真摯で誠実なジャズは良い。
昨夜、夜半前から吹き出した風は、台風まがいの風で、今日は早朝の5時、「ドーン」という、激しい風の音で目が覚めた。いや〜、凄い風でしたね。この時期に、これだけ、台風みたいに激しく吹く風は経験が無い。そして、昨日に比べて、一気に気温は下がり、朝は、体感として、4月中旬に逆戻り。
しかし、今日は忙しかったなあ。朝、出社して、のっけから、内線電話1時間15分、話しっぱなし。これはもう、電話会議。内線の携帯を手に持って話し続けていたので、腕が硬直して痛くなった。こんなに長くなるんなら、ヘッドセット着けて話すんだった。話し終わってから、長文メールを5本、打ち続け、ネットで調べ物をし、15時からは打合せで、この打合せの所要時間が2時間半。それから、残った仕事をブルドーザーのごとく片付ける。あ〜、疲れた。
こんな忙しい日の帰宅時、帰りの通勤音楽は、落ち着いた、正統派の純ジャズがリラックスできて良い。iPodのジョグダイヤルをグルグル回していて「おおこれじゃ〜」と選んだアルバムが、Benny Green「These Are Soulful Days」。ピアノ〜ベース〜ギターという、オールド・スタイルのピアノ・トリオ。
メンバーは、 Benny Green(p)、Russell Malone(g)、Christian Mcbride(b)。うぉ〜、凄いメンバー構成。グリーン、マクブライド、マローン、それぞれ、アタックが明快で、音が太く、テクニック抜群。ドラムレスでも、音が分厚く、重心が低く、しっかりとしている。スローテンポなブルージーな演奏もコクがあって、アルバムを通じて、気持ちよく聴ける、秀逸な一枚である。
グリーンのピアノって正統派。タッチがしっかりしているので、ピアノの響きが躍動的で、抑揚・明暗・濃淡がはっきりしていて、とても「ピアノらしい」音をさせるピアニスト。そして、テクニックは抜群。それでいて、その抜群なテクニックをひけらかすことは無い。実に、真摯で誠実なピアノである。当然、パートナーの、ベースのマクブライド、ギターのマローンも負けちゃいない。グリーンに続けとばかりに、真摯で誠実なベースとギターで、グリーンのピアノを盛り上げ、支える。
そういえば、最近刊行された、小川 隆夫さんの「愛しのジャズメン」というジャズの逸話集をひもとくと、このベニー・グリーンの話が載っている。小川さんの話によると、ベニー・グリーンって、実に誠実な性格をしている若者で、いまどき、こんな若者がいるのか、しかもジャズ・ミュージシャンで、って驚くくらい真摯で誠実だそうだ。加えて、練習好き。練習できない日が二日続くと、不安げになるくらいの練習好きらしい。そうだよな。そのミュージシャンの性格って、音に出るんだよな。本当に、グリーンのピアノは、真摯で誠実である。
グリーンの様な、若手ピアニストは、順調に伸びていって欲しいな、と思う。コンスタントにアルバムを発表しながら、経験と年齢を積み重ね、熟成されていくワインの様な、コクとキレのあるピアニストになっていって欲しいなあ、と、彼のアルバムを聴きながら思った。
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