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2007年4月 4日 (水曜日)

バド・パウエルは難しいなあ

最近、「初心に返る」と題して、ジャズの名盤、定盤を聴きかえしていると、前のブログで書いたが、このところ、バド・パウエルを聴き返している。

ジャズ初心者にとって、バド・パウエルってピアニストは「鬼門」である。どのジャズ入門書にも「ジャズ史におけるバド・パウエルの存在は大きなもの」と書かれていて、ピアノ、ベース、ドラムというトリオ編成を定着させたのも、パウエルだと書かれている。ここまで書かれると、ジャズ初心者としては、なんだかバド・パウエルのアルバムを、聴かなければいけないような気になるではないか。

でも、ジャズ初心者がパウエルを聴くと、決まって彼が嫌いになる。嫌いになるだけだといいのだが、ジャズへの興味が急速に薄れることだってあるに違いない。それほど、バド・パウエルってピアニストは取っつきにくく、最初に聴くアルバムの選定が難しいのだ。

僕もジャズ初心者の頃、「バド・パウエルは、ジャズ・ピアノ・トリオの開祖」というフレーズに強い興味を覚えて、ジャズ入門書を読んだ。どのジャズ入門書にも、バド・パウエルの推薦盤としてあがっているアルバムが「バド・パウエルの芸術」(写真左)である。ジャケットのデザインもまずまずだし、どうしても手に入れたいと思うようになる。そして、なけなしの小遣いをはたいてゲットする。

Bud_powell_1

これが、である。まず、録音状態が悪い。1947年、1953年の録音なので仕方が無いのだが、初心者にとって、録音状態は重要な要素。このあまり良くない録音状態にガッカリする。そして、ビックリするのが、パウエルの唸り声。パウエルはピアノを弾きながら唸るのだが、この唸り声が不気味であり下品に聞こえる。ヘッドフォンで聴けばなおさらだ。そして、決定的なのは、彼の演奏の何が「ジャズ・ピアノ・トリオの開祖」なのか、初心者にとってさっぱり判らないのだ。

僕は、ジャズ初心者の頃、この「バド・パウエルの芸術」に、ほとほと手を焼いた。せっかくなけなしの小遣いをはたいて買ったのだから、我慢して何度も何度も聴き返すのだが、その度に「何がいいんだろう、この演奏」。何回か聴き返して、自分もピアノを弾くので、彼の超絶技巧な演奏テクニックはスゴイ、ということだけは判るのだが、そこから先が「???」。

今聴くと、彼の演奏の何が凄いのか、彼の演奏の何が「ジャズ・ピアノ・トリオの開祖」なのか、判るようになったけど、初心者にとっては、この「バド・パウエルの芸術」は難物です。ジャズのアルバムをずっと聴き進めていって、ジャズ・ピアノのアルバムを何十枚か聴いて、バド・パウエル以外のジャズ・ピアニストのスタイルがなんとなく判るようになってから、この「バド・パウエルの芸術」を聴くと、1947年当時で、これだけのテクニックでピアノ・トリオ演奏がなされていたという事実に素直に感動できます。

そして、彼の最大の功績は、そのトリオ編成によって、ピアノを旋律楽器として成立させたことです。つまり、リズムはドラムに、ベース・ラインはベースに割り当て、任せることで、ピアノをリズムセクションの一端から解放し、旋律楽器として、自由な即興演奏を実現したことです。その「彼の功績」が「バド・パウエルの芸術」に、歴史上の事実として記録されています。

これが判るようになるまで、僕は、この「バド・パウエルの芸術」を購入してから、約10年の歳月を要しました。今、振り返って思うのは、この「バド・パウエルの芸術」ってアルバム、ジャズ初心者向けでは無くて、ジャズ中級者向けですね。

では、初心者向けのバド・パウエルのアルバムってあるのか。それはまた明日・・・ (^_^)v。
 
 
 
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コメント

ええ、ええ・・・(T T)
もう、このお話なら私も体験談がっ(><)!!
バド・パウエルからだよって、複数の入門本にそそのかされ、amazonで探したら、安い輸入盤がアメージング・バドパウエルvol'1と2。
買って再生してみたら、ホーンが鳴り響くばかりで、いつまで経ってもピアノの音がしないっ!
あれ?バド・パウエルってピアニストじゃないの???

編成なんて知らないモン!
パーソネルなんて分からないモン!!
こんなの分からないよー!!
・・・と泣きながら逃げ帰ったのでした。

yurikoさん、ど〜も。松和のマスターです。

やっぱりyurikoさんも被害に遭いましたか(笑)。

しかも、アメイジング・バド・パウエルVol.1&2ですか。それは
当時、重傷だったでしょう。

ブルーノートのバド・パウエルはさすがブルーノート、ジャズ
の歴史の記録としては素晴らしいのですが、純粋に音楽を楽しむ
という観点では、ちょいと辛い、シビアな演奏内容になってます
からね。

特に、Vol.1の冒頭1曲目からの「ウン・ポコ・ローコ」3連発、
続いて「異教徒たちの踊り」のくだりは、ジャズ初心者にとって
最大の鬼門。

ジャズ初心者の方々は、バド・パウエル、チャーリー・パーカー、
ディジー・ガレスピーといったビ・バップ時代の有名ジャズマン
のアルバム選びには、十分気をつけましょう(笑)。

はじめまして。
Google検索からここに入りました。

非常に解りやすいバド・パウエルのご説明ありがとうです。
この説明を40年前に読んでいたらと思いました。
「ジャズ喫茶松和ってどこにあるの?」と検索してしまいましたが、オンラインなのですね。今はYoutubeでバド・パウエルの演奏も見られ、情報が取りやすくなりました。

また、お邪魔させて頂きます。

はじめまして、たかおさん。松和のマスターです。
 
すいません。そ〜なんです。ジャズ喫茶「松和」って、ネット上で
運営されているバーチャル音楽喫茶なんです。いつか、余裕が出来たら
なんらかの形で、音楽喫茶風のスペースを作りたいな、とは思っているん
ですが・・・。
 
バド・パウエルの記事、お役にたてて幸いです。特に、ビ・バップ時代の
ジャズ・ジャイアンツのアルバム選定には頭を悩ませますね〜。録音状態
とか、判りやすさ、聴きやすさなど、気を遣う所が多いんですね。

逆に、これは、というアルバムに出会ったら、とことん、愛聴盤に
なったりするので不思議です(笑)。 
 
 

音楽を聴こうとする時に、そこから何かを得よう、などと思わないことが前提なんじゃないかな、特にJazz のようなジャンルでは。
殆どの音楽は楽器や声で演奏されると思うけれど、瞬間の一音が、美しい~!と感じられる感性の持ち主なら、連続して変化しながら響き続けるリズムやメロディーを、次にはどう変化するのだろう、どんな音が聴けるのだろう…? などと興味一杯で耳を傾けるのが自然でしょ? そんなプリミティブな観点から云って、パウエルの音は美しいんですよ、更に繋ぎ方、強弱、テンポ、あらゆる部分で独創的でテクニカルで、それは何かと比較するようなこととは別次元に、独立した世界を持っていると言える演奏なんです。録音が悪いとかノイズが入るとかが気になるレベルの人たちには、おそらく一生パウエルの良さは判らないんじゃないかな。聴くのはレコードやCDじゃないんだよ、どんなに安価なオーディオ設備でも構わない、そこから流れ出してくる、音に託したその人の生き様なんですよ、Jazz とは。 感性…磨いてください、もっともっと素晴らしい音楽がこの世には溢れています。大事なのは、感じること、感じられること。

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