これはちょっとクセになる
最近、蒸し暑い日が続いている。朝もなんとなく蒸し暑く、会社の帰り、夜のムシムシした空気の中を歩くと、汗がジワリとにじんできて、気持ちが悪い。改めて思うのは、日本の夏って、高温多湿だよな。不快指数も高いし、けっして、住み良い季節ではない。
そんな中、今日、通勤音楽として聴いたアルバムが、「ジミー・ジュフリー3」(写真左)。ジミー・ジュフリー(cl,ts,bs)、ジム・ホール(g)、ラルフ・ペナ(b)の変則トリオの演奏である。
ジミー・ジュフリー。1921年テキサス生れのサックス、クラリネット奏者。1950年代にウエストコーストで活躍した後にJim Hallとトリオを結成。1958年にはベースの代りにBob Brookmeyerを加えた変則トリオで、映画「真夏の夜のジャズ」にも出演しています。14歳の頃から、8年間作曲を学ぶなど、ちょっとアカデミックなリード奏者です。
「真夏の夜のジャズ」といえば、1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバル3日間の模様を1日の出来事として編集したドキュメンタリー映画。この映画の冒頭のジミー・ジュフリー・トリオって、これが、意外と格好良い。シンプルで、一見(一聴?)クールな演奏ではあるけど、密かにホットで、ダウン・トゥ・アースな雰囲気がなんだか魅力的で、妙に印象に残っています。このオープニング・テーマの 「The Train And The River」が、「ジミー・ジュフリー3」に収録されています。
この「ジミー・ジュフリー3」ってアルバム、一般的には、評判は芳しくなく、「眠たい」とか「だるい」とか「スイングしない」とか「スリリングでない」とか、ネットでは手厳しい評価が目につきますが、そこまで言わなくても、と僕は思います。トリオというフォーマットで、アンサンブルの格好良さと、それぞれのソロの魅力を両立させているところは、なかなか良いですよ。
クールな演奏が中心なので、スイング感が感じにくいのですが、この「ジミー・ジュフリー3」では、しっかりとスイングしています。スイングするだけでなく、フォーキーで牧歌的な雰囲気、間を活かした柔らかなサウンド、シンプルな中にジンワリと染みこむような味わい。この「ジミー・ジュフリー3」の様なトリオ編成、トリオ演奏は、他に類が無く、のんびり、ゆったりした気分で聴いていると、これはちょっとクセになります。
「ジミー・ジュフリー3」。変則トリオの絶妙なアンサンブルもさることながら、フォーク調で牧歌的、ゴスペル風なダウン・トゥ・アースな演奏が小粋な、リスナーからすると好き嫌いの差が激しい、ちょっとマニアックなアルバムですね。
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