年末にしみじみ聴くジャズ
いや〜、寒いですね。今日には強い季節風はおさまる、という気象庁の予報だったが、どうしてどうして、千葉県北西部地方は、夕方までビュービュー吹いていましたぜ。寒いの何のって、外へ出る気力も出ないほどの寒さ。よって、今日は家で、iTunes と格闘していた。
さあ、いよいよ、今年も後2日。今年を振り返ると、今年ほど個人的に劇的な年は久し振り。自分の置かれた立場にとまどったこともあったけど、自分でも絶賛したくなるほど、今年はギリギリのところで「ツイていた」。もう、これしかない、というピンポイントで、様々な偶然の出来事が重なって、自分にとって「最悪の状況」が、「まあまあの状況」まで変化したのには驚いた。人間的に劣ってはいるが、権力を持っている人間に、自分の人生を翻弄されるのは許せない。よって今年の事は絶対に忘れない。
閑話休題。さて、年末になると、「ああ、今年も終わりだなあ」としみじみするんだが、そんな「しみじみ感」にピッタリとフィットする曲を選んで流したりすると、年末感がさらに増幅されて、さらに「しみじみ」してしまって、心が爽やかになっていく。そんな、ジャズの曲のひとつが、キャノンボール・アダレイ・ウィズ・ビル・エヴァンスの「ノウ・ホワット・アイ・ミーン」の中にあるんですよ。
このアルバム、豪快でファンキーなサウンドのキャノンボールが、リリカルで繊細なビル・エヴァンス(p)、そしてMJQの堅実で職人芸なリズム隊パーシー・ヒース(b)とコニー・ケイ(ds)という、かなり異色な顔合わせながら、しみじみとした歌心に富んだプレイを聴かせる「隠れた名盤」のひとつ。組み合わせを見ただけでは判らない「組み合わせの妙」が楽しめる。
このアルバムの中の2曲目「グッドバイ」。これが、実に「しみじみ」くるのだ。この演奏は「秀逸」。キャノンボールの泣きのアルトと、エヴァンスのロマンティックなピアノが素晴らしい相乗効果を出して、そして、この曲の持つ「しみじみ感」を増幅して、聴き終えた後、ドップリと「しみじみ」してしまう。今年を振り返り、来年に想いを馳せる「きっかけ」作りに良い曲です。僕も、この曲は年末によく聴く曲です。
追伸ですが、このアルバム、「ワルツ・フォー・デビイ」もとっても良い出来です。エヴァンスの美しいピアノと、明るいトーンで軽く出ながら次第にエモーショナルなってくるキャノンボールのソロが素晴らしい。ファンクの商人などと陰口を叩かれたキャノンボールですが、そんな陰口が如何に的はずれなのか、この曲を聴けば判ります。可愛いキャノンボールのポジティブなアルトも良いですよ。
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