力強くて優しいテナーですね
寒くなったよな。朝6時過ぎに起きて、体操して、新聞を1Fのロビーまで取りに行くのだが、カッター1枚ではもう寒い。一枚、上着を羽織らないと、寒くていけない。もう10月の下旬だもんな。東京では、もう夕方5時過ぎたら、日も暮れて、ネオンが綺麗です。
今日は、急にコルトレーンが聴きたくなって、例の超弩級のIPod miniを充電して、コルトレーン三昧の一日。この超弩級のIPod miniって、コルトレーンのボックス盤を全てぶち込んで、プレイリストでアルバム単位に分割した優れもの。
4枚ほどアルバムをハシゴしたんだが、特に感じ入ったのが「Lush Life」。このアルバム、ジャケットがイマイチ(左写真を参照)。コルトレーンの写真は良いとして、この「LUSH LiFE JOhN COLTRaNE」という、いい加減なロゴはなんなんだ。これ、LPサイズだと、結構、ドン引きである。このジャケットでは、購入意欲が湧かないなあ。CDサイズになって、やっとなんとか我慢して購入できるレベル。
でも、このアルバム、ハードバップ時代のコルトレーンの隠れ名盤だと思います。このアルバムでの、コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」、早弾きされても、やかましくなく、耳につかない。適度な早さと長さの「シーツ・オブ・サウンド」は、そのエモーショナルな雰囲気が良い方向に出ていて、心地良い。
冒頭の「LIke Someone In Love」なんぞ、ピアノレスの演奏で、コルトレーンのテナーが堪能できる代物。真っすぐで力強い音色、それでいて、どこかエッジが丸い、少し優しい響きのするコルトレーンのテナー。この時代のアルバムのコルトレーンが、一番、彼の素晴らしいテナーを堪能できると思います。この後のアトランティックからインパルスの時代は、感情のおもむくまま、エモーショナルな「激情テナー」になってしまうので、リラックスして聴くには、ちょっと辛くなってしまいます。
それと、このアルバムの絶品は、表題曲の「Lush Life」。この頃のコルトレーンって、バラードを吹かせると絶品です。この「Lush Life」、素晴らしい出来です。13分56秒と長尺な演奏ですが、コルトレーンのテナーは、聴き手を飽きさせない。凄いテクニックと表現力です。是非、一度は聴いていただきたい名演だと思います。
大学時代から社会人になって、40歳過ぎるまで、この「Lush Life」っていうアルバムは、ジャケット・デザインにドン引きして、手に入れるには至らなかったのだが、40歳過ぎて思い切って購入して、こうして何度も聴き返してみると「ああ、思い切って手に入れて良かった」と心から思える、「ジャケ買い」とは正反対の隠れ名盤です。
人は見かけによらず、と言いますが、このアルバムは「見かけによらず」です。
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