フェンダー・ローズを愛でる・1 『Strokin'』
暖かい一日。東京でも気温は16度まで上がり、3月下旬〜4月上旬の陽気。1月末としては、異例の暖かさ。でも、寒いのが嫌いな僕にとっては、幸せこの上ない。しかし、昨晩、寝付きが悪く、夜中の2時過ぎまで寝られなかったので、とにかく眠い。すごく機嫌が悪くなるくらい眠い。
さて、今日は、朝からちょっと暖かい雰囲気のある朝なので、気分は「フュージョン」。空は晴天。朝日はキラキラして爽やかで、気分は「フュージョン」。最近、ジャズでの、フェンダー・ローズの扱いについて、興味を持っていて、勢い、フェンダー・ローズの使い手のアルバムに触手が伸びる。
今朝の通勤音楽は、Richard Tee『Strokin'』(写真左)。1979年の作品。ティーのファースト・アルバム。フェンダー・ローズの使い手で、フュージョンのジャンルといえば、まず浮かぶのは。リチャード・ティー。彼は、1970年代後半にフュージョンバンド「スタッフ (Stuff)」のピアニスト、キーボーディストとして活躍。スタッフ解散後はソロやセッションミュージシャンとして、幅広い分野で活躍。惜しくも、1993年前立腺癌で死亡した。享年49歳であった。
このティーのファースト・アルバムである「ストローキン」、ティーはフェンダー・ローズの使い手として代表的な一人なので、アルバム全編に渡って、フェンダー・ローズが炸裂するかと思うのだが、そうでもない。彼の演奏のルーツである、爽快感と疾走感溢れるファンキーなピアノがフューチャーされている。ファースト・アルバムなので、自分のルーツをしっかりと押さえておきたかったのかもしれない。
しかし、5曲目の「ヴァージニア・サンデイ」で、ティーのフェンダー・ローズが炸裂する。スローテンポな楽曲で、ソフト&メロウなフェンダー・ローズが炸裂する。これだけ、情感豊かに、優しく爽快感のあるフェンダー・ローズを鳴らせるのは、リチャード・ティーだけだろう。聴いていて、心地よく、切なくなるようなティーのフェンダー・ローズ。この1曲だけでも、この「ストローキン」を聴く価値がある(最後、フェード・アウトされるのが残念なのだけど)。
先ほど「爽快感と疾走感溢れるファンキーなピアノ」と表現したが、このファンキー・ピアノが炸裂するのは、ラストの「A列車で行こう」。デューク・エリントン楽団の演奏で有名なスタンダードだが、このティーの「A列車で行こう」を初めて聴いた時、「こんな弾き方があったんだ」と凄く感動した。ファンキーこの上ない、それでいて、ノリ良くて、ベタベタしない、爽快感溢れるティーのピアノ。そして、壮絶なまでのスティーブ・ガッドの新感覚ドラムと相まって、素晴らしいドライブ感だ。
フェンダー・ローズを弾きこなすコツって、もしかしたら、「爽快感と疾走感溢れるファンキーなピアノ」が弾けることが最低条件なのかもしれない。ティーの「ストローキン」を聴いて、ふと思った。
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