「ソフト&メロウ」の究極盤
大荒れの天気である。朝から風強く雨強く、今日は珍しく、レインコートを着て駅まで歩いていった。そして、帰宅時、朝よりも強い風、強い雨。これはもう台風である。台風そのものである。雷も鳴っているし、なんなんだ〜、この天気。傘が役に立たないほどの風雨なので、帰りも珍しく、朝着ていったレインコートを、またまた着て帰宅。そして、朝から「寒い〜」。
こんな悪天候のせいなんだと思うんだが、今日も体調がなんとなく優れない。怠いのと眠いのと、とにかくユルユルである。これだけの悪天候だと、気圧がかなり低いので、体調に影響するのは経験則として理解しているが、とにかく眠い。そして怠い。まあ、急に寒くなったしな。僕は昔から急に寒くなったり、急に暑くなったりする、急激な気温変化に弱いからなあ。
昨日のブログにも書いたが、体調がユルユルで優れない時は、ハードなジャズは絶対に受け付けない。いわんや、ロックなどもってのほか。そして、生の楽器では無く、電気楽器の音楽が中心の演奏が聴きたい時。こんな時は、体と心が十分にリラックスできるフュージョン、心が癒されるフュージョン。これに限る。こんな、体調がユルユルの時にピッタリのフュージョンを、いざというときに忍ばせている。
といって、フュージョンって、緩やかな優しい音色とリズムでアルバム一枚貫き通したアルバムが、実はなかなか無い。ファンキーなノリノリの明るいリズムや感情豊か過ぎるほどのサックスの音色とか、感情移入120%のフェンダー・ローズの音色とか、メリハリの効いた硬派な演奏が多い。そんな中で、緩やかな優しい音色とリズムで一世を風靡したアルバムがある。
そのアルバムは、Grover Washington Jr.『Winelight』(写真左)。ラルフ・マクドナルドのプロデュースによる、1981年の大ヒット作。とにかく、ベタな表現をすると「ソフト&メロウ」の一語に尽きるアルバムです。
収録されている曲の中でも、とりわけ「ソフト&メロウ」なのは、ビル・ウィザースがスウィートに歌い上げるボーカル・ナンバー「Just The Two of Us」。この曲、当時の邦題は「クリスタルの恋人達」。凄いなあ。こんな甘ったるい趣味の悪い邦題、見たこと無い。でも、この曲、そのソフト&メロウの究極をいく曲で、僕は結構好きです。
このアルバム、よく見ると、バックを固めるミュージシャンは錚々たる顔触れで、ドラムはスティーブ・ガッド、故リチャード・ティーの包み込むようなフェンダー・ローズがたまらない。故エリック・ゲイルのブルージーなギター、ベースは、後にマイルスとも共演するマーカス・ミラー、今となってはほとんど夢のような布陣。加えて、プロデューサーのラルフ・マクドナルドのパーカッションも実に小粋な風情で、渋〜い「大人の」音楽といった趣きです。たまりません。
まあ、一般には、この「ワインライト」ってアルバムは、フュージョン・ファンの間でも「軟弱の極み」とされている向きがあるが、体調の優れない時や、心が晴れないとき、結構、染みますよ。軟弱じゃ〜って言われても、やっぱり、時々、聴いてしまう。そんな魅力ある、終始一貫、優しく、心安らぐ音色のアルバムです。
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