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2007年7月 4日 (水曜日)

ミンガスはライブが良い・・・

出張から帰ってきて、モダン・ジャズである。純ジャズである。出張時は、iPod nanoを持って行くので、いきおい、Jポップ中心の音楽リスニングになる。これが、5日中4日になれば、純ジャズの禁断症状が出てくる。今日の通勤音楽は絶対に純ジャズである。

純ジャズといっても、やわな純ジャズでは駄目で、バリバリの純ジャズが良い。と思いながら、家を出て、マンションのエレベーターの中で、iPodのダイヤルをグルグル回す。そして、目にとまったのが、チャールズ・ミンガス。よしよし、これだ、これ。ということで、今日の通勤音楽は、チャールズ・ミンガスの「ミンガス・アット・カーネギー・ホール(Mingus At Carnegie Hall)」(写真左)である。

ジャズのベーシストのリーダー・アルバムって、その評価が結構、難しい。ジャズ・ベースって、その楽器の特性故、音色の個性が表れにくい。音の大きさ、リズム感、早弾きのテクニック、これくらいしか差異化要素が無い。それでも、ジャズ・ジャイアントの類のジャズ・ベーシストは、必ず、その音が聴き分けられる。でも、その音の個性だけでは、リーダー・アルバムを作り続けるには、ちと辛いものがある。

よって、ジャズ・ベーシストのリーダー・アルバムは、ベースの個性的な音に加えて、コンポーザー及び、バンドリーダー、音楽監督としての才能を前面に出してのリーダー・アルバムが多い。代表的なのが、アコースティック・ベースとしては、今日、ご紹介しているチャールズ・ミンガス、そして、ロン・カーター、晩年のレイ・ブラウン。エレクトリック・ベースでは、ジャコ・パストリアス、マーカス・ミラー。最近の若手からすると、クリスチャン・マクブライド。ジャズ・ベーシストには、ベースという楽器だけで、リーダー・アルバムとして勝負せずに、総合音楽家としての才能で勝負している例が多い。
 

Mingus_carnegie

 
で、チャールズ・ミンガスである。彼は、ベースの個性的な音に加えて、コンポーザー及び、バンドリーダー、音楽監督としての才能を前面に出したリーダー・アルバムがほとんどである。有名どころでは、ジャズの演奏に物語り的要素を加えた「直立猿人」、黒人意識の高まりと決意の念を示した「ハイチ人の戦闘の歌」が圧巻な「道化師」。シニカルな「フォーバス知事の寓話」が目玉の「ミンガス・プレゼンツ・ミンガス」。でも、今の耳で聴くと、「ん〜っ」と思ってしまうアルバムもあって、コンセプト・アルバムは時代とともに風化しやすい、ということを痛切に感じる。

でも、ミンガスには、ライブ・アルバムがある。ミンガスを堪能するには、ライブ・アルバムが一番、これが僕の持論である。太くて大きい音のベース、誰が聴いてもミンガスの音作りと判る個性的な音作り、ベースのテクニックを駆使してのバンド全体の統率、そして、バンド・カラーを決定づける花形ミュージシャンの採用。これらの要素を明快に我々の前に提示するのが、ミンガスのライブ・アルバムである。今日聴いた「ミンガス・アット・カーネギー・ホール」は、そういう観点から素晴らしい出来のライブ・アルバム。

大きくて太いベースが先導する「C Jam Blues」。ベースの音だけでスイング感が抜群。ベースに煽られてノリノリの9人編成のミンガス集団。時は74年1月、NYはカーネギーホールでのライブ。

 John Handy(as)が、ソロ戦争の幕を切って落とす。各ミュージシャンとも個性炸裂の大ソロ戦争で、ゴリゴリ・バリトン・サックス Hamiet Bluiett、ビュルビュル・テナー George Adams、循環ブレッシング+迫力満点なロングトーン・テナーをぶちまけて、瞬時に他を亡きものにする「主役花形」ミュージシャンの Roland Kirk、細めのミュート・ペットが味わいを添える Jon Faddis、軽やか爽やかなアルト・サックス Charles McPherson(as)、全員が素晴らしいソロを繰り広げる。そのバックで、的確に指揮し、ソロイストを鼓舞し続けるのが、ミンガスのベース。

凄い迫力に圧倒される。ミンガス・グループは、いつの時代も、ライブでは、その時代、その時での、最先端のハード・バップを聴かせてくれる。決して、フリーには走らない。決して、ファンクには走らない。決して、フュージョンには走らない。いつの時代も、ジャズ演奏の王道を行く、我らがミンガス・グループである。

ミンガスほど、聴いていて心地よく、ノリノリになって、心昂ぶるベースは無い。しかし、それは、彼のコンポーズ、アレンジ、そして、音楽監督としてのメンバーへの的確な指示と音作り、これら全てが出揃ってこそ、ミンガス最高のベースが聴けるのだ。

そういう意味で、この「ミンガス・アット・カーネギー・ホール」はお勧めです。たった2曲で約46分。聴く前はちょっと長いかなあと思うんだが、聴いてみると一瞬(ちょっと大袈裟?)。ちょっとハードかもしれませんが、ジャズ・ファン必聴の一枚でしょう。
 
 
 
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