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2007年5月10日 (木曜日)

理知的なファンキー・ジャズ

ファンキー・ジャズって、コテコテの下世話なファンキーなノリを思い浮かべるが、結構、小粋で理知的なファンキー・ジャズっていうもの存在する。これが、なかなか聞き応えがあって、疲れることが少なくて、僕にとって、大のお気に入りである。

その「小粋で理知的なファンキー・ジャズ」の代表格が、ドナルド・バード。1932年12月9日、ミシガン州デトロイト生まれのトランペット奏者。ウエイン大学・マンハッタン音楽院に学ぶ。兵役期間中は空軍バンドに所属。除隊後55年にジョージ・ウォーリントンのバンドに参加し、ニューヨークでデビュー。

クリフォード・ブラウンとリー・モーガンがいる為に、そして、70年代は、当時キワモノと言われたファンク・ジャズの代表格となった為、いつも二番手の様に語られるが、彼は、オーソドックスな、ジャズ・トランペットの王道を行く、ハード・バッパーだ。
 
牧師の子として生まれたバードは、幼い頃から教会に頻繁に出入りしていたため、ゴスペルをはじめとする黒人音楽にごく自然に触れていたとのこと。当然、 ファンキー・ジャズは結構得意なジャンルではある。しかしながら、彼は作曲にも素晴らしい才能を持っている。当然、当時流行していた、モード・ジャズを基 本とする新主流派的な曲の作曲も演奏も得意。

そこで、ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは決断した。ドナルド・バードにファンキー・ジャズ中心の音作りを指示したのであ る。ファンキー・ジャズが結構得意なドナルド・バードは、その意向にピッタリとはまった。ファンキー・ジャズと新主流派的な演奏、この両方得意な音作りを 見事にミックスしたアルバムが、彼の代表作『Fuego(フュエゴ)』(写真左)。
  

Donald_byrd_fuego

  
良いよ〜、このアルバム。1曲目の「フュエゴ」は、彼の作曲能力と先進的な演奏能力を示した実にアカデミックな曲、5曲目「ラメント」は、新主流派的な音作りではあるが、その底辺にそこはかとなくファンキーな雰囲気が漂うところが小粋で良い。

そして、彼の真骨頂、理知的なファンキー・ジャズ。3曲目のスローテンポな「ファンキー・ママ」が実に渋い。4曲目「ロウ・ライフ」は、バリバリファンキーでごきげんな曲。雰囲気は、ジャズ・メッセンジャースの「ブルース・マーチ」。この「ブルース・マーチ」を品良く理知的にした感じの曲作りがニクイ。

そして・・・、そして、極めつけのファンキー・チューンが、ラストの「エイメン」。これ、言葉で伝えることができなくてもどかしいが、この曲、この曲一曲だけ聴いただけで、「あぁ〜、ジャズってええなあ〜」「あぁ〜、これぞジャズの醍醐味」と思ってしまう、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスター一押しの名演のひとつである。

昔、ジャズ喫茶でこの曲がかかると、ジャズ喫茶のお客が皆で、アドリブの部分まで全てを、鼻歌で歌って、最後には大合唱になったという伝説の曲。この気持ち、この雰囲気、判るなあ。これぞ、ファンキー。実に品の良い、実にノリの良い、ファンキー・ジャズである。さすがブルーノート、さすがアルフレッド・ライオンである。このアルバムを聴くと元気が出る。このアルバムを聴くと明るくなる。

ちなみに、このアルバムのジャケット・デザインも秀逸です。ドナルド・バードの写真の雰囲気、写真のカットの仕方、そして、ここしかない場所に配されたタイポグラフィー。やっぱり、良いアルバムって、ジャケットも秀逸ですね。
 
 
 
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コメント

松和マスター様、
はじめまして。ジャズ歴約30年(殆どジャズ音楽鑑賞かジャズ喫茶ですが)の世田谷区在住のものです。つい最近このサイトに気がつき、楽しく拝見するようになりました。最初、あの懐かしいSpyro Gyra についてコメントしょうかなと思っていましたが、BYRDについてのコメントが載っていたので、こちらにしました(でも疲れた時にはフュージョン音楽もいいものです!同感です)。バードに関して言うと、私はこの人のバラード曲が好きです。以前、Warwick Records からリリーズされたPepper Adams との共演作があったと思いますが(OUT OF THIS WORLD、1959-60)、これは私の一押しです。
フアンキー節も好きですが、バラード調もなかなかなものだと思いました。よかったら、一度聴いてください。

KOJIさん、初めまして。コメントありがとうございます。
松和のマスターです。

今日は一日、新装なったiBookと格闘していたので、コメントの
リリースが遅れてしまいました。

KOJIさんもジャズ歴30年ですか。最近、ジャズ歴の長いベテラン
の方が、我がバーチャル音楽喫茶『松和』を訪れてくださること
が多くなってきて、サイト運営継続に向けて、力強い限りです。

Warwick Records からリリーズされたPepper Adams との
共演作(OUT OF THIS WORLD、1959-60)ですか。さすが
にこれは所有してませんが、Donald ByrdとPepperAdams
との共演作は、はずれがほとんど無いと言いますので、楽しみ
です。是非、手に入れて聴いてみたいと思います。情報ありが
とうございます。こういう情報って、なかなか日頃の生活の
中では得られないので、実に嬉しいですね。

では、今後とも、バーチャル音楽喫茶『松和』をよろしく
お願いいたします m(_ _)m。では、また・・・。
 

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