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2007年5月18日 (金曜日)

オランダのプログレ・バンド。

昨晩から体調が優れない。精神的な疲れがドッと出て、ちょっとしんどい。と言う訳で、今日は思い切って「お疲れ休み」。とことん体調が悪くなる前に、リフレッシュしようと目論んだ。

うまくいかない他のプロジェクトの支援に入っているのだが、これがなかなか上手くいかない。こちらは、誠意を持って相対しているのだが、業者も客も、なかなか「人」の面での改善がみられない。「人」の面の問題は疲れる。そろそろ、さすがの僕も「しょうがない」という感じになってきた。全てが全て、上手くいく訳では無いからなあ。

こんな鬱な精神状態の時は、スカッと、70年代ロックが良い。しかも、僕の大好きなジャンルの「プログレ」じゃ〜。朝起きて、ネットサーフィンしていたら、オランダのプログレ・バンド「Focus(フォーカス)」の新譜に気がついた。「Focus 9 〜New Skin」(写真左)である。新譜と言っても、昨年のリリース。まあ、正直言うと、忘れていた、ということかな(笑)。

Focusといえば、70年代プログレ・シーンの中でも異彩を放っていた、オランダ出身のプログレ・バンド。バロックなどのクラシックの要素、フュージョン系のジャズの要素、ヨーロッパ民族音楽の要素、等々、様々な音楽の要素を「ごった煮」にして、ロック・フォーマットに乗せて、最後に、ヨーロッパの雰囲気を仕上げにまぶしたような彼らの音楽は、今でも僕のお気に入りである。
 

Focus_9

 
さて、この「Focus 9 〜New Skin」、本作は02年の「Focus 8」に続く再編Focusのセカンド・アルバムで、通算9枚目のスタジオ・アルバム。ドラムに往年のメンバーだった、Pierre Van Der Lindenが出戻っている他、ギターの、Jan Dumeeが抜けて、代わりに、Niels Van Der Steenhovenが加入している。

Focusのバンド・サウンドというのは、ギターとキーボードの音が個性的で「決め手」になるのだが、このアルバムでは、要所要所で、ギターの、Niels Van Der Steenhovenが、Focusのオリジナル・メンバーだったギターJan Akkerman 的なプレイを展開している。当然、キーボードの、Thijs Van Leerは70年代Focusのオリジナル・メンバーだった訳で、Thijs Van Leer本人しか弾けない、独特なキーボードの音が素晴らしい。このNiels Van Der Steenhovenのギターと、Thijs Van Leerのキーボードの音で、あっという間に、Focusの世界になってしまう。

「Focus 9 〜New Skin」に収録されている曲は、どれも良い曲ばかり。「イージー・リスニング」的なプログレで、リラックスして聴くことが出来、しかも、その演奏のテクニックは申し分なく、適度なテンションもあって、とても良い内容に仕上がっています。

泣きのブルースチューン「Focus 7」、「トルコ行進曲」のフレーズをThijs Van Leerが往年の「ヨーデル・ボイス」的なボーカルで歌いまくり、ごった煮な音楽要素が楽しい「Hurkey Turkey 2」。叙情性とハードでドラマチックな展開が、いかにもFocusらしい「Sylvia's Stepson-Ubatuba」。叙情的な演奏の中、不意に出てくる、Thijs Van Leerの表現力豊かなフルートが、往年のFocusらしくて、思わず口元が緩む「Focus 9」。

70年代プログレを「懐かしのメロディー」よろしく再演するのでは無く、当時のバンド・サウンド、音作りの個性をしっかりと踏まえて礎とし、その上に、「今」のメンバーならではの音作りを積み上げ、アルバムを作り上げていく。これぞ、歴史を重んじ、歴史の上に「今」を表現する、ヨーロピアン・プログレ・バンドの真骨頂。良いアルバムです。
 
 
 
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