日本人もなかなかやぞ〜
アジアカップ初戦、日本×カタール戦の前半を見ていて、イライラがつのって、爆発寸前の松和のマスターです。ええかげんにせえや、もうジーコ・ジャパンの「体たらく」の二の舞はゴメンやで〜。蒸し暑いのはわかるけど、チャレンジ精神の欠如とイマジネーションの欠如だけはなんとかせえや。45分走れなんて言わんけど、緩急つけたトータル・フットボールと、いかないもんですかね〜。
さて、話は急に変わって、ジャズ・ピアノのソロに話になる。ジャズのソロ・ピアノというと、キース・ジャレットが有名である。彼はかなりの数のソロ・アルバムを出しているが、どれもが、ジャズ・ピアノの語法とクラシックの語法をミックスした独特の音作りで、水準以上の素晴らしいものばかりである。
キース以外で、ソロ・ピアノでの有名どころは、モダン・ジャズ・ピアノの巨匠、ビル・エバンス。キースとは全く異なる、あくまで純粋に、ジャズ・ピアノの語法のみでの素晴らしいソロ・ピアノを聴かせてくれる。その他、数はアルバムの数は少なくなるが、チック・コリア、ハービー・ハンコック、レイ・ブライアント、オスカー・ピーターソンと、ジャズ・ピアノの有名どころは、それぞれ、素晴らしいソロ・ピアノのアルバムを出している。
それでは、日本のジャズ・ピアニストって、どうなんだろう。ジャズ・ピアニストの有名どころと比肩するレベルの、ソロ・ピアノのアルバムはあるんだろうか。これが、あるんですねえ。それは、板橋文夫の「渡良瀬」。1982年リリースの、LP時代は「幻の名盤」と言われた、日本人ジャズのソロ・ピアノの秀作である。
板橋文夫。国立音大在学中よりジャズに興味を持ち、活動を始め、渡辺貞夫クィンテットにてプロデビューを果たす。その後日野皓正、森山威男グループに参加する一方、自己のトリオでも活躍し、1982年には、ソロアルバム『渡良瀬』を発表。1985〜87年にはエルビンジョーンズ・ジャズマシーンのワールドツアーに参加。他にもレイ・アンダーソン(Tb)など世界的なミュージシャンとのワールドツアー行い国際的に活躍。
この1982年リリースの「渡良瀬」。いいですよ〜、これ。日本人によるジャズでのソロ・ピアノなので、「和」が基本という先入観がありますが、そうではありません。ジャズの伝統の根幹である、アメリカン・ルーツ・ミュージックの要素もしっかり押さえて、時には、フリー・ジャズの要素も散りばめ、しっかりとジャズの基本を押さえた上で、そこはかとない、日本人のDNAを揺さぶる旋律と、墨絵を見るような、メリハリが効いてはいるが、大仰ではない、「侘びさび」の世界を彷彿とさせる「抑揚と強弱」とが、他の「ジャズ・ソロ・ピアノ」と一線を画する。
冒頭の「いつか王子様が」の繊細な音の紡ぎ方、5曲目の「渡良瀬」の日本の原風景を彷彿とさせる音作り、ラストの「グッドバイ」の美旋律。旺盛なチャレンジ精神と溢れんばかりのイマジネーション。全編通じて、世界に通じる、日本人を代表する「ジャズ・ソロ・ピアノ」の名盤です。
日本×カタールの試合結果が入ってきた。くそ〜、引き分けか〜。あかんな〜、このままでは・・・。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« 1980年を思い出した・・・ | トップページ | AOR的ギター・フュージョン »
コメント
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/7087367
この記事へのトラックバック一覧です: 日本人もなかなかやぞ〜:
「渡良瀬」、お小遣い貯めて買おうと、頑張ってます^^。(こつこつ貯金)
投稿: yuriko | 2007年7月13日 (金曜日) 01時17分
yurikoさん、ど〜も。松和のマスターです。
「渡良瀬」良いですよ〜。頑張ってゲットして下さいね〜。
そうそう、yurikoさん、前に、ブログで「渡良瀬」についてコメント
されてましたよね。う〜ん、高田馬場のマイルストーンだったかなあ。
あのyurikoさんの記事で、それまで、ちょっと忘れていた「渡良瀬」
の存在を思い出しました。ありがとう。
最近、ちょくちょく、リラックスしたい時に聴いています。
投稿: 松和のマスター | 2007年7月13日 (金曜日) 22時51分