なぜか夏になると聴くロック
朝から湿度が高く、ぼんやり薄曇りの空模様。雨が鬱陶しいので、午前中の散歩がてら、参議院選挙の投票へ。いつもの選挙より人出があるみたいで、投票率は上々の様子。その後、歩いて買い物に出たけど、蒸し暑いのなんのって。汗グッショリで家に帰り着いたら、程なく、強い雨が降ってきた。ラッキー。
一昨日、「なぜか夏になると聴くジャズ」と題して、そのアルバムの一例をご紹介したが、今日は「なぜか夏になると聴くロック」である。暑い夏なので、高校時代から、暑苦しい「ハード・ロック」や「プログレ」はどうも聴く気にならない。高校2年の夏だったか、映研の部室で「暑い暑い」と言いながら、「暑い夏にピッタリのロックは無いんか〜」と騒いでいたら、「それやったら、レイド・バックやろ」と言われて、「???、レイド・バック?」。
レイドバック(laid-back)というのは「くつろいだ、のんびりとした、ゆったりした」という意味である。音楽の用語として良く使われるが、その場合、主にリズムの感覚を表す。具体的な例を挙げると、レゲエのリズムや、サザン・ロックのバラードなどの「ゆったりとくつろいだ感じ」が「レイド・バック」である。
さて、「ん〜っ、レイド・バックってなんやねん」と訊いたら、「そうやねえ、これもレイド・バックやで。聴けば判るわ」、と聴かされたアルバムが、エリック・クラプトン(Eric Clapton)の「There's One in Every Crowd (安息の地を求めて)」(写真左)。当時、1975年3月にリリースされたクラプトンの最新作であった。
クラプトンの「ギターの神様」のイメージからすると、全く拍子抜けしてしまう、クラプトンの歴史の中では、ちょっと異質な、真に「レイド・バック」したアルバムですが、幸いにも、当時、僕は、クラプトンと言えば、前作「461 Ocean Boulevard」しか知らなかった(笑)。でも、このアルバムは、クラプトンの数あるアルバムの中でも、いわゆる商業的な成功は収めてないが、ファンに人気が高い「隠れ名盤」なんですよね。
冒頭の「We've Been Told (Jesus Is Coming Soon)」。アコギの音が素晴らしく、心地良い。2曲目は、レゲエ・ソング「Swing Low Sweet Chariot」。枯れた調子のクラプトンのヴォーカルもさることながら、バック・コーラスのマーシーとイヴォンヌもリラックスして、良い調子で歌い上げているのが印象的。この曲、今でも大好きな曲です。5曲目の「The Sky Is Crying」は、レゲエ調の曲が多いこのアルバムの中で、際だったブルース・ナンバー。ライヴでも良く演奏される佳曲ですね。ラストの「Opposites」などは、リラックスの極みである。
このクラプトンの歴史の中では、ちょっと異質なアルバムですが、ブルーズ・レゲエ・ゴスペル系の曲を中心に、「軽快なジャマイカのリズム」、「テンションは高いがリラックスしたアコギの音」、「ここ一発のクラプトンのエレキの職人技」。心地良い「ロックな安らぎ」を感じる、夏にピッタリのアルバムの一つです。
夏になると、このアルバムを聴く。そして、このアルバムを聴いて思い出す。高校時代の夏、大学時代の夏。そして、社会人になって、生きることに働くことに忙しくて、このアルバムをパッタリ聴かなくなった。でも、このところ、また、夏になると、このアルバムを聴くようになった。遅まきながら、やっと、最近、人生に対して、余裕が出来てきたようである。
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