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2007年5月29日 (火曜日)

適度に「トンガっている」ジャズ

忘れた頃に食べる、ミスタードーナツの「オールドファッション」って、やっぱり美味い。この「オールドファッション」が、我が家特製のトマト玉子スープに、実に「あう」。特製トマト玉子スープを飲みながらの「オールドファッション」って、絶品である。今日の晩ご飯は「満足」である。

ジャズを聴き続けて、30年以上になるが、名盤・定盤の類を聴いていると、極端に「トンガっている」ジャズ、例えば、フリー・ジャズとか、フリー一歩手前のコルトレーン的ブロウとか、「トンガった」モード・ジャズとか、を聴いていると、徐々に「疲れてくる」。
 
といって、バリバリ、コテコテの「伝統的な」、絵に描いたようなハード・バップも、聞き続けると、徐々に「もたれてくる」。そんな時、「無いものねだり」ではではないのだが、適度に「トンガっていて」、適度に「伝統的な」ジャズってないのか、と思ったりする。
 
適度に「トンガっていて」、適度に「伝統的な」ジャズ、と考えると、ブッカー・アービンの名前が浮かぶ。ミンガス・グループでお馴染みテナー奏者、ブッカー・アービン。1930年テキサス州生れ。
 
1970 年、ニューヨークで癌のため死去。ハイスクール時代、トロンボーンを始め、空軍バンドに在籍中にテナーに転向。54年、バークリー音楽院に学ぶ。58年 ニューヨークに進出。60年からは自己のバンドを率いる。ホレス・パーランとの双頭コンボはプレーハウス4の名で知られる。
 

Booker_ervin

 
このブッカー・アービンのテナーって、適度に「トンガっていて」、適度に「伝統的な」テナーで、実に具合が良い。後期コルトレーンほどアブストラクトでは無く、50年代後半のハード・バップほど、コテコテの「伝統的な」テナーでは無い。
 
その適度に「トンガっていて」、適度に「伝統的な」テナーで、このテナーの音が心地良いほどに太くて、ほのかに「アーシーな香り」がする。そんな彼のアルバムの中でも、ちょっと伝統的な方に偏ったアルバムが、Booker Ervin『Cookin'』(写真左)。

リズム隊を務めるのは、ホレス・パーラン(p)、ジョージ・タッカー(b)、ダニー・リッチモンド(ds)の3人。そして、ブッカー・アービンとフロントを務めるのが、リチャード・ウィリアムス(tp)。アービンのテナーは素晴らしいのは、当たり前として、トランペットのリチャード・ウィリアムスが実に上手い。
 
リー・モーガンの様なブリリアントな響きではあるが、モーガンより癖が無い。適度に癖があるが、基本はストレートな「これぞトランペット」って音とテクニックが素晴らしい。バックのリズム隊3人も秀逸。特に、ホレス・パーランの個性的でアーシーなピアノは、フロントの2人にピッタリ。

ジャケット・デザインもなかなかのもの。適度に「トンガっている」部分で感性を刺激され、適度に「伝統的な」部分で心が癒される。これぞジャズの醍醐味を味わうことの出来る「隠れ名盤」の一枚である。
 
 
 
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コメント

Booker Ervinについて・・・
いいですね~テキサスブローテナーですね。
私のお薦めはブルーノートによるBack from the Gigです。実はこれは2枚アルバム構成ですが、Horace Parlanとの共演より、Woody Shaw, Kenny Barronとの共演が気に入っております。特に、Lynne'Tuneが何よりのお薦めでございます。いいバラード曲です。Booker Ervin ファンでしたら、必聴です。ではでは!

KOJIさん、いらしゃい。松和のマスターです。

Booker Ervinって良いですよね。僕は「Heavy!!!」がお勧め
かなあ。「個性を楽しむ」という点で、適度に「トンガって
いて」適度に「伝統的な」ジャズとして、この「Heavy!!!」は、
やや「トンガった」方に寄っていて、刺激的でありながら、
ゆったり聴きこめる、ってところがお気に入りです。
  

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