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2007年2月21日 (水曜日)

「ペンの力」は、ジャズの歴史

昨日は、ジャズにおける「ペンの力」として、マイルス・デイビスの「クールの誕生」について語ったわけだが、そういえば、「ペンの力」のジャズって、まだまた、あったような気がして、しばし考える。そして、さっそく、思い出したのが、テディ・チャールズの「テディ・チャールズ・テンテット」(写真左)。

大学に入って、ジャズを聴き出して、ジャズ入門書を買って、試行錯誤でアルバムを購入していたのだが、この「テディ・チャールズ・テンテット」って、入門書ではジャケット写真入りで、名盤として紹介されているのだが、なかなか見当たらない。ジャケット写真も、入門書では白黒写真ながら、なかなか格好良くて、是非とも手に入れたい、と思って、かなりのレコード屋を探したのだが無かった。今になって思えば、当時、アトランティック・レーベルのアルバムって、手に入りにくかったんだよな。

この「テディ・チャールズ・テンテット」については、大学時代、FMで一部オンエアされていたものをエア・チェックしていたので、その内容については、あらかた掴んでいたんだが、それでも、アルバム本体を手に入れたい、という思いは、ず〜っと続いていた。そして、やっと、今回、アトランティック・レーベルの有名どころが紙ジャケ化されて、その中にやっと、「テディ・チャールズ・テンテット」があった。求め始めて約30年。やっと念願がかなった訳だ。

Teddy_charles

その内容はと言えば、チャールズ本人をはじめ、ギル・エバンス、ジミー・ジュフリー、マル・ウォルドロン等々のアレンジの下、Art Farmer (tp)、Don Butterfield (tu)、Gigi Gryce (as)、J.R. Monterose (ts)、George Barrow (bars)、Teddy Charles (vib, arr)、Mal Waldron (p)、Jimmy Raney (g)、Teddy Kotick (b)、Joe Harris (ds)のテンテットが、ちょっと実験音楽風の雰囲気を漂わせながら、ハード・バップの演奏方式のショーケースのような演奏を繰り広げる。ちょっと小難しいと感じる部分もあるが、ハード・バップ時代の中で、聴く度に新しい発見が出来るような、その革新的な内容は、一聴に値するもの。

このアルバムの録音が、1956年なので、昨日、ご紹介したマイルスの「クールの誕生」から、6年が経過。「クールの誕生」が、反ビ・バップ、脱ビ・バップのプロトタイプであったとしたら、このアルバムは、ハード・バップの演奏方式・演奏展開のプロトタイプである。

一曲一曲の曲の長さも、4〜8分と長くなり、曲の展開も、完全にハード・バップのマナーに準じている。「クールの誕生」と同様、しっかりアレンジされ、事前に譜面に落とされた演奏とはいえ、「クールの誕生」より、柔軟でバリエーションに富んでいる。演奏者の自由度も増している。こういう部分に、ジャズの演奏方式の着実な進歩を見て取れるのではないだろうか。

「クールの誕生」と同様、アレンジされた「ペンの力」によるジャズなので、ハーモニーや曲の構成や全体の展開は、スムーズで聴きやすい。このアルバムも、「クールの誕生」と同様、ジャズの雰囲気を安心して感じ取れる秀作だと思います。今回の紙ジャケ化で、やっと手に入りやすくなりました。次回、いつ再発されるか判らない代物なので、興味のある方は、早めにゲットして方が良いかと思います。なんせ、紙ジャケだしね。

「クールの誕生」〜「テディ・チャールズ・テンテット」と聴き進めてきて、改めて実感する。「ペンの力」は、ジャズの歴史でもあると・・・。
 
 
 
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