やっぱり、実際に聴くのが一番
今日から時差出勤。30分の時差出勤だけど「時差出勤のマジック」っていうのがあって、朝9時に出社するのと、9時30分に出社するのでは、約45分〜50分の余裕が出来るんだよね。ふふふっ。朝6時15分起きが、7時起きに。やっと人間的な生活に戻った気がする。気分が良いついでに、今日の通勤音楽、朝は、キャノンボール・アダレイのライヴ番を聴いて会社へ。
Cannonball Adderley『Cannonball in Europe!』(写真左)。1962年8月4ー5日の録音。このライヴ番は、現在、廃盤になっていて、CDでは手に入らないのだが、昨晩、iTMSを徘徊していて、偶然に見つけて、即ゲット(というかダウンロード)。
このアルバムについては、ほとんど手持ち情報がないんだけど、ベルギーの国際ジャズ・フェスティバルでののライブ録音だそうだ。パーソネルは、リーダーのCannonball Adderley (as)を筆頭に、Yusef Lateef (fl, oboe,ts); Nat Adderley (cor); Joe Zawinul (p); Sam Jones (b); Louis Hayes (ds)のセクステット(6人編成)。
キャノンボール・アダレイは、よく「ファンクの商人」と呼ばれ、商業ジャズの権化的な扱いを受けて、正統な評価をされないことがままある、「過小評価」されているミュージシャンなんだが、実際に彼のリーダー作をいろいろ聴いてみると、決して、そんなことは無いことが判る。確かに、彼のファンキー・ジャズは「売れた」。でも、彼の本質は「正統なハード・バッパー」である。しかし、「売れた」だけで、「ファンクの商人」とは、あんまりだなあ。
このライヴ盤を聴くと良く判る。出だしの「P Bouk」は、徹頭徹尾「ハード・バップ」な、それはそれは熱い演奏を繰り広げる。アダレイのアルトも火の出るような熱いブロウ、ユセフ・ラティーフのテナーもフリーなブロウで対抗する。
途中、アドリブで有名曲のフレーズを織り交ぜたりしながら、さすがにジャズ・フェスティバルの演奏、熱く楽しい演奏が繰り広げられている。聴衆の反応も「熱い、熱い」。曲が終わる毎に、洒落たアドリブが終わる度に、拍手拍手、かけ声、指笛〜、である。
面白いのは、ジョー・ザビヌルのピアノ。この頃はまだザビヌルは、生ピアノを弾いているが、これが、完璧なまでに「ファンキーな」ピアノ。周りは、どちらかといえば、ハード・バップな演奏を繰り広げているのにも拘わらず、ここでのザビヌルのピアノは、ダントツに「ファンキー」。
後に、ウェザー・リポートのリーダーとして、一斉を風靡する、マルチ・キーボーダーだけれど、こんなに、完璧なまでのファンキー・ピアノを弾きこなしているとは思わなかった。
音楽って、どのジャンルの音楽も変わりなく、実際に聴くのが一番。書物や人伝の知識だけで音楽を語る無かれ。今日、この『Cannonball in Europe!』を聴いて、再認識した次第です。
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