「implus」より「prestige」
はぁ〜、やっと一週間が終わった。火曜日辺りから体調が優れなくて、どうもいかんなあ、と思いながら、だましだまし今日まで出勤してきた。やっと、一週間が終わった。明日は寝るぞ〜。
体調は少しずつ上向きにはなってきているが、疲れが抜けないのは相変わらず。でも、昨日からのコルトレーン没入は続いていて、今日も、通勤の往き帰りの電車の中で、4枚のアルバムを聴きまくった。
思うんだが、短期間のプレスティッジ契約時に数多くの録音を行なったコルトレーンだが、このプレスティッジ時代のコルトレーンが、彼のキャリアの中で、一番、コルトレーンらしかったのではないかと。この後、レギュラー・カルテットを持って、フリーでエモーショナルな演奏を行ったインパルス時代のアルバムが、ジャズ入門書などで絶賛されて推薦盤となっているが、僕はそうは思わないなあ。
コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏は、僕でも体調の良いときに構えて聴くものであって、リラックスして聴けるものでは無い。決して、コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏が悪いとは言っていない。僕は、今では、このスタイルのコルトレーンも好きだ。でも、ジャズ初心者の頃は、はっきり言うと「嫌いだった」。やかましくて、メチャクチャ。到底、音楽とは思えなかった。やはり、リラックスして聴ける優れたコルトレーンは、インパルスの時代より、プレシティッジの時代に軍配が上がる。
今、プレスティッジのコルトレーンを中心に聴き込んでいるが、このプレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー・アルバムには駄作は無い。平凡なデザインのジャケットばかりだけど、このプレスティッジ時代のコルトレーンは、デザインセンスの悪いジャケットに騙されてはいけない。
特に、今日、これは凄いなあ、と思ったのは「スタンダード・コルトレーン」というタイトルのリーダー・アルバム。このアルバムは、58年7月11日の全8曲のセッションから、4曲を選曲したスタンダード・ソング集。コルトレーン・ジャズの発展途上段階のアルバムではあるが、どうして、そのとても優れた内容に、改めて敬服しました。
これって、インパルス時代の「バラード」より内容が良いのではないか。難点と言えば、曲数がちょっと少ないだけである。ストレートにしっかりとした音で吹くテナー。そして、耳に付かない、適度な長さの高速早弾きのテクニック。歌うように感情の抑揚をくっきり付けて、時には優しく、時には激しく、聴いていて飽きないその構成力。取り上げられている曲も、実にマニアックで充実している。
インパルス時代のコルトレーンも優れている。でも、プレスティッジ時代の「スタンダード・コルトレーン」のような隠れ名盤にも、もう少し、スポットライトを当ててあげたい。ジャケットの稚拙さとインパルス時代盲信主義だけで、見過ごしてしまうには、あまりに惜しい。それほど、優れた聴きやすい、ハードバップ時代のコルトレーンが堪能できます。
リラックスして聴きたい時のコルトレーンは、「implus時代よりprestige時代」ですね。
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