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2006年10月19日 (木曜日)

小粋なピアノ・トリオの条件とは

サラリーマンもベテランとなると、なにかと色々、面白くないこともある。といって、面白くないことがあっても、それを上手く回避する術を知っているのも、ベテランのなせる技。面白くないことがあっても、しっかりと、自己完結して、家に着くときには、すっかり自分の中で解決している。

そんな、ウィークデーなど、仕事で疲れて帰ってきて、晩酌をして、晩ご飯を食べて、風呂に入って・・・・。そして、寝る前のひととき、本など読んだり、ネットサーフィンしながら、何気なく、耳を傾けるジャズは、ピアノ・トリオが多い。

ピアノ・トリオの中でも、リラックスして聴ける(聴き流せる)演奏は、1950年代後半の、ハード・バップ華やかなりし頃の演奏が一番だ。それも、歴史的名盤といわれる超有名盤ではなく、最近では、小粋な、チョビっと通好みのピアノ・トリオを物色して、しばしば、悦に入っている。

Speak_low小粋なピアノ・トリオの名盤と呼ばれる演奏には、共通点があるみたい。ピアノがオーソドックスで、確実なピアノであること。ドラムは、前に出過ぎず、引っ込みすぎず、力強さと繊細さのメリハリが利いて、スネアがターンと響いて、バスドラが時に、ドドッと響く感じ。そして、一番大切なのはベース。確実にベースラインとリズムを押さえて、地味ながらしっかりとその存在感をアピールする、


「ズンズンズン」というベースの響き。ドラムがドドドッ、ベースがズンズンズン、ピアノがポロロン。これが、小粋で素敵なピアノ・トリオの必須条件のひとつと言える。この条件、結構、揃ってそうで、なかなか、そうではないのが、これまた、ジャズの面白いところ。

このウォルター・ビショップJrの「スピーク・ロウ」なんぞ、この必須条件が揃っている、地味だけど、ピアノ・トリオの名盤と言える一枚。

華々しいテクニックには、そんなに恵まれていないんだけど、そのリラックスした雰囲気がなんとも言えない。そして、ドラムスのG.T.ホーガン。この人も、ジャズ界では結構、マイナーなドラマーだが、控えめながら、ツボを押さえた「粋なドラム」を聴かせる。

しかし、なんといっても、このアルバムの底辺を支え、このアルバムの評価を支えているのが、ジミー・ギャリソンのベース。ズンズンズンと響く重低音、軽やかなステップのようなウォーキング・ベース。このアルバム、実は、ギャリソンのサイドマンとしての代表的名演だったりする。

とにかく、粋なピアノ・トリオ。どの曲も、リラックスして、じっくりと聴けます。さあさあ、今宵も、バーボンのロックを片手に、ごきげんな「スピーク・ロウ」。

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コメント

うぉう♪
秋の夜長にウォルター・ヴィショップ・ジュニア??

このアルバム、ジャケ絵はよく知ってるんですが、聴いたこと無いんだ~(大汗)。

yurikoさん、このアルバムはお勧めです。絵に描いたような、ジャズ・ピアノ・トリオで、選曲もまずまずですし、秋の夜長にピッタリです。

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