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2007年4月 5日 (木曜日)

お気に入りのバド・パウエル

昨日のブログは「では、初心者向けのバド・パウエルのアルバムってあるのか。それはまた明日・・・」で結んだので、今日はその続きを。

バド・パウエルって、どのアルバムをとっても初心者向けとは言い難い。ブルーノートの諸作は、ジャズの歴史の記録としての価値はあるが、その演奏内容はどれも難解。よく初心者向けのアルバムとして、「The Scene Changes (The Amazing Bud Powell, Vol. 5)」が挙げられるが、確かに、冒頭の「Cleopatra's Dream(クレオパトラの夢)」は良い曲だ。

でも、パウエルの唸り声がなあ。大きすぎる。他の曲もちょっと往年のパウエルとしては物足りなく、1958年の録音ということを考えると、彼が活躍したビ・バップの時代は遙か遠く、ハード・バップ全盛の中で、パウエルは取り残された格好になっていて痛々しい。

Bud_favorite

さて、ジャズ初心者の方にも、少しジャズを聴き込んだ中級の方にも、お勧めできる(当然、僕のお気に入り)バド・パウエルのアルバムは、「ジャズ・ジャイアント」(写真左)。ヴァーヴというレーベルのアルバム。1949年、1950年の演奏が収録されているが、録音状態もまずまず。ちょっとこもった感じの音ではあるが、聴けない音質ではない。

そして、あのパウエルの唸り声がほとんど目立たない。唸ってはいるんだが、かなり小さな音でかすかに入っている程度(時々目立つが気にするほどではない)。しかも、パウエルの超絶技巧の世界が炸裂。男性的で、鋭角的でエッジが立った、電光石火のアドリブが満載である。「これぞ、バド・パウエルの芸術なり」って感じで、彼のピアノの特徴が凄く良く判る。

1曲目の「テンパス・フュージット」、3曲目の「チェロキー」、6曲目「神の子はみな踊る」、8曲目「ゲット・ハッピー」10曲目「スウィート・ジョージア・ブラウン」と、有名なスタンダードでの高速演奏が目白押し。それでいて、ラストの3曲、バラード3連発。「イエスタデイズ」、「エイプリル・イン・パリ」、「身も心も」という、実にスタンダードなバラード演奏が素晴らしい。超絶技巧な高速演奏だけではない。この優れたバラード演奏を聴くと、彼が天才だと呼ばれた理由が良く判る。

最後に、あともう一枚。男性的で、鋭角的でエッジが立った、電光石火なビ・バップ・ピアノではありながら、とんがっていない、リラックスした、情感溢れる演奏が素敵な「Blues in the Closet(ブルース・イン・ザ・クローセット)」(写真右)。パリに移住する3年前、56年のNY録音。ちょっと唸っているけど、それを凌駕する、情感溢れるパウエルの演奏。素敵なジャケットを相まって、僕の愛聴盤です。
 
 
 
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