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2007年2月22日 (木曜日)

「ペンの力」の傑作です。

なんだか、マイルスの「クールの誕生」を聴いて以来、「ペンの力」のジャズが面白くなって、このところ、「ペンの力」のジャズを、取っ替え引っ替え、集中して聴いている。

ギル・エバンスとか、クインシー・ジョーンズとか、アレンジを主たる生業としているミュージシャンは、「ペンの力」のジャズをリリースし続けていたので、これはこれで、また、取り上げるとして、マイルス、テディ・チャールズと取り上げてきたのは、他でも無い。彼らは、アレンジャーとして、「ペンの力」のジャズ・アルバムを創り上げたことに加えて、単に、演奏者としても、素晴らしいパフォーマンスの持ち主なのだ。

今日、通勤の帰り、ずっと聴いてきたのは、オリバー・ネルソンの「ブルースの真実(Blues Abstract Truth)」。このアルバムは、一昨日から聴いてきた「ペンの力」のジャズの傑作の一つ。オリバー・ネルソン自身も、アレンジの才を発揮するかたわら、テナー・サックス奏者としても、このアルバムで、結構、バリバリにテナーを吹いている。頼もしい。

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「ブルースの真実(Blues Abstract Truth)」、オリバー・ネルソンがブルースを題材にして作編曲した定評あるジャズの名盤。参加メンバーは、フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(as,fl)、オリバー・ネルソン(as,ts)、ジョージ・バーロウ(bs)、ビル・エヴァンス(p)、ポール・チェンバース(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1961年の録音。Impulseレーベルからのリリース。

しかし、なんだなんだ、そうそうたるメンバーではないか。当時のジャズの最先端を走っているミュージシャンばかりではないか。特に、僕としては、ドルフィーとビル・エバンスの参加に興味を覚える。7人編成セプテットによる演奏なんだけど、たった7人で奏でるアンサンブルとは、にわかに信じがたい、その重厚なアンサンブルが素晴らしい。

しかも、この部分は、このアルバムの最大の「売り」の部分なんだけど、しっかりアレンジされた、いわゆる「ペンの力」のジャズでありながら、各メンバーの個性がダイレクトに伝わる、卓越したソロが素晴らしい。フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(as,fl)、オリバー・ネルソン(as,ts)、ビル・エヴァンス(p)と、この4人のジャズ・ジャイアントのソロは素晴らしいの一言。1フレーズ聴くだけで、誰のソロかがすぐ判るくらいの、個性溢れる、アレンジの枠組みの中で、そのアレンジの枠組みを感じさせないソロ。

このアルバムは、オリバー・ネルソンの卓越したアレンジと、そのアレンジされた枠組みの中で、ジャズ・ミュージシャンならでは、個性とインプロビゼーションの閃きを重視したソロ演奏のバランスが見事にとれた、唯一無二の成果だろう。

曲の展開も、従来のハード・バップの展開を確実に踏襲しており、典型的なジャズの演奏として、真に教科書的な演奏が展開される、模範的なアルバムである。しっかりアレンジされているので、ユニゾンOK、ハーモニーOK。7人で演奏されたとは思えない、ぶ厚い演奏。ブルージーでジャジー。ジャズのエッセンスが全て、このアルバムに、「ペンの力」でしっかりとアレンジされて、しっかりと取り込まれている。

加えて、このアルバムは音質が素晴らしく良くて、録音はBlueNoteレーベルの録音で有名な、ルディ・ヴァン・ゲルダーが担当している。

特に、このアルバムの冒頭、ネルソン作のスタンダード曲「Stolen Moments」はマイナー・ブルースの佳作。この曲の前奏だけで、ああ、ジャズって良いなあ、って思ってしまう。ほんとに、雰囲気のあるアルバムですよ。これは・・・。
 
 
 
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