ソニー・ロリンズの真骨頂
今日は朝から天気はまずまず。それでも、風が相変わらず強い。強い南風が吹き込んでいて、湿度がなんだか高くて蒸し暑い。それでも、今日は、市議会議員選挙なので、市民としての義務を果たしに投票所へ。蒸し暑いので、10分も歩くと汗ばんでくる。不快指数は高いですね。
さて、「初心に返る」というスローガンの下、ジャズの名盤・定番の類を聴いている訳だが、今日は、昼寝をしながら、ソニー・ロリンズの「ウエイ・アウト・ウエスト」を聴く。
このアルバムは、1957年に録音した「ピアノレス・トリオ」の作品。この年、ロリンズはマックス・ローチのバンドで西海岸に赴いたが、その際に現地調達のレイ・ブラウンとシェリー・マンを加えて録音したアルバムが本作。だから、ジャケット写真は、ロリンズは、ちょっと洒落て、カウボーイの格好で写っている(ピストル代わりにサックスというのがご愛敬)。
このアルバムの特徴は「ピアノレス・トリオ」という点。サックス〜ベース〜ドラムスという編成で、ピアノがいない。ピアノは伴奏に回ると、コードとリズムをしっかりとキープできる「堅実な楽器」である反面、逆に、コードとリズムいう枠に、ガッチリはめられて、ソロ演奏では、演奏スペースが限定されて、窮屈な感じになるという欠点もある。
ロリンズもそう思ったかどうかは知らないが、この西海岸でのセッションでは、ピアノを外した「ピアノレス・トリオ」で録音した。これが、大当たりである。ピアノを外すことによって、元々自由奔放なロリンズが、自由な演奏空間を手に入れ、天衣無縫かつ唯一無二、豪放磊落でかつユーモアあふれる、余裕のあるプレイを繰り広げる。
1曲目「俺は老カウボーイ( I'm an Old Cowhand)」や、4曲目「カム・ゴーン」など、当時の西部劇映画の曲を取り上げており、選曲も全体的にユニーク。西海岸、かっての西部劇の舞台に立って、リラックスして演奏しているロリンズが目に浮かぶ。
バックを支えるシェリー・マンのドラムは、秀逸なテクニックと様々な音色のパーカッションで彩り豊か。レイ・ブラウンのベースは、堅実かつ太っといベースで、ロリンズのソロをしっかり支える。また、ブラウンのベース・ソロは、当然のことながら秀逸。
天衣無縫かつ唯一無二、豪放磊落でかつユーモアあふれる、余裕のあるプレイを繰り広げる点では、ソニー・ロリンズの傑作の一つだろう。サックスのプレイに余裕がある分、聴く方も構えることなく、リラックスして聴けるところも、このアルバムの良いところ。
自由奔放、天衣無縫、豪放磊落、余裕綽々。ソニー・ロリンズの真骨頂。誰かが言った名言「ロリンズは名演のみ。名演が集まって名盤となる」。なんだか判る気がするなあ。
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おおっっ!
大好きなウエイ・アウト・ウエスト♪
ハードバップにはまる直接のきっかけが
このロリンズでした♪
投稿: yuriko | 2007年4月22日 (日曜日) 23時38分
yurikoさん、ど〜も。松和のマスターです。
yurikoさんもそうでしたよね。僕も、ジャズ者駆け出しの頃、
サックスはソニー・ロリンズでした。
「サキソフォン・コロッサス」と「ウエイ・アウト・ウエスト」、
この2枚は、ジャズ初心者の僕でも、その素晴らしさが判って、
ジャズ初心者の僕に、感動と勇気を与えてくれました。
投稿: 松和のマスター | 2007年4月23日 (月曜日) 21時43分