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2007年3月 1日 (木曜日)

摩訶不思議なモンクのピアノ

風邪がなかなかスカッと抜けない。丸2日間寝込んで、昨日、会社へ出て行ったら、いきなりトラブルに巻き込まれた。ややこしく、こんがらがった話で、簡単に言えばこうなんだろ、と判るまで、約1時間。それから、その対策に1時間。なんだか、風邪がぶり返した気分。

今日も、なんだか、バタバタしていた感じで、なかなか、風邪が完治しない。鼻がスカッと抜けないだよな。自分でも、少し鼻声なのが判る。こういう状態って、ちょっとイライラするなあ。外部の人と打合せをしていても、なんだか、迫力不足で良くない。

でも、少しは回復基調にあるのか、今日は朝から、モダン・ジャズが聴きたくなった。それも、とびきり硬派のモダン・ジャズが聴きたくなった。よって、今日の通勤音楽は、「Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk」。今回、秀逸な紙ジャケ再発ものだった、アトランティック・紙ジャケ・シリーズの中の一枚。
 
数々の奇行のためか、ジャズ界最大の異端児として知られるセロニアス・モンク。モンクのピアノは、それはもう、とびきり変わっている。強烈なオリジナリティである。一度聴いたら絶対に忘れない、パーカッシブな奏法に加えて、独特のタイム感覚。なんて表現したら良いのか。
 
ピアノの演奏と言えば、流れるように弾き進めていくものだが、モンクのピアノは違う。訥々としているというか、朴訥としているというか。途切れ途切 れでパキパキしているというか、それはそれは、特徴の有り過ぎる奏法。独特の不協和音。でも、これがいいんだな。クセになるんだな。
 

Ab_tm

 
だが、モンクが強烈なオリジナリティを有した偉大なコンポーザー/ピアニストであるという事実はまぎれもない。「ストレート・ノー・チェイサー」、「ラウンド・ミッドナイト」、「ブルー・モンク」など、後にジャズ・スタンダードとなる曲を多く作曲している。僕は、特に、「ブルー・モンク」という曲が大好きで、この曲の持つ、ほんわかした「とぼけた」雰囲気が大好きで、この曲があれば「何でも通し」って感じなのだ。

今日の通勤音楽だった「Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk」にも、「ブルー・モンク」は収録されている。これが、ほんとに良い雰囲気で、しかも、今回の紙ジャケには、別テイクも付いていて、もう何も言うことはありません。
 
このアルバムを全編通して言えることは、アート・ブレイキーとセロニアス・モンクの演奏家としての相性が抜群に良い、ということ。朴訥としたモンクのピアノに、その隙間を上手く埋めるような、包み込むような、鼓舞激励するような、アートのドラミング。これは、もう名人芸の世界です。

サイドマンの、ジョニー・グリフィン(ts)、ビル・ハードマン(tp)、スパンキー・デブレスト(b)も、モンクとの相性は良い。こんな素晴らしいアルバムなのに、ジャズ雑誌やジャズの紹介本に、余り取り上げられないのが不思議なほど。

でも、モンクのピアノ・ジャズは、初心者の方にはお勧めするのには勇気がいる。なぜなら、モンクのピアノ演奏は、従来のピアノ演奏の印象を根底から覆すような演奏だからね。
 
ピアノをある程度、弾きこなした経験のある人は、その凄さは感覚で判るとは思いますが、普通の方々は、まず、初めて聴いたら、なんて下手くそなピアノなんだ、と、ただただ、ビックリするだけでしょうから・・・・。

モンクのピアノは、「ジャズ鑑賞の成長度合いを測る「物差し」みたいなものである」と、僕は密かに思っている。
 
 
 
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