の取り方、緩急の付け方、強弱の付け方、そしてタイミング」を創意工夫して、ビ・バップよりも遙かに長いアドリブをクールに表現することが可能になった。つまり、LPフォーマットが出現したおかげで、ハード・バップという演奏スタイルの台頭に拍車がかかったということ。

この「ディグ」を聴くと、「間の取り方、緩急の付け方、強弱の付け方、そしてタイミング」を創意工夫して、ビ・バップよりも遙かに長いアドリブをクールに表現する、という部分に、ハード・バップ・スタイルの萌芽を強く感じることが出来る。特に、マイルスについては、「間の取り方、緩急の付け方、強弱の付け方、そしてタイミング」について確信を持ったソロを聴くことができる。他のミュージシャンは、まだ、そのハード・バップ・スタイルのコンセプトが理解できず、手探り状態でソロを演奏していることが感じられる。

テーマのユニゾンやハーモニー、ソロのバッキングなど、ハード・バップ・スタイルの代表的コンセプトである、グループサウンドの創成については及ばないが、ビ・バップ時代の、超絶技巧な技を聴かせるアクロバティックで単調なソロから脱却し、「間の取り方、緩急の付け方、強弱の付け方、そしてタイミング」を創意工夫して、アドリブをクールに表現する、という部分で、この「ディグ」では、ビ・バップで活躍していたミュージシャンが、率先してチャレンジする姿が明確に記録されている。

ということで、この「ディグ」というアルバムは、ハード・バップの萌芽の記録として評価すべきアルバムで、演奏の内容は、ハード・バップ・スタイルに関して、手探りの状態での演奏が多く、演奏内容としては、名盤・名演とはいいがたい。

でも、2曲目の「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン」の、丸〜い、そして優しい、マイルスのソロは素晴らしい。僕は、この1曲を聴きたくて、この「ディグ」を引っ張り出すことが良くあります。歌うように、クールに、女を口説くようにソロを吹く、そんなマイルスの真骨頂ですね。
 
 
 
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