セルフ・カバーの楽しみ
真夏のような一日。日差しは強く、紫外線バリバリ。それでも、風は北風、湿度も低めで、家の中を吹き抜けていく風は、とても爽やか。外を歩いても、汗はかくが直ぐに乾く。爽やかな過ごしやすい一日。
今日の音楽は、70年代、J-ポップ。吉田拓郎の「ぷらいべえと」(写真左)。今を去ること30余年、時は1975年、拓郎、陽水、小室、泉谷ら4人で「フォーライフレコード」を設立、その年の11月に、拓郎の発案で、 30万枚限定で、四巨頭揃い踏みによる夢のセッション・アルバム 「CHRISTMAS」を発売したんだが、これが見事にズッコケて、「フォーライフ」は経営危機にまで陥り、1977年4月に応急手当として、拓郎が責任を取り、急遽発売されたのが、このアルバム「ぷらいべえと」。これが思いのほか売れて「フォーライフ」は首が繋がった。
さて、このアルバムは、拓郎のセルフポートレイトとも言われ 当時、拓郎が口ずさんでいた歌や、作曲家「吉田拓郎」として、他の歌手に提供した曲のセルフカバーが収められている。拓郎が口ずさんでいた愛唱曲には、夜霧よ今夜もありがとう(石原裕次郎)、くちなしの花(渡哲也)、悲しくてやりきれない(フォーク・クルセイダーズ)、よろしく哀愁(郷ひろみ)の4曲が選ばれている。どの曲も、アレンジが良く、拓郎の歌唱に独特な味があって、聴きごたえのあるカバーになっている。完全な拓郎オリジナルになっているところが面白い。
逆に、作曲家「吉田拓郎」として 他の歌手に提供した曲のセルフカバーは、「恋の歌」「春になれば」「ルームライト」「いつか街で会ったなら」「歌ってよ夕陽の歌を」「やさしい悪魔」「赤い燈台」「メランコリー」「あゝ青春」の9曲。どの曲も秀逸な楽曲ばかりで、悪い訳が無い。加えて、アレンジ、歌唱とも優秀で、聴き応え十分。やはり、拓郎は、その曲作りに独特の個性があるので、本人が歌うのが、一番、すわりが良いことを再認識させられる。
僕としては、由紀さおりが歌った「ルームライト」、中村雅俊の歌った「いつか街で会ったなら」、キャンディーズが歌った「やさしい悪魔」、刑事物のテレビドラマ『俺たちの勲章』の主題歌だった「あゝ青春」が印象的。どれも、学生時代、バンドでカバった曲ばかり。特に「ルームライト」と「やさしい悪魔」は、歌詞、曲ともに「たまらん」。
この「ぷらいべえと」のジャケットを飾る絵ですが、森の中に佇んでいる一人の少女をイメージして 拓郎自信が描いたもの。では、この絵の中の女性は一体誰をモデルにしたのか。ネットで調べてみたら、その絵の中の女性は、「キャンディーズ」のランちゃんであるという説が有力ですね。僕は、当時の嫁はんだった(まだ結婚してなかったかな?)、浅田美代子かと思っていた。
やっぱり、シンガー・ソング・ライターのように、曲作りに個性のある人の曲は、作曲したその人本人が歌うのが一番ですね。
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