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2007年5月22日 (火曜日)

モーニン&ブルース・マーチ!!

ジャズの名盤、入門盤って、長年、ジャズを聴き続けていると、ついつい聴くことが少なくなってしまいがちだけど、聞き直せば、当時、気がつかなかったことに気がついたり、見えなかったことが見えてきたりして、実は「奥が深い」ということを再認識したりする。

今日、通勤の往き帰りで聴いたアルバムは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey & Jazz Messengers)の『モーニン』。といっても、「モーニン」というのは日本でつけた邦題。オリジナルは『Art Blakey & Jazz Messengers』とバンド名だけのシンプルなもの。それでも、これだと何のアルバムだか判らないので、以下の名前で統一されている。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Moanin'』(写真左)。1958年10月30日の録音。ブルーノートの4003番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jimmy Merrit (b)

そもそもバンド名だけのシンプルなタイトルになったのには理由があって、当時、アート・ブレイキーは、ホレス・シルバーと袂を分かち、「ジャズ・メッセンジャーズ」のバンド名を譲り受けたのはいいが、バンドのレギュラーメンバーをごっそり抜かれて、不調状態に陥った。

しばらく不調な時代を過ごしたが、モーガン、ゴルソン、ティモンズ、メリットという優秀なメンバーに恵まれ、メッセンジャーズ復活の狼煙を上げたのが、このブルーノート4003番。「復活の狼煙」の意味をこめて、ブルーノートの総帥アルフレッド・ライオンは、敢えてシンプルにバンド名だけをこのアルバムに冠した。いわゆる「再出発」盤である。

このアルバム、何度聴いても、やっぱり良いですね。ジャズを聴き始めた頃、結構早くから手に入れて、このアルバムは聴いて直ぐ、このアルバムは「判った」。実に判りやすいアルバムでした。

冒頭、コール・アンド・レスポンス、ゴスペル調の前奏が実にファンキーな「Moanin'」。リー・モーガンの癖のある「鯔背な」トランペットが実に「ジャズ」していて、ベニー・ゴルソンが(意外にも)バリバリにテナーを吹きまくる。ボビー・ティモンズの、こってこてファンキーなピアノ。太くて堅実なジミー・メリットのベース。そして、御大アート・ブレイキーの素晴らしいドラミング。しかし、もっとファンキーで熱い演奏かと思ったら、結構、クールで神妙に演奏している。「復活の狼煙」の気負いと緊張が伝わってくる。
 

Moanin

 
以降、音楽監督ベニー・ゴルソンの面目躍如、ゴルソン・ハーモニーが炸裂する「Are You Real」。この曲の方が「Moanin'」に比べて伸び伸びと皆が演奏しており、ファンキー一色である。ゴルソン・ハーモニーが心地良く響く。ファンキー・ジャズって感じがとても良い。

リーダー・ブレイキーの「復活の狼煙」の気合いが溢れ、驚異的なドラミングを披露する「The Drum Thunder Suite」。ちょっと気合いが入りすぎて、少し仰々しすぎてもたれ気味だが、そのブレイキーの気合いに免じて「良し」。

そして、キャッチャーな、後にジャズ・メッセンジャーズのトレードマーク的な代表曲となった「Blues March」。これは、もう、聴いていて「楽しい」という他に無い、とっても楽しい演奏。聴く度に、口元が緩み、ニコニコしてしまう。元気で景気の良い演奏です。

ラストは「Come Rain or Come Shine」。邦題「降っても晴れても」、バリバリのジャズ・スタンダード曲。この定番のジャズ・スタンダード曲を、ジャズ・メッセンジャーズは、完璧に、ファンキーに演奏する。どファンキーな「降っても晴れても」。いや〜、なんて俗っぽい「降っても晴れても」だろうか(笑)。でも、これが良い。

この俗っぽさがたまらない。この俗っぽさがファンキーなのだ。「鯔背な」ペットのモーガン、「うねうね」テナーのゴルソン、そして、極めつけは「こってこてファンキー」なソロを延々と披露するティモンズ。この「こってこてファンキー」なティモンズがたまらない。

良いですね〜。聴き終わった後、なんだか清々しい感じがして、爽やかな気分になる。ジャズの名盤、入門盤って、こうでなくてはね。

そうそう、ジャケットのブレイキーの顔の大写し、ちょっとビックリしますが、このジャケットに怯まないで下さいね。中身はこれぞ「ハード・バップ」、これぞ「ファンキー・ジャズ」って演奏。明るくてノリの良いジャズが好きな方には、特にお勧めです。
 
 
 
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