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2007年5月30日 (水曜日)

アルバムの評価の基準って・・・

今日は朝からぐずついた天気。なんだか梅雨空って感じなのだが、まだ早いだろう。でも、鬱陶しいことには変わりはない。

さて、昨日は、適度に「トンガっていて」、適度に「伝統的な」ジャズとして、テナー・サックス奏者の「ブッカー・アービン」をご紹介した。この「ブッカー・アービン」のそれぞれのリーダー・アルバムの日本での評価を見てみると、なかなか面白いことに気がつく。

日本では、ジャズのテナー・サックスの奏者は、なぜか判らないが、ジョン・コルトレーンが絶対とされる。ジョン・コルトレーンが、ジャズのジャンルにおいて、テナー・サックスの演奏を極めた最高のミュージシャンである、という解釈。つまり、ジョン・コルトレーンを最高の演奏者として、他のテナー・サックス奏者を評価するという「コルトレーン至上主義」が、今でも、まかり通っている。

Booker_ervin_2

例えば、先にご紹介した「ブッカー・アービン」のリーダー・アルバムの中で、最高傑作は『ザ・ソング・ブック』とされることが多い。そうだろうか。このブッカー・アービンの『ザ・ソング・ブック』を聴くと、彼のテナーの音が、コルトレーンとほぼそっくりなことが良く判る(詳細を見ると相違点はあるが・・・)。そして、曲名を見渡すと、ほとんどがスタンダード・ナンバー。つまり、コルトレーンに似た、ワンホーン・カルテットによるスタンダード・ナンバー集と言うことで最高傑作という評価。

そうだろうか? ジャズとは「個性を楽しむ」音楽ではなかったのか。「個性を楽しむ」という観点では、適度に「トンガっていて」適度に「伝統的な」ジャズとして、やや「トンガった」方に寄っている『ヘビー!!!』の方が彼の個性の一端と彼の優れた演奏テクニックを楽しめるし、かなり「トンガった」方に寄っている『スペース・ブック』の方が、ちょっと過激ではあるが、彼の個性的なブローイングを心ゆくまで楽しめる。

この2枚に比べると、『ザ・ソング・ブック』は、演奏テクニックが素晴らしいのは、それぞれ同じだが、コルトレーンと奏法が似通っている分、彼の個性が明確でなく、聞き流しているとコルトレーンと間違いそうだ。つまり、ジャズ鑑賞の楽しみとして「個性を楽しむ」という面では、物足りないアルバムと言うことが出来る。コルトレーンとよく似ていて、コルトレーン以上では絶対にないのだが、なかなかに健闘していて、ワンホーン・カルテットで、スタンダードが中心というだけで、最大の評価を与えるのは、演奏家に対して、失礼なのではないだろうか?

ジャズの演奏に「絶対的」な演奏は無いと思うし、「絶対的に優れた」演奏家はいないと思う。「演奏の個性を楽しむことのできる音楽ジャンル」として、様々なミュージシャンを、彼らに対してリスペクトの念を抱きつつ、様々なアルバムを聴き、それぞれの演奏家の個性を楽しむことが、「ジャズに親しむ」の早道ですね。

ジャズの演奏に「絶対的」な演奏は無いと思うし、「絶対的に優れた」演奏家はいないが、「最悪な」演奏と「最悪な」演奏家はいる。それは、「個性が無い」演奏と「楽器が下手な」演奏家だろう。
 
 
 
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コメント

Booker Ervin part IIです。
Heavy! は確かに力作です。僕もとても好きな1枚です。その他、Setting the Pace (Prestige), Cracklin' (Roy Haynes with Booker Ervin, New Jazz), The Tranceなどはどうでしょうか?ロイヘインズ作ではScoochieが気に入っています。
何しろErvin のアルバムを聴くと元気が出ます(笑)。ちょっとオーバーかな?でも40歳にて他界するなんて・・・

KOJIさん、ど〜も。松和のマスターです。

う〜ん、アービンと言えば、ブログで挙げたアルバムの他には、
ブルーノート盤 『ジ・イン・ビトウィーン』を最近、時々聴き
ます。フロント2管のユニゾンやハーモニーをはじめ、ジャズ
の楽しさが溢れているところが心地良いです。アービンも溌剌
としていて、気持ち良くテナーを吹いているみたいで、加えて
フルートまで吹いている。

昔はアービンはほとんど聴かなかったのですが、彼のテナーは、
なんかクセになりますね。今では、時々、聴きたくなります。
 

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