フェンダー・ローズを愛でる・3
疲れた。今週はとても疲れた。そして、眠い。今日の会社の帰りなんか、眠たくて、頭が痛くなったほど。まあ、それほど、今週は働いたということ。明日は休み。ゆっくりと寝させてもらおうではないか。
さて、今日の通勤音楽は、いよいよ、フェンダー・ローズの使い手の最後、いよいよ、真打ちの登場である。その真打ちとは、チック・コリア(Chick Corea)である。この人のフェンダー・ローズは凄い。フェンダー・ローズには、フェンダー・ローズの弾き方っていうものがあって、フェンダー・ローズを生ピアノのように弾いても、なんの意味も無いんだが、このチック・コリアは、フェンダー・ローズならではの弾き方が出来る第一人者である。
かのマイルス・デイビスが電気化していった時、フェンダー・ローズを生ピアノのようにしか弾けないハービーに代わって、マイルス・グループのレギュラーとなったのが、このチック・コリア。あのマイルスが、チックのフェンダー・ローズの弾き方にはたいそう満足したというから凄い。確かに、フェンダー・ローズって、その音の表現という面で、こんなに可能性を秘めた楽器だったんだ、とチックの演奏を聴いて、強く思ったのを覚えている。
さて、今日の通勤音楽のアルバムは「Light as a Feather」。チックのフェンダー・ローズの神髄を聴くなら、絶対に「Return to Forever」である。このアルバムに、フェンダー・ローズの演奏の神髄がある。が、このアルバムは芸術の域に達した「最先端のジャズ」なので、朝、通勤がてらに聴くには、ちょっと「辛い」。聴きこんでしまうからな。道を歩いているときなど「危ない、危ない」。なので、この「Return to Forever」の次に出た、「Return to Forever」に比べて、ちょっとポップな「Light as a Feather」を選択した。
でも、この「Light as a Feather」も大変良いですよ。結構、評論家の方々やジャズ・ファンの方で、「Light as a Feather」は、「Return to Forever」と比べて、ポップになって、神秘性、緊張感が薄れて「イマイチ」なんて、言われることがあるが、僕からすれば、的はずれも甚だしい。そもそも、コンセプトが違うのだから、「Light as a Feather」と「Return to Forever」を比べること自体、ナンセンスである。「Light as a Feather」は『親しみやすさ』と『演奏性の高さ』がバランス良くミックスされており、聴きやすく、演奏テクニックも楽しめる。
そして、極めつけは、なんと言っても、ラストの名曲・名演「スペイン」である。「アランフェス協奏曲」をイントロに用いた、スパニッシュな雰囲気満載の人気曲。僕はこの「スペイン」には、からきし弱く、このチックのオリジナル「スペイン」を聴いて以来、「スペイン」のカバーが収録されているアルバムを片っ端から、買い続けている有様。フローラ・プリムの爽やかで神秘的な歌声と、チックの変幻自在のフェンダー・ローズがたまりません。
ということで、僕の中での「フェンダー・ローズの使い手」の第一人者は、チック・コリアでした。
余談になるが、最近、ブレイクして人気者の「上原ひろみ」。初めて聴いたときから、この音、どっかで聴いたような、この演奏のコンセプト、どっかで聴いたような、という感じがしていたのだが、その一つが「チック・コリア」じゃないか、と最近思うようになった。
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